ファミレスの中の戦争-1-
近藤さん暗殺未遂から早くも一週間が過ぎた。真選組はまだドタバタと忙しいようで、剣の師範としての仕事も止まってしまっている。しかし、よろず屋の方はいつも通り特に何かある訳でもなく、たまに迷子を預かったり親を見つけたり、ご老人に道案内してあげるといった仕事がぽつぽつあった程度だった。そんな中銀さんから、真選組局長近藤さんからギャラが正式に入ったとの通達があり、僕たちよろず屋はファミレスに打ち上げに来ていた。
「おーし、今日はゴリラから貰ったギャラで飲み食いするぞ〜。ギャラ分は飲み食いしていいからな、それ以上は銀さんは知らないよ。勝手に皿洗いでも掃除でもしてどうにかしろ〜。はい!店員さん!パフェ持ってきて〜!いちごパフェにチョコレートパフェ、あと宇治金時丼にいちごミルク、よろしく!!」
「ちょっと、銀さん!落ち着いて……。ここは何か一言とか無いんですか!?まぁ、いいか。すみません、僕はサバの味噌煮定食……と、後大盛りポテトフライを。皆ポテト食べますよね?」
「御託はイイからさっさと始めろヨ!こちとらハイセの金があっても贅沢できてないジリ貧企業ネ。メニューのここからここまで、量はミンナ大盛りでヨロシ」
銀さんと神楽ちゃんは良いとして、新八くんも珍しくはっちゃけてる様子だ。いつもよりツッコミが少ないし、すぐメニューを注文してる。まぁ、いつもしっかりしてる新八くんもまだ10代の子供ってことかな。僕も注文しようっと。
「銀さん、予算は大丈夫そうですか?神楽ちゃんえげつない注文の仕方してますけど……。僕は単品のハンバーグとハンバーグ定食を。ソースはそれぞれデミグラスと和風おろしで。あと珈琲をお願いします。あ、珈琲はブラックで」
「あー、予算ね。ま、多分なんとかなるだろ……そんな気にすんなよ、ハイセ。お前はよろず屋の仲間であり俺たちの大黒柱だしな。それに、俺も無策って訳じゃねぇぜ?」
銀さんは何か企んでいるみたいだ、それもかなり悪どいニヤけ顔をしているのでろくでもない事を考えているのだろう。誰か被害に遭わなきゃいいけど……。そんな事を考えていると、見覚えのある顔ぶれがファミレスの入口からやってきた。
「ここのはずなんだけど……。あっ、新ちゃんと神楽ちゃん!ハイセ君に銀さん!揃ってるみたいね、私達も早く席に着きましょ、九ちゃん」
「うん、お妙ちゃん。あの銀時が会食を催し、費用も持つだなんて、何か企んでる可能性がある……。万が一、お妙ちゃんに危険が及ばないよう、ボクが守るしかないからね」
お妙さんと九兵衛さんがやってきた。銀さんの言っていた策とはこの2人のことだろうか。しかし、僕にはわからなかった。九兵衛さんは、江戸で有名な柳生家の出身だが、もしかして、たかるのか……?
僕が銀さんの策について頭を悩ませていると、不意に銀さんへと声が掛けられた。
「お、ジャンプ侍じゃねぇか。ん?なんだ宴会でもやんのか?ここで会ったのも何かの縁。俺も参加させてもらうとするか。すまん、ピザ2枚を頼む。マルゲリータと、あとシーフード」
「あ?お前何勝手に頼んでんだ!?おい、座んな!!ったく、ここの住人はどいつもこいつもどうかしちまってんのか……」
この人は……。確か忍者の服部全蔵さん。たしか、忍者で、御庭番っていう所にいた人だと思う。あの人自然と席に座ってるけど、銀さんか他の誰かが呼んだのだろうか……。ただ、銀さんの反応をみると、今回の策とは関係がなさそうだ。
少し時間が経つと、料理もぼちぼちと運ばれてきて、それぞれが飲み食いしながら歓談をしていた。僕も、目の前のハンバーグとハンバーグ定食に舌鼓を打っていた。
だけど、食事会の雰囲気が変わりはじめたのは、ある人達がやって来てからだった。