江戸にて夢を見続ける   作:すぱーくしーど

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吉原炎上篇はじめます


吉原炎上篇
スリにご用心


 

 

 銀時は、軽くなった財布を眺めてため息をついた。結構な額のギャラが手に入ったはずが、一晩でほぼすっからかんになってしまったのだ。再びため息をつき、財布を懐にしまって、ぶらぶらと街を歩いていた。すると、前から歩いてきた少年とぶつかってしまう。

 

「ッ!すみません……」

 

「おう、気をつけろな〜」

 

 この時、少年は意図的に銀時にぶつかっていた。彼はある目的があって人の財布をかすめ取っている。そう、この少年はスリを行なっているのだ。今日は銀時がターゲットにされてしまった。

 

「へへ、あの兄ちゃんダラダラした雰囲気してたなぁ。いくら入ってるかなと……あれ?なんだこれ全然入ってないじゃん。オイラの方が持ってるくらいだ」

 

 少年が銀時の財布を確認していると、少し離れた場所で声が聞こえた。

 

「お、最近のガキは結構もってんだな。パチぐらいは行けるな、こいつを増やしてくるかぁ!」

 

 その声は財布を取られたはずの銀時のものだった。銀時は財布をただ盗まれた訳ではなかった。財布を盗ませつつ、相手の財布を奪う、つまりトレードしようとしたのだ。この時、銀時の財布は素寒貧だったので、確実に金は増えると確信しての行動だった。

 

「おい!兄ちゃん!それ俺の財布だぞ!この盗人!!」

 

「おいおい、ヒドい言いがかりだよ。たまたま俺が拾っただけじゃないか……。君も拾ってくれたんだろ?その手に持ってる、俺の財布をさ」

 

 銀時はいくらスリ相手とはいえ、自分も財布を盗ったとなると少し面倒なことになるので、2人とも財布を拾ったことにしたのだった。しかし、銀時はただ優しい、甘い大人ではない。

 

「……。そういうことかよ、兄ちゃんもけっこうあくどいな。はい、財布。渡したんだからおれのも渡してくれよ」

 

「おう、もちろん……ほらよ。ん、あれ?俺の財布、3万は入ってたはずなんたけどなぁ、今は小銭が数十円しか入ってないなぁ?ダメだよ君、人のお金を取っちゃ……ま、今回は君の財布に入ってた5000円で許してあげようか」

 

「嘘だ!!中の金なんて取るほど入っちゃいなかった!……クソ、分かったよ」

 

 銀時は当たり前のように嘘を吐き、少年に金をせびった。少年は財布を盗った事自体は本当なので、仕方なく銀時にしたがった。

 

 

 

 

 

 

 

 特に仕事もないので、街を歩いていた時のことだ。銀さんと見知らぬ少年が一緒に歩いていて、銀さんは普通に買い物をして、仕方なさそうに少年にも軽くお菓子を買ってあげていた。今の銀さんは少年にお菓子を買ってあげるほどの財力はなかったはずなので、捕まえてスナックお登勢まで連行し、よろず屋メンバーとお登勢さん達で問い詰める。

 

 

「なんで銀さんが見知らぬ子供にお菓子を買ってあげられるんですか」

 

「お前らよぉ、まぁちょっと落ち着けって。普通にパチで勝っ……」

 

「銀さん、嘘はやめてください。大勝したからって知らない子供にお菓子買うほどの甲斐性は無いはずです」

 

「そうですよ、それに先日飲食代でほぼお金使い果たしたじゃないですか!?」

 

「まさか、子供からカツアゲしたアルか!?銀ちゃん最低ネ!!ダメな大人とは思ってたけど、ココまでとは思ってなかったヨ!」

 

「フ〜。アンタが家賃をちゃんと払いはじめた時からあたしゃおかしい、怪しいと思ってたんだよ!」

 

「坂田サン、一線を超えてしまったんデスね……」

 

「銀時様のデータに前科一犯を追加しました」

 

「おい、待て待て!勝手に人を犯罪者扱いするんじゃねぇ!!このガキが俺の財布をスったんだよ!こちらとしては何もしない代わりに、ちょっと小遣い分けてもらっただけだ!!」

 

 スナックお登勢にいる全員から責められた銀時に辛うじてできた言い訳だった。全員が銀時を冷たい目で見ている。

 

「おいおい、誰も信じちゃくれねーよ。このオレ、坂田銀時は必要ならば堂々と嘘を吐くが、今、この瞬間においては嘘を吐いてねぇと誓うぜ。なぁ、晴太もコイツラにちゃんと言ってくれよ」

 

 銀さんにそう言われると少年、晴太くんは自分の話を語りはじめた。

 

 

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