「銀さんの話は本当だよ……吉原にいる、すごい花魁がオイラの母親かもしれないんだ……。だけど今のままじゃ面と向かって話す事もできやしない。だからスリをして少しずつでも金を払っているんだ、あの人と直接会うために……。オイラはあの人とちゃんと話をしてみたいんだ」
晴太くんは、記憶が定かではない時期に母親の手を離れ、老紳士に育てられており、亡くなった老紳士が言うには、本当の母親がまだ吉原にいるという事だった。
「ガキンチョが自分の母親かもしれねぇ女に会うってだけで大金が必要になるか……さすが、愛と憎うずまく吉原だ」
「晴太くん、そんな理由があったんですね……。僕はまだ子供だから早いとか思っちゃいましたよ」
「そこまでマセてないネ、焦んなヨ
「は!?焦ってねーよ!つかなんだよ童貞だからダメなのかよなにか悪いことでもしたのかぁ!?」
「ちょっとマジになりすぎ、キモ……私に話しかけないで」
「テメェ!どうして標準語なんだ!いつものヘンテコ語尾はどこいったァ!?ふざけんなよ、クソボケぇ!!」
神楽ちゃんの挑発に新八くんが全力でキレツッコミを入れている。別に僕もそういう経験は無いけど、新八くんはやけにコンプレックスを感じているようだ。
「フゥ〜。子供が母親に会うってのにスリなんかしてたら本末転倒だよ、全く……。ココで少し働かせてやるから真っ当に汗水流して稼いだ金で、正々堂々会えばいいさ」
「先輩としてビシバシ指導してヤルヨ!子供ダカラって甘エラレルとは思ウナよ!」
「キャサリン様、お子様相手に大人げがありませんよ。困った事があったら私に聞いてください。基本問題ありませんので」
「ばあちゃん達……。はい、ありがとうございます!頑張ります!」
「ばあちゃんじゃねぇ!!お登勢さんって呼びな!!」
「別に間違ってねーだろ」
「うるっさいねぇ!ニート侍!家賃上げるよ!!」
晴太くんのお金事情についてはお登勢さん達がなんとかしてくれそうだ。しかし、吉原に行っても子供だけで花魁に会えるとは思えない……。
「銀さん、お金が貯まったとしても……」
「あぁハイセ、分かってる。ほぼ確実に会わせては貰えねぇだろうな。だが、俺たちがいればどうだ?」
「なるほど。それなら確率は上がりますね、それに上に話を聞いてもらうってのも可能かもしれません」
「あぁ、方法は色々あるが、ガキひとりじゃ出来ないことも大人たちがいれば可能性は大きく広がる」
銀さんはそう言って、晴太くんに向き合う。
「なぁ、晴太。俺たちはよろず屋だ。お前の