銀時達と晴太が接触する数日前、吉原では大事件が起こっていた。吉原を統べる夜の王鳳仙が、何者かと戦闘になったという。この情報は吉原の運営に影響が及ぶと判断され、早急に情報封鎖がなされたのだった。
そんな吉原の飲食店で、大量に飯を食らう1人の男と、その者に連れそう男がいた。
「はぁ……。商談しに来たってのに、どうしてその商談相手と殺りあう事になるのかねぇ……。なぁ、アンタにいってんだぜ、団長」
「ん~、まぁそんな事もあるさ。それよりこの星、地球は良いね、飯が美味い」
「いや、そんな事じゃすまねぇって……上にはどう伝えりゃいいんだ?」
「そうだね。連れてきた部下の内1人は死亡、もう1人は片腕を失いました。次こそ相手を殺しますで良いんじゃないかな?」
「素直にそんな事報告してみろ、俺たちゃ春雨クビになっちまうかもしれねぇぞぉ?最悪の場合、即処刑なんてことも……」
「まぁまぁ、阿伏兎。細かいことは気にしないでさ。相手の機嫌を損ねてしまったのなら、何か喜びそうな手土産を持っていけばいい」
「お?団長、何か当てがあるってのか?」
「これからそれを調べるんだよ、頑張ってね」
「……。このスットコドッコイ……」
飲食店の中で、そのような会話が繰り広げられていた。
晴太の話を聞いた銀時達は準備を行ってすぐに出発し、吉原に到着していた。
「華やかな雰囲気ですね、吉原」
「すごいなぁ……大人の街って感じだ……」
「なんかキラキラしててちょっと眩しいヨ、外ほどではないけど」
地下の色街、吉原。元々地上にあったが、天人の攻撃によって建物が破壊され、その後、避難用の地下を利用して再建築されたのが今の吉原らしい。
「ガキンチョはまだまだ来るような所じゃねぇからな。ぱっつぁんも後数年、十数年で来るようになるかもな」
「興味がないと言えば嘘になりますが……」
「ひとまず、その花魁一目見てみますか」
「そうだな、建物や警備の様子からどんな方法で接触するか考えるぞ」
「「「はい(オウ)」」」
「おお、なんかちゃんと仕事感出てるね!銀さん達!」
晴太くんが感動しているが、銀さんや神楽ちゃんはまだしも僕や新八くんはいつもちゃんとしている筈なのにと思った。
吉原の街を進んでしばらくすると、他の店より一際高いお店に近づいた。晴太くん曰く、母親と思わしき花魁は、いつもこの店の最上階付近にいて、どこか遠くを見つめているらしいが……。残念ながら今は姿が見えないようだ。僕たちは一度出直そうとした時に、晴太くんが声をあげた。
「来た!なぁ、オイラの声聞こえないのか!?おーい!!」
晴太くんの声に振り返ると、最上階には非常に綺麗な女性の姿があった。手すりがあるため、上半身しか見えていないが、美しいと思った。
僕たちだけではなく、お店の警備員達も晴太くんの声に反応していた。十数人ほどお店の中から表れたが、とても歓迎されるとは思えないムードだった。
「またお前か!このガキ!いい加減営業妨害でとっちめるぞ!」
「おっし、実物は拝めたんだ。後はどうやって接触するかかだな。一旦引くぞ、てめーら!」
銀さんの号令に従い、僕たちは警備員を撒くために吉原を疾走した。