僕たちは警備員から逃げていると、吉原の裏路地へと辿り着いていた。ここまで来るとさすがに警備員はまいたみたいだけど、別の追っ手に捕まってしまったようだった。
「騒ぎを起こしていた奴らめ、追いつめたぞ!」
着物で顔を隠した女性達の1人が叫ぶ。クナイを手に持ち、すぐにでも戦闘が始まりそうな雰囲気だ。
「いや、連れのガキが大声出しちまったのは謝るよ?中々見れない美女をだったんで興奮しちまったのかもしれねぇなぁ。だけど、わざとって訳じゃねぇんだ。他にも迷惑かけちまったのは謝るからよ」
「騒いだのは事実ですが、ここ吉原で何か企んでいるわけではありません。ですから、武器を納めてくださいませんか?僕たちに戦闘の意思はありません」
「そうですよ!僕たちはまだ何もしてないじゃないですか!?こんなの横暴ですよ!」
「そうアル、まだ1番べっぴんな女の面借りれてないヨ」
全員で言い訳するが、だんだんとボロが出てきているように思える。
「……!?やはり、日輪様に何かしようとしていたのか!?この曲者が!!」
1人がそう言うと全員がクナイを投擲してくる。銀さんと僕は、新八くんと神楽ちゃんの前に出てクナイを弾き飛ばした。
「ほう、まさかクナイを全て弾くとは、やるな貴様ら」
そう言って、集団の中から現れたのは顔に縫い傷がある女性だった。雰囲気から考えて、この人が集団のリーダーなのかもしれない。
「こんな攻撃、食らってたまるかよ」
「ええ、無抵抗の訳にはいきません」
僕と銀さんは格好つけてはいたが、銀さんはおでこ、僕は肩にクナイが刺さっていた。
「銀さん!ハイセくん!格好つけてるみたいですけど、全然格好ついてないです!むしろ格好悪い!!」
「ええ……。いや、だってあの感じは全部弾けてただろ。そんなオーラ醸し出しただろ……」
「僕も弾いたつもりだったんですけどね、まクナイの1つや2つ問題ないですけど」
僕はそう言って、クナイを抜きすぐに傷を再生させる。その様子を見た銀さんは口を大きく開けて驚いていた。
「え!?おいおい!お前なんだそれ!俺初知りだよ!?再生すんの!?」
しばらく皆と一緒にいて、最初は人ではない事を隠していたが、最近は赫子だけ隠して後はそのままだったので、そのノリで思わずやってしまった。まぁ正直な所、人間以外の生物も結構いるし、人肉しか喰べられない時とは違うので良いかと思っている。
「あぁ、はい。再生持ちです。伝えそびれてましたね」
「お前も天人だったのか〜?別に隠さず言ってくれても良かったのによぉ」
「すみません、いつか伝えようと思ってそのまま忘れてました……」
「なるほど……。1人は自らの身体を盾に味方を守り、もう1人はクナイ1つなんて怪我にもならないとわっちらに誇示するか……」
忍集団の長らしき女性は、やけにポジティブに解釈してくれている。せっかくだしノッてみようかな。銀さんもノルだろうし。
「さすが、この集団の長ですね。僕たちの意図をそこまで読めるとは……この人、中々やりますよ銀さん」
「あぁ、俺は神楽をお前は新八を守りつつ、こいつらへ圧を掛けたってわけだ」
銀さんは僕に合わせてくれたようで、先ほどの雰囲気を誤魔化そうとするように顎をさすりながら答えた。さすった手にクナイが刺さってなければ誤魔化せたが、誤魔化そうとした行動のせいで台無しになってしまっていた。
「っておいいいいいい!!手にもクナイ刺さってるじゃないですか、銀さん!!せっかくあの女性とハイセくんが空気リセットしてくれたのに!!」
新八くんのツッコミが炸裂し、忍軍団の人たちもポツポツと話し始めた。
「っていうか、アンタが守ったっていう娘、クナイ刺さってるよ」
「ってか、銀髪のアンタが弾いたのが刺さってたように見えたよ」
「確かに……、弾かなければあの娘に刺さらなかったかもしれないのに」
銀さんはもう非常に恥ずかしそうに自身と神楽ちゃんに刺さったクナイを引っこ抜いている。
「いや、言ってよ……。なんでみんな後から言いはじめるの……俺完全にカッコつけ損じゃん……」
恥ずかしそうな銀さんを哀れに思ったのか、忍集団の長が雰囲気を変えるように話はじめた。
「そうか、そうやって道化を演じることでわっちらに敵意が無いことを示すとは……中々の強者とみた。わっちは百華の長、月詠。皆よ、彼奴らは怪しいが、悪人ではないと判断する。彼奴らはわっちに任せて皆は通常警備に戻りなんし」
「やっべぇ、この人めっちゃ良い人だよ……」
「そうですね、ここまでフォローしてくれるなんて……」
「とてもポジティブに捉えてくれますもんね」
色々とバタバタしてきたので、また筆が遅くなると思います……。申し訳ないです…。