「あの〜、お頭……」
「なんじゃ?」
「えっと、そこの人と不審者3人は何でしょう?」
「新入りじゃ、まずは鳳仙様の屋敷を案内しようとおもうてな」
「は、はぁ……じゃあそこの人は入っても良いですよ」
鳳仙の屋敷へと到着したよろず屋と月詠。門番の百華は、明らかにおかしい様子の3人を疑い、特に問題はない琲世を屋敷へと招き入れた。
「先に向かってます。月詠さんご案内ありがとうございました。皆さんもまた控室みたいな所があれば合流しましょう」
「まぁ、ヌシなら問題なく入れると思っておった。気をつけろよ」
「私達も後からついていくわ〜ん!ササ子!」
「胸がない女ドモは嫉妬がヒドくてこまっちゃうネ!」
「そう!この曲線美に恐れをなしているの!」
3人ともいちいちポーズを決めないと話せないのだろう、都度姿勢を変えて話してくれた。
「はい、それでは」
「逝ってらっしゃいませ」
門番の言葉に違和感を覚えたのだけど、気のせいだと思う。僕はそのまま開かれた扉を進んで階段を登っていく。すると階段上には、以前遭遇したあの包帯男、神楽ちゃんの兄、神威さんが立っていた。
「んー、聞いてた話と違うけど……。君が
この状況……。どう答えるのが正解なのだろうか。正直に答えるべきか、それとも女性だと話を通すか……。いや、ここは下手に嘘を吐いて後々ボロを出すほうが厄介だろう。僕は素直に答える。
「はい、僕が佐々木琲世です。あなたは神威さん……でお間違いないですよね?僕に何か御用でしょうか?」
「うん。あの子どもから、君が中々やるヤツだって聞いてね、いてもたってもいられずキちゃった♪」
「……晴太クンは無事なんですよね?」
「あぁ、無事……だと思うよ。あのおじいちゃんの機嫌が変わってなければちゃんと母親と合流できてる頃だろうし」
話を聞いて分かったことは、晴太くんは無事、今は日輪さんと晴太くんが近い場所にいて、鳳仙がお気に入りの花魁の子どもが気にならないぐらい機嫌が良いということ。そして、晴太くんは神威さんとすでに接触したという事実。まだ、他にも重要な情報が手に入るかもしれない。
「……。そうだったんですね、ちなみに、晴太くんと日輪さんがどこにいるか、教えてくれませんか?」
「うん、イイよ。代わりにオレからもお願いがあるんだけど……」
「なんでしょう?」
「鳳仙と闘ってみてくれない?」
「は?」
神威さんからの予想外のお願いに、思わず驚いて返事をしてしまった。夜王鳳仙と戦う?何を言ってるんだ、この人は……。
「オレもちょっと闘ってみたんだけどさ、その時は部下に邪魔されちゃって……。キミは中々ヤるんだろ?だから鳳仙と闘ってどのくらい持ち堪えるかなってさ。その実力次第では子どもと母親の安全は保障しよう。オレは鳳仙の元弟子だし、簡単にヤラレないし時間ぐらい簡単に稼げる。どう?中々良い案だと思うんだけど……」
「アナタが晴太くんと日輪さんを連れ出す時間を稼いでくれるってのは分かりました。ですが、僕が鳳仙と闘う理由がよく分かりません。実力を計ってどうしたいんです?」
「うん、そうだな……。まぁ、ここで立ち話もアレだし、ちょっと歩きながら話そうか」
「分かりました」
僕は、神威さんへ近づくために階段を一歩ずつ上がっていった。