仮面ライダーAGITΩ〜Shining Brave〜   作:シュープリン

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俺がバイクに魅了されるようになったのはいつからだっただろう?

 

物心が着く頃には、既にバイクに対する憧れはあったと思う。

 

近所にいたお兄さんがバイク乗りでいつも間近にそれを見ていたから。

 

スタイリッシュな見た目に低いモーター音を鳴らせながら走る鉄の二輪。何もかもが、俺には輝いて見えた。

 

16になった俺はすぐに免許を取った。

 

水泳部の後輩からも羨ましがられ、俺は鼻が高かった。

 

その時たまたま彼女がいた事から、それとバイクを無理矢理合わせて、「バイク乗りはモテる」というジンクスが生まれた時はガラにもなく笑った。

 

俺にとってバイクは体の一部になっていた。

 

俺の人生に深くバイクが関わっていたから、自然と俺の、そして俺と同じように運命に翻弄された人たちの人生をバイクで例えるようになった。

 

俺たち三人は一つのサーキット場を走っている。どれだけ走っても走っても景色は同じで、いつ終わるかも分からないループの中をずっと走っている。

 

俺たちは皆前へ進んでいるように見えて、実際は別々の道を進んでいる。

 

津上は記憶喪失だった。

 

自分が今まで歩んだ歴史がすっぽりと抜け落ちてしまっていた。

 

だから後ろへ後ろへ。自分が零れ落とした物を探す為にサーキット場を逆走していた。

 

氷川は、ただの人間でありながら、いや、人間だからこそ、人々の明日を守るために、俺たちの戦いに食らいついていた。一歩一メートルを噛みしめるようにしながら、前へ前へとサーキット場を走っていた。

 

そして俺は、ある日突然積み上げてきたモノを全て失った。ガキの頃から頑張っていた水泳も、親しくしてくれた人も、何もかも。

 

それでも俺は今日という日を生きようと、サーキットの途中で立ち止まりながらも、その場所を必死になって走っていた。

 

しかし戦いが終わり、皆それぞれの道を歩んだ。

 

津上は、自身のレストランを開いた。俺も一度だけ通ったが、とても旨かった。

 

氷川もまた、警察という仕事に戻り、凶悪な犯罪者から人々を守るために毎日を舞走している。

 

二人共サーキットから抜け出しその先の、新しい人生を歩いている。

 

なら、俺はどうだろうか?

 

・・・・・・・・・

 

俺はどれだけ前に進もうと、その先にあるのは血と死体。

 

俺と関わった人、関わろうとした人は皆いなくなる。

 

だったら俺は、立ち止まった方が良いのではないだろうか?

 

傷つかず、傷つかせず、俺の心も皆の命も、何もかもを守ることが出来る。

 

その選択をした俺を、一体誰が責められようか。

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