仮面ライダーAGITΩ〜Shining Brave〜 作:シュープリン
「んっ..」
自分の頭にスイッチが入ったのを感じて俺は目を開ける。
時刻は6時。この島に来てからはとても健康的な生活になったと感じている。
カーテンの隙間から見えるオレンジの光。俺はそれを感じたくて思い切りカーテンを開けた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!」
夕日を受けながら、俺は大きく伸びをする。夕焼けの太陽は今日も眩しい。
※
零式を片手に、俺はいつものように集合場所である役場に来ていた。だが、今日はどういうわけかのみきが来ていなかった。
『上司は部下より先に来ていないと示しがつかない』と言っていつも俺より早く来ていたのに珍しい。
まぁ、昨日の今日だからゆっくり待つか。と思った時だった。
「あっ、のみき!」
のみきの小さな影が見えて、俺は手を振った。
「あっ、」
「珍しく遅かったな。何かあったのか?」
「いや、えっと..」
何かまごまごとしている。きっと珍しく寝坊したので気まずいのだろう。
「じゃあ見回りでもするか」
気にするなと言わんばかりに俺はそう提案し、前を歩いた。
「あぁ、そうだな..」
のみきは若干戸惑いながらも俺の後をついていった。
※
今日もまた、島はいつものように賑やかだった。木でダルマさんがころんだをしている子どもたち、山へ入っていく猟師、仕事が一段落して休んでいる猟師、海水浴をしている人たちと様々だ。
「おや美希ちゃん、今日も見回りご苦労さま」
住宅地に入った時、島のおばーちゃんから声をかけられた。やっぱり掛けられるのはのみきだ。
「あっ、あぁ木戸のおばーちゃん、今日も元気そうで何よりだ」
「何か元気なさそうだけど、大丈夫かい?」
「いえ別に、大丈夫です。そちらこそ、何か困っている事はありませんか?」
「困ったことなんて無いのが困ったことよ。いつも美希ちゃんが、おかしな子を退治してくれるからね」
「それなら私も嬉しい」
良一の頭のおかしい設定は島全体の相違である事が今日分かった。
※
そして、その頭のおかしい子は今日も元気だった。
「危ねっ!」
「曲がり角に入ったぞ!」
「任せろ!」
俺もすぐさま路地に入り狙撃。見えずとも、良一がどこに逃げ込むのかは何となく分かっていた。
「どこを狙っている?」
「なっ!」
しかし、それは向こうも織り込み済みだったようだった。
良一がいたのは俺が撃った方向とは逆の路地にいた。
「へへーん!俺だって、伊達にのみきに何度も撃たれている訳じゃ無いんだぜ!」
「くっ..」
「だが、結局は全て撃たれているのだろ?」
「ハッ!」
声を聞いて良一は急いで上を見た。続いて後ろ。だけど、どこにもいない。
「前だ」
それが皮切りとなり、今日もまた悲鳴を聞いて終わった。
「恨むなよ。任務だ」
「恨むわ!!」
楽しいなと思った。のみきと一緒に島を廻って、こうして友達と遊んだり、島の皆と他愛もない話をする。何もない、平和な日常。
こんな日々を、俺はずっと待ち望んでいたのかもしれない。
「そろそろ時間か」
「そうなのか?」
「だってそうだろう?そろそろ太陽が落ちる。それまでに帰るってのが決まりなんだから」
「そう..だったかな..?」
何か歯切れが悪い。やはり、昨日の事をまだ引きずっているのだろうか?まぁあんな怖い思いをしたんだ。無理もない。
「そういう訳だから、のみきも今日は見回りもしないで帰れよ。家族も待ってるし」
「....えっ?」
「俺も、■■■■■■前に帰るよ」
俺はのみきから目を逸らし、水平線に落ちる太陽を見ながら言った。