仮面ライダーAGITΩ〜Shining Brave〜   作:シュープリン

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GOLDEN HOUR

ある時、ある場所で俺は誰かと会っていた。

 

全てが抽象的なのは、それだけ記憶が曖昧だからだ。

 

それが夢なのか、いつかの記憶なのか、今現在起きている事なのか、俺が昔読んだ本の物語なのか、俺の妄想なのか、全てが分からない。

 

まるで熱の時に見る夢のような、ただひたすらに一心に泳いでいる時のような、得体の知れない者と戦っている時のような無の心。

 

終わればそれは川の流れと共に霧散するような、そんな薄くて脆い、すぐに消えるほどに弱い物。

 

これは何だと俺は必死に思い起こす。

 

まず、何が見える?

 

すぐに答えは出る。

 

それは金色。

 

窓から見える景色が金色に輝いていた事。

 

辺り一面が窓からの輝きに反射し、全てを金色に染める。

 

そこから俺は、時刻は夕方だと推理する。

 

さらに、俺は『窓からの景色が金色に輝いてる』と思った。

 

つまり場所は室内。

 

そう言えば、石畳を歩いているような感覚が、その時にはあったのを思い出す。

 

じゃあ次だ。

 

俺は誰に会っていた?

 

分からない。だけど、その人が泣いていた事は覚えている。

 

夏休みが終わったら帰らないといけない。それが哀しくて、身を切られるほどに辛くて、こんな時間が永遠に続いて欲しくて、帰りたくなくて、ただ泣いていた。

 

帰りたくなかったのだ。

 

積み上げた物は容易に崩れ、それでも必死に守ろうとしたものは零れ落ち、消え落ち、傷ついて傷ついて傷ついて。その果てが全く見えなくて、全てから逃げたかった。

 

誰かは俺に訊いた。

 

今日はここに泊まらないかと。

 

それに対して、俺は答えた。

 

「今日は泊まらないよ」

 

続けて俺はこう言った。

 

「大丈夫。夏休みは終わらないから」

 

一緒に灯台に泊まった、灯台を皆で掃除した。ぬいぐるみを綺麗にした。おっぱいが大きくなるとかいう謎の体操をやらされた。かき氷で涼んだ。島の外へ行った。島の外で甘い物を食べたり、ゲームセンターを満喫したり、水着を選んだり、ぬいぐるみ屋でたくさんのぬいぐるみを眺めたり、充実した1日だった。

 

パリングルスを食べた。

 

そのパリングルスでベランダを作ると聞いた時は、大いに驚いた。

 

やりたいことが次から次へと出てくる彼女に、俺は眩しさを感じていた。

 

金色の笑顔に、俺は憧れすら抱いていた。

 

だからこそ、俺は考えてしまう。光が眩しければ眩しいほど、影は長く伸びる。

 

俺は本当にここにいるべきなのか?

 

俺は本当は、何がしたいのか?

 

俺のやりたい事が、分からない。

 

「大丈夫。夏休みは終わらないから」

 

俺のやりたい事が分からない

 

「大丈夫。夏休みは終わらないから」

 

俺は今どこにいるのか。それが全く分からない。

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