仮面ライダーAGITΩ〜Shining Brave〜   作:シュープリン

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August 20th(empty)

気付くと俺は、鳥白島に立っていた。

 

分からない。

 

どういう事だ?

 

何が起こっている?

 

回想する。考えろ。何がどうなったのかを。

 

今日俺は、紬と静久と3人で駄菓子屋でかき氷を買っていた。紬と俺は宇治金時。静久は裏メニューのスイを買った。

 

粋だと思った。

 

それを食べながら灯台へ戻った時、大きな風が吹いた。

 

気が付くと、紬も静久も手に持っていたかき氷も消えていた。

 

夏の暑さがじっとりと感じる中で俺はその場に立っていた。

 

何がなんだかさっぱり分からない。

 

「紬?」

 

俺はたまらなくなり走った。

 

「紬!!!」

 

走った。

 

「静久!紬!」

 

辺りをくまなく探す。隠れて脅かそうとしてるだけ、そんなささやかな日常だと縋って。

 

思い込みなのは分かってる。でもそう思ってないとやっていけない。そう信じないと、とても走れない。

 

「蒼!良一!天善!のみき!しろは!鴎!鏡子さん!」

 

そして気付いた。

 

消えたのは紬と静久だけではない。

 

島民が全員消えていたのだと。

 

外で遊ぶ子どもの声も、港で笑う漁師の声も、世間話をするおばさんやおばあちゃんの声も、夏の暑さを一層引き立たせる蝉の声も、何も聞こえない。

 

夏のじっとりとした暑さ以外の物が、島ごと他の物全てから切り離されたように何も無かった。

 

暑さと疲れで俺はとうとう立ち止まった。

 

どれだけ走った?数時間?誰もいない恐怖で麻痺してるだけで、1時間も経っていない可能性も否定できない。

 

太陽がずっと真上にある気がする。腕時計は秒針がピクリとも動かない。電池切れか?

 

蒼に太陽から時間が分かる方法を聞けば良かったかな。

 

どこかで休もう。少しだけ。

 

休むと言えば、1つしかない。この島に来て心から休まる場所はあそこだけ。

 

光に導かれ船が泊まるように、傷ついた心を休める場所は1つだけ。

 

探していない場所は1つだけ。

 

頭の中には常にその場所を思い浮かんでいた。だけど、行くことは出来なかった。

 

怖かった。

 

もしも誰もいなかったら、俺は本当に一人なのだと思い知らされる気がして。

 

だけどもう、そうは言ってられない。

 

ここが何なのか、俺に今何が起こってるのか。何も分からない。

 

言い訳も尽きた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー行こう。

 

俺は灯台に来ていた。

 

夏休みの間毎日のように見たレンガ造りの灯台が、確かに立っていた。

 

だけど、外には誰もいなかった。

 

俺は灯台のドアノブを掴んだ。

 

この中に紬と静久がいるかもしれない。

 

それは喜ばしい事なのに、ドアノブに力が入らない。

 

不安が夏の暑さとともにじっとりと纏わりつく。

 

不安の正体も分からない。

 

分からないまま、俺は意を決して、ドアノブに無理矢理力を込めた。

 

そしてーーー、

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