灯夜side
夏休み、用事を済ませて家に帰るときな子が荷物をまとめていた。
「あ、おかえりなさいっす」
いつも通りの笑顔を向けるきな子だけど……急に荷物をまとめ始めていることがどうにも気になって仕方ない。もしかして……
「きな子……この家から出ていくのか?」
「へっ?」
「その……気を付けていたけど、知らないうちにきな子の事を傷つけていたのなら……ごめん」
「えっと、その……出ていかないっすよ」
「でも荷物……」
「え、あぁ…これは今度一年生のみんなで合宿に行くことになったっす。だからその荷造りをしていたっす」
「あ、そうなんだ」
きな子が出ていくことになったらと思ったら、何と言うか急に嫌だと思うようになったし……
「それにきな子はこの家出ていかないっすよ。灯夜さんと一緒に暮らすのも楽しいっすし、灯夜さんに対して嫌なことをされたって事はないっすから」
笑顔でそう言うきな子……本当に優しい子だな……
「因みに灯夜さんはきな子が出ていくってなったら……どう思っていたっすか?」
「ん…まぁ嫌だなって思ってな。こうして暮らしているときな子と離ればなれになるのが嫌だと思うようになってるくらいだし……」
「あぅ///」
何故か俯くきな子だけど、どうしたんだ?
とりあえず一年生だけで合宿に行くか……それも北海道に……ちょっと心配だな。
「なぁきな子」
「ははは、はいっす!なんでしょう?」
「その合宿……僕もついていって良いか?」
「へっ?」
何と言うか何かあったら心配だし……
「えっと、ちょっと聞いてみるっす」
「悪いな。急に」
「いいえ、大丈夫っすよ」
きな子side
学校で合宿に灯夜さんがついてくることを話したきな子。四季ちゃん、メイちゃんの反応は……
「別に大丈夫。その人、多分きな子ちゃんの事を心配してるだけだし」
「まぁ言われてみれば女子だけでって言うのは危ないしな」
「良かったっす。夏美ちゃんは……」
「いいですの。それに面白いことに……」
「面白いことに?」
「いいえ、何でもないですの」
夏美ちゃんもOKみたいっす。蓮華ちゃんは……
「私もいいよ。灯夜さんとは何度か会ったことがあるからそんなに危ない人ではないし」
そう言えば蓮華ちゃんはきな子と灯夜さんの家の隣に住んでるから、見知った仲っすよね~
夏美side
これはいいネタになるですの……この間はあの天使と言う方の写真を撮ろうとしたら、何故かカメラが動かなくなってしまい、撮れませんでしたが……今回は何事もなく撮れるですの……題して『人気スクールアイドルのスクープをオニナッツが納めた』これは……くっくっくっ……
灯夜side
我ながらきな子に対してどうにも心配してしまうな…………
普通はきな子の事を信じて合宿に送り出してもいいのに……何と言うか心配が先に来てしまうのは……何でだろうな?
「妹みたいな感じだからか?いや……そんな感じじゃないな」
何と言うか……大切な…………
「…………うわっ////」
気がつかない方がいいかもしれない……これは……恥ずかしすぎる…………
そしてついに出発の日……
きな子の友達と軽めの自己紹介をしつつ、夜行バスで北海道へと向かうのであった。
とは言え……
「灯夜さん、早く行くっす」
そう言って手を握ってくるきな子。僕はと言うと……
「あ、うん」
これ、大丈夫なのか?僕は…………
そう一人で緊張しているのであった。
メイside
夜行バスでの移動だから少し寝ようとするが……四季が寄り添ってきてあまり眠れない……
「にしても……」
後ろに一緒に眠るきな子と灯夜って奴は……本当に同居人って関係なのか?
何と言うか仲がよすぎる感じがするし……前にかのんさんたちに話を聞いたら、かのんさんはいい人そうだよって言ってたし、千紗都さんはしっかりしてる人かな?って言ってたし、紗桜莉さんはまぁ安全かなって話してたけど……
「にしても本当にきな子は気を許してるな」
あんなに穏やかそうに寝てるけど……
「どうかした?メイ」
「あ、いや、何でもねぇよ」
「……そう」
四季はまた眠りにつくけど……起きたなら離れろよ
夏美side
中々のイケメンですの。それにこれは本当に面白いことになりそうですの
「あの二人はきっと出来ているはず……それを暴きつつ、何とか収益に……」
とバスに乗る前は思っていたけど……
あの二人の関係を見ると……どうにも踏み込めていない感じがするですの……特にあちらの灯夜という方は……
「うーん、やはり本来の目的の方に集中するべきね」
「どうしたの?夏美ちゃん」
「失敬、起こしてしまいましたですの?」
「まだ着かなさそうだし……夏美ちゃんも寝た方がいいよ」
本当にこの蓮華って子は……まぁ彼女の言う通りですの。少しは寝ないと……
こちらでは紗桜莉はあまり関わらない感じです
感想待ってます!(裏作品、一応書いてはいます)