「暑いっす~」
暑さで怠そうにしているきな子だけど……まだ4月だし、それに……
「暑いのは分かったけど……何で僕の膝の上で寝っ転がるんだよ?」
僕の膝の上で寝てるきな子……余計暑くないか?と言うか重い……とは言わないけどかなり負担がかかってるから止めて欲しいのだけど……
「まぁ僕もこっちに来たときは東京の暑さにやられたけど……きな子が辛いならエアコンかけるか?」
「うぅ~でも灯夜さんが寒くなるんじゃ……」
そこは遠慮するのかよ。さてどうしたものか……扇風機出してもいいけど、埃被ってるから掃除しないといけないし、どうしたものか……あ、そうだ。
「DVDでも見るか?少し涼しくなると思う」
「DVDっすか?」
確か…前に高柳から借りたんだよな。
「えっと『今世紀最大の恐怖が貴方を襲う。心霊映像特集』だな」
「そ、それって……こ、怖いやつっすよね?」
「そうだな。見れば多少は涼しくなると思うぞ」
「う、うぅ……」
因みに高柳がこれを持っている理由は、友達から貰ったらしい。
「そ、その……灯夜さんも一緒に見てくれるっすか?」
「まぁ暇だし」
そんなこんなで一緒にホラー映像を見ることに……
『お分かりいただけただろうか?』
画面に映し出される青白い顔。うーん、これは本物か?それとも偽物か?
『変な影に覆い被される夢を見て、起きたら腕に掴まれた痕が……』
たまにこう言うのを見てて思うのは、実態を持たない幽霊が何で腕をつかんだりできるんだろうか?
『次に呪われるのは……これを見たあなたかもしれない』
これって全国で売られてる奴だよな?だとしたらえらい人数が呪われてる感じがする……
「中々面白かったな」
まぁこう言うのは本物なのか偽物なのか分からないのがまた良いものだよな
「………………」
話しかけるけど、きな子は僕の腕にしがみついたまま、動かないでいた。
「大丈夫か?」
「…………」フルフル
ダメそうだな。さてどうしたものか……
「寝たいんだけど、きな子は……」
「ひ、一人で寝られないっす…………」
「それだと一緒に寝ることになるけど、いいのか?」
「………………」コクン
怖すぎて本当にダメみたいだな。仕方ない。
きな子の部屋で自分の布団を持ってきて、寝ることに……流石に一緒のベッドで寝ることはでき…………
「…………一緒に寝ないんっすか?」
「あのな……きな子……わかってると思うが、色々と不味いと思わないのか?」
「で、でも……」
目を潤ませながらこっちを見つめるきな子……仕方ない。
「手を握っていてやるから、それでいいか?」
「は、はいっす」
手を握り、目を閉じるきな子。眠りについたら離れた方がいいんだけど……離れられそうにないし……仕方ない。諦めて座ったまま眠るか。
きな子side
朝練のために、早朝に起きると灯夜さんがベッドの横で座ったまま眠っていた。
「な、何で!?あ、そっか……」
怖いDVDを見て……それで……でも一緒にいてくれたから……
「灯夜さん、ありがとうっす」
起こさないようにそっと起きて、着替えるのであった。
「おはようございますっす。かのん先輩」
「おはよう。きな子ちゃん」
「そう言えば東京の暑さになれた?」
「まだっす。昨日は灯夜さんと一緒にホラー映像を見てて、怖くって」
「あ~眠れなかった感じ?」
「それで昨日は灯夜さんと一緒に寝たっす」
「へー……えっ!?」
「お陰で怖い夢とか見ずに済んだっす」
帰ったら改めてお礼を言わないと
「寝た……寝た……寝た……」
未唯side
「そう言えば未唯さん」
「何?栞子ちゃん」
「あのDVDってしずくさんのですよね?」
「うん、前にしずくちゃんが……」
『何だかかすみさんがこれを見たあと、怖がって……未唯さんに譲ります』
「だって」
「かすみさん……」
かのんちゃん、未だに……
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