お正月、きな子も僕も北海道には帰らず、こっちに残って過ごすことになった。
「灯夜さん、みかん美味しいっすね~」
「そうだな」
炬燵に入りながらみかんを食べ、のんびり過ごしていた。こんな風にまったりするのも悪くないな。
「悪いけど、お茶おかわりいいかしら?」
うん、二人きりというわけではない。いつも通りと言うかなんと言うか……
「マルガレーテ……お前は実家に帰らないのか?」
「別に無理して今帰るつもりはないわ」
「そうっすよ。灯夜さん。マルガレーテちゃんは実家に帰りづらいっすから」
「あなたね……」
マルガレーテの事情はまぁ色々と聞いてるけど……きな子……お前は笑顔で言うなよ……
「まぁマルガレーテがいるのは予想していたからいいけど……」
「悪かったわね。予想通りで」
とりあえずお茶のおかわりを入れ、炬燵に入り直そうとしたが、あることを思いだし、自分の部屋からあるものを持ち出し……
「ほら、二人ともお年玉」
「わぁ~ありがとうっす~」
「お年玉?え?何でお金を?え?」
あーマルガレーテには馴染みなかったか。まぁこれも文化の違いだろう
「も、もしかして……いつもここに来ては入り浸ってるから……手切れ金?」
「違うからな。というか入り浸ってるって言っても、食料とか色々と持ち込んでくれるから助かってるところもある」
「マルガレーテちゃん、日本とかにはお年玉っていう風習があるっすよ。どういう説だったか忘れたっすけど……」
「そ、そうなの……まぁありがたくもらっておくわ」
「それにしても灯夜さん、マルガレーテちゃんの分まで用意してるってことは、夏美ちゃんや冬毬ちゃんの分も用意してるっすか?」
「ん?何でだ?」
「いや、年明け前に夏美ちゃんが『私と冬毬は灯夜さんからお年玉を貰える予定ですの~』って言ってたっす」
うん、絶対言いそうだな。まぁ用意はしてるけど…………
そんなことを思っていると呼び鈴がなり、出ると……
「灯夜さん、お年玉をもらいに来ましたですの~」
振り袖姿の夏美がいたが……とりあえず扉を閉めた。
「誰だったっすか?」
「間違いだったみたい」
「違いますの!いきなり扉を閉めないでほしいですの!」
「姉者、失礼すぎます。灯夜さん、あけましておめでとうございます」
「ん?真面目だな…ほら、お年玉」
「ありがとうございます。ですが……」
「気にするな」
「はい」
冬毬にお年玉を渡すと、夏美は……
「あの……私には?」
「あげてもいいけど、さっきのお年玉を貰うためだけに来たいい感じがちょっと……」
「ご、ごめんなさいですの……」
謝った事だし仕方ない。僕は夏美にお年玉をあげるのであった。それにしても……
「それにしてもわざわざお年玉を貰うためだけに振り袖に着替える必要あったのか?」
「初詣に行ってきた帰りですので……ついでに灯夜さんの所に新年の挨拶を……あとこれ、お餅です」
冬毬は本当にしっかりしてるな……
二人を部屋に招き入れ、5人でのんびりと過ごすのであった。
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