適当な登場人物紹介
ライアン・ギャリバン
若くして准将にまでなった男。地球方面艦隊の参謀。外見が数万年後に誕生する人類の帝国の皇帝こと宇宙織田信長に似ている。
凄いチートであるが、それ故にか異常者。本作から十年前に起きたオルク襲撃事件で大活躍を果たした英雄であるが、上官を半殺しにすると言うDQN行動を起こし、田舎の地球に左遷させられた。
上官を半殺しにした理由は、本人曰く「あいつ等の狙いが地球だから」であり、狙ってやったらしい。
ホルス・オットー
地球方面艦隊の提督。名前と外見が宇宙明智光秀であるが、大反逆はしない。
こいつも有能な軍人だが、わけあって地球へ左遷させられた。
金本昭
人型兵器タイタンのパイロット。搭乗機体はウォーロード級タイタン「ウォーハンマー」。
地球出身者であり、地球方面艦隊所属のタイタン隊のパイロットの一人。
サルド・ヴァルカン
人型兵器タイタンのパイロット。搭乗機体はリーヴァー級タイタン「ガレッド」。
上官を殴って地球に左遷されたタイタンのパイロット。リーヴァー級タイタンは全長22.3mの後方支援型タイタン。
尚、リーヴァー級の製造技術は40000年頃に失われている。
ス・ギョルン
第十二艦隊の提督。この道二十年の海軍将官。
彼が率いる艦隊は即応部隊であり、装備も艦艇も最新鋭の物ばかり。それに人員の練度も高い。しかも所有艦定数は六十隻以上の大艦隊。
本作から十年前に起きたオルク襲撃事件で他の艦隊と共に防衛戦と制圧に参加しており、当時は一艦長に過ぎなかった提督のギョルンも参加している。
ライアンが地球方面艦隊の練度ではオルクに対応できないと思い、第十二艦隊全てを偽の命令書で地球圏に呼び寄せた。
時は前日に遡る。
かつては人類発祥の地であり、人類が宇宙に生活圏を広げるべく、数多の宇宙船が飛び立った地球であったが、今や数百年前の話。時が経ち、人が少なくなったおかげか環境は回復したが、首都が別の惑星に移れば、寂れた田舎と惑星と化していた。
地球だけでない。かつては賑わっていたであろう太陽系全土が、更に生活圏を広げたために田舎と成り果てているのだ。
遠い星に住む者たちは、その存在を初等教育の教科書、否、端末でしか知る由もないだろう。それ程に地球の存在価値は薄くなっているのだ。それ故にここに配属されている軍の将兵等は左遷組が中心であり、配備されている兵器の殆ども第一線を退いた物が多かった。
尚、火星の方では人型兵器「タイタン」の建造が続いており、今も重要拠点を初め、反政府組織に海賊が潜む危険な領域、未開拓領域への供給が続けられている。最新鋭機はほぼそこへ送られており、地球へ送られるのは、二級戦タイタンの保守パーツくらいしかない。
「たく、ここが攻撃されるって? 宇宙海賊も反連邦組織も居ない宙域だぞ? 通りでここに飛ばされる訳だぜ」
地球の守備軍の要、地球方面艦隊の旗艦、巡洋艦「アームストロング」の士官用食堂にて、一人の士官が艦隊の参謀であるライアン・ギャリバンの悪口を言っていた。
ライアンが着任早々の挨拶で、地球にオルクが攻撃してくるといきなり言えば、地球守備軍の者たちは笑った。地球圏どころか、太陽系全土にほぼ脅威は無いのだ。あるとすれば、隕石か昔の戦争のデブリだけである。
「反連邦組織なら分かるがね。こんな田舎を狙う馬鹿は居ねぇっての。天災って奴は、どいつもこいつも頭のおかしい奴ばかりだよ」
ライアンを馬鹿にする士官に応じ、地球出身者である
確かに反連邦組織なら狙うとされるが、首都と軍司令部は当の昔に別の惑星へと引っ越している。地球を狙って攻撃したところで、統一政権は痛くもかゆくもないだろう。何か隠していれば別であるが、それもまた既に政権の目の届くところに移されているはずだ。
「言われてるぞ。理由を話さないのか?」
「こいつは憶測に過ぎないさ。外れれば、退役するまで地球方面勤務だ」
当の馬鹿にされているライアンが同じ食堂に居たが、昭たちは全く気付かず、天才である彼を嘲笑っていた。
これに注意するか、理由を話さないのかとホルス・オットーは言うが、ライアンは信じて貰えないと理解しており、軽く返してトレイに盛られた食事を取る。それからある重要な事を思い出したのか、一口食べ、呑み込んでから言葉にする。
「あぁ、そうだ。退役どころじゃない。一週間前に軍司令部をハッキングして、第十二艦隊を地球圏に呼び寄せたんだ。今頃は来ている頃だ。外れたら、俺は首だな」
これを聞いたホルスは驚き、口にしていた物を吐いてライアンに問い詰めた。即応部隊の余分とはいえ、それを許可なく勝手に引き抜くなど、厳罰どころでは済まない。良くて降格か除隊処分、最悪の場合は銃殺刑に処されかねないのだ。
「お前! 即応部隊を地球圏に呼んだのか!? 軍法会議どころじゃないぞ!」
「ここの連中の士気と練度が酷過ぎてな。装備は後方なだけに揃ってるが、殆どが二級戦装備ばかりだ。十年前に出て来たあの化け物共の総攻撃を受ければ、奴ら持ち場を放って逃げ出しかねない。左遷組には実戦を経験してる奴が居るが、個々の連中だけじゃ心持たない。だから即応部隊から余分な戦力を頂いた。第十二艦隊全部をな。備えあれば患いなしと言う奴だ」
「ギョルン提督の第十二艦隊全部!? お前、どうなるか分かってのことだろうな!?」
「もちろん分かってる。外れれば、俺が就職安定所で、再就職場所を探す羽目になるだけだ」
地球方面艦隊はライアンの言う通り、士気も練度も低い将兵が多かった。左遷組は実戦を経験している者も含まれているが、ここに左遷させられるだけであって、士気も低いだろう。勤務中にも関わらず、飲酒をしているのが何よりも証拠だ。
装備も二級戦装備が殆どで、主力艦である巡洋艦も、旗艦を除いて二十年も前の物が多い。駆逐艦やフリゲートも同様である。
これを理解しているライアンは、実戦慣れしている第十二艦隊全てを呼んだのが、読みが外れれば彼の軍事キャリアは確実に終わる。
「俺の読みが当たらないのが良い事だ。その結果なら、被害は俺のキャリアだけで済む」
自分を心配してくれるホルスに向け、ライアンはカウンターに向かい、そこから無断で酒類を販売している購買係の士官から数本のボトルを購入し、飲んだくれているタイタンのパイロットや士官の席へ向かう。
「なんすかぁ? 准将、殿…?」
飲んだくれている将校らはライアンに敬礼もせず、真っ赤な顔で尋ねた。そんな将校らに、ライアンは怒ることも無く、無言で酒瓶を彼らの机の上に置いた。
「おぉ~、准将殿も飲むのですかぁ?」
「いや、今のうちに飲んでおけ。明日からは実戦になるかもしれん。二日酔いにならないように、適度に飲んでおくんだぞ」
「…は、はい! 准将殿!!」
尋ねる飲んだくれに対し、ライアンは実戦になるかもしれないから今のうちに、二日酔いにならない要領で飲んでおくように命じ、食堂を去って行った。これに飲んだくれたちは敬礼して、ライアンが出した酒瓶を開け、コップに注いでいく。
「俺も備えておくか…」
その様子を見ていたホルスは、自分の部下たちを注意することなく、明日の実戦に備えるため、酒類を無断販売する購買係の士官の元へ向かった。
艦内にあるタイタンのハンガーにて、パイロットたちはライアンが明日は実戦になると言う言葉に、それが本当になるかどうか賭けをすることにした。
「俺は、実戦にならないのに百」
「俺は二百だ」
「八百」
パイロット等は中央に置かれた二つのパイロット用ヘルメットに、札束を次々と入れていく。右に置かれたヘルメットが実戦で、左に置かれたヘルメットがならないの投票箱だ。
無論、地球方面艦隊のパイロット等が入れるのは、後者の左に置かれたヘルメットの中だ。あっと言う間に、左の方に置かれたヘルメットの中身は札束で一杯になる。誰もが戦闘になるとは思っていないのだ。
「よーし、実戦の方に入れる奴は居ないか? それじゃ賭けにならんぞ。一クレジットで良いんだ。たかが一クレジット、損にはならねぇだろ」
右の方に一クレジットも入っていないことで、誰か入れないのかと問う。これにサルド・ヴァルカンと言う黒人のパイロットが、右の実戦に十枚の札束を入れた。
「おい、サルド。大損だぞ!」
「いや、実戦になるかもしれねぇ。これ、実戦経験者の勘って奴だ。ギャリバンの野郎も実戦を経験している。俺は奴を信じるさ」
実戦の方に入れたサルドに対し、同僚たちは大損だと口を揃えて言う。これにサルドは実戦経験の勘だと告げ、同じ実戦経験があるライアンの言葉を信じたのだ。このサルドの発言に一同は呆れながら、ヘルメットに入った金の回収を始める。
「まぁ、結果はどうあれ、明日になれば分かる事だ」
「俺の勝ちだがな」
「それは無い」
お開きとなったが、サルドは自信満々で自分が勝ったと口にする。左右二つのヘルメットに入っていた金を袋に入れていたパイロットは、実戦になるはずが無いと言ってその場を後にした。
後日、オルクの襲撃で実戦になってしまい、サルドが勝ってしまう事など、無い方に賭けた者たちは思うまい。
次で応募キャラが登場…予定。
今度、ウォーハンマー40kのスーペースマリーンのガチャでもあったら、買おうかな。