ウォーハンマー2600   作:ダス・ライヒ

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名前:小澤 恵梨香(おざわ えりか)
性別:女
年齢:26歳
階級:大佐
乗艦:安土級攻撃航宙母艦一番艦「安土」
概要:15歳の時にタイタンパイロットとして入隊。その後撃墜数を重ねながら僚機の撃墜を許さなかったことから短期間で昇進を重ねる。
今は空母の艦長をしており、第十二艦隊に属している。

艦名:安土級攻撃航宙母艦「安土」
全高:350m(うち船体部高さ280m)
全長:2,700m
全幅:500m
概要:五年ほど前に就役したタイタン用空母。最大で120機が搭載可能。従来の空母通り艦載機も搭載可能である。
キャラ提供はG-20さん


第十二艦隊

『イクサだァァァア!!』

 

「うわぁっ!?」

 

「敵大艦隊、こちらに突撃してきます!」

 

「全砲門開けぇ! 敵はこちらの常識など通用せんぞ! 徹底的に叩き潰せ!!」

 

 第十二艦隊の旗艦「ロッテルド」の艦橋内で、オルクの叫び声が木霊した。この叫びで通信手は驚き、思わずヘッドフォンから耳を離す。レーダー手がオルクを体現したかのような百隻以上の略奪船と岩石を即席の宇宙船とした通称オルク岩の大艦隊の接近を知らせれば、艦隊の提督であるス・ギョルン中将は徹底的に叩き潰すように指示を飛ばした。

 オルクの宇宙船を一隻でも残せば危険だ。一隻でも惑星に落ちれば、そこからオルクの死体から胞子が巻き散らされ、数週間後には何千何万もの増殖して付近の物を手当たり次第に破壊し、目に付いた生物を殺し回る。やがて、その惑星は荒れ果てた大地とオルクだけしか存在しなくなるのだ。

 

「例え残骸でも一隻たりとも地球へ通すな! 一機もだ! 奴らが地球へ降りれば、終わりだぞ!!」

 

「なぜ、残骸でも? 生き残りなど、現地の奴らに…」

 

 ギョルン提督はこの時代において初のオルク戦を経験しており、以下にオルクがどれほど危険であるか身に染みていた。何せ目前で人類が数百年も掛け、入植した惑星一つが経った数週間で死の星と化したのだ。

 一体、何人置き去りにしてきたか。

 それを目前で見ていたギョルンは、オルクの事を知らず、呑気なことを言う首席参謀を殴り付けて脅威性を痛みで分からせる。

 

「貴様、あの事件、いや、戦役の事を知らんからそんな口が叩けるのだ! 全艦並び空母は艦載機全機展開! タイタン隊も全機発艦させろ! 緑の怪物共を一匹残らず撃滅するのだ!!」

 

「な、なにも殴らなくとも…!」

 

 参謀に分からせた後、あの時の悲劇を思い出したギョルンは血走った眼で指示を飛ばす。

 彼がこのような強行に出るのは、何としてもあの悲劇を繰り返さぬためだ。だが、彼の思いとは裏腹に、数万年後の遠未来では、この教訓は生かされていない。

 第十二艦隊に属する多数の巡洋艦と数十隻の駆逐艦やフリゲート、三隻ばかりの戦艦は砲門やミサイル発射管を開くなり、無秩序に突撃してくるオルクの大艦隊に一斉射を浴びせた。○○雨あられの砲撃に多数の略奪船を撃沈していくが、戦うために生きているオルク等は怯みもせずにひたすら突っ込んでくる。

 

『直ちタイタン隊は発艦せよ! 繰り返す、発艦せよ!』

 

 人型兵器タイタンを搭載可能な艦艇は、直ちにその全機を同じく搭載している戦闘機や攻撃機と共に発艦させていく。

 

「ナイト級並びレイブン級戦闘機隊、全機発艦。続いてアタッカーのタロン級攻撃機、発艦!」

 

 第十二艦隊に随伴する空母からは続々と戦闘機や攻撃機と言った艦載機が続々と発艦していく中、二隻の内、タイタン用である最新鋭の安土級攻撃型空母からも続々と艦載機が発艦していった。

 

「艦長、地球方面艦隊よりタイタンは温存せよとの要請です」

 

「は? こちらは指揮系統が違い過ぎるから無視して」

 

 安土級空母の艦長である小澤恵梨香(おざわえりか)は、ライアンの要請を無視するように告げた。自分の所属は第十二艦隊であり、左遷組の地球方面艦隊の指示を受けるつもりは無い。提督であるギョルン中将の指示に従い、多数の戦闘機や攻撃機を展開していく中、タイタンの発艦準備ももうじき終わろうとしていた。

 

「ウォーロード級、クエストリス級、リーヴァー級を含める第一陣タイタン隊、発艦準備完了です」

 

「直ちに発艦…」

 

『ちょっと待て! タイタンはこれから来る敵に備えて温存しろ! 緑の化け物共を殲滅しても、苦労する羽目になるぞ!!』

 

 第一陣の発艦準備が終えた報を聞いて、恵梨香が発艦させようとした直前にライアンが安土の通信機をハッキングして映像通信で直接艦橋へタイタンの発艦を止めるように頼み込んだ。

 彼はオルク殲滅後に来るであろう黒幕の到来に警戒し、その為にタイタンを温存しろと言うのだ。今し方聞いたばかりの恵梨香はそれを信じず、確証はあるのかとライアンに問い詰める。

 

「確証はあるんですか? そんな話、初耳です」

 

『確証はないさ。だが、常にイレギュラーに備えねば、後悔することになる! 外れればそれはそれで良い! 今は待ってくれ!』

 

 この真剣なライアンの頼みに、恵梨香は上司のギョルンの命令か、映像通信に映る何かを警戒する男の頼みを聞くかの二択を迫られた。

 

「艦長、旗艦よりタイタンの発艦がしていないのかと連絡が」

 

「艦長、何をしているんです? そんな左遷させれた男の頼みなど」

 

「発艦命令はまだかと言っております」

 

 提督であるギョルンの命令を実行しない恵梨香に、通信手や副官らが命令を催促してくる。これに恵梨香が更に迷う中、彼女はそのどちらを実行することにした。それは、タイタンの第一陣のみを発艦すると言う物だった。

 

「第一陣発艦! 第二陣は待機!」

 

「了解! 第一陣、直ちに発艦せよ!」

 

「命令は全機発艦ですが…よろしいので?」

 

「イレギュラーに備えての事よ」

 

「はぁ、左遷された男の言う事を聞くなど」

 

 恵梨香はライアンの剣幕が凄まじいので、来るのではないかと言う疑念に駆られたのだ。その為に第二陣のタイタンを温存することにした。副官は辺境へ送られたライアンを蔑んでおり、彼の頼みを聞いた恵梨香に軽視するような目付きで不満を口にする。

 第一陣のみしか発艦しない安土の行動は、直ぐに旗艦ロッテルドから見えており、ギョルンは直ぐに安土に連絡を取る。

 

「なぜ全機発艦させん? 奴らは一匹残らず駆逐せねばならんのだぞ! 講義は聞いていなかったのか!?」

 

『ギャリバン准将がイレギュラーの存在に備えてのことで。現に地球艦隊はタイタンを出しておりません』

 

「あいつか! まぁ、勝手にするが良い!」

 

 艦長である恵梨香の返答にギョルンは、ライアンの奇才ぶりを知っているのか、特に咎めることなく連絡を切ってから受話器を取り、新たな指示を艦隊全体に告げる。

 

「各艦ならび艦載機パイロットに伝達! 地球方面艦隊に遠慮はいらん! 全部叩き潰せ! 一匹たりとも通すな! 全て破壊し尽くすのだ!!」

 

『はっ!』

 

 ライアンが何を考えているかは理解はできないギョルンだが、何か考えがあってのことだと判断したのだ。

 これにギョルンはラインと地球艦隊は当てにならないと判断し、配下の艦隊に徹底的にオルクの大艦隊を叩き潰すように告げた。十年前のオルク襲撃事件を知るベテランの将兵等は応じるが、実戦経験はあるも、オルクを知らない将兵等はその意味を知らないが、命令なので応じる。

 展開されたナイト級やレイブン級の戦闘機は編隊を組み、オルクの宇宙ポッドであるスペースキラーカンや戦闘機であるスペースダッカジェットに襲い掛かり、機銃やミサイルの雨を浴びせ、次々と撃破していく。オルク等も反撃するが、火力と機動重視な設計の兵器では、戦術と練度に優れる人類の戦闘機隊に次々と撃破されるばかりだ。

 オルク特製のタイタンも強固な防御力を誇るが、多数の戦闘機から来るミサイル攻撃に耐え切れず、呆気なく爆散した。略奪船も同様である。

 

「なんだこりゃ? こんな奴らにボコらってたってのか?」

 

『油断するな! 奴ら火力が段違いだ!』

 

「へいへい」

 

 呆気なく撃破されていくオルクの兵器に、まだ十年の軍歴が無いナイト級戦闘機のパイロットは、十年前に人類の軍隊が大損害を被ったことが信じられず、間抜けではないのかと口にした。オルクを過小評価するパイロットに向け、オルク事件に参加していたベテランのパイロットは油断するなと注意する。

 大型タイタンのウォーロード級と中型クエストリス級が抜けようとするオルクの戦闘機やタイタン、略奪船に編隊を組んで突撃する中、その前進を支援型であるリーヴァー級がキャノン砲やミサイルで支援し、地球へ迫ろうとするオルクの軍勢を続々と撃破していく。

 戦況は完全に人類側が優勢であった。これにギョルンの副官が、一応は応援を呼んだ方が呼ぶかどうかを問う。

 

「提督。念のため、太陽系に駐屯する第四艦隊を応援を要請しますか? 戦局は我々が優勢なようですが?」

 

「今はこっちが優勢だろうが、念の為に要請しておけ! ライアンの言うことも一理あるな。十年前はこの三十倍以上は居た。今は百隻しか見当たらん。これじゃあ何らかの威力偵察としか見えん。もしくは前哨戦か」

 

「あの戦力で威力偵察なのか…? しかも前哨戦…? 冗談だろ…」

 

「鳩が豆鉄砲を食ったような顔をするな! 戦闘中だぞ!」

 

 一応は呼んでおけと言うギョルンの指示に従い、通信手に無言で指示を出す。その後にギョルンはオルクの略奪艦隊が少ないと言い、ライアンの言う通り、威力偵察か前哨戦では無いかと疑う。

 

 十年前の事件では、今の三十倍以上のオルクの略奪船が襲来し、惑星一つを破壊し尽くし、全ての生物を殺し尽くした。これに銀河連邦も艦隊を救援と排除を兼ねた艦隊を差し向けるも、いかせんこの時代ではオルクと予期せぬ初遭遇であり、所詮で救援艦隊は敗北した。その後、艦隊の残骸はオルクの略奪船に改造され、次の惑星に向けて侵略を開始する。

 事態を重く見た銀河連邦政府は早期鎮圧を図るべく、オルクの略奪船大艦隊と同等の規模の複数の艦隊から鳴る大艦隊を派遣。激しい艦隊戦の末、練度と装備で勝る連邦の連合艦隊が勝利した。

 宇宙で勝利した後、オルクに占領された惑星の解放に向かった連邦軍であったが、地上でのオルク殲滅は並外れた繁殖力の所為で不可能に近く、核や大量破壊兵器と言った情け容赦ない攻撃で解放するはずだった惑星を死の星にすることで、ようやくオルクを殲滅する事が出来た。

 事件と言うべきだろうか、これは戦役に近いだろう。このオルクとの戦いで人類側は多数の死傷者を出し、二個艦隊が壊滅、惑星一つが死の星になると言う苦い勝利に終わった。

 否、この程度で済んだと言うのが幸いだ。何せ遠未来でのオルクとの戦いは絶望的だ。人類は数多の敵と同様で守るので精一杯なのだ。

 

 ギョルンもこの十年前の戦いで一艦長として身を投じており、艦隊戦に参加し、地上の惨状も支援で見ていた。一度だけであるが、オルクの恐ろしさはその身に染みているので、何かあるのではと疑っているのだ。

 傍から見れば異常であり、オルクを知らない副官は動揺を覚える。これにギョルンは、戦闘に集中するように喝を飛ばした。

 

「第十二艦隊、正体不明艦隊を押しております!」

 

「凄いな。俺たちの出番、もう無いんじゃないのか?」

 

「いや、この程度で済むなら、第十二艦隊はいらん。必ず何隻か、あるいは何機かが抜けて来るぞ」

 

 戦況は練度で勝る第十二艦隊が優勢に見え、地球方面艦隊の出番は無いかと思われているが、ギョルンと同じくあの事件の渦中にいたライアンは、無謀な突撃を繰り返すオルクが第十二艦隊の防衛戦を抜け、地球艦隊の方に迫って来ると告げた。

 このライアンの言葉が数分後に事実になろうとは、誰も思っていない。

オルクに戦術や戦略と言う物は存在しない。ひたすら突撃するのみ。




ディズニー+で色々と見ているので、執筆が遅れてます。

次回もまた読者応募キャラが登場です。
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