今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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一週間の猶予時間! ですわ!

 ライザーとの邂逅を経てから帰宅をし、私はお義父様やコクトーさん、アーシアさんに今回の事を経緯を説明した。

 

「成る程…アテナの神託の『悪魔の不死鳥』とは、フェニックス家の男の事を指していたのであるな」

「るなー」

「そうみたいですわね。まぁ…『あの方』とは比べる価値すらも無かったですけど」

 

 あれで本当に『フェニックス』を名乗る資格があるのかしら?

 一輝さまが憤るのも納得ですわ。

 

「それにしても、その彼と勝負をする事になるとはね。流石は我が義娘。その勇猛さは本当に素晴らしいね」

「勇猛…と言っていいのでしょうか…?」

 

 数だけを見れば『16対1』という圧倒的不利になっているけど、実際には質の部分で私の方が圧倒的に勝っている。

 余り自分を過大評価するのは好きじゃないけど、今回はどれだけ手加減をしても勝つ未来しか見えない。

 一応、相手は『転生悪魔&純血悪魔』なので、体の丈夫さだけはお墨付き。

 技の威力とかはそこまで気にしなくてもいいかもしれない。

 それでも、気を失ったり、骨の一本や二本ぐらいは覚悟して貰いますけど。

 

「ほ…本当に大丈夫なんですか? 姫子さんはたった一人で戦うんですよね…?」

「大丈夫ですわ。確かに私は一人で戦いますけど、相手の総合的戦力は私一人分にも満ちませんわ。コクトーさん」

「なんであるか?」

「手加減などは…しない方が宜しいですわよね?」

 

 本気を出してしまったら、それこそ聖衣なしでも圧勝できてしまう。

 部室で私が仕掛けた『金縛り』一つ程度で、あそこまで動揺していたのが良い証拠だ。

 あの時、グレイフィアさんも多少は驚いていたようだが、それでも彼女は眉一つすら動かさなかった。

 あれが一流と三流との格の違い…かしら。

 少なくとも、グレイフィアさんからは中々に強大な小宇宙を感じましたし。

 

「当然である。此度の戦いはお主にとって重要な『試練』。例え、相手がどれだけ愚かで矮小であっても全力で戦うのを勧めるのである」

「あるー」

 

 やっぱそうなるかー。

 となると、こっちも色々と考えないといけないですわねー…。

 

「試合は今日から数えて一週間後。この期限はお互いに特訓などをする時間ではなく、単純に試合会場を整えたり、グレモリー家やフェニックス家の方々の予定を調整する期間という意味合いが強いみたいですわ」

 

 ある意味、今回の試合は両家にとっても重要な事だし。

 今頃はグレモリー先輩も、ご自身のご両親や向こうの方々になんて自分の意志を主張しようか必死に言葉を考えている最中だろう。

 

「ふむ…出来れば私も是非とも観戦に行ってみたいが…流石に今回は難しいか」

「そうとも限りませんわよ?」

「と言うと?」

「実は今回の一戦、故あって私のクラスメイトの方も一人、観戦をする事になっていますの」

「例の少年であるか」

「るかー」

 

 やっぱりコクトーさんは知っていたんですわね。

 そりゃ、アテナの使いである以上は知っていて当然か。

 

「ダメ元で頼んでみる価値はありますわ」

「では、お願いしようかな?」

「えぇ。お任せくださいまし」

 

 お義父様が見ていてくれるとなると、嫌でも気合が入りますわね。

 これは気の抜けた戦いは出来ませんわ!

 

「我はアーシアと一緒に留守番をしているのである。勝利の報告を楽しみに待っているのである」

「お任せくださいまし」

 

 とはいっても、期限の一週間後までに何か特別な事をする訳でもなく、私はいつも通りの日常を送るだけですわ。

 下手に焦って何かをしようとして、その結果、体調不良などに陥ってしまっては意味が無い。

 こんな時は平常心を持ち続ける事こそが最も重要なのですわ。

 前にも似たような事を言ったかもしれないけど。

 

「それと姫子よ。お主にもう一つ、重要な事を言っておかねばいけないのである」

「重要な事?」

「そうである。お主も既に知っているとは思うが、聖闘士が正式に認められる場には常に『立会人』の存在が必須となっている」

 

 立会人…。

 私が知る限りでは、聖衣を授かる時とは別に、聖闘士として認められる瞬間には必ずや師や教皇陛下のような方々が見守っていた。

 私の場合も決して例外ではない…ということですわね。

 

「それで、今回は我の方で『立会人』の手配をしておいたのである」

「コクトーさんが? 一体どなたですの?」

「…戦う相手は『フェニックス家の男』…となれば、『立会人』に最も相応しき『男』はこの世にたった一人しかおるまいて」

「ま…まさか…あの方(・・・)が…!?」

 

 紅蓮の炎を纏いし最強の戦士!

 金色の翼を羽ばたかせる無敵の鳳凰!

 嘗ては『青銅最強』と呼ばれ、今では『全聖闘士最強』とまで呼ばれているお方…!

 『伝説の五人』の一人が…私の為に時空を超えてやってくる…!?

 

「なんという…光栄極まりないことなのでしょうか…。絶対に無様な戦いは出来ないじゃありませんの…!」

 

 思わず握る拳に力が籠る。

 だって、まさかコッチで会えるかもだなんて想像もしないじゃありませんの!

 

「『神』の力を使えば『こちら』に来ることも不可能ではない。無論、時間制限はあるが」

「それでも十分過ぎますわよ…」

 

 普通の者達には決して分かるまい。

 これがどれだけ光栄で栄誉な事か。

 

「姫子さんは、その『立会人』と呼ばれる方の事を御存じなんですか?」

「勿論。今までに幾度となく悪意ある神々の魔の手から世界の平和を守り続けてきた『伝説の五人の勇者』…そのお一人ですわ」

「えぇっ!? そ…そんな凄い方がやって来られるんですかッ!?」

 

 気難しい性格をしているけど、本当は根が優しいお方でもある。

 それ故に、仲間達からの信頼も非常に高い。

 

「それはまたなんとも…そんな人物と一緒に義娘の雄姿を見られるかもしれないと思うと、年甲斐もなくワクワクしてしまうね」

 

 意外とお義父様みたいな人と気が合うかもしれませんわね。

 私の知る限りでは、どうも一癖も二癖もあるような方々との交流が多いですから。

 特にシャカ様とか。デストール様とか。サガ様とか。

 アイオリア様は…比較的普通かしら?

 

「さて…と。それじゃあ、グレモリー先輩にお義父様も観戦させていいかどうかを聞いてみましょうか。電話で」

 

 その後、なんと電話に出たのは何故かグレイフィアさんで、どうやら先輩の生活の様子を見る為に彼女の部屋に行っていた所で私の電話に出たらしい。

 あのお嬢様も、メイドさんには頭が上がらないってことかしら。

 因みに、私の父と言うことで特別に見学が認められた。

 その際に父が錬金術師である事、ちゃんと三大勢力の事について熟知している事を伝えたのが見学を承知してくれた理由になったのだろう。

 どうせ、いずれはお義父様も何らかの形で関わりそうだったし、これはこれで良い機会と思いましょうか。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 次の日。

 学校に登校して早々に何故か私は支取先輩の手によって生徒会室へと連行されてしまった。

 解せぬ。

 

「か…川上さん! あのライザー・フェニックスとレーティングゲーム擬きをすると聞いたのですけど…本当ですかッ!?」

「一体どこからそれを…って」

 

 そういえば、この方はあのグレモリー先輩とは幼馴染のような間柄でしたわね。

 すっかり忘れていましたわ。

 

「その反応…間違いないようですね。どうして、またそんな事に…」

「まぁ…色々とありまして。一言で全てを説明するのは難しいですわ」

 

 どこから説明をしていいのやら…と言うのもありますけど、それ以上に朝の忙しい時間に全てを説明するのは無理ですし。

 もっと時間に余裕がある時ならば、ゆっくりとお茶でもしながらお教えするのですけど。

 

「リアスが婚約の事をアナタに相談した時から嫌な予感はしてましたけど…まさか、こんな事になるだなんて…はぁ~…」

「あの~…私なら大丈夫ですわよ? 別に嫌々で戦いをする事になった訳じゃありませんし…」

「そうでしょうね…。川上さんは確かに強大な力を持っていますけど、それを悪用したりするような人間ではありません。どこまでも『護るため』にだけ、その『力』を使っている」

 

 …まさか、支取会長からそのような評価を受けていたとは…。

 地味に嬉しいですわね…。

 

「恐らくは向こうから何かを言ってきたんじゃないんですか? 『自分の女になれ』的な事を」

「す…鋭いですわね…」

 

 まるで現場を見ていたかのような鋭さですわ。

 会長は本当に探偵とかが向いているのかもしれませんわ。

 

「川上さんのことですから、試合自体は楽勝かもしれませんね。私から見ても、アナタの実力は並の悪魔は疎か、上級悪魔たちさえも軽く凌駕していると思いますから」

 

 上級悪魔とやらの実力がどの程度かは存じませんけど、あの『冥界三巨頭』や『海皇七将軍』よりも強くなければ問題は無いでしょう。

 え? 冥王臣下の双子神?

 いやいや…彼らの手に掛かれば、一瞬でこの世界の冥界なんて滅亡するでしょう?

 意識を向けるだけで相手を殺せる死の神タナトスや、相手を永遠の眠りへと誘う眠りの神ヒュプノス。

 神話に名を残す神は伊達じゃないというのを身を持って教えてくれる存在ですし。

 

「問題があるとすれば、川上さんの実力を知った魔王様たちが貴女とそのご家族に変なちょっかいを出さないかどうかと言うことですけど…」

「その辺も大丈夫かと。前にも言ったと思いますけど、私には女神アテナの加護がありますから。それは私の家族や自宅も同様。なので、心配はないかと」

「そう…ですか…」

 

 それでも、念には念を入れておいた方が良いに越したことはないけど。

 その事は後で考えるとして、今は目の前にあることに対処していくことを念頭に置くべきですわね。

 

「それに、今回の事が無事に終われば、私は本格的に女神アテナの臣下のような存在になりますから。こういうのを余り自分で言うのは気が進みませんけど…私を敵に回すと言うことは女神アテナを敵に回すという事。巡り巡って、それはギリシアの神々…正確には『オリュンポス十二神族』全員を敵に回すのと同義になる可能性もある。流石の魔王さま方も、海皇ポセイドンや冥王ハーデス、月光神アルテミスや太陽神アポロン、大神ゼウスを同時に敵に回すような愚行は犯さないでしょう?」

「そ…そうですね…」

 

 ま、実際に動くかどうかは不明ですけど。

 それでも、名を出すだけでも良い牽制にはなるでしょう。

 ポセイドンとは半ば和解しているような状態ですし、話によるとハーデスとも休戦協定を結んだ状態との事ですし、場合によっては動く可能性がありますわね。

 そうなれば、必然的に悪魔たちは双子神や冥界三巨頭をも敵に回してしまう訳で。

 

(フツーに考えても無理ゲーですわね…)

 

 黄金聖闘士全員と海皇七将軍と冥界三巨頭が同時に敵に回るとか、相手からしたら悪夢以外でしかありませんわね…同情しますわ。

 

「ですので、余程の事が起きない限りは心配はないかと。今は魔王様たちの動向よりも『顔の無い者』の方が気になりますし」

「そう…かもしれませんね。悪魔側とは違い、暗殺者達はその行動パターンも思考も全く読めませんし…危険度具合は遥かに上かもしれません」

 

 支取先輩も御理解してくれたようで何よりですわ。

 物わかりが良い方と話すと、こっちも気分が良いですわ。

 

「もうそろそろ予鈴が鳴りそうですので、私はこの辺りで失礼しますわ」

「え…えぇ…いきなり連れてきてすみませんでした。このお詫びはいずれまた」

 

 別に気にしなくてもいいのに。

 本当に、知れば知るほどに支取先輩は私の理想とする『姫』の体現者ですわ。

 私も先輩の事を見習わなければ!

 

 

 

 

 

 

 




次回は一気に時間が飛んで、試合になる予定ですわー!




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