今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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ギリシャからの転入生! ですわ!

 聖域(サンクチュアリ)からクレイオスとソニアがやって来た次の日。

 いつも通りに登校した私は、朝っぱらから戦慄することとなった。

 

「…というわけで、ギリシャからやって来た転入生の…」

「クレイオス・ティターンだ。よろしく頼む」

 

 まさかのクレイオスが私のクラスに転入生としてやって来た。

 いや…彼が駒王学園に来ることは知らされていたけど、まさか私のクラスとは思いませんでしょう!?

 

「キャー!! 褐色のイケメンー!!」

「クール系の美少年キター!!」

「凛とした佇まい…素敵…♡」

 

 案の定、クレイオスの姿に魅了された女子達は阿鼻叫喚。

 私と桐生さん以外は、完全に目がハートマークになっている。

 

「な…なぁ…川上さん。あの転入生、さっきからずっとこっちを見てるけど、もしかして…?」

「その『もしかして』ですわ…。詳しいことは後で説明するので…どうか…」

「お…おう…分かった…。川上さんも苦労してるんだな…」

「えぇ…」

 

 この分ですと、別のクラスに行ったソニアの方も大変でしょうね。

 彼女もまた紛れもない美少女ですし。

 こことは逆に、男子達が阿鼻叫喚している事でしょう。

 

「はぁ…なんだか急に慌ただしくなってきましたわね…」

 

 別に賑やかなのは嫌いじゃないけど、それでも限度はあると思う。

 本人に自覚が無いのが質が悪い。

 クレイオスは良くも悪くも天然ですしね~…。

 本当に、どうなってしまう事やら。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 なんとか一日を乗り切り、放課後になってからクレイオス達と兵藤さんを伴って支取先輩達との情報共有をする為に生徒会室に向かうと、その途中でグレモリー先輩率いるオカ研の皆さんと遭遇。

 なんでも、皆さんも生徒会室に向かう途中だったとか。

 あとでオカ研にも顔を出す予定だったので、物凄く丁度良かったですわ。

 

「…と言う訳で、転入生としてやって来た私の仲間達…ですわ」

「クレイオスだ」

「私はソニア。今後ともよろしく」

「は…はぁ…よろしくお願いします…」

 

 いきなり登場した私の同志に、まぁ当然のように戸惑っている生徒会&オカ研の面々。

 これが普通の反応ですわよ。

 皆さんは何も悪くはありませんわ。

 

「まさか、姫子さんのお仲間がやってくるとは思いませんでした…。何かあったのですか?」

「うむ。その通りだ。だがその前に…」

「ん?」

 

 あら? クレイオスがいきなり兵藤さんの方を向いた?

 

「教室では話せなかったが、ようやくこうして顔を合わせられるな。お前が紫龍の弟子の兵藤一誠か」

「お…おう。ってか、師匠の事を知ってるのか?」

「知ってるも何も、紫龍は我等の同志であり、同時に我が最大の友である男が全てを託した男でもある。故に、我にとっても紫龍は仲間以上の存在なのだ」

「師匠の仲間…ってのは薄々想像してたけど…友が全てを託したって…?」

「その辺は追々話す。今回の一件とも、決して無関係ではない故な」

「そ…そっか…」

 

 クレイオスの友…シュラ様ですわね。

 確かに、この度の事とはある意味で最も密接していると言っても過言ではない…。

 

「そう言えば、ソニアはどのクラスに転入したのですか?」

「僕のクラスだよ」

「木場さんの?」

 

 なるへそ…それはある意味でやり易いですわ。

 知り合いがいるクラスなら行き易いですし。

 

「こちらは女子達が騒いでいましたけど、そちらでは…」

「うん…川上さんの想像通り、男子達が大騒ぎしてたよ…」

「「やっぱり…」」

 

 私と兵藤さんが同時に呆れる。

 どのクラスも似たり寄ったりなんですわね。

 それだけ学園が平和な証拠なんでしょうけど。

 

「一体なんだと言うんだろうな? 別に転入生ぐらい、特に珍しいわけでもないだろうに」

「「「いやいやいや」」」

 

 今度は私と兵藤さんと木場さんのトリプルツッコミ。

 普通に考えて、二人同時の転入生って時点で相当に珍しいですわよ?

 しかも、どっちともがギリシャからですし。

 駒王学園じゃなくても話題になりますわよ。

 

「えっと…それでは、お互いに自己紹介をしながらの情報交換と参りましょうか?」

 

 なんで私が司会進行役みたいになってるのかしら…。

 ほんの少しだけ、支取先輩の苦労が分かったような気がしましたわ…。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「な…なんですって…!? コカビエル…!?」

「あの聖書に名を刻まれた堕天使が駒王町に来ている…!?」

「そうだ。これは間違いない情報だ」

 

 軽い自己紹介の後に本題突入。

 コカビエルの名を聞いた途端、全員が真剣な表情になった。

 

「ま…まさか、グリゴリが本格的に動き出して…!?」

「残念だが違う。今回の奴は、以前に姫子が倒した下級堕天使達と同じで、独断かつ単独での行動のようだ」

「独断で単独と言いますけど…流石に名も知らぬ下級堕天使と、知る人ぞ知る最上級堕天使とでは意味合いが全く違ってきますよ…?」

 

 支取先輩の仰る通り。

 同じ堕天使でも、強さの規模が天と地ほどに違う。

 流石に今回は流星拳で決着…とはいかなそうですわ。

 

「け…けど、一体何が目的で駒王町に来るのよ?」

「三大勢力間の戦争…その『再開』だそうだ」

「戦争の…再開…!?」

「確かに、三大勢力間の情勢は事実上の『休戦状態』であり、和平はまだしていない…。物凄く絶妙なバランスで今の状態が保たれているから、何かの拍子で戦争状態に戻ってもおかしくは無い…けど…」

「どうやって…だろう? それはもう分かっているんじゃないか? リアス・グレモリー。ソーナ・シトリー」

「「…………」」

 

 二人の事を名指し…。

 この時点でもう答えを言っているようなもんですわね。

 

「私達二人の命…ですね」

「そうだ。お前達は現四大魔王の近親者。魔王たちを刺激するのに、これ以上の存在はいないだろう」

「でも、待って頂戴。私達の命を狙う事で悪魔勢力を刺激するのは理解出来るわ。でも、天使勢力はどうやって刺激するの? このままでは悪魔たちとの戦争にしかならないわよ?」

 

 おぉ~…グレモリー先輩も少しは成長しているんですのね。

 私と同じ疑問をぶつけてくるとは。

 ちょっとだけ見直しましたわ。

 

「聖剣だ」

「え?」

 

 木場さんが反応した…?

 まさか、彼は例の計画の…?

 

「正確には『聖剣の贋作の贋作』になるのだが」

「…詳しく…教えてくれるかな…」

「いいだろう」

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 クレイオスが教会勢力が有する『偽の聖剣』に関することを全て話し終えると、木場さんが愕然とした表情で俯いてしまった。

 やっぱり、彼は…。

 

「あの聖剣が…偽物だった…?」

「そうだ。普通に考えて、聖書の神に属する者達が『聖剣』を手に入れた…その情報自体がおかしい。そもそも、この世でもっとも有名な聖剣『エクスカリバー』は、異界の聖地『アヴァロン』の住人たちによって鍛え上げられ、妖精による特別な加護が施されている。エクスカリバーの誕生には一切『神』は関与していないのだ。神を信奉する者達には本来は全く縁も所縁もない剣。だが、その名前は世界的にも知れ渡っている。だから…」

「教会側は『エクスカリバーの贋作』を作り上げて、それを本物と偽って崇め奉った…」

「そう言う事だ。偽物だからこそ、簡単に破壊され、そして別の形に変貌してしまった」

「そう…なのか…はは…ははは…」

 

 なんというか…痛々しいと言うか…居た堪れないと言うか…。

 

「…木場祐斗。その反応から察するに、お前は…」

「そうさ…僕はあの『聖剣計画』の唯一の生き残りなんだ…」

「…そうか。何があったか…それを問うような真似はしない。世の中には、忘れた方が良い記憶もある」

 

 クレイオスも、中々に波乱万丈な人生(?)を歩んでますしね…。

 

「一つだけ聞かせてくれるかい?」

「なんだ?」

「教会の奴等が持っているのが偽物なら、本物のエクスカリバーは一体どこに…?」

「我々の元だ」

「…なんだって?」

「アーサー王の死後、エクスカリバーはサー・ベディヴィエールの手によって湖の妖精に返還された。だが、その話には続きがあるのだ」

「続き…?」

 

 あら。それは私も初耳ですわね。

 

「エクスカリバーは、後にその湖を訪れる事になった女神アテナに妖精自らの手で託され、アテナが『この者こそが聖剣を持つに相応しい戦士』であると認めた者にアテナから託され、それが現代に至るまで脈々と受け継がれているのだ」

 

 確かに…シュラ様や、その先代である以蔵さまも、間違いなく『正義』を体現したかのような偉大な聖闘士。

 エクスカリバーを託されるのも納得できますわ。

 

「そして…一誠」

「え? 俺?」

「嘗ては我の先代であり、一番の友であった男が有していた『聖剣(エクスカリバー)』…それは今、お前の師に受け継がれている」

「師…って、紫龍師匠っ!?」

「そうだ。紫龍こそが新たなる聖剣の真の担い手であり、この世界における『要の者』でもある」

「マ…マジかよ…ウチの師匠って…そんなにもスゲー人だったのかよ…」

 

 ふふん!

 どうやら、紫龍さまの偉大さを改めて思い知ったようですわね!

 

「一誠君の師匠が…真の聖剣の所有者…皮肉だね…。一誠君の成長ぶりからも、その人がどれだけ偉大で誠実な人かは伺える。僕も剣士の端くれだからね。それぐらいは分かるさ」

 

 気のせい…かしら。

 少しだけ顔がスッキリしているような気が…。

 

「幾ら、聖剣と言う存在に碌な思い出が無いとはいえ、本物の勇者相手に恨みをぶつけようとは思わないよ。それは完全なお門違いだ。本当に僕が打倒すべきは聖剣じゃない。偽の聖剣を使って僕達を苦しめた者達だ」

 

 …なんだ。ちゃんと分かってるじゃありませんの。

 実は少しだけ心配だったんですけど、どうやら杞憂だったみたいですわね。

 

「…それなら、『あの事』も話してもいいんじゃないか?」

「うむ。そうだな」

「何の事だい?」

「剣士とは、その魂と剣を常に次代に受け継がせる義務がある。それは紫龍もまた同じ。紫龍から『エクスカリバー』は別の人間へと受け継がれている」

「聖剣が受け継がれて…それって…」

「い…いやいやいや! 俺じゃねぇからな!?」

 

 皆が同時に兵藤さんを見たけど、流石にそれは違いますわ。

 それ以外の物ならば数多く受け継いでいるでしょうけど。

 

「残念だが違う。確かに一誠も紫龍に師事しているが、それよりも前に紫龍から指導を受けた者がいる」

「あ…そっか」

「フッ…どうやら、一誠には分かったようだな」

 

 うーん…これって暴露するような事でもないような気がするんですけど…。

 割と普通に気恥ずかしいですわ。

 

「そうだ。今現在、エクスカリバーを所有しているのは…この姫子だ」

「なん…だって…!?」

 

 やっぱ…そーゆー反応になりますわよねー…。

 っていうか、完全に話が逸れてるんですけど…自覚有ります?

 

 

 

 

 




なんかまた話が長くなりました。

続きは次回に。
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