今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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熱いのか涼しいのか、よく分からない最近の天気。

ある意味、最も体調を崩しやすい時期でもあります。

皆さんも気を付けましょう。

と言いつつ私が一番、気を付けなくてはいけない皮肉。








教会からの使者! ですわ!

「あー…皆さん? 盛り上がるのは良いですけど、話が逸れてませんこと?」

「「「あ…」」」

 

 途中からエクスカリバーの話題で盛り上がって、完全に別方向へと向かってしまった。

 エクスカリバーに関して色々と意見を言うのは、こちらとしても嬉しい限りですけど、それはまた別の機会にしてくれると嬉しいですわ。

 

「えっと…どの辺からだったっけ?」

「『コカビエルが聖剣を盗んだ云々』からですわ」

「…そうだったな。済まなかった」

 

 よろしい。

 木場さんもクレイオスも、ちゃんと謝れるのは美徳ですわよ?

 同じ『剣士』同士だからウマが合うのかしら?

 

「…で、話を戻しますと、コカビエルが偽聖剣を盗んだことは、もう既に教会側も把握しているようでして…」

「どうやら、バチカンから『使者』を送ってくるようだ」

「使者…?」

 

 兵藤さんが小首を傾げる。

 まぁ、これまで三大勢力とずっと関わりの無い人生を送ってきたのですから、疑問に感じるのも当然ですわね。

 

「こちらが得た情報では、その使者というのは二人組の少女らしい」

「女の子が送られてくると言うの?」

「そうらしい。流石に、それ相応に鍛えられてはいるだろうが…」

「ハッキリ言って、無謀の一言に尽きますわ」

 

 どれだけ鍛えていようとも、それは所詮『人間』の範疇に過ぎない。

 私達のように、最初から『神々との戦闘』を想定していない。

 今回の相手は聖書に名を刻むほどの堕天使。

 生半可な実力では簡単に返り討ちになるのがオチだ。

 

「教会側が所持している偽聖剣は合計で7本。その内の一本はもう既に所持者が決まっていて存在していない。そして、残り6本の内の4本をコカビエルが盗み出した。と言うことは…」

「最後に残された2本を、その使者たちに持たせている可能性が高い…ですね。恐らくは『囮』とする為に」

 

 流石は支取会長。

 お見事な慧眼ですわ。

 まさか、私達と同じ結論に一瞬で到達なさるとは。

 

「我等も同じことを考えていた。たった二人だけでコカビエルをどうにかしようとしていること自体が現実的とは言い難いからな。普通に考えて、そこにはまた別の思惑があると見て考えた方が自然だ」

 

 ソニアの言う通り、我々は教会からの使者の話を聞いた時、すぐにこの考えに行きついた。

 なんというか…余りにも露骨すぎるのだ。

 

「教会の本質から考えて、当人達にはその事は全く知らされてはいないだろうね…。そして、その使者の子達も自分達がたった二人だけで派遣される事に疑問すら抱こうとしていないだろう。あそこは一種の『洗脳教育』みたいなことをしているからね」

「…裕斗からの話だと説得力が違うわね…」

 

 経験者は語る…って事ですかしら。

 最低最悪の経験でしたでしょうけど。

 それを乗り越えて話してくれた彼に敬意を表しますわ。

 

「こちらの予想では、近日中には来日するのではないかと思っています。なので、その時は生徒会室かオカ研の部室などで話した方が良いでしょう。まず間違いなく、あちらは真っ先にお二方のどちらかと接触を図って来ようとするでしょうし」

「私とソーナが、この町の管理を任されているから…ね」

「そうですね。では、私の方に来た場合は生徒会室で話をし、リアスだけが代表として出席することにして…」

「逆にこっちに来た場合は、生徒会代表としてソーナだけが来る形にするのね」

 

 おぉ~…支取先輩はともかく、まさかあのグレモリー先輩が妥当な判断をする日がやってこようとは…。

 あのライザーとの一件で、この方も少しは成長したのかしら。

 

「私達の場合は、どちらになっても出席するべきでしょうね。念の為に」

「うむ。向こうがどんな事を言って来るか、予想出来るようで出来ないからな」

「教会側にも悪魔側にも属していない私達ならば、いざと言う時に柔軟な動きが出来るからな」

「強いて言えば、俺等って『聖域(サンクチュアリ)側』って事になるんじゃねぇか?」

 

 おぉ? 遂に兵藤さんもご自分が『こちら側』であると言う自覚を持ったのですわね!

 うんうん…地味に感動ですわ。

 きっと、紫龍さまもどこかで喜んでいられることでしょう。

 

「何があっても冷静でいられるように気を付けてくださいましね」

「分かってるさ。少し前の僕なら、暴走して一人で突っ走っていただろうけど、真実を知った今はもう迷わない。自分が本当にすべきことを見つけたからね」

「…良い目だ。未熟ながらも、その精神はもう一端の『剣士』であると見た」

「ありがとう。最高の褒め言葉だよ」

 

 …さっきから思ってたんですけど、この短い間にクレイオスと木場さんが仲良くなってる?

 やっぱり『剣士』同士でシンパシー的なのがあるのかしら?

 こればっかりは私もよく分かりませんわ。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 いや…確かに『近日中に来るかも』とは言ったけど…けど…。

 

「いきなりで申し訳ないが、単刀直入に言わせて貰う」

 

 まさか、昨日の今日で来るとは思ってもみませんでしたわよ!!

 流石にこれは予想外でしたわ!!

 もうちょっと色々と準備をしてやって来るかと思いきや、マントだけを纏った超軽装備で普通にのこのこと来るとか…頭がおかしいんじゃありませんのッ!?

 パッと見は完全に不審者ですわよッ!?

 その格好で、よく空港からここまで何事もなく来られましたわね!?

 もし街中とかを歩けば、即座に通報案件でしょうに!

 

 はぁ…はぁ…はぁ…。

 ツッコミ所満載で、思わず心の中でツッコみまくってしまいましたわ…。

 

 因みに、私達が今いる場所はオカ研の部室で、予定通りに私達『聖域側』に加え、生徒会代表として支取先輩も同席なさっている。

 

 ここは念には念を入れて、念話で少し言っておきましょうか。

 

(皆さん。ここは相手の出方を伺う為に、敢えて何も知らない振りをしましょう。彼女達が何を言っても簡単な返答だけで済ませるのです。いいですわね?)

 

 すると、室内にいる皆が彼女達にバレないように、小さく頷いてくれた。

 よろしいですわ。

 

 教会からの使者としてやって来たのは、前髪にメッシュが入っているショートへアの少女と、栗毛でツインテールの少女の二人組。

 ショートの子の方は堅苦しそうで融通が利かなそうな感じだけど、ツインテールの子の方は逆にテンションが高めな感じ。

 色んな意味で真逆な二人組ですわね。

 

「私達は、この町に密かに潜伏していると思われる堕天使コカビエルの捜索に教会から派遣された者達だ」

「コカビエル…? この町に、あのコカビエルが潜んでいると言うの…?」

「そうだ。しかも、教会から聖剣まで盗んでな」

 

 グレモリー先輩…中々にやりますわね。

 というか、ちょっとだけ笑うの我慢してませんこと?

 

(いえね…なんていうか…全ての事情を把握している身からすると、この子達の真剣さが滑稽に見えると言うか…)

 

 気持ちは分かりますけど、念話まで使って言う事ですかしら?

 

「これはあくまで教会側の問題だ。町を管理する側としてはもどかしいかもしれないが、悪魔であるそちらが我々の行動を邪魔するような真似をしないと約束して欲しい」

「…私はまだ自分が未熟であると自覚はしているけど、それでも町を任された責任があるわ。アナタ達が、ちゃんとコカビエルを打破できるという保証はあるのかしら?」

「あるとも。我々の手にも聖剣エクスカリバーがあるからな」

 

 偽物ですけどね。

 剣自体は見せないけど、それらしい物は持っている様子。

 布に覆って隠しているから。

 

(…やっぱり、私の『右手』は微塵も反応しませんわね)

 

 もしも『本物』だったら、確実に『共鳴』するでしょうから。

 それが無い時点で、彼女達の持つソレが偽物であると言う確固たる証拠になる。

 

「なので、その点に関しては安心して欲しい」

「そ…そう…分かったわ…」

 

 ちょ…グレモリー先輩…笑いを我慢し過ぎて顔がピクピクしてますわよ。

 よく見たら、木場さんも同じように笑いを堪えてますし…。

 この中で最も凄いのは、ずっと無表情を貫いている支取先輩やクレイオス、ソニアや、最初から微笑を浮かべている姫島先輩辺りかしら。

 割と冗談抜きでメンタルお化けですわね。

 え? 私? 私は別に何にも感情移入とかしてませんから普段通りですわ。

 

「にしても、まさかイリナがやって来るとは思わなかったぜ」

「あら兵藤さん。お知り合いですか?」

「知り合いって言うか…幼馴染だな。小さい頃に外国に引っ越していったんだけど…あの頃はまだお互いにガキンチョで、イリナも男っぽい格好をしてたっけ」

「ちょっとイッセーくん! 昔の事は言わないでよ~! というか、私もまさかイッセーくんとこんな形で再会するとは思ってなかったわよ。でも、ここにいるって事は…まさかイッセー君は悪魔に魅入られて…」

「ちげーよ。確かに先輩達とは知り合いではあるけど、マジで今はそれだけだから。俺は立派な人間だッつーの。寧ろ、ある意味じゃお前達と似たような立場にいるっていうか…」

「似たような…? どういう事?」

 

 説明は…し難いですわよね。

 特に、兵藤さんは国語の成績が余り良くありませんし。

 

「それって、近くに座ってる子達と関係してるの?」

「え? まぁ…そんな感じ…かな?」

 

 神に仕えている…という部分では確かに似ているかもですけど、やっている事は全く違いますから。

 向こうは殆どが『聖書の神』という名の新興宗教に近いけど、私達は本当に世界の平和の為に戦う集団だ。

 しかも、遥か神話の時代からずっと。

 歴史や経験、実力からしても天地の差があると言っても過言じゃないでしょうね。

 神々自体は遠い昔からいても、組織自体の歴史が違い過ぎる。

 

「…それで、話はもう終わりかしら?」

「そうだな。言うべき事は言った。そろそろ失礼する。行くぞイリナ」

「はーい。分かったわよゼノヴィア。それじゃイッセーくん。またね」

 

 本当に…言いたい事だけを言ってから去って行きましたわね…。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 二人が去って行ってから、少ししてからついに我慢の限界に来たグレモリー先輩が思い切り吹き出した。

 

「プッ……ハハハハハハハハハッ! あ~…おかしかった! こんなにも笑うのを我慢したのって生まれて初めてだわ!」

「リアス、そんなに笑っちゃ可哀想よ。気持ちは分かるけど」

 

 分かるんかい。

 流石は姫島先輩…腹の底が全く読めませんわ。

 

「皆さん、彼女達を見たご感想は?」

「無謀過ぎ」

「自殺志願者」

「只の愚者」

「うーん…流石に自信過剰すぎだと思った…かな」

 

 兵藤さん以外は、なんとも辛辣なご意見ですこと。

 私も全く同じことを思ったんですけどね。

 

「実際に見て思ったが…あれではコカビエルに一太刀すら当てられん。最悪、近づく前に殺される」

「その前に、たった二人では探し当てる事すら難しいだろうな」

 

 うわぁ…新生黄金聖闘士の中でも特に現実主義者である二人の意見は厳しいですわね~。

 

「僕からしても、彼女達がお世辞にも強者とは言い難いとは思ったけど…具体的にはどれぐらいなんだい?」

「そうですわね~…」

 

 良い比較対象になりそうなのは~…あ、丁度いいのがいた。

 

「今の兵藤さんが、その場でずっと棒立ちになって、左手の小指だけで戦っても無傷で圧勝出来てしまえるほどの実力差…って言えばお分かり頂けるかしら?」

「えっ!? 今の俺って、そんなに強くなってんのかッ!?」

「あら。ご自覚が無い? 今のアナタは、間違いなく前よりも遥かに強大に成長していますわよ? あのレイナーレ程度ならば、デコピンでぶっ飛ばせるぐらいには」

「ま…マジか…! 師匠との修行で、俺ってそんな事になっちまってたのかよ…!」

 

 自分一人だけじゃ、成長の具合って分かりにくいですわよね。

 実戦を経験して初めて己の成長を自覚できるでしょうし。

 私も実際にそうでしたし。

 

「けど、私達が同席して大正解でしたわね。案の定、こちらが予想した通りの台詞を言ってきましたし。だからこそ、密かにポケットの中に忍ばせていた『コレ』が最大の効果を発揮しますわ」

 

 私が制服のポケットの中から取り出した物、それはボイスレコーダー。

 さっきの会話の一部始終を全て録音しておいた。

 

「日本語って本当に難しいですわよね~。そう思いませんこと? 支取先輩」

「全く以てその通りですね、川上さん」

「彼女達は『悪魔であるそちらが邪魔をするな』としか言わなかった。それはつまり、人間である私達は好きに動いても構わないと言うことに他ならない」

「ついでに言えば、彼女達は『邪魔をするな』とは言っても『何もするな』とは言わなかった。そこを上手く突けば、私達も動きようがある」

 

 ほ~んと、言葉は正確に言わないとダメですわよね~。

 

「例えば、使い魔を使って町の調査をする…とか。彼女達の監視をするとかも出来ますね」

「へ…屁理屈だ…」

「屁理屈も理屈の内なんですよ。塔城さん」

 

 まさかの支取先輩が塔城さんを論破。

 言葉の綾って言われれば、それまでなんですけどね。

 でも、ちゃんとこうして『証拠』は残ってますし。

 

「さて…と。それじゃあ、私達も動くと致しましょうか」

「「うむ」」

「うっす!」

 

 イリナさんにゼノヴィアさん…でしたっけ?

 申し訳ないですけど、アナタ達の出番は殆ど無いと思って貰いますわ。

 今回の事件はもう完全に、私達『聖闘士』の管轄になってますから。

 

「こちらが得た情報は逐一、皆さんにも報告をして共有するつもりでいますわ」

「なら、私達も使い魔を使って得た情報は川上さん達にちゃんと知らせるわ」

「お願いいたします」

 

 ソファから立ち上がろうとした瞬間、いきなり私のスマホに着信が来た。

 咄嗟にディスプレイを見てみると、そこに表示されていたのは『蘭子さん』の文字。

 

「蘭子さん…? こんな時間に珍しい…また何かしら…?」

 

 蘭子さんは、駒王町随一の情報屋。

 その彼からの連絡と言う時点で、余り良い予感はしなかった。

 

 そして、その予感は見事に的中してしまう訳で…。

 

 

 

 

 




一先ずは顔出しから。

これから、あの二人がどんな風になっていくのかはまだ未定ですわー!




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