今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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今年の夏はなんだか不安定ですね。

猛暑な日もあったかと思ったら、次の瞬間には台風が来るし…。
そのせいなのか若干、涼しくなってますし。

それはそれでいいんですけど…気温が不安定で逆に体調を崩しそうです。

皆さんもどうか気を付けてくださいね。
夏風邪はマジで厄介ですから。







和解成立? ですわ!

 ゼノヴィアさんと紫藤さんを家に連れて行く前に、お義父様に電話で事情を話しておいた。

 

『成る程…分かったよ。そういう事なら遠慮なく連れてきなさい。なに、きっと大丈夫さ』

「はい。私もそう信じておりますわ。それでは、後ほど」

 

 これで大丈夫…っと。

 もし仮に何も言わずに連れて行っても、あの養父の事ですから笑顔で出迎えてくれそうですけど。

 

「というわけで、家に連絡は入れておきました。では、行きましょうか」

「うむ」

「はーい」

 

 ファミレスを出てから私達は一路、川上家自宅へと向かう事に。

 割と大人数でゾロゾロとしてますけど、そこら辺は気にしたら負けですわ。

 私に兵藤さん、ソニアにクレイオス。

 そこへ更にゼノヴィアさんと紫藤さんまでいるんですから。

 特に、後ろ二人は格好が格好ですし…一刻も早く人気が多い場所から離れなければ。

 本当に警察から不審者扱いされてしまいますわ。

 

「にしても…」

「ん?」

「こうして、駒王町を歩くのも久し振りね~…」

「あ~…そういやそうか」

 

 紫藤さんは確か、兵藤さんの幼馴染…だったんですわよね?

 と言うことは、彼女も駒王町の出身ということ?

 

「私にとっては全てが真新しいけどな。バチカンから出た事など、生まれてこの方一度も無かったからな」

 

 ゼノヴィアさんの感想が、ある意味では最も一般的なんですのよね。

 海外旅行などが流行っていても、国の外に行く機会なんて本当に限られていますから。

 実際、私だって日本から出た事なんてまだ一度もありませんわ。

 中学の時の修学旅行だって普通に国内でしたし。

 

「けど、本当に良かったの? 私達が言うのもアレだけど、いきなり二人も押しかけるような真似をして…」

「ご心配なく。ぶっちゃけ、部屋は本当に余っていますから」

 

 物置はまた別にあるし、このまま腐らせるのも勿体無い。

 それならば、少しでも有効活用した方がずっとマシだ。

 

「今のところは問題は無さそうだが…」

「家に到着してから…だな」

「なんかコッチの方が緊張してきたんだけど…」

 

 後ろの三人は三人で、まるで監視役のようになってますわね。

 彼女達が問題を起こしそうになった場合、私達がブレーキ役をしなくちゃいけませんし、あの位置は決して間違ってはいないんですけど。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 そんなこんなで奇跡的に何も問題が起きることなく家に到着。

 割と本気でハラハラしていたから、ホッと胸を撫で下ろしましたわ。

 

「お義父さま~。只今、帰りましたわ~」

「おかえり姫子」

「お帰りなさい姫子さん」

「おかえり…なのである」

「あるー」

 

 わぉ。

 玄関を開けたら、まさかの勢揃い。

 初っ端からアーシアさんと遭遇するとは。

 しかも何故かコクトーさんまで一緒だし。

 

「な…彼女はまさかッ!?」

「魔女アーシア・アルジェントッ!?」

 

 はい。案の定な反応ありがとうございました。

 

「っていうか、フクロウが喋ってるんだけどッ!? そこにはツッコミは無いのかッ!?」

 

 おっと。

 ここで兵藤さんが常識的な観点からのツッコミをしましたわ。

 

「いや…天使や堕天使や悪魔がいるんだし、喋るフクロウぐらいいても問題無いのでは?」

「よりにもよって、お前に言われるとは!」

「我はフクロウなどではない! れっきとした神の使者である!!」

 

 この世界ならではの返しを、あろうことかゼノヴィアさんにされた。

 それを言われちゃ、何にも言い返せませんわ。

 しかも、それに対してコクトーさんがマジ切れしてるし。 

 

「矢張りか…姫子よ。ここからどうする?」

「お手並み拝見…かな」

 

 後ろで同僚も見てますし、ここは未来の姫として一肌脱ぎますか。

 

「お二人とも。少し落ち着いてくださいまし」

「しかし!」

「彼女…アーシアさんがこの家にいるのは、それこそ海よりも深い事情があるのですわ。それを今から説明しますから。まずは上がりましょう。ね?」

「う…うむ…お前がそう言うのならば…仕方あるまい」

「そうね…」

 

 一先ずは落ち着かせられた…と。

 ここからが本番ですわね。

 

「姫子さん…私…」

「大丈夫。ここは私に任せてください。仮にも私は貴女の主人。絶対になんとかしてみせますから」

「はい…ありがとうございます」

 

 さーて…どんな風にしますかね~。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 リビングに入ってからテーブルに座り、隣にアーシアさんを座らせてから彼女達とは対面するような形に。

 因みに、兵藤さんとクレイオスとソニアの三人はお義父様たちと一緒に後ろか様子を見守っている。

 

 お茶を飲ませてから心身共にリラックスをさせ、私はアーシアさんの身に起きた事を全て説明した。

 いや、正確には私なりの脚色を加えてから説明をした。

 

 やれ『アーシアさんを陥れた悪魔であるディオドラは悪魔たちの中でも屈指の邪悪な精神の持ち主である』とか。

 『ディオドラはこれまでにも数多くの邪悪極まりない行為を繰り返しており、その数は軽く見積もっても数百はくだらない』とか。

 『自分が貴族悪魔であるのを良いことに好き放題やっていて、同じ悪魔たちからも蛇蝎の如く嫌われまくっている』とか。

 他にもそりゃもう、よくもまぁこんな事をすらすらを話せるもんだと自分で感心してしまうほどに。

 その結果、彼女達は…。

 

「「あう~~~~~~!!」」

 

 滝のような涙を流して号泣していた。

 

「す…済まない…何も知らなかったとはいえ…君に対して『魔女』などと言ってしまって…」

「いえ…私はもう気にしてませんから…」

 

 逆にアーシアさんの方が困っている始末。

 これはこれで問題だ。

 

「ま…まさか…アナタにそんな悲しい過去があったなんて…それなのに私は…私は…びえ~!」

「だ…大丈夫ですか? えっと…ティッシュありますけど…」

「ありがと…ずび…優しいのね…」

 

 完全に立場逆転。

 ある意味では作戦大成功だけど…それとは別に心配になってくる。

 

「なぁ…今、川上さんが言った事ってどこまでは本当なんだ?」

「約8割は真実だ」

「…残り2割は?」

「完全に姫子の脚色だ。私達も実際にディオドラに会った事が無いから何とも言えんが…別にいいんじゃないか?」

「そうだな。奴が悪である事実には変わりがないし。本人がここにいる訳でもなし」

「す…スゲェな…二人とも…」

 

 なんか背後で兵藤さんが黄金聖闘士の爆弾発言を聞いてドン引きしてるんですが。

 

「しかし、どうして自らを傷つけてまでディオドラはアーシアを教会から離そうとしたんだ…?」

「それはきっと、ディオドラが歪んだ性癖の持ち主だからだろうね」

「「歪んだ性癖?」」

 

 おーっと?

 ここでまさかのお義父様の乱入ですわよ~?

 この時点でもう既に嫌な予感しかしませんわ~!

 

「ディオドラが無理矢理、眷属にした女性達にはある共通点があってね。それは、全員が元シスターだってことなのさ」

「なんですって!? よりにもよってシスターを眷属にしたって言うんですかッ!?」

「その通り。しかも、その理由が『神に仕えているシスターたちを力付くで悪魔にした時の、彼女達の絶望した表情を見るのが何よりも好きだから』らしい。実に悪魔らしいと思わないかい? 己の欲求に忠実すぎる」

「「ディオドラ死すべし!! 慈悲は無い!!」」

 

 ほらー…やっぱりプッツンしたー。

 教会の教育で精神構造が単純明快になってる彼女達には、その手の言葉は効果絶大なんですわよ~。

 お義父様…絶対にそれを分かってワザと言いましたわね…。

 

「もう悪魔云々関係無しに正真正銘のド外道クソ野郎じゃないの!! つーか完全に世の女全員の怨敵でしょ!!」

「例え何があっても絶対に許さん!! おのれ…忌まわしきアスタロトの悪魔め!! もし何らかの形で遭遇した時は、我が聖剣にて一刀両断し、この刃の錆としてくれよう!!」

「「えぇ~…」」

 

 自分で火を付けておいてあれだけど~…これはちょっと行きすぎ。

 当事者であるアーシアさん自身が一番ドン引きしてるんですもん。

 

「もう心配はいらんぞアーシア!」

「私達はあなたの味方よ! 絶対に守ってみせるわ!」

「あ…ありがとう…ございます?」

 

 二人の気合いの入りように疑問形のありがとうが出ちゃったよ。

 アーシアさんのこんな顔、見たの初めてですわ。

 

「別にお二人が頑張らなくても、アーシアさんは大丈夫ですわよ」

「ん? それはどういう事だ?」

「詳しい事情を説明すれば長くなるので省略しますけど、今のアーシアさんはとある女神さまの庇護下にいて、その御加護を受けているのですわ」

「なんと! 悪魔の忌々しき姦計によって教会を追放された後に、別の神の加護を受けていたとは…伊達に『聖女』と呼ばれてはいないと言うことか…」

「凄いわね…流石はアーシアちゃんだわ」

 

 なんか話が進むごとに彼女達の中でもアーシアさんの株が急激の上昇していくんですけど。

 

「現在、アーシアさんは『女神アテナ』の加護の元におられます。そして、現在アテナは他の神々とも休戦状態にある。つまり、今のアーシアさんに何かしようとすれば必然的に…」

「オリュンポスの神々…最悪の場合はギリシアの神々全員を敵に回すのと同義…になるのか…!」

「確かに…私よりも圧倒的に強大な後ろ盾ね…」

 

 ギリシアの神々の恐ろしさは、それこそ神話と言う形で世界中に知れ渡っている。

 世界規模で知名度があると言うことは即ち、世界中で信仰を得られる。

 神々とは人々から信仰を受けて更なる力を発揮する存在。

 属性的な意味でも悪魔にとって神は間違いなく不倶戴天の敵。

 普通に考えても、絶対に喧嘩を売ろうなんて考えには至らない。

 

「因みに、兵藤さんもアテナ様の加護を受けておられますの」

「え? イッセーくんもアテナ様の信徒なのっ!?」

「信徒つーか…まだ駆け出しっつーか…」

「そっか…イッセーくんも私達と同じだったんだ…」

 

 あら?

 心なしか紫藤さん、嬉しそうにしてません?

 というか、恋する乙女の顔になったような気が…?

 

「ん? こんな話をすると言うことは、もしや君達もアテナの…?」

「えぇ…私とクレイオス、ソニアも同じですわ」

「より正確に言うと、立場的には我等の方が上であり、表向きにはアーシアは姫子の従者と言う形になっている」

「従者…だからアテナ様の加護を受けられたのね…納得だわ」

 

 近い内、どこかで聖闘士の話もしなくちゃいけないですわね…話の流れ的に。

 今回はあくまで、この二人をアーシアさんと和解させるのが目的だったから説明しなかったけど。

 

「そして、私のお義父様は医者兼錬金術師をしていますの」

「錬金術師…なんだか不思議な雰囲気の人物とは思っていたが…」

「悪魔の事に詳しいのも納得ね…」

 

 錬金術師の一言で納得されるって…。

 この世界の錬金術師って、どんなイメージになってますの?

 

「話はこれで終わり…でよろしいかしら?」

「構わない。君達の話を聞き、君らがどうしてコカビエルを追っているのかも納得が出来た」

「これからは私達は目的を同じとする仲間ね。一緒に頑張りましょう!」

 

 うーん…気合を入れている所、非常に申し訳ないんですけど…ぶっちゃけ、私達はお二人の事を微塵も戦力として計算に入れていませんのよね…。

 正直な話、兵藤さんの方が遥かに戦力になりますわ。

 流石に、この場でそんな事を言うような無粋な真似はしませんけど。

 

「ふぅ…どうやら、多少強引ではあったが、なんとか上手く纏まったようだな」

「ここまで来れば、一先ずは大丈夫か」

「そうだな。では、我々はここらで失礼しよう」

「また明日な。姫子。アーシア」

「えぇ。また明日」

「お疲れさまでした」

 

 クレイオスとソニアが帰った事で解散の流れになって来た。

 やっと場の空気が軽くなりましたわね。

 

「んじゃ、俺もそろそろ…」

「あ…ちょっと待って」

「ん? なんだ?」

 

 あら。紫藤さんが兵藤さんを引き止めた?

 

「あの…さ。流石に二人揃って姫子ちゃんの家にお世話になるのは…その…申し訳ないから…さ。私はイッセー君の家に行っても良いかな?」

「「え?」」

 

 これまた意外な提案。

 別にこっちとしては構いませんけど…。

 

「兵藤さん。どうしますか?」

「うーん…俺の一存じゃ何とも言えないな~。父さんと母さんに聞いてみないと。今から電話を掛けてから…」

「待ってイッセー君。おじさんとおばさんには私の口から直接説明したいから…まずはイッセーくんの家に行かない?」

「へ? まぁ…別にいいけど。二人も久し振りにイリナに会えたら喜ぶだろうし…」

「決まりね! それじゃ行きましょ! お邪魔しました~!」

「急に元気になったな…。それじゃあな川上さん。また明日」

「えぇ、また明日」

 

 部屋から出ていく瞬間、紫藤さんがしれっと兵藤さんの腕に抱き着いていたような気がしますけど…なんですのあれ?

 

「イリナ…一体どうしたんだ?」

「青春の一ページ…と言うことさ」

「アオハルである」

「あるー」

 

 意外な形で兵藤さんに春がやって来た?

 ちょっとだけ複雑な気持ちですけど。

 

 

 

 




教会二人娘、完全にアーシアの味方に。




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