今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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更新停止をする気は微塵も無いけど、このままのペースだと今年中にコカビエルをぶっ飛ばせるか不安になってきた…。

一応、三大勢力会議や夏休みの部分のプロットも既に出来上がっているのに…。

そんな訳で、申し訳ないのですが今回も会話メインです。













まーた自宅で事情説明! ですわ!

 なーんか最近、ことあるごとに我が家に人を招いて話をしている気がしますわ…。

 このまま、この家は会議室みたいになったらどうしよう…なんてことを考えていたら、その隙を突いて私の隣を陣取っていたランスロットがいきなり核心を突いた。

 

「な…なんだとっ!?」

「私達の聖剣が…偽物…!?」

「偽物と言う言葉すら生温い。それは恐ろしく出来が悪い『贋作』だ」

 

 この男にはオブラートに包むと言う行為は出来ないのかしら…。

 余りにもストレートすぎる一言に、兵藤さんもフリードさんもクレイオスもソニアもドン引きしてるじゃないですの。

 ただ一人、お義父様だけはいつもの通りのニコニコ笑顔だけど。

 

「はぁ…本当は、コカビエルの一件が済んでから私達で教えるつもりでしたのに…」

「そうなのですか? ですが、我が王のお手を煩わせることはありません。全ては、このランスロットめにお任せを」

 

 この無駄に高い忠義心…どうにかして…。

 彼が本物のサー・ランスロット卿かどうかは一先ず置いておいて、この性格をどうにかしてほしいと切に願う。

 

「お前達には悪いと思うが、彼が言った事は本当だ」

「と言うか、普通に歴史や神話を勉強していれば分かりそうなものだが…」

「流石の俺も、聖杯伝説とかの話は普通に知ってるぞ…。割と有名な話だし、アニメやラノベの題材にもよく使われてるしな」

「「うっ…」」

 

 クレイオスやソニアだけでなく、元一般人の兵藤さんから言われたら、流石の二人も黙るしかないか…哀れ。

 

「そう言えば、元教会組であるアーシアさんやフリードさんは、この偽聖剣の事を知っていたんですの?」

「一応…お話ぐらいは…。実際には見た事はありませんけど」

「俺っちもアーシアちゃんと同じ。精々が噂程度だな。ま、偽物かも知れないとは思ってたけど」

 

 お? フリードさんが意外な発言。

 

「それはまたどうして?」

「いやさ。もし砕かれて七つに作り直した聖剣ってのがモノホンだった場合、あの自己顕示欲の塊みたいな教会の連中が世間に知らしめない訳がないっしょ。なのに、実際には世間一般には全く知らせないばかりか、完全に最高機密扱い。その時点で後ろめたいことがあるって何よりの証拠だし、もし仮に聖剣伝説に詳しい人間にそれを見られたら一発で『パチモン』だって判明しちまうしな」

 

 こ…この人…飄々とした見た目に反して、かなり冷静に物事を俯瞰してみていますわ…。

 今更ですけど、教会の連中が哀れになってきましたわね。

 アーシアさんといい、フリードさんといい、あなた達が逃がしてしまった魚は、想像以上の大物だったみたいですわよ?

 

「我らの調査では、お前達が持っている剣は、元は教会の連中が密かに製造した一本の『偽聖剣』だったとされる」

「それが先の大戦で砕け、それを更に再生したのが…」

「私達が持っている…この剣と言うことなのか…」

 

 ぶっちゃけ、聖域側もこの情報が全て正しいと言う確証は得られていない。

 けど、現状はこの説が限りなく正解に近いとも思っている。

 それは現場にいる私達も同様だった。

 

「流石は我が王の同志…もうそこまで情報を掴んでいたとは…」

「我等『聖闘士』は敵が多い。故に、情報収集は急務とも言える」

 

 その通り。

 地上の守護を任されている以上、迅速な情報の入手は必須事項だ。

 どこで、どんな存在が地上の平和を脅かしているか分からないから。

 

「あのよー…実は俺っち、ず~っと疑問に思ってたことがあるんだケド」

「なんですの?」

「教会の馬鹿どもはよー…一体どうやって天使たちの目を誤魔化して『聖剣計画』なんてやってやがったんだ? 天使は天使で、どーも無条件で教会の人間を信じきってる節があるけどよ…だからと言って非人道的な事を見逃すほどに腑抜けでもなければ、目が節穴でもないと思うワケよ。だからこそ気になんのよネ~。あの狭いバチカンの一体どこで、んな人体実験をやってやがったのかって」

「それもそうですわね…」

 

 バチカンは法王庁のお膝元。

 そのような外道なる行いは最も許されざる行為の筈。

 普通に考えるのならば、バチカンの外部に研究施設を隠し持っていると考えるけど…。

 

「私達の…この剣は偽物だったのか…」

「いつもなら信じないけど…姫子ちゃん達が、ここで嘘を言う理由なないし…助けてくれた上に宿まで提供してくれた相手を疑うような事はしたくないし…」

 

 あら…意外と普通に自分達の境遇に疑問を感じますのね。

 どうやら、本当に辛うじてギリギリの所にいたという感じなのかしら。

 

「というか、どうして貴様等は何も疑問に感じなかった? どれだけ無知と言えども、今の時代ならば調べる術など幾らでもあるだろうに。その気になれば、図書館などに行けば資料や本などが置いてある筈だ」

 

 ランスロットが実に尤もな意見を言った。

 この人も、私が関わらないと真面な一面もありますのね。

 

「そ…それは…」

「実は、教会じゃ『聖剣』に関わる本などは全て禁書扱いになっていたんです。だから、読む事は愚か、本そのものが全く置いてありませんでした。勿論、聖剣に関する歴史の勉強なんて微塵もありませんでしたし」

「ア…アーシアちゃんっ!?」

 

 おやおや…二人が言い渋っている間にアーシアさんが教えてくれましたわ。

 この子も随分と逞しくなって…主人として嬉しい限りですわ。

 

「図書館などにも置いてなかったんですの?」

「それは分かりません。そもそも、図書館に行かせて貰えませんでしたし。駒王町で初めて図書館という施設に入ったぐらいです」

「無駄に徹底しているな…」

「聖剣に関する情報を一切与えず、その上で自分達が創作した『聖剣伝説』を、何も知らない子供達にあたかも本当の神話であるかのように教えて洗脳した…か」

「下種の極みだな」

 

 図書館にすら行かせないとは…そこまでするってことは、それだけ知られたくない事があるって自分達から言ってるようなもんじゃありませんの。

 教会の人間ってバカの集まりなんですの?

 

「問題は、先程のフリードさんの疑問…一体どこで実験を行っていたのか…ですわね」

「バチカン内では普通に無理。かといって、国外に研究所を作っても、他の目は誤魔化せても、天上から地上を見ている天使たちの目は誤魔化せないだろう」

「だよなぁ…。空の上からなら、マジでなんでもお見通しだろうしな」

 

 空の上からはお見通し…。

 空の上から…空の上…見えない場所……あ。

 

「ありましたわ…天の上にいる天使たちに見つからない場所…」

「なんだと?」

「それはどこなんだ? 川上さん」

「普段から天界にいる天使たちに見つからない場所…それは『地下』ですわ」

「「「地下?」」」

「えぇ…地下施設。それならば、普通に天から見ているだけでは絶対に見つからない」

 

 地下にあるならば隠すにはもってこいだし、地図にも描かれない。

 当然だが、空から見ているだけでは絶対に場所なんて判明しない。

 

「成る程…地下研究所か。確かに、それならば天使たちに隠蔽するには最適だ。地下とは即ち闇の世界…悪魔の世界と位置づけられているからね。余程の事が無い限り、天使たちが自主的に地下に潜ろうとはしない筈だ」

 

 お義父様からの補足を聞いて、私の中の予想が限りなく確信に変わる。

 

「で…でも! バチカンの地下にそんな施設があるのなら、すぐに法王庁とかにバレる筈よッ!?」

「その疑問の答えも簡単ですわ。木を隠すには森の中。人を隠すには人の中。では、教会の違法な施設を隠すには…?」

「そっか…教会の中…つーか『教会の地下』か」

 

 フリードさんが答えを言っちゃいましたわー。

 この人、普通に頭が良い?

 

「ふむ…成る程。元来、教会と言う場所は他の施設と違って、そう簡単に司法の介入が出来ないようになっている。その辺に関して柔軟な神社や寺などとは違う部分だね」

「どうして介入できないんですの?」

「これは地域にもよるのだが、教会の方が立場が上だからさ。特に、この世界には実際に天使が存在している。その影響力は一般的な認識よりも遥かに上だろうね」

「つまり…圧力」

「天使の威を借る形でね」

 

 質が悪すぎますわ…。

 天使の方々も、そんな事の為に頑張っている訳ではないでしょうに…。

 普通に神々への冒涜&喧嘩を売っているとしか思えませんわ。

 

「一般人たちの教会への信頼は普通に高い。最初から疑うような事はまずしないだろうし…」

「教会の地下にヤベー施設があるなんて、誰も想像すらしない…か」

 

 少し前まで一般人側だった兵藤さんだからこそ理解出来てしまう事かもしれない。

 表側の心情と裏側の心情の両方を理解出来る稀有な存在かもしれませんわね。

 

「人々の『常識』を逆に利用することで『秘密』を守っているのだろう。流石は教会と言うべきか。人間の心理を上手く利用した隠蔽方法だ」

 

 なんか、お義父様が普通に感心してるんですが。

 この人はいつだって中立の立場ですから仕方がないですけど。

 

「ちょ…ちょっと待ってよ! 教会の地下に違法施設って…そんなの見た事もないし、聞いたことも無いわよッ!?」

「それはそうだろう」

「そういうのは一部の人間にのみ教え、それ以外には隠すのが普通だ」

「ましてや何にも知らないガキなんぞに教える訳がないわな」

 

 紫藤さん、ソニアとランスロットとフリードさんの三人に論破されて撃沈。

 残念ですけど、貴女じゃこの三人相手に口では勝てませんわよ。

 勿論、実力勝負はもっと勝てませんけど。

 

「なぁ…イリナ…」

「ど…どうしたのよゼノヴィア…」

「もし…もしだぞ? 本当に彼女達が言っている事が本当なら…私達は無数の罪なき子供達が苦しんでいた場所の上で何も知らずにのうのうと暮らしていて、その子達の命を犠牲にした剣を今、持っていると言うことになるのか…?」

「そ…それは…」

 

 どうやら、かなり精神にキテるみたいですわね…。

 無理もありませんわ。

 まだ完全な証拠が無いとはいえ、聖剣計画の実際の犠牲者であった木場さんの存在や、この二人が持っている偽の聖剣、これらが今の話に信憑性を与えてしまっているから。

 …今夜の夕食は、消化に良い物にしましょうか。

 

「もう…この剣は使わない…! こんな…血に塗れた穢れた剣なぞ…!」

「ゼノヴィア…」

 

 ここで、その決意をするのは良いですけど…コカビエルはどうする気ですの?

 いやまぁ…実際には私達の手で倒せばいい話なんですけどね?

 

「なぁ…一つだけ聞いても良いだろうか?」

「どうしましたの?」

「私達のこの剣が偽の聖剣ならば…本当のエクスカリバーはどこにあるんだ?」

「「「目の前」」」

「「え?」」

 

 ちょ…ちょっと?

 クレイオスとソニアとランスロットが同時に私の事を指差したんですけど?

 

「我が、このお方の事を『王』と呼んだ時点で気が付かなかったのか? この現代において、聖剣エクスカリバーは、このお方に継承され、この身に…この右腕に宿っている」

「ひ…姫子ちゃんが本物のエクスカリバーの所持者で…」

「体の中に…宿している…?」

「「ええええええええええええええええええっ!!??」」

 

 うーん…なんて想像通りのリアクション。

 教会のこと以外で疑う事をしない彼女達らしい反応ですわね。

 

「はっはっはっ…実に愉快な子達だね」

 

 お義父様…完全に他人事ですわね…はぁ…。

 

 

 




本当はランスロットの話までしたかったのに、なんか出来ませんでしたわー!

なので、次回はランスロットメインのお話になるかと。

因みに、今回の教会云々の話は、あくまで『この世界線での話』なので、深く考えないでほしいですわー!



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