今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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ようやくコカビエルとの戦いが始まります。

ここまで本当に長かった…。

ここからはまたオリジナルな設定が盛り込まれていきます。

苦手な方はご注意を。







決戦の時! ですわ!

 コカビエルと邂逅した次の日。

 私はいつもの通り起床し、朝ご飯を食べていた。

 

「やっぱり、朝は御飯に限りますわね」

「私も、少しだけお箸の扱いに慣れてきました」

「中々に上達が早いね。これなら、日本語の読み書きが出来るようになるのも時間の問題かな?」

「アーシアは筋が良いのである」

「あるー」

「うぐぐ…私も一刻も早くアーシアのように箸が使えるようにならなくては…!」

 

 焼き魚に卵焼きに焼き海苔に漬物にお味噌汁に炊き立ての白米。

 シンプルだけど、これこそが最強ですわ。

 

「もぐもぐ…姫子よ。少しいいか?」

「どうしましたの? ゼノヴィアさん」

「コカビエルとの決戦は今日の夜だったよな? それまではどう過ごす気だ?」

「いつもの通りに過ごしますわ」

「え? それでいいのか?」

「いいんですのよ」

 

 うん。この卵焼きも美味しい。

 フワフワだけど、中はトローリとしてますわ。

 

「変に体を動かして怪我でもしたら、それこそ意味が無いですし。ここは普段通りに過ごして体力を温存すると同時に、心の方も平常心を保てるようにするんですわ」

「す…凄いな…。昨晩、コカビエルの迫力を真正面から受けたのに、そんな風に言えるなんて…」

 

 頑張っていつも通りを装ってはいるけど、本当はガチガチに緊張しているみたいですわね。

 もしも私達がいなかったら、紫藤さんとたった二人だけでコカビエルと対峙しなければいけなかったんですし…無理も無いですけど。

 

「ふむ…姫子」

「なんですの? お義父様」

「こっちの事は気にしなくていから、お前は全力で戦ってきなさい。なぁに、どんなに大きな怪我をしても、私が必ず治療をしてあげよう。姫子の友人達も含めてね」

「ありがとうございます。これで安心して戦えますわね」

 

 錬金術師と言うだけあって、お義父様の医者としての技量は超一流。

 これまでに何人もの重症患者や重病人を見事に治療してきた。

 だからこそ私も、お義父様には全幅の信頼を置いている。

 

「まだ早いかもですけど…気を付けてくださいね…」

「大丈夫ですわ。アーシアさん。私は一人じゃありませんから」

「はい…。ご無事と御武運を女神アテナにお祈りします」

 

 うんうん。

 アーシアさんもすっかりアテナ勢力の一員っぽくなってきましたわね。

 

「きっと今頃、兵藤さんやクレイオス、ソニアも同じように自分達の『いつもの日常』を送っている筈ですわ」

 

 因みに、この時間のクレイオスは朝食を終えてからの町内ランニングをしているだろうし、ソニアはテレビを見ながらの爪の手入れをしていると思いますわ。

 ランスロット達はー…流石に分かりませんわね。

 まだ出会って日が浅いですし。

 

「姫子よ」

「どうしました? コクトーさん」

「今宵のコカビエルとの決戦、我も同行するのである」

「あるー」

「え? マジで言ってますの?」

「マジである」

「あるー」

 

 うーん…コクトーさんが自分から、こんな事を言うのは本当に珍しい。

 それは同時に、一緒に行くだけの理由があるってことなわけで。

 

「お前も知っている通り、我はアテナの使い。故に、此度の闘いの行く末などを報告する必要があるのである」

「あるー」

「まぁ…コクトーさんなら大丈夫…かしら?」

「何故に疑問形を使うか?」

「かー?」

 

 だって…コクトーさんってフクロウだし…。

 パッと見、誰もが彼の事を神の使いだなんて分からないだろうし…。

 

「なんとなく、姫子が何を考えているのか見当がつくのである」

「るー」

「鋭い…」

 

 普通に『サトリの法』を使って来るの止めて貰えません?

 

「姫子…いいのか?」

「仕方がありませんわ。コクトーさんは、一度言い出したら絶対に自分の意見を曲げませんから」

「フクロウなのに?」

「我はフクロウではない! 神の使いである! ゼノヴィアよ! 何度言えば分かるかッ!?」

「かー!?」

「す…すまない…」

 

 このやり取りも、もう何度目だろう。

 でも…これこそが『平穏』だって思えてしまう。

 この光景を守る為にも…私達は絶対に負けられない。

 

(朝ご飯を食べたら…勉強でもしましょうかしらね)

 

 予習、復習は大切ですわー!

 地道な積み重ねこそがテストで良い点を取る最大にして唯一の秘訣ですわー!

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 そして…時間はあっという間に過ぎ去り…深夜。

 街全体が静まり返り、まるでゴーストタウンのよう。

 

 私達はコカビエルが待っているであろう駒王学園の校庭に向かう前に一度、中央公園にて待ち合わせをする事に。

 

「待たせたわね」

「ご心配なく。私達も、ついさっき来たばかりですわ」

 

 最後にやって来たのはグレモリー先輩率いるオカ研メンバー。

 最後と言っても、その前に来た支取先輩達と僅差だったけど。

 

「なんか…結構な大所帯になったな…」

 

 兵藤さんが言った通り、この場には結構な人数が集まっている。

 私とクレイオスとソニア。それからコクトーさん。

 兵藤さんに紫藤さんとゼノヴィアさん。

 ランスロットにフリードさん。

 そして、オカ研メンバー全員と生徒会メンバー全員。

 殆どが学生だから、警官とかに見つかったら確実に補導されますわね。

 その心配は皆無ですけど。

 

「実際にコカビエルの元に向かうのは、私たち黄金聖闘士と兵藤さんとランスロットとフリードさん。後はゼノヴィアさんと紫藤さん。グレモリー先輩達と支取先輩。けど、戦うのは…」

「我ら黄金聖闘士に一誠。ランスロットとフリードの6人だけになるだろう」

 

 ここでクレイオスが補足をしてくれた。

 念を押しておかないと、グレモリー先輩辺りが思わず攻撃しそうだし。

 

「待ち構えているのはコカビエルだけでなく、例の『聖剣計画』の実行犯であるバルパー・ガリレイと『毒の龍』と呼ばれている『顔の無い者』の暗殺者。だが…」

「奴ほどの男が、たったそれだけであそこまで粋がるとは考えにくい…」

「旦那は、あの野郎が他にも戦力を保有してると思ってるんで?」

「予想だがな。だが、騎士とは常に最悪の事態を想定しながら行動をするものだ。警戒をして損はあるまい」

 

 ランスロットの言う通り。

 私も全く同じ疑念を抱いていた。

 もし噂通りの戦争狂だったなら、過信をして自分一人だけでどうにかしそうだが、実際に会ったコカビエルは間違いなく『歴戦の勇士』。

 しかも、相手はこっちの実力をある程度まで把握している。

 ここまで分かっていて警戒しないのは、もう素人云々以前の問題だ。

 

「川上さん…貴方たちがその背に背負っている黄金の箱は…」

「私達の『聖衣箱(クロスボックス)』ですわ」

 

 今回の闘いに際して、これを持ってこない理由が無い。

 迷う事無く黄金聖衣を纏わせて貰う。

 

「俺も、師匠との修行の成果を見せるぜ!」

「楽しみにしておりますわ。兵藤さんが、あの紫龍さまの元でどれほど強くなったのかを」

「おう!」

 

 同じ『龍』の因子を持つ者同士の師弟。

 相性自体は抜群だったでしょうね。

 

「ところで…川上さん?」

「どうしましたの? グレモリー先輩」

「貴女の肩に乗ってる可愛らしいフクロウは一体…?」

 

 あ…やっぱり気が付かれた。

 このままスルー出来れば説明をしなくても済んだのに。

 

「この方はコクトーさんと言って…」

「女神アテナの使いである。此度は姫子達の闘いを見届ける為に同行するのである」

「るー」

「「アテナの使いッ!?」」

 

 先輩コンビの気持ちのいい驚き。

 なんとなく予想出来た反応ですわ。

 

「もしや…前に言っていた『アテナの神託』を伝えている相手と言うのが…」

「このコクトーさんですわ」

「やっぱり…」

 

 まさか、女神の使いがフクロウだなんて流石に想像しませんわよね。

 驚く気持ちはよーく理解出来ますわ。

 

「では、お喋りはここまでにして…参りましょうか」

 

 私の言葉に全員が頷いてくれた。

 さぁ…いざ決戦ですわ。

 

「事前に言った通り、匙たちは学園の周囲にて待機をしつつ、念の為に結界を張っておいてください。川上さん達の闘いの余波が外に漏れ出ないように」

「分かりました。任せてください!」

 

 良いお返事ですこと。

 惚れた弱みってやつですわね。

 

「…川上」

「どうしましたの?」

「…負けるなよ」

「当然ですわ」

 

 匙さんが出してきた拳に対し、私も拳をコツンとぶつけた。

 

 私達は絶対に負けない。

 地上の人々の平和の為に。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 駒王学園の校庭に入ると、そこは異空間と化していた。

 

 見た目だけはいつも通りの光景だが、内部に渦巻く空気が全く違う。

 コカビエルが放っている『闘気』が辺り一面に充満している。

 

「来たか」

「お待たせしましたわ」

 

 本人の言った通り、校庭には破壊の魔法陣らしきものは一切無い。

 自分の言った事に対しては絶対に嘘をつかないタイプって事ですわね。

 

「…どうしてリアス・グレモリーとその眷属、それからソーナ・シトリーが一緒にいる? 貴様等にはもう用は無いと言った筈だ」

「そんなのは私達だって知ってるわ。自分達の実力では、アナタには到底歯が立たない事もね」

「ならば、なぜ来た?」

「この町の管理を任された者として、川上さん達とアナタ達との戦いを見届ける為です」

「ほぅ…?」

 

 先輩二人は必死に強がってコカビエルに物申している。

 本当は凄く怖いだろうに。

 手と足がさっきからブルブルと震えていますわ。

 

「…いい度胸だ。ならば、貴様達には俺達の闘いの見届け人になって貰おうか」

「望むところよ」

 

 見届け人ってことは、少なくともコカビエルが彼女達に手を出す可能性は消えたって事ですわね。

 それだけでも十分に重畳ですわ。

 

「…そこにいる初老の男が『バルパーガリレイ』ですの?」

「そうだ」

「…だ、そうですわよ。木場さん」

 

 白衣を着た腹の出ている禿げあがった頭の眼鏡の男。

 その手には大事そうに主んだ偽聖剣を握りしめている。

 実に典型的な学者肌の人間って感じですわね。

 

 チラっと後ろに目配せをすると、木場さんが剣を握りしめながら前に出てきた。

 その目には復讐心ではなく決意が漲っていた。

 

「こっちは僕に任せてくれ…川上さん」

「言われなくても…ですわ」

「ありがとう」

 

 いきなりの事にコカビエルが怪訝そうな顔になる。

 彼からしたら意味不明ですわよね。

 

「どういうことだ?」

「彼は、あの聖剣計画の被験者だったそうですわ」

「…成る程な。ならば、そいつにはバルパーを討つ資格がある」

 

 まさかの言葉にバルパーが驚いたような声を上げた。

 

「な…何を言っているコカビエルっ!?」

「俺は単にお前を利用する為に救出しただけに過ぎん。自分の身ぐらい自分で守ってみせろ。その手にある『剣』は飾りではあるまい?」

「うぐぐ…!」

 

 今までずっと子供達相手に人体実験をしてきたツケが回って来ましたわね。

 今度は自分が狩られる側になるなんて。

 

「向こうは向こうで放置をしても構わんか。では…こちらも始めるとするか。これが…俺の全戦力だ!」

 

 そう叫んだ直後、校庭に降りてきた巨大な三つの影。

 その内の二つは、三つの頭を持つ巨大な番犬だった。

 

「地獄の番犬…ケルベロス…!」

「そうだ。この日に備えて冥界から盗み出した」

「聖剣だけではなかったのか…」

 

 成る程…確かにケルベロスならば、たった二匹だけでも十分過ぎる戦力にはなる。

 相手が私達でなければ…ですけど。

 

 そして、もう一つの巨大な影…あれが…。

 

「……………」

 

 三つの顔を持つ、全身が緑色の巨大な異形の姿をした『龍』。

 これが…これこそが…。

 

「『毒の龍』…か」

 

 ヤッベーですわね…。

 毒の龍って事は即ち、毒のブレスを吐けると言う事…。

 学園周辺を結界で覆っておいて大正解でしたわ…!

 じゃないと、毒が住宅街に漏れてしまう可能性があった…!

 

(ケルベロス二匹に暗殺者にコカビエル…! これは厄介極まりないですわ…!)

 

 さて…どうする…?

 

 

 

 

 




次回、本格戦闘開始ですわ!


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