今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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遂に始まる、一誠の本格的な戦い。

ここから彼の伝説が始まる?

因みに、ドラゴンの聖衣バージョンの一誠のインナーは勿論、聖闘士伝統の真っ白インナーです。











赤龍VS毒龍! ですわ!

 修行の成果を発揮し、見事に真の意味で龍の力に覚醒して自身の神器である『赤龍帝の籠手』の姿を、師匠である紫龍が嘗て身に纏っていた『龍座の聖衣』を模した姿へと変化させた。

 完全な戦闘状態となった一誠は、目の前にいる自分の対戦相手である毒龍の因子を持つ暗殺者と対峙する。

 猶、これ以降は暗殺者の事を『毒龍』と呼称することとする。

 

「お前の相手は、この俺だぜ…毒野郎…!」

 

 両手の指をポキポキと鳴らしながら気合を入れる一誠。

 その目には嘗ての彼には無かった燃えるような闘志が宿っていた。

 

「……………」

 

 毒龍もまた一誠の事を敵として認識したのか、その毒々しい緑に染まり、己の顔を皮を剥がした末の骨が丸出しとなった異形の顔面の口から、緑に輝く息を吐き出した。

 

 毒     息(ポイズン・ブレス)

 

『むっ!? 相棒! あのブレスに気を付けろ!』

「わーってる! 毒なんだろッ!?」

『そうだ! だが、あれは普通の毒じゃない! 触れた物全てを腐らせる毒の息だ!!』

 

 ドライグの忠告通り、毒龍の吐いた息が触れた地面が、まるで溶岩地帯になったかのようにドロドロと溶けだした。

 熱などならばいざ知らず、毒で物質を溶かすなんて明らかに異常だった。

 

「このままじゃ学校だけじゃねぇ! 周りの皆にも被害が出る! とっととどうにかしねぇと!」

『俺を身に宿している時点で、お前は龍の毒に対してだけ強い耐性がある! 物理攻撃にだけ気を付けろ!』

「合点承知!!」

 

 腰を低くし、ダッシュの構えで懐に飛び込もうとする。

 だが、毒龍もそれは読んでいて、更に一誠にも自分と同じ『龍の因子』があることも見抜き、唯一の対抗手段である物理攻撃を仕掛けてきた!

 

『来るぞ!!』

 

 毒 悪 ナ ル 尾(ポイズン・テイル)

 

 毒を宿す巨大な尾の連打が一誠に襲い掛かる!

 一撃だけでグラウンドを揺らし、地響きを鳴らす!

 もし直撃なんて受けようものなら、大ダメージは避けられない!

 

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!

 

 肉片すらも残さないと言わんばかりの容赦なき連撃!

 砂煙が周囲を覆い尽くし何も見えなくなる。

 万事休すか。

 誰もがそう思った。

 

「シュオオオォォォ…!!」

 

 毒龍が勝利の吐息を漏らす。

 だが、その行為は無駄に終わった。

 

「あーあ…ふざけてんのかよ?」

『フッ…随分と俺達も舐められたもんだな。だろう? 相棒』

 

 砂煙の中央から赤い光が溢れ、勢いよく弾け飛ぶ。

 そこには何と、少し体が汚れただけの一誠が左腕の真紅の盾を構えた状態で堂々と立っていた。

 

「その程度の攻撃で…この『ドラゴンの盾』が壊れる訳ねぇだろうが!!」

『これは相棒の師から受け継いだ最強の盾。生半可な攻撃では掠り傷すら与えられん! ましてや、貴様のように悪に染まった者の攻撃はな!!』

 

 嘗て、その盾で多くの戦士たちの攻撃を受け止めてきた『ドラゴンの盾』。

 それは弟子である一誠へと継承され、見事に毒龍の攻撃を防ぎ切った!

 

「今度は…こっちの番だ!!!」

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』

 

 一足飛びで毒龍の真正面の高さまでジャンプし、そのまま小宇宙を込めた拳で毒龍の顔を殴り飛ばした!!

 

「!!!!!?????」

 

 一瞬、自分の身に起きた事が理解出来ず、毒龍は一誠の拳によってぶっ飛んだ!

 軽く見積もっても確実に3メートルはあるであろう巨体が飛んでいく様は、どこか現実感を無くさせる。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…! どうだ!!」

『今の一撃は確実に入った。普通ならば、あれで終わりだが…』

 

 ズン…。

 今度は自分が倒れた衝撃で砂煙を上げる毒龍。

 一誠の勝利かと思われた…だが。

 

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 両目を真紅に染め上げ、明らかに憤怒しているのが分かる。

 顔が髑髏なので表情は変化しないが、その目で感情を表現していた。

 

「『だと思った』」

 

 二人揃って声を上げた瞬間、一誠がいた場所に向けて毒龍の剛腕が振り下ろされた!

 しかし、それが分からない彼ではなく、即座にバク宙をしながら回避する!

 

『なんとなく予想はしていたが…案の定のようだな』

「ってことは、やっぱり?」

『あぁ。龍の力を持つ者ならば、同じように無限に等しい再生能力も有しているのだろう』

 

 同じ『龍』だからこそ分かること。

 この戦いにおいて、ドライグは最高のアドバイザーになっていた。

 

『一撃で終わるほど…甘い相手ではなかった…と言う事だ』

 

 毒龍の口に周囲の空気が吸い込まれていく。

 それはすぐに、毒を宿した極悪なる息となって吐き出される!

 

 腐 食 セ シ 龍 息(コロージョン・ドラゴンブレス)

 

「させるかよぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 広範囲に広がるブレスを、一誠は自身の拳から放たれる拳圧で弾き飛ばす!

 そのお蔭で毒の拡散自体は防げたが、すぐにブレスの一撃が実は囮に過ぎなかった事だと知る。

 

「な…なんだありゃっ!?」

『あ…あれは…まさかっ!?』

 

 毒龍の口が開かれ、口内が怪しく光ったと思ったら、その頭上に巨大な緑の光玉が形成されていた。

 

「魔法…なのか…!?」

『そうだ…! 俺や白いのを初めとした高位の龍は、その殆どが体に強大なる魔力を有している。こいつは一体、どの龍の因子を取り込んだんだ…!?』

 

 これ程の魔力を有する龍となると、必然的に数は絞られていく。

 詳しく調査すれば正体は分かるかもしれないが、今はそんな暇など無い。

 だがそれでも分かることはあった。

 この毒龍は、最低でも二天龍と同レベルの龍の因子を取り込んでいるということが。

 

『…古来より、俺たち龍は神と同一概念とされていた。普通ならば、肉体に魔力を宿す龍を倒す事など不可能に近い。近いが…』

「俺達は違う…だろ?」

『そうだ。魔力を宿す龍がいるのはこちらも同じ。更に俺達は小宇宙に覚醒している。ついでに言えば…』

 

 ドライグが言い終わる前に、一誠は『構え』を取る。

 それは、師である紫龍から教わった『ドラゴンの小宇宙を最大限に高める構え』。

 

『いつの世も、龍を倒せるのは龍だけと相場が決まっている』

 

 一誠の小宇宙が爆発的に燃え上がり、その背後に彼の小宇宙で生み出された赤いオーラが浮かび上がる!

 それは、真紅の体躯を誇る雄々しき二天の龍の一角!

 赤龍帝ドライグ!!!

 

 この一撃で勝負を決める。

 お互いの気持ちが同じになった時、最後の攻撃が始まる。

 まず最初に仕掛けたのは毒龍!

 最大まで高めた魔力を巨大な光の輪に変えて、それを全力で投擲する!!

 

 切 断 セ シ メ ル 光 輪(スラッシュ・チャクラム)

 

 地面を斬り裂きながら光の輪が一誠に迫る!

 このままでは真っ二つになるは必至!

 衝撃を両腕をクロスさせることでガードするが、すぐにガードを解いて再び構えを取った。

 

(…師匠。見ててくれますか? 師匠が俺に教えてくれた『最高の栄誉』を…)

 

 なんと、一誠は迫り来る光輪に向かって突撃していった!

 一見すると自殺行為のようにも見えるが、一誠の眼は決して絶望などしていない!

 

(師匠が教えてくれた『この技』で今こそ…毒龍(コイツ)をぶっ倒すっ!!!)

 

 一誠の小宇宙が究極まで高まった時、遂にその『技』が放たれたッ!!!

 

 

 廬  山  昇  龍  覇  !!!!!

 

 

「!?!?!?!?!?!?」

 

 真紅の龍の渾身の一撃は、光輪を一撃で木端微塵に粉砕し、更にそのまま毒龍の胴体をも貫いた!!!

 

『グオオオオォォォォォォォォォォォォッ!!!!!』

 

 赤龍から廬山の龍へと転生したドライグは、技と完全に一体と化し、その爪で毒龍を斬り裂き、その牙で毒龍を噛み砕く!!

 人龍一体となった一撃は、毒龍の身体を崩壊へと導いていた!!

 

「『いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!』」

 

 ダメージが限界にまで到達した…その時だった。

 

「………………」

 

 全身が罅割れたように亀裂が走り、断末魔すら挙げずに毒龍はガラスのように砕け散り、緑の霧となって夜空へと消え去った。

 

「これが…俺の…俺達の誇る…師匠から受け継いだ…!」

『ドラゴン最大の奥義だ…!』

 

 兵藤一誠VS毒龍の暗殺者。

 

 勝者…兵藤一誠!!

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「ば…馬鹿な…!? あの暗殺者が…幾ら赤龍帝だとは言え…あんな小僧に倒されるなど…!?」

 

 コカビエルほどでは無いとはいえ、それでも圧倒的な力を有していた毒龍が敗北した。

 これで一人、自分の身を守ってくれるであろう存在を失ったバルパーは、偽の聖剣数本を腕に抱えながら、冷や汗を掻いて狼狽した。

 

「わぁーお…あの少年…とんでもねー強さだな…」

 

 普段から余り人を褒めないフリードが普通に評価した。

 裏の世界に身を置く彼からしても、今の一誠の実力は凄まじかった。

 

「フッ…それでこそ、我が王の学友。赤き龍の誇り…確かに見させて貰ったぞ」

 

 ランスロットもまた嬉しそうに微笑む。

 ブリテンを守護せし騎士である彼には、同じように護る物を護る為に戦う一誠には非常に強い共感を得ていた。

 

「凄いね…一誠君。今なら断言出来るよ。君は…僕達よりも遥かに強い」

 

 転生悪魔として身体的な強さを手に入れ、そこから更に剣の師に弟子入りして腕も磨いてきた。

 だがそれでも、今の一誠には敵わないと本能で悟った裕斗。

 悔しい気持ちなど全く無い。

 それどころか、強い尊敬の念すら抱いた。

 

「一誠君は一誠君の役目を立派に果たしてみせた。ならば次は…」

「俺ちゃん達の番ってことやね~」

「そう言う事だ。こういう時、日本では『年貢の納め時』と言うのだったか?」

 

 ジリジリと迫る三人の剣士。

 その迫力に思わず後ずさりをするバルパー。

 彼の腕の中には、贋作とは言え立派な剣がある。

 無駄と分かっていても、それで一矢報いるか?

 

 否。

 

 絶体絶命の状況に陥って猶、バルパーは不敵な笑みを浮かべていた。

 

「く…くくく…ははは…!」

「貴様…何が可笑しい?」

「遂に頭がパーになっちまったか?」

 

 いきなり笑い出したバルパーに不快感を示すランスロット。

 そんな彼らに対し、バルパーは声高々に叫んだ。

 

「この私が! この状況を決して想定していなかったと…本気でそう思っているのかッ!? だとしたら、少し私を舐め過ぎているぞっ!」

「どういう意味だ!?」

「コカビエルも…暗殺者も…ケルベロスも! 全てがいなくなっても私一人で戦える手段を、ちゃんと用意してあるのだよ!!」

 

 バルパーの謎の自信に、裕斗は思わず眉間に皺を寄せるのだった。

 

 

 

 




まずは一勝。

次回はランスロット&フリード&裕斗の戦い。


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