兜虫だ......。何か文句でもあるのか? 作:デンデ・テンゲン君
想像したことがあるだろうか?
世界で活躍している一流の者たちが、普段どれほどの重圧をその身に受けながら過ごしているかを。
「王者」とは素晴らしく、輝きのある言葉だ。それは金剛石の如き輝きで、太陽の如き眩き光で、多くの者を魅せる。ゆえにその者たちは手を伸ばす、掴もうとする、己のものにしようとする。既に誰かのモノであるなら、奪い取ってでも.....。
だが、今の俺は知っている。その輝きは金剛石でも太陽でもなく、ただの蛍光灯であることを....そして同時に知った、その輝きに手を伸ばすことがどれほど哀れな行為かを。
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目を開ける、天井が見える。
鼻で空気を吸う、汗くさい臭いと粘つくような嫌な熱気が肺に通っていく。
体を起こし、身に着けている防具と胴着を脱ぎ籠の中に放り込む。あとは勝手に洗濯されるだろう。
昨晩着ていた寝間着を着て、道場から出て主屋へと向かう。
寝間着を脱ぎ捨て風呂場に入り、汗を洗い流し、タオルで体を拭く。
自室に入り、椅子に掛けてある制服に袖を通し、鞄を持って、居間に行く。
壁にある時計を見て、8時37分であることを確認してから朝食が用意されている自席に座る。
親から「時間は大丈夫か」と聞かれ、「問題ない」と朝食から目を離さずに答える。
歯を磨き、玄関へと向かう。途中、廊下に飾られてある大量の表彰状を
何も変わらない、いつも通りだ。
夜遅くまで竹刀を振り、部屋まで戻るのが面倒だとそのまま仰向けになり寝て、
適当な時間に起きて、身支度を済ませて学校へ行く。
そこに変化があるとすれば親との会話だけだ。
といっても、今のように登校時間のことであったり、学校での勉強や対人関係であったり、試合のことであったり.....
最初の内は数語だけでも会話していたが、だんだん面倒になり「問題ない」だけで終わらせるようになった。
それから学校へ行き、つまらない時間を過ごし、家に帰り飯を食べ、道場で竹刀を振り、防具を着たまま寝る。
何も変わらない、いつも通りの退屈で憂鬱な日常だ。
その日がその日常の
特に何もない通学路を歩く。何もなく着ければいいが...。
途中にある商店街を歩く。
周囲からの目線を感じる。
向こうからしてみればちらりと見ているだけかもしれないが、こちらからは迷惑ものだ。
商店街の出口に差し掛かった時に振り返り、肩越しに見返す。見ていた者全員が視線を外す。
視線を前に戻し、溜息をつきながらまた歩き始める。
歩き続いている間に校門前に着いた。
下駄箱で靴を履き替え、階段を上る。
二年三組、自分の教室につきその扉を開ける。
「あ、最強幽霊副部長おはよー」
「おはようございますぅー竹山君、相変わらずの遅刻ですねぇー。剣道の試合だけじゃなくて、授業にも間に合うようにしてくださいねぇー。」
「そーだよ、ちょっとはアタシ達のマジメさを見習いなよ?」
「まじめな人は授業中にスマホ覗きませんよー漆原ちゃーん。」
「うえっ⁉」
「そんな漆原ちゃんには、次訳してもらいましょー。ダメだった時は笑うの我慢してる夏目君に答えてもらいますねぇー。」
教室に入って早々面倒な女子生徒に話しかけられた、そのあと間延びした声で担任が話しかけてくる。教室の目線がこっちに集まる。
そこからは聞き流していたが、どうやら最初に話しかけたやつに注目が移り、そいつを笑おうとした奴にまた注目が移ったようだ。教室に僅かな笑いが生じる。
その空気の中をゆっくりと無言で自席まで歩く。
見るからに眠そうな男子生徒の前の席に座り、机に鞄を掛け、教科書を出し何事もなかったかのように授業に参加する。
視線を教科書から朗読している担任へと戻した時。
「......⁉」
強烈な悪寒が俺を襲った。
全身の鳥肌が立ち、冷や汗が出る、体も震えている。
慌てて原因を探す
床、窓、廊下、黒板。
そして、天井へと移った時に『ソレ』を見つけた。
亀裂だ。天井の一か所に亀裂が入っている。しかも徐々に大きくなっている。
あの亀裂はなんだ?空間になぜ?
そんな疑問が頭に生まれるよりも先に体が動いていた。
椅子から飛び上がり、机の上を駆る。
何事かと視線を集めるがどうでもいい。
本能が警鐘を鳴らしている。「アレは駄目だ」と。
そして、亀裂に手を伸ばした瞬間.....
亀裂が盛大に割れ.....
教室に爆風が巻き起こった。
これが俺、竹山 兜の日本での最期の出来事である。
処女です!間違えた、処女作です!
ドーモはじめましてデンデ・デンゲン君です。
長いのでデンゲン君とお呼びください。
何分初めての作品ですのでいささか緊張しております。
どうか皆様の生暖かいその目で見守ってくださるとうれしいです。
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