兜虫だ......。何か文句でもあるのか?   作:デンデ・テンゲン君

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第一章 おかしな惑星
1 密度の高い転生直後


.........っ!

 

魂が体に飛び込んできたような感覚を受け、目を覚ます。

どうやら気絶していたらしい。

 

あの爆発からして、間近で受けた俺は死んだと思っていたが。自分の体は想像以上に頑丈らしい。

怪我もしていないようで、痛みを感じる部分もない。

擦り傷一つない。

 

あの五体がバラバラになる程の激痛も幻覚だったのだろうな。

 

.....。

 

 

............。

 

 

 

...................。

 

 

 

 

いいかげん現実逃避はやめよう。

 

「自分はあの時爆発に巻き込まれて死んだ」これが事実だ。

 

そこから目を逸らしても仕方がない。

 

しかしそれを受け入れたとしても、別の問題が浮上するだけだが.....。

 

地面に向けられていた目線をあげる。澄み渡った蒼い空、そこに点在する白い雲。

前を向くと、10時方向に巨大な山が一つ。生えた木々の葉が、吹く風に一斉に揺られている。

 

「別の問題」とは、この状況のことだ。

 

死んだ者は地獄へ行き、生前に犯した罪の重さを量られ、それに応じた罰を与えられる。

罰を償った後は天に昇り、記憶を消された後、新たな命を与えられる。

 

実際のところは知らないが、これが俺の死後に対する見解だ。

 

であれば、今は地獄にいるはずだが。周りの景色からここは地獄ではないことがわかる。

罪を量り、罰を与える場所がこんなのどかな訳がない。

 

それとも、地獄にいた間の記憶だけ消されて命を与えられたか。これもないだろう。

それでは何がしたいのかわからない。

 

では.....

 

 

 

 

 

 

 

 

地獄にも天にもいかず(・・・・・・・・・・)ここに飛ばされたか。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いろいろと考えを巡らせたが、そろそろ行動を起こすとしよう。

ここにうつ伏せで寝ているだけではわかることも限られてくる。

まずは移動してここが何処かだけでも知らなければならない。

 

そうして立ち上がっ.....て...

 

足をまげて、手を地面について、立ち上がれない。

 

多少体が上がるだけで、それ以上いけない。

 

どういうことかと自分の手足を確認する。

確認してしまった。

 

自分の手と思われる細長い茶色の『ソレ』を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ...はぁ...はぁ....

 

ひどく取り乱した。

自分の手(と思わしきもの)を確認した俺はとにかく驚嘆した。それはもう周りを気にせず暴れまわる程に。

 

だってそうなるだろう。己の体が虫の体であるなど、信じられるか?

 

輪廻転生とはよく言うが、まさか虫になるとは...。

 

もう一度自分の手を見る。

先端が三又の鉤爪になっている細い手だ。

そこまで虫に詳しくはないので。これだけで何の虫か特定することはできない。

 

それにしても、これから這って生きなければならないとは。

虫なのだから飛べるのではないか?いや、羽のある虫に生まれ変わったとは....

 

そうして自分の新たな体に考えていると。

 

 

.....?なんだ、足音?

こちらに向かってくる音が聞こえる。複数人が走っているのか、地を踏む音の数が多い。

後ろのほうか?

 

一体何かと体を音源へと向けようとした時。

 

体が衝撃とともに吹き飛ばされた。

訳も分からずに宙を舞う。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル〈衝撃耐性ⅬV1〉を獲得しました》

 

謎の声が聞こえた直後、体が横向きに地面にたたきつけられた。

 

 

......何.......だ....?

 

なにか声が聞こえたが、一先ず後回しにする。

それほどの緊急事態だからだ。

 

衝撃を受けた箇所を中心に体に激痛が走る。たたきつけられた箇所はそこまでではないとはいえ、かなりの重傷だ。

幸い、まだ死ぬようなものではない。無視できないものではあるが。

 

体をもとに戻し、原因を見据える。

 

猪がいた。それも通常より数回り大きいのが。興奮しているのか、荒い息をしている。

俺を吹き飛ばしたのはアレの突進で間違いないだろう。

 

仕留め切れていないと分かったのだろう。体を低くし、再度こちらに突進しようと構えている。

避けたいところだが、あの巨体だ、少し横に跳んだだけでは意味がない。

 

ならば...

 

猪が突進してくる。普通の猪では考えられないような速度で走り、こちらに向かってくる。

ある程度こちらに近づき、残り約5メートルに差し掛かった時。

 

俺は前方(・・)猪の右眼球(・・・・・)へ跳んだ。眼球は、人体問わず生物の弱点である。

正直目つぶしだけでこの猪を殺せるとは思えないが、撤退させることはできるだろう。

 

そうして行った突貫は、予想外の結果をもたらした。

 

 

 

猪の咆哮が耳に刺さる。目から出た血(・・・・・・)が顔にかかる。

 

何が起こったのか。

まず、眼球への攻撃は成功した。想定外だったのはそこから。

俺のこの体の頭には角があったらしい、それが眼球を貫通し脳に刺さった。

 

猪が暴れる、その動きに合わせるように俺の体も揺さぶられる。角が深々と刺さっていることで体が固定されており、こちらから離れられない。

猪が俺を振り払おうとさらに激しく暴れる、しかしその度に脳に角が当たり体がビクリと震える。

前足を使い俺を蹴り飛ばすこと、やっと俺を離すことが出来たようだ。

 

猪は、俺が外れたことに安堵したのか、脳のダメージからかぐったりとしていた。

まだ生きてはいる。が、風前の灯だろう。

 

猪は目にできた大穴から多量に出血している。もはや何もしなくても死ぬ。

 

奴はこちらを向いている、怨嗟と後悔の籠った目で俺を見ている。

 

そして、猪の呼吸がゆっくりになっていき、ついには完全に停止した。

 

自分の息が乱れていることに気づく。

 

頭の中に先程聞こえた無機質な声がまた聞こえてくる。何か言っているが、耳に入ってこない。

けいけんちとか言っている気がする。

 

 

 

これが....生物を殺す感触か....

 




いやー最後グロイなぁ。書いた私が言うのもなんですけど。
はい、私です。デンゲン君でございます。
シリーズ第2話無事かけました~。パチパチ~。
第一話出してすぐにコメントが来たときは驚きと興奮が溢れましたね。
コレが、認知されるというものか....
コメントくれると励みになります。これからも( `・∀・´)ノヨロシクゥ!
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