はい、女の子になりました...え?簡潔すぎる?そりゃあごもっとも。ではもう少し詳しく説明しよう。
前世は男であった自分。そこそこ長く生きたと思う。なぜ思うと濁したかは自分がいつ、どこで、どうやって死んだかわからないからだ。気づいたら赤ちゃんになっていたからね。
急に眩しく視界が開いたかと思えばでかい人が俺を覗き込んでいた。逆光で顔はよく見えないが確認できたのは二人。その二人が嬉しそうな声色でなにか喋っていたがまるでわからなかった。いきなりこんな状況になり俺はもちろんパニックになった。訳も分からない状況、でかい人が二人、そして記憶の混濁。そんなことを体験中の俺はもちろん号泣した、もうそれはわんわんと泣いた。そんな俺を見て目の前の二人は慌てた様子で誰かを呼んでいるようだった。そしたらドンドンと足音が聞こえてきたと思ったらもう一人でかい人が覗き込んできた。その人も逆光でよく顔は見えなかったが白い布?いや、あれは白衣だ。白衣を見て俺は少し冷静さが戻ってきた。男女のでかい人...白衣を着たおそらく男...聞き取れない言葉...全然動かない体...これは!そう!転生だ!!!
っとまぁ早計な判断だったがバッチリ当たっていた名探偵な俺であったが冒頭で言った通り女に転生してしまったわけだ。この事実を知った時はまぁビビったよ、俺の体どうなってんのかなー?ってよちよち歩きで鏡の前に立った時、ん?なんか可愛いな?まぁ小っちゃいから男でも可愛い容姿の可能性もあるからと思い、思いっきりズボンを下げたらあら不思議!小股にあるものが無いではありませんか。いや~びっくらこいたよあの時はびっくりしすぎて泣いちゃいましたよ。両親が駆け付けに来て慰めに来ましたが。だがなってしまったものはしょうがない。俺は早々にこの体に慣れようと努力することに努めることにした。
俺の話はこんな所で今度はこの世界の説明をしよう。まぁちょっと本をかじった程度だが...この世界はなんと魔法があります!魔法が!ありまーす!前世の世界では架空の魔法がこの世界ではあります親が使っているところみました。この世界は魔法のおかげで文明レベルは高い、流石にスマホはないが遠距離で通信ができる平坦な板がある、それからホログラムのように通信相手が映し出されるわけだ...これは前世の世界よりかは進んでいる、近未来って感じだ。
魔法は火、水、土、風、闇、光、てな感じで属性が分かれている。これはわかりやすいゲームでよくある魔法属性だな。だが人によって適性というものがある。簡単に言えば火の適性がある人は火の魔法がぐんぐんと上達するが他の属性の魔法はかなり不得意ってな感じ。人によって適性の魔法は複数の場合もある。だが適性なんでどうやって分かるの?と思われると思うが判断は簡単だ。その人の髪色を見ればいい、火の適性がある人は赤、水は青、土は茶、風は緑、闇は黒、光は白。こんな感じで分かれている。そして複数の場合は最も得意な適性がベースでほかの適性がメッシュとして現れる。組み合わせによっては目に悪そう...。だが複数の適性持ちはあまりいない。二つの適性持ちでも珍しいのに三つ以上はもっと珍しいということになる、おとぎ話で全部の適性持ちの人が出てきたりするが、まぁ作り話だろう。
そして気になる俺の属性は...なんと!光属性です!髪真っ白です。あ、まだ説明してなかったが闇と光属性は珍しいようだ。大体は他の四属性だ、そして魔法の熟練度の具合で髪色が濃く深い色になっていく。闇と光は分かりづらいけどね。
魔法と世界の話はこれぐらいにして俺の話に戻ろうか。
何とかよちよち四つん這い歩きから解放され覚束ない二本足で歩くことに成功した俺はさっそく言語の取得を試みた。母親にと一緒に本で勉強した、ちなみに母親は美人しかも光属性で髪が真っ白で儚さがあって癒しだ。母の眠気を誘う声と戦いながら必死に勉強する。できなければ本も読めないし、親が何言っているかも分からないし、他の子供達に除け者にされてしまうから頑張った。
何とか日常会話は出来るようになり俺はさっそく外へと飛び出した。魔法を習いたかったが学校でなければダメらしい。そして学校に通えるのは十歳かららしい。俺はまだ五歳、なのでまだ学校に通えないので外へと飛び出した訳だ。子供は風の子、大人はキノコだ。
外へと飛び出した俺はいつも子供達が集まる広場に直行した。俺が到着した時にはまあまあ子供達が集まっていた。俺はそこに走っていく。
「よーお前らー私様が来たぞー!」
「うわ、みんなきたよーじょうおうさまが!」
「おーい誰が女王様じゃい!照れるだろ~このこの~」
「や、やめろよ!なでるな!」
「恥ずかしがっちゃってよー可愛いなーおらおら」
顔を真っ赤にしながら手を払ってくるショタっ子が益々可愛くなり両手で髪をくしゃくしゃにする。にしてもなぜ俺が女王様と呼ばれているのだろうか?暴君って意味か?そんなつもりはないんだがなー、子供達が可愛くて構い倒してたのがダメだったとか?わかんね。
「そんじゃ今日は何して遊ぶ?」
「はいはい!おにごっこしよ!」
「お、いいな。そうしよう私が鬼になるからみんなー散れ散れー」
女の子が鬼ごっこを提案してきたからそれに乗ることにした。俺が鬼になり大声で宣言すればキャーといってバラバラに逃げていった。やっぱ子供は元気に走り回らないとな。十秒数え俺は子供達を探しに村を駆け出した。
夕方になり無事鬼ごっこは俺の勝利に終わり、家に帰宅した。玄関を開けるといい匂いが漂ってくる。ふむ、今日はカレーか最高だな。
「あら、お帰り。手を洗ってきなさい今日はあなたの好きなカレーよ」
「はーい」
洗面所に向かい手を洗い、食卓へ戻る。食卓には既にカレーは配膳され両親も席についている。俺もいそいそと席に座る。
「さぁ、みんな席についたことだし食べようか」
「「「いただきます」」」
スプーンを手に取り口に運ぶ。もぐもぐ...美味い。女の体になったからわからないが甘いものが大好きになった、前世でも甘いものは好きだったがここまでではなかった。
「そうだった、この村に引っ越してきた人たちがいるんだ」
「むぐむぐ...今日?」
「そうだ、その人たちには子供がいるんだ。ちょうどお前と同じ年の子が」
「へーそうなんだ。男の子?」
「いや、女の子だ。赤い髪の子でな、よかったらお前が面倒を見てくれないか?」
「うん、全然いいよー」
「助かる」
父さんがそう提案してきたので即了承する。ふむふむ赤い髪の女の子ね、赤い髪の子は他の子供達にはいないからわかりやすいな。
そんなこんなでご飯を食べ終え、さっさと歯を磨き部屋着に着替え布団をかぶる。あっという間に瞼が重くなり眠りについた。
朝起きてさっさと着替えご飯を食べて、家を飛び出す。行先はもちろん新しく来た子を遊びに誘うためだ。父さんから家に場所を教えてもらったので直行する。しばらく走ると目当ての家が見えてくる。他の家と変わらない木造建築が見え玄関前に立つ。そして
「ニーナちゃーん!あーそびましょー!」
大声で赤毛の女の子。ニーナという名前の子を呼ぶ、これも父さんから聞いた。そしたら玄関が開いて大人の男の人が出てきた。ニーナのお父さんだろうか?髪色は青色だ、だがそこまで濃くはない色合いだ。顔は優男って感じだな。
「ん?君は...もしかしてバロンさんの子かな?」
「そうです!ソニアっていいます!」
「ふふ、元気な子だね。うん、バロンさんから聞いてるよ。うちの子と遊びに来てくれたのかな?」
「はい、そうです!ニーナちゃん起きてますか?」
「起きてるよ、おーいニーナ!遊びに来てくれた子がいるよ、でておいで」
ニーナのお父さんが大声で呼ぶと家の奥から足音が聞こえてくる。そしたら扉からひょっこりと顔を出した女の子。なるほど...淡い赤髪のショートカットに勝気な目で整った顔のパーツ、まだ五歳だから当たり前だが幼さがあるがどことなく力強さがある。これは...女の子に受けが良さそうな顔だ。大きくなったら大変そうだなこれは。
「初めまして!私、ソニア。見ての通り光の適性持ちだよ!よろしくね」
相手の名前は知っているが俺のことは知らないだろうしそもそも初対面だしな挨拶をぶつける。そしたらニーナは扉から出てきたがびっくりした。ほんとに同い年か?デカい...何がって?背が。俺よりか一回りは大きい。目の前にきたが見上げる大きさだ。他の子供達でもここまででかい子はいなかった。
「はじめまして、ニーナっていいます。わたしは火の適性。よろしく」
手を差し出して握手を求めてくるニーナ、手大きいな。俺も手を出し握手する。俺の手がニーナの手に覆われてしまう。
「よろしく!っよし。さっそく遊びに行こう!」
「え、で、でも」
ニーナがお父さんの方をチラチラと見ながら不安そうな表情をしている。
「ニーナ、行っておいで。楽しんでおいで」
お父さんがそういうとニーナは不安そうな顔は変わらないが少し和らいだ。
「わかった。じゃあ行ってきます」
「ああ、いってらっしゃい。ソニアちゃんニーナのこと頼むよ」
「はい!お任せください。いこ!ニーナちゃん」
「うん」
俺はぐいぐいとニーナの手を引っ張って駆け出す。行先は広場だ、他の子たちともはやく仲良くなって遊ぼう。ニーナは背が高いから怖がられる可能性もあるしなその辺は俺がフォローしよう。しばらくニーナと走っていき広場が見えてくる子供は...よし、いるな。そのままニーナと突入する。
「おめーら!私様がきたぞ!」
「でたー!じょうおうさまだー!おはよう!」
「おう、おはよう」
定番のやり取りをしニーナに手招きする。ニーナはきょとんした顔していたが俺らのやり取りが珍妙に見えたのだろう。
「ん?ソニア、そのこだれ?」
「新しく引っ越してきたニーナちゃんだ、ほらニーナちゃん挨拶」
「ああ、はじめましてニーナだ、よろしく」
ニーナがずいっと前へでて挨拶をする。どれどれ子供達の様子はー...うん、大丈夫そうだ。
「わー!おっきい!」「あかいかみだー」「わたしラナ!よろしく!」
元気な子供達に囲まれて困惑気味なニーナが微笑ましいな。この様子だとすぐに馴染むだろう。だがこのままだと収拾がつかなさそうだから俺は手を叩いて注目を集める。
「よし、今日からニーナちゃんを交えて遊ぶぞ!今日はかくれんぼだ!」
「わー!かくれろー」「どこにかくれるー?」「あ、このまえいいところみつけたんだ」
そう言って子供達が駆け出していく、俺が鬼らしい。まぁいいけど。だが一人ポツンと立っている、そうニーナだ。
「ニーナちゃん一緒に鬼やる?わからないでしょ越してきたばっかだし」
「ああ、いっしょにさがしてもいいか?」
「もちろん!さ、行こ?」
俺はニーナの手を掴む。一瞬ビクッとニーナが驚いたみたいだが手を握り返してくれた。まだ探すには早いからニーナと駄弁る。ニーナの髪は母親譲りらしい。なんでもニーナのお母さんは王都の騎士団長らしい、まだお母さんの顔をみてないがニーナの顔は母親似なのかな?ただの偏見だが。だって騎士団長で女の人ってイケメンしか思い浮かばない。お母さんは今は王都にいるらしい。なぜわざわざこんな田舎に来たかと聞けばお母さんが王都は肌に合わんっていって引っ越してきたらしい。肝心の本人が王都にいるのがなんともって感じだ。そりゃ離れられないだろうね。そんなこんなで喋っていたらいい具合に時間が経った。
「よし、いこっかニーナちゃん。村を案内しながら探すね」
「頼んだ」
ニーナと手を繋ぎながら俺達は歩き出した。村を案内しながら子供を見つけていく、大体隠れる場所は分かっているしね。
俺達は次々と子供を見つけていき全員見つけたころには家に帰るには丁度いいぐらいの空色になってきた。俺は子供達に帰るように言いみんなもそれに応えてそれぞれの家に帰っていく。俺はニーナを家まで送り届けることにした。しばらくはニーナと一緒に行動することにしようと思う。王都に暮らしていたし土地勘と入ってはいけない所とか色々教えないといけなし父さんにも頼まれたしね。
ニーナとテクテクと横に並んで夕日を背中に浴びて歩く。今日あったこと、俺の話なんかをしながら歩いていたらあっという間にニーナの家が見えた。もう大丈夫だろう。
「じゃあね!ニーナちゃん。また明日!」
「ああ、また明日だソニア」
俺はニーナと別れニーナが家に消えるまで手を振って見送る。ニーナも度々振り返り手を振り返し家に消えていった。よし、俺も帰るか。楽しかった、童心に帰ったかのようだ、いや今は子供だったな。
家に帰り両親に今日のことを話していく、もちろんニーナの事もだ。
「そうか、仲良くできたみたいだな。流石だなソニア」
「でしょー、もっと褒めて」
「ははは、お前はよくできた子だ。えらいぞ」
父さんはそのごつごつした手で俺の頭をなでてくる。俺はこの手が好きだ、なぜなら努力の証だからだ。その手でその体で家族を支えてくれているのだから好きにならないわけがない。もちろん母さんも好きだ。大らかで母性が溢れている。いつも食事を用意し、掃除をし、俺の勉強を見てくれるそれが当たり前だと思ってはダメだと俺は知っている。だから積極的に手伝いをしている。俺が大人になったら今度は俺が両親を支えるんだ。...ちょっと感傷的になってしまった。とにかく俺は親が大好きというわけだ。
食事を終え食器洗いを手伝い、歯を磨き、部屋着に着替え布団をかぶる。今日思い出すのはやはりニーナの事だった。新しい友達、身長は高くイケメンな女の子だ。明日は何して遊ぼうかとか家にお邪魔してみたいなとか思っていたら瞼が重くなってきた。俺は睡魔に抗わずゆっくりと意識を落としていった。