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俺の誕生日パーティーから3年が過ぎた。気になる俺の容態だが、定期検査を受け続けた結果が2年前から成果がでた。試験薬ができたのだ、もちろん害はないように慎重に動物実験やらなんやらやったらしいが難しくて頭に入ってこなかった。それで2年前からその試験薬を服用しつつ検査を受けて徐々に効果が出てきた。そしてついに!去年から俺はベッドの住人を卒業したのだ…。まぁ、家のベッドに移っただけだから卒業できてないんだけどね、病院のベッドから抜けたって意味で。
そう!俺は歩けるようになったのだよ。ベッドに横たわってはや…何年だっけ?まぁいいや。ベッドからでて、さぁ歩くぞ!って一歩踏み出したらすっ転んだ事があってね、恥ずかしさよりかこんなにも衰えていたのかと絶望が勝ったね。目の前が真っ暗になりそうになった時にニーナが抱き上げてくれてね、ついつい縋って泣いちゃったよ。年甲斐もなく。後から思い出してもくっそ恥ずい…。
その時俺は決心したよ。ベッドに寝転んでいた分、体動かすぞ!ってな…。そう思っていたんだがなー…。
「ソニアさんの病は治っていません。あくまでこの試験薬は痛みを抑えるものであります。発症後よりかは胸の痛みは頻度は減ってきましたが完治に向かっていってるわけではありません。なので激しい運動はなるべく避けてください、常に抑制剤は携帯してください」
はい、俺のボディはよわよわになってしまいました。…覚悟はしていたさ、未知の病だって言ってたし。つまり治療法が確立してないんだから。発症してからずっとベッドにいたからね嫌な予感はあったよ。
前世でもこんな重い病気に罹ったことなかったかな?あやふやだけどなかったと思う。未知の体験で俺の心は結構弱くなっている、一人の時間が怖くなってきてしまっている。発症したらどうしよう…痛みに耐えながら薬を飲めるか?そもそも耐えれるか?人間誰しも痛みに弱い。その恐怖が俺の場合いつ襲いかかってくるかわからない状況だ。
一瞬、一瞬だけ…思ってしまう。耐える必要があるのか?もしかしたら一生このままでは?この痛みを受け入れてしまえば俺は楽になれるんじゃないか?
…分かっている。そんなことしてしまえば俺は死ぬ。親や友達、なによりニーナを残して。それはダメだ。何も恩返しできていないじゃないか、親に医師にニーナ達に。それまで俺は、死ねない。
ふぅ…隙あればマイナス思考になってしまう心を改める。大丈夫、誰も一生このままなんて言ってないじゃないか。抑制剤も出来ているわけだしな。
気をとりなおして今の状況を説明しよう。前まで入院していた病院でリハビリをしてなんとか歩けるようになって俺は両親の迎えの元、家に帰宅。定期的に病院に行かなければ行けないが帰ることができたのだ。久々の家に感動しながら自室に行こうとしたがなんと俺の自室は一階にしたそうだ、あの急な階段を登らせるわけにはいかないとさ。親の愛情が胸に染みて泣きそうになったよ、涙腺脆くなっちゃったな〜歳かな?
歩けるようになったが体力は落ちたままなのでちょいとしんどかったが自室のベッドに横になり初日はそのまま過ごしてしまった。
次の日は俺の退院を知った子供達の襲撃してきたが俺の部屋に入ったら急に大人しくなって内心???状態だったがそしたら子供達の一人が
「女王様がお姫様になってるーー!!」
大声でそんなことを抜かしやがった。誰がお姫様じゃあーい!って突っ込みたかったが持病が怖いので抑えた。確かに元気に村を走り回っていた時と今は全然違うけどお姫様は言い過ぎだろ。ってゆっくりとした口調で言ったら女の子が手鏡を持って近づいてきて俺に向けてきた。あら、もうおしゃれに興味を持っているのね、とか場違いなことを考えながら鏡を覗き込むと。
「だ、誰だこれ?え、俺?この人」
つい、俺口調が出てしまうほど鏡の人物に見入ってしまった。やだ、俺美少女すぎ…?素でナルシストなことを思ってしまった。
だって胸辺りまで伸びた真っ白な髪、その髪は一本一本が主張していて決して枝毛などない、キラキラと窓からの陽の光を反射していて眩しい。髪と劣らずの白い肌にほのかに彩っている頬。目はくりくりと大きく目尻は下がっている。顔のパーツは整っていて全体的に見て優しそうな顔つきをしている。儚く、幼い容姿なのに妖艶な危ない雰囲気がある、そんな美少女が写っていた。慌てて背後を振り向くが当たり前だが誰もいない。…おいおい初めて今生で俺の姿を見たがこんな美少女だったのかよ。そりゃあ髪を切ろうとしたら全力で止められたわけよ、納得。うん、お姫様と言われても納得だな、ちょっと複雑だが。女として受け入れて楽しもうと思ったがここまで容姿整ってなくても良かったんですよ?こんなん厄介ごとに巻き込まれそうじゃねえか!男がほっとかんぞこれ!未だ9歳の自分、成長したらどうなるのか…自分が心配です。
そんなこんなで俺の容姿の危うさを確認でき子供達が帰っていき、部屋に静けさが戻ってきた時にニーナがやって来た。子供達とわざとずらしてきたみたいだ。
そうそう、ニーナの誕生日には俺お手製のマフラー、白色と赤白のミックスだ。他にはニット帽や靴下に手袋などなど…前世の趣味が生きたぜ。ニーナからも誕生日プレゼントを色々貰ったんだが8歳の誕生日の時に貰ったプレゼントに凄いものを貰ってしまった。どんなものかというとネックレスだ、もちろん唯のネックレスではない。質のいい紐に赤い宝石が付いているネックレスだ。詳しく説明すると宝石は真紅の色をしていて丸く触り心地がよく、宝石の中はキラキラと金箔?のようなものが入っていて控えめに光っている。いかにも高そうな宝石だがこれだけじゃない、この宝石にはなんと魔法が掛かっているらしい。ニーナのお母さん、シスタさんの知り合いの魔法士がこの宝石に魔法を色々と施してくれたみたいなのだ。そして掛けられた魔法という物は殆どが害悪のある魔法や、物理的攻撃からの守護。あとはGPS的な現在地を示す魔法が掛けられているみたい、これでいつでも場所が分かると満面の笑みでニーナが言っていきたけどその笑顔はちょっと怖かった。
相変わらずの歳不相応な体つきのニーナは俺の首元をチラリと見てから俺を見る。いつも通りのイケメンスマイルに俺も釣られて笑顔を浮かべる。約4年間の病院生活だったがニーナはほぼお見舞いに来てくれていた。親もずっとは来れないから当たり前だが、親の前では言えないような俺の吐露をニーナには溢すようになった。だから俺の心の割合の半分以上はニーナで埋まってしまっている。
良くない状態だけど仕方ないじゃないか…弱っている所にいつも寄り添ってくれる人がいたら例え大人であっても縋ってしまう。
あぁ…良くない、しかも相手はまだ十にもなっていない女の子だ。これは…依存だ。決して恋というわけではない。こんな一方的に受けている愛なんて健全ではないし、間違っている。だから俺はしっかりニーナに支えられるだけじゃなく、支えられるようになっていたいから、だから俺はこの想いを蓋をし続けることにした。
どうやら俺の体力作りを手伝ってくれるみたいだ。俺の体は弱くなった、前みたいに元気に遊べなくなってしまった。
早速今日から外に歩きに行きニーナと手を繋ぎ、陽を浴びながら歩く。子供達に見つかると寄ってきて遊びに誘われるが、しばらく一緒には外で遊べないと言うと悲しそうな顔をするが、じゃあ家で遊ぼ!と言って広場に行った。駄々をこねられるかと思ったが物分かりが良い子に育って俺は感激だよ。ちょっと寂しい気持ちもあったが俺達は散歩を再開した。
唯歩いているだけで汗がでて息が荒くなる俺、そんな俺を見てニーナが切り株を指差して休憩しようと言った。俺はその提案に乗り切り株に座る、そしたら何処から出したか水の入ったコップとタオルを出してくれるニーナ。…もうニーナ無しでは生きていけないな。
「休憩が終わったら戻るか、ソニア」
「そうだね、これ以上はしんどいや」
「…なんだったらおぶって行ってもいいぞ」
「ありがと…。でも、大丈夫!甘えてばっかじゃだめだからね」
「…そうか」
ニーナがそう提案してくれるが俺は薄く笑って答える。正直きついが、いつまでもおんぶに抱っこじゃあダメだ。何故ならニーナの隣に立ちたいから。庇護される存在ではなく支え合える存在にあるために。この貧弱な体を少しでもマシにしとかないと。
休憩を終え夕日をバックにニーナと談笑しながら歩く。俺は体は弱くなってしまったがまたこうやって隣で歩ける喜びを噛み締めながら隣にいるニーナを見上げる。
俺がちっちゃいのもあるがニーナはどんどん体が大きくなっていって置いてかれている感があって焦る、ほんとに同い年?まだ幼さがあるが凛々しい顔つきになっていて長くなった赤髪をポニーテールにしている。成長したら女の子にモテモテのイケメンさんになるだろうなと思っちゃう。…女の子に囲まれているニーナを想像したらちょっとモヤモヤした気持ちになってきた。もうやめよ、唯の妄想だし…なんたって俺に良くない!発作起こしたくないし。
俺がガン見していたせいかニーナが俺を見る。
「どうした?ソニア。やっぱりおぶるか?」
「いや、大丈夫だよ。ありがとう」
「じゃあなんで私を見ていた?」
「えっと、その…なんでもない…」
「何かあるんだろう?…それとも私に言えないことか?」
しつこく食い下がってくるニーナ。だが言えない、恥ずかしいし。唯の妄想で勝手にやきもちを焼いたとか自白するの言えるわけがない。そんな俺の反応をみたニーナが肩を両肩を掴んでくる、俺は反射的に目を合わせてしまう。
「言え、大丈夫だ。私はお前を支えると誓った、どんな些細なことでも言ってくれ。私はお前の唯一無二の存在でありたいんだ」
…そこまで言われたら言うしかないじゃん。俺は顔に熱が集まるのを感じながら赤裸々話す。俯いていた顔を上げてニーナの様子を窺う。
「くくく…そ、そんなことを考えていたのか。ふふふ、いや馬鹿にしているわけじゃない。…大丈夫だ、ソニア。お前より大事なものはない、両親よりもだ。だから安心しろ」
ニーナが肩を震わせながら笑いを堪えていたが、笑いの波が去ったのか真剣な顔で目線を合わせながら言い切った。…分かってはいるよ、ニーナに想われて大事にされてるのは。流石に親より大事にされてるのは予想外だったが。
未だ納得してないと思ったのかニーナが顔を近づけてきた。
「まだ不安ならこれをおくる」
そう言いなんと俺の額にキスをした。突然の行為に固まる俺、ほんとやめてほしい!発作が起こってしまう!体は熱いし、リップ音が耳に残る。動かない俺をニーナは腕を引っ張ってくる。倒れそうになりながらも歩き出しニーナをみると、夕日のせいと言い訳できないほど耳が赤くなっていた。やっぱり恥ずかしかったみたいだ。あんな恥ずかしいセリフを吐いて額にキスまでしてくるんだもの、恥ずかしくないわけがなかったね。
「来年から学校に通えるね、楽しみだなー。やっと魔法も学べるし」
「そうだな、魔法もあるが私は組み手ができるのがいいな。相手が母上しかいなかったからな、自分の力がどれくらいか測れる」
どうやらニーナは魔法よりか剣を振るいたいみたいだ。ニーナらしいな。
学校はまず3年で魔法の基礎や知識、そして体術に剣術などなど土台を作る。そして3年経てば専門の部門を選んでそっからまた3年通えば無事卒業、と言う感じだ。専門の部門とは簡単に言えば文官と武官みたいな感じだ。自分の目指したいものになりたいものを選ぶ、魔法を極めたいなら魔法の専門、剣術などを生かしたいなら剣術の専門みたいな。大分大雑把な説明だけどね、専門っていっても結構細分化されるけどその辺は追々に。
「学校楽しみだけど、この体じゃあちょっと不安だな。発作起こったらどうしよう」
「私がずっと側にいるからなにも心配いらない」
「流石にずっとは居られないでしょ?クラスとか違うかもだし」
「母上に頼んで3年間同じクラスになるように頼んだから大丈夫だ」
「えっと、それって権力で?大丈夫なの?」
「ソニア、権力は振るうものらしいぞ。母上が仰っていた」
「ふふ、なにそれ。…お礼言わないと、明日ニーナの家行っていい?」
「ああ、もちろんだ。そのまま泊まるといい、久々にな」
「うん、じゃあお邪魔するね。親に言わないと」
そんな会話をしながら俺は山の向こうに落ちていく太陽を見る、貧弱病弱な体になったが俺はなんとか前を向いて歩けている。不安が残るがニーナといる限り俺は大丈夫だ。
来年から通う学校の事を考えながら俺達は帰路を歩いた。
携帯で書いたのでおかしな所があるかも