病弱TS娘と女騎士   作:レーズンモン

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バーに色ついとる!?

誤字報告、感想、評価ありがとうございます!


弱くなった心

 あれから毎日ではないが外に出歩くようになった、なぜ毎日ではないかというと筋肉痛で毎回死にそうになっているからだ。結構マシにはなったがやっぱりきつい。ニーナは俺が散歩に行く度についてきてくれる、しかも帰った後に足のマッサージもしてくれる。シスタさんに習ったらしい、ニーナにはほんと頭が上がりません...。

 

 そんな日々を過ごしていたらもうすぐ学校が始まる。まだ10歳になっていないが今年で10歳だ、もちろんニーナも。前から準備はしていたので特にすることはない。学校の通学方法は足で行くのではなく、転移の魔法が掛かった魔法具だ。札のようにぺらぺらの紙のようだが頑丈で人の手では決して破れないし、皺も入らない。その魔法具、転移符が学校から配られ入学生の家に届く。その転移符に魔素を入れれば学校に転移するというめちゃくそ便利なアイテムである、家に帰る時にもう一度転移符を使えば帰れるので安心だ。これがあればギリギリまで寝てても大丈夫じゃんと思ってしまうが、まぁ、そんなことはしないが。なので通学は心配がない、この貧弱ボディだからかなり心配したが、かなり安心した。体力は外で走りまわっていた時と比べ物にならないが日常生活を送れることは出来るようになった。

成長を実感したね、体力はついてきたが軽い運動ぐらいしか出来ないんだけどね。一回調子乗って走ったんだけどすぐに発作が起こっちゃって死にかけた。...あの時は怖かった...。ニーナがすぐに薬を飲ませてくれて抱き上げて家のベッドまで運んでくれた。そこまではよかったけど(良くない)ニーナが無の表情で淡々と何故走り出した?まだ治っていなんだぞ?医師にも言われただろ?私がどれだけ心配したと思っている?と段々と目から光を無くしていきながら言われた。ニーナが急に部屋を出ると親も連れてきて第二ラウンドが始まってしまった。これは俺が全面的に悪いので甘んじて受けた。

 

「もう、こんなことはやめてほしい。...ソニアが羨ましそうに子供達を見ているのは知っていた。だけど.....自分の体を第一に考えてほしい。ソニアが苦痛で蹲る度に私は辛い。決して気持ちはわかるとは言わない。...体の事を受け入れて感情を抑えてほしい。それでも辛くなったら私に言え。いつでもいいから」

 

 俺よりかまだまだ幼い子供にここまで言わせてしまった。前世では健康男児であった俺、転生して架空であった魔法が存在する世界。女になってしまったがあまり気にしなかった、なんたって魔法だ!なら俺も使えるだろうと思った。だから毎日浮かれて遊びまわった。子供っぽいと思わてもしょうがない、だけど男なら浮かれてしまうのも分かるんじゃない?

走り回って、遊びまわって、親に黙ってちょっとだけ魔法を使ってみたりした。未知の感覚に興奮したし、魔法も成功して思わず大声を上げたものだ。

 

 魔法を使うには当然何かしらの対価がいる。それは魔素と呼ばれ皆それぞれの体の中に備わっている。もちろん無限に使えるわけではない、人によって魔素の容量は違うし質も違う。魔素が多ければ魔法を多く扱える、質が高ければ威力や効果量が高い。魔素は使えばなくなるが暫くしたら回復する、そして回復速度もひとそれぞれ。

 

 ...そして魔素は生命力とも捉えられると言えるのだ。魔素の容量が人によって違うのは歳をとればとるほど生命力が減る=魔素容量が少なくなる。ほとんどの人は当てはまるが、年寄りでも元気な人は魔素容量が多いなんて人もいる。

 

若い人でも魔素容量が少ない人がいる...そう、俺みたいな病弱なやつだ。

 

 医師にも言われたが自分自身が一番先に気が付いた。元気だったとき魔法を使ったからか自分の魔素容量が大体分かっていたが倒れてからはそれがごっそりと減っていた。胸のあたりにあったほのかに暖かい暖炉のような温かさが今は薄っすらとしか感じないのだ。俺は酷く朦朧とした。つまり俺はこのままだと早死にするわけだ。まだこの世界を満喫していないというのに。その後はニーナに泣きついて受け入れた筈だったけれど...。

 

 子供達の走り回る姿を見つめ続け、微笑ましいから段々と羨ましくなってしまった。見るのもしんどくなってしまってそんな体では走れない、お前は魔法を満足に使えないと言われているような気がした。そんな日々を過ごしていたらある日勝手に体が走り出したのだ。

きっと嫉妬でもしたのだろう。俺はまともに動けやしない、魔法もきっと常人よりかかなり劣るだろう。こんな体だし、魔素容量もカスみたいな程しかない。でも周りの人たちは俺よりか恵まれている、そんな嫉妬だ。

 

 俺はその時は猛反省した。だが...約束は出来なかった。なんせ学校が始まれば必然的に俺は浮くだろう。さらに見せつけられる、恵まれた人たちを。そして周りから見れば俺は劣り、魔法も全然使えないやつ。いじめの対象になるだろうな...元気だった時は平気だっただろうが今は耐えられるかわからない。

まだ学校は始まってすらいないのに考えてしまう。もちろん、そんなことにはならないかもしれないし他の同級生も優しいかもしれない。でも、そんなことは希望的観測で実際は俺が考えたネガティブ方になるだろうと思っている。前世の世界ではなかった魔法があるからだ。分かりやすく優れたもの、劣ったものがわかるからな。

 

 そんなことをうじうじ考えても意味はないので俺は布団を頭まで深く被り、目を瞑る。いよいよ明日から学校だ、初日で遅刻は流石に悪目立ちが過ぎる。無理やり意識を飛ばしてしばらく、漸くふわふわとした気持ちよさがきたので俺は抗うことなく眠った。

 

 

 

 

========

 

 

 

 おはようございます!今日から学校です。早朝ですが頭は冴えてる。昨日は沈んでいましたがやはり、魔法を習えるようになるのでテンションが上がっています。だけどちょっぴり不安が残っている。それを誤魔化すためにも俺は気持ちを高ぶらせる。

 

 部屋に設置された鏡を見ながら身嗜みを整える。うん、今日も美少女だ。女の子の手入れなど母さんから教わった。まだ早くね?と思ったが母さんが楽しそうなので嫌がるのはやめておいた。親に挨拶をし、既に用意された食事を食べ、家を出る。

 

 家を出ると既に私服姿のニーナがいた、その手にはバッグを持っておりきっとその中には教材やら入っているのだろう。俺もバッグを背負っている、中々に重いがニーナは流石だな、片手で持っている。

 

「おはよう!今日から学校だね、楽しみだな~」

 

「おはよう、ソニア。そうだな、私も楽しみだ」

 

 お互いに挨拶をし、二人並んで少し歩く。まだ時間が早いので目覚ましに歩き、談笑する。切り株に腰掛け休憩をし、いいぐらいの時間になったので懐から転移符を出す。

 

「これに魔素を込めればいいんだよね?」

 

「ああ、だがソニアは魔素が少ないからな私が込めよう」

 

「え、いいの?」

 

「どうやら私の魔素は人よりか多いらしいからな、大丈夫だ」

 

「そっか、ごめんね?ありがとう」

 

 俺の代わりに魔素を込めてもらい念じる。そしたら俺の周囲に魔法陣が表れて一瞬の浮遊感を感じ、驚いて目を閉じるとさっきまで静かだったが周りから、がやがやと話し声が聞こえてきた。ゆっくりと目を開けると目の前にでっかい門があった。どうやら学校前に到着したらしい。

 

 周りを見渡すと俺らと同じ年齢の子たちがいくつかのグループに分かれ、集まっていた。色とりどりの髪色を見て、俺と同じ髪色いないかなー?と探していたが現状はいないようだった。

 

 人間観察をやめ、学校を見る。でっかい門に高いレンガ造りの壁。門からの隙間から見える学校は立派だった。前世の学校よりか豪華に見える、海外の観光名所にありそうな豪華さだ。広い庭には噴水もあるし綺麗な花が咲いている花壇も見受けられた。

 

 学校の様子を伺っていると肩をトントンっと叩かれた。ニーナは隣にいるし誰だろうと思い振り返る。

 

「珍しい光適性者がいるから挨拶しとこうと思って。初めまして、私はルリアナよ。よろしくね?」

 

 俺に声を掛けたのは俺よりか身長が少し高い青い髪を肩程までに伸ばした女の子だ。これまた美少女でニーナとは違ったイケメンだ。切れ目に高く筋の通った鼻。目は細め、微笑を浮かべて俺を見下ろしていた。

 

「は、初めまして!私、ソニアと言います。見ての通り光適性です、よろしくです」

 

「うん、よろしくね。私は水適性だよ。...それにしてもすごい可愛いね、初めて見たよ君みたいな可愛い子」

 

 いきなりのイケメン美少女にドギマギしながら答えると容姿を褒められた。初対面でしかもイケメンさんにナンパ紛いなことを言われ、ちょっと戸惑う。あわあわしている俺と、何が楽しいのかニコニコとしながら見守るルリアナさん。そこで助け舟を出してくれたのがニーナだった。

 

「初めまして、ルリアナ。私はニーナと言う。見ての通り火適性だ。よろしく頼むよ」

 

「おっと、これは失礼。ソニアに気を取られすぎた、私としたことが。初めまして、私からもよろしくね」

 

 ニーナは俺に近づき腰に手を回して声を掛けた。ルリアナは一瞬腰に回した手を見て、ニコニコとしたままニーナに目線を向けて挨拶をした。...なんだか空気が重いような、二人は見つめ合ったまま動かないし何も言わない。いやこれ睨み合ってんな.....もしかして火と水って相性が悪い?火は水に弱いし...属性とかで人との相性良し悪しあるのかな?わかんないけど。初対面同士だしこれぐらいしか思いつかない。

いつまでもこの状態ではダメなので俺はニーナの服を引っ張って気を引く。

 

「ん?どうしたソニア。疲れたか?喉が渇いたか?」

 

「大丈夫だよ。そうじゃなくってなんでルリアナさんと睨み合ってるの?折角仲良くなれそうなのに」

 

「...いや、すまない。中々動けそうな奴だと思っていてな、怖がらせたか?すまなかったな」

 

「私からもごめんね。別に嫌いとかじゃないからね?ニーナさんと同じで相手の力量を探っててね。癖でやっちゃってて...ニーナさんごめんなさいね?」

 

「いや、わたしの方こそすまない。折角の学校だからな仲良くしていきたい」

 

「そうだね、誰も知り合いいなくて不安だったし、良ければお友達になってほしいな。もちろんソニアちゃんもね」

 

「もちろん!私もルリアナさんと友達になりたい!」

 

「よかった。じゃあこれから友達として、よろしく!ニーナさん、ソニアちゃん」

 

「ああ」「よろしくね!」

 

 ふぅ...まだ10歳なのにそんなこと考えていたのか。なんか居心地の悪い目つきはしていたがそういうことね。だが仲良くなれたし結果オーライだな、よし!友達一人目ゲット!しかも美少女だ。やったね。

 

 仲良くなってから談笑していたら周りが騒がしくなった。何事かと目を向けると、門が徐々に開き始めていた。開きつつある門に向かって我先にと子供たちが走り始めた。俺達はゆっくりと学校へ向かう。俺は走れないし、ニーナも俺のことを慮って横に、ルリアナも活気のある感じではないので一緒に歩く。

 

 豪華な学校を見ながら思う。いよいよ始める学生生活、楽しみでありながら不安でもある。俺の貧弱さをみてせっかく友達になったルリアナに呆れられたらどうしようと新たに不安要素が出てきてしまった。ちょっと沈んだ気持ちになり咄嗟にニーナの手を掴む。今みたいに不安定な気持ちになったときニーナの手を握ると安心感が胸を包んでくれるようになった。

 

 ニーナは察してくれたのか強く握り返してくれる。...大丈夫、ニーナといればきっと。俺たちは足を進める、ここから期待する気持ちを乗せて。

 

 




次回、学校編。乞うご期待!



勢いだけで書き始めたので今後の展開全然考えていません。なので更新止まったら察してください。
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