【中編】蜘蛛屋敷~ボクとヤベぇ女の脱出夏休み戦争~ 作:影薄燕
覚悟を決めたからこそ、っていうのもある。
泣いても笑っても、明日が最後だから。
未来の人生含めて最も濃い1ヶ月だったのは間違いない。
大変で、(肉体的に)疲れる日常で、毎日が忙しなかった。
変態で、(精神的に)疲れる人で、毎日を楽しんでいた。
監禁はさすがに遠慮したいけど、
それでも、
また1ヶ月前に戻るようなことがあったとして、
ボクは、
ナーねえに会いに行くんだろうな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あ、これ……」
「えへへ♪ 本日の夕飯は和牛のひつまぶしで~す♪」
「懐かしいな。これ食べたさに居座って監禁されたんだよねー」
「私にとっても思い出の味になっているよ♪」
「思い出の味と言うには豪華すぎる気もするけど」
「ゆくゆくは2人の記念日に毎回食べるようにしたり……♡」
「はいはい。それじゃ、いただきます」
「………………ん?」
「あ~久々の柔らかさ~。さすが和牛」
「え? そーくん突っ込まなかったよね? 軽く流したけど否定しなかったよね!? そういうこと!? お姉さん期待して良い!?」
「ナーねえ、ごはんが冷めちゃうよ」
「お願いだから流さないで!」
「は~い背中流し終わったよ~♡」
「ありがと」
「それでは前の方も……ゴクリ」
「もう何度もこのやり取りしているけど、何度目か分からない同じセリフを贈るよ。もうとっくに自分で洗ったから」
「うううぅ、いつになったら洗わせてくれるの?」
「知らんがな」
「分かったよ。そーくんは先にお風呂に戻ってて……」
「いやいい。今日ぐらいはボクがナーねえの背中洗ってあげる」
「……!!? そーくんがデレた!?」
「違うから」
「そういうことなら私も覚悟を決めるよ。さあ! カモン!」
「背中だって言ってるだろ。後ろを向きなさい」
「じゃあ、そろそろ寝ようか」
「待ってそーくん。待って」
「どうしたのさ?」
「何でさも当然のように私のベッドに潜り込んでいるの!?」
「ほぼ毎日人の寝るソファとタオルケットの間に入り込んだ人が、今更何を」
「待ってちょうだい。今日だけで夢としか思えないような夢の出来事が連発してて、脳がそれを上手く処理できないというか。はっ! まさか、これは夢!? 私の願望がついに夢を限りなくリアルにするまで昇華させた!?」
「もうそういうのいいから、早く寝よ。眠気が限界なんだ」
「し、失礼しましゅ///」
「ん。いらっしゃい」
「ふ、ふつつか者ですが――」
「いやここ、ナーねえのベッドだから。正気に戻ってよ」
「…………ねえ、そーくん」
「何?」
「そーくんは……明日に全部掛けているんだね」
「目処が立ったからね」
「………………そう」
「ナーねえ」
「……ギュって、していい?」
「今日だけだよ」
「うん」
「……」
「……」
「おやすみナーねえ」
「おやすみそーくん」