仮面ライダーディフォース   作:聖成 家康

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『響け想い、羽ばたけ未来に』

 

「来いよ、五十嵐大二ィ!!」

「ここで滅ぼしてやる……! バイル!!」

 

 怒りに震えるホーリーライブが狙いを定めるは、悠長に構えたパープルバイルの胸部。

 そこへ向けて、怨念を込めた極太粒子砲を射出。

 

 しかし、振るわれたスタンプにより形成された、真紫の帯によって攻撃は糸も容易く無効化され、気づけば、相手に向けて撃った粒子砲は、彼の胸部を貫いていた。

 

「ぐぁぁっ!!」

 

 最大出力で放ったのが仇となり、反射されたレーザーによって、ホーリーライブの変身は解除されて、無防備な青年が床へ転がり込んだ。

 

「フッ……ハハハハ!! 悪魔のいない人間など、取るに足りんな」

「悪魔なんか……この世にいらない!!」

 

 血反吐を吐きながら怒鳴る大二を、嘲笑するようにバイルは言い捨てた。酷く冷たく、鋭い声音で。

 

「何を言うか。人間こそこの世にいらない」

 

 悪魔の鈍器の引き金が引かれ、眩き光を放ちながら、ローラー部分にエネルギーが集中する。

 

 

 『パープルバイルフィニッシュ……!!』

 

 

 異様な霧が充満し、誰でも分かる“殺気”までもが空間を支配した。

 

「いかん!!」

 

 『コンドル!』

 『ドミネートアップ! コンドル! ゲノミクス!』

 

 起き上がったデモンズは、スタンプを素早く押印し、飛翔する力を得る。

 黒き装翼で滑空し、リキと大二を持ち上げたまま天井を突き破り、殺気に満ち溢れたそこから離脱した。

 

「……ハハハ……せっかく外に出たんだ。あいつらは皆殺しにしてやる」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 仮面ライダーデモンズ、門田ヒロミのお陰で何とか急死に一生を得たリキ達は、しあわせ湯で一息ついていた。

 置いていかれたセントは、少し拗ねた様子で、股を開いて猫背気味に座っていた。

 

 大二も似たような体勢であったが、恐らく、心情は彼と似ても似つかない、そもそも根本すら違う物を抱いているのだろう。

 

「大ちゃん……しっかりして」

 

 さくらが心配の声を掛けても、大二はずっと考え事に耽けているからか、返事をしようともしない。

 ――バイル。奴と彼の間に、どんな因縁があるのか。

 リキは、自分が何とかせねばという、使命感に囚われたままであった。

 

「だ、だだだ……大二さん! 一緒に……少し歩きませんか……?」

 

 思い切ってそう彼に提案する。出だしが最悪だった為、断られてしまうだろうか。

 

「……どうして」

「二人だけで……話がしたくて」

 

 不意に出た言葉を口走ると、周りにいたヒロミやさくら、セントまでもがこちらを向いてくる。

 

「……な、なんですか?」

「いや……何でも。い、いいんじゃあないか。二人で……話をするのも」

 

 ヒロミは何故か動揺を隠せない様子だった。

 

 渋々立ち上がり、彼女に着いていった大二を見送った一同は、しばらく唖然としていた。

 

「……見かけによらず、結構、積極的なんだな」

「無自覚でしょうよ。気持ち悪い」

 

 唇を引き攣らせるヒロミと、ため息を吐き散らすセント。空気は、あまり宜しくなかった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ざぁざぁと、用水路の水が音を立てて流れに乗せられていく。町中で、僅かな自然を感じることのできる数少ない場所である。 

 悪魔のいる世界と言えど、案外町並みは普通だった(巨大飛行船が飛んではいるが)。――否、悪魔というのは、最早デッドマンズという具体的な物を指す言葉では無いのかもしれない。

 

「教えて……くれませんか。あなたに、何があったのか」

「……ハハ。聞かれたの初めてだな。いいよ、教えてやる」

 

 大二は、少し驚いた様子であった。

 そして、己の過去を赤裸々に語り始める。

 

「俺たちは元々、三人きょうだいの五人家族だったんだ。“五十嵐一輝”。俺の兄ちゃんはすごい人だったよ」

「仮面ライダー……ですか?」

「あぁ。悪魔をもって悪魔を制する仮面ライダーとして、デッドマンズと戦っていた……でも」

 

 彼の拳が、強く握りしめられる。

 

「兄ちゃんの悪魔――バイルが裏切ったんだ。父ちゃんと母ちゃんを殺して、兄ちゃんまで喰いやがった……!! あいつは兄ちゃんの“バディ”だったのに!」

 

 薄々、気づいていた。大二とさくらに、両親はいないのか、と。あんなに大きな銭湯を、二人だけで建てられる筈もない。

 聞いてて心苦しい、などではただの哀れみにしかならないだろう。

 

 憤怒に震える声色で、彼は続ける。

 

「早いうちに、殺しておくべきだった……! 悪魔なんて……! この世にはいらないっていうのに……!」

「あの日から、俺は悪魔を許せない……自分の中の悪魔もこの手で殺した……! 悪魔なんていらないんだ。この世は正義が全てなんだよ」

 

 そう訴える彼の瞳は、悲哀と渇望と憤怒、ありとあらゆる負の感情が入り混じり、暗海の渦かのようだった。

 “悪”魔を憎む彼。その行為の糧とするために、己が“正義”を貫き通す。楽観的に見れば、それはきっと、良い事なのかもしれない。

 ただ、正義とは必ずしも正しいとは限らない。この世の、誰もがそれを持っているのだから、世界の歯車と上手く噛み合わない事は起こりうる。

 己が正義を信じ過ぎるがあまり、暴挙に走る者もいる――それが彼、五十嵐大二なのだ。

 

 リキの心の中は、いつの間にか慈愛で一杯一杯になっていた。

 彼にかけるべき言葉とは何なのか。どうすれば、彼を闇から救えるのか。

 

 そんな事を考えているうちに、向かい岸に、一人のフェニックス隊員らしき人影が現れる。

 

「あーあ。デッドマンズ退治なんてやってらんねーな」

 

 煙草を一本咥え、上半身を柵の向こう側へ投げ出した。もくもくと立つ白く細い煙は、酷く儚く、いきいきとしている。

 

 それを吸い終わると、吸い殻を用水路へと投げ捨ててしまう。

 男は、向こう岸にいた二人を不気味そうに見つめながら、そそくさと去っていった。

 

「……人間、誰しも“悪”魔はいますよ。どんな聖人であろうと、上手く隠し通してるだけで、必ず」

 

 悪魔とは――。この世界ではデッドマンズという具体的な存在を指し示す言葉なのかもしれない。だが、悪魔というのは人の心に潜む“邪悪さ”を表す言葉でもある。

 

 誰にだって邪悪な心は存在し、誰だってそれを必死に隠して生きている。曝け出す人間など、中々いない。

 

「あなた、自分の悪魔は殺したって、言いましたよね」

「でも、捨てきれてないですよね。自分の中の“悪”魔を」

 

 突然、水路の中から、真っ黒なカラスたちが空へと飛び立っていき、黒い羽を散らした。

 

 彼女の瞳に、不思議な輝きが宿っていた。

 人が変わったかのように、悠々と話すリキの声音は、凄まじく真剣なものであった。例えるなら、生徒を叱る教師のよう。

 

「俺は――」

「自分の正義を貫いてるだけ……ですか? 貫くのはいいですけど、その先にあるのは何でしょうか」

 

 何かを言おうとしていた大二の喉仏が、きゅっ、と引きつる。

 

「……人間、多少の妥協も必要だと思いませんか? 多少悪い所があったって、ある意味人間らしいじゃあないですか」

 

 リキは彼の手を握って、こう訴える。

 

「貴方は周りが見えてない。自分の正義を信じてばかりでは、きっと、いつか“悪”魔と同じに成り下がりますよ」

 

 大二の温もりを感じる。とても温かく、泣きそうなくらいに、優しい感覚になれる。

 

 

「……?!」

 

 彼女は、はっ、としたように声を漏らし、今の状況を改めて確認した。

 同い年くらいの青年の手を、優しく握っている。

 これは、凄くよくない事ではないか――

 

「は、はわ……はわわ……」

 

 慌てて手を離し、口を開けたまま引き下がる。頬を赤らめ、彼から目を逸らした。

 

「……なぁ。俺は、俺はどうすればいいんだ? じゃあ――」

 

 立っていた大二は、やがてその場に崩れ落ち、彼女へ縋るようにして涙を溢し始める。

 

「俺は……俺はもう……自分の正義を信じるやり方しか分からないんだ……それでしか、今までの自分を……許せないんだよぉ……!」

 

 静かに泣き喚く彼が、急に弱々しく見えてくる。今まで包み隠していただけで、仮面の裏では、こんな心情が蠢いていだのだろう。

 

 彼と視線を合し、彼の両肩を優しく掴んでやる。言葉が上手く出てこないが、彼女は思い切って口を開く。

 

「“自分”が何だか分からない、私が言えた話じゃないですが……もう、許しましょうよ。自分を。お兄さんやご両親は、もう帰ってきません。けれど、今のあなたにはさくらさんがいる」

「自分ばかり攻めて、苦しむのはやめましょう。私は空っぽな人間ですから、一緒に苦しみましょう。一人で強がるのは、格好いいけど、辛い事ばかりです」

 

 大二の静かな泣き声は、やがて大きな物へと変わり、彼女に抱きついてわんわんと泣き始める。

 少し恥ずかしかったが、彼が何だか弟みたいに思えてきて、何故だかこっちまで泣きたくなる。

 

 ひらひらと舞い落ちてくる、真っ黒な羽が、真っ白い彼の肩に乗っかって、僅かながら、彼を優しく包み込んだ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 フェニックスベースの司令室。硝子の先に広がるのは、広大なコンクリートの野原。定期点検の為、現在は空では無く、地上に停留している。

 赤石とヒロミがいるその部屋には、切羽詰まった空気が張り詰めていた。

 

「バイルか……大二の兄を喰らい、家族諸共壊した、まさしく“悪魔”……。早めに対策を練らねばならないな」

「ですが、今の大二に奴を倒せるとは……」

「大二なら平気だ。彼は、私の一推しだからね……」

 

 にやり、と笑う赤石。不安げに思いを馳せるヒロミ。

 

 怖いくらいの静寂に包まれた司令室に、嫌な警笛が鳴り響く。

 

「何事だ?」

 

 赤石がモニターの電源を入れ、各所に配置された監視カメラの映像を投影させる。

 

 すると、並べられた映像の中に、目をも疑うような光景があった。

 

 ――パープルバイルが、フェニックスベースに侵入してきていたのだ。

 

 警備隊を酷い姿になるまでに惨殺し、愉快げに両手を広げ、白いタイルを鮮血に染め上げながら闊歩している。

 

「何が目的だ……! おのれ……!」

 

 震える手でデモンズドライバーを装着したヒロミが、急いで現場へと急行した。

 

 

 

 バイルは研究室へと侵入しており、在留していた研究者や科学者たちを皆殺しにしていた。

 異臭漂うそこへ、一人のヒーローが立ち入る。

 

「我が命を懸けて、貴様を倒す!!」

 

 『スパイダー!』

 『ディール……!』

 

「変身!」

 

 『ディサイドアップ! カメンライダー! デモンズ!』

 

 変身した彼は、バイルとの掴み合いになり、瞬く間にフェニックスベースから外へ出る羽目となった。

 ただ、これが彼の目的である。

 

 

 

 戦場は、水平線までコンクリートが敷き詰められた飛行場へと移る。

 デモンズとパープルバイルの拳が交互に衝突し、互いのエネルギーが反応しあい、その度に辺りを凄まじい衝撃が揺るがした。

 

 パープルバイルバイスタンプによる攻撃。

 ローリングされ作り出された黒き帯から、無数の棘が射出され、嵐となってデモンズを襲う。

 

 デモンズは押され気味だったが、負けじとスタンプを取り出し、そのエネルギーを己の武装へと変換する。

 

 『スコーピオン! ゲノミクス!』

 

 鋭い楔の尾を装備し、撓らせながらそれを振るって、パープルバイルの装甲を削り取る。

 

「小癪な真似を……貴様には、貴様などに用はないのだぁぁ!!」

「五十嵐大二を渡せ!! 五十嵐大二は、この俺が殺す!!」

 

 そう叫び、強力な攻撃を放つ体勢に入ったバイルの肩を、眩き銀の閃光が貫く。

 

「ぬぅ……?」

 

 バイルが視線を向けた先には、二人の人影があった。

 

「リキ……大二!!」

 

 デモンズは一瞬、彼らを止めようとした。

 だが、二人の顔つきを見て、その行為を中断する。

 

 

「バイル!! お前に、慈悲は与えない。お前をここで倒す!!」

 

 バイルはデモンズを放って、大二に釘付けとなる。

 

「ぐっ……ははは!! やってみろ。悪魔がいないお前など、取るにたらん!!」

 

 彼を嘲笑うバイルに向け、リキが言い放つ。

 

「大二さんはもう、“自分”を許した。自分の過ちを認め、前に進む決断をした。

過去の自分を正そうとしないで、受け入れる……その心こそが彼の“悪魔”です」

 

 彼女の鮮やかな瞳が、淡く、煌々と光り輝いている。人が変わったように、勇ましい顔つきだった。

 

「何だ……お前は一体誰なんだ!!」

 

 

「私はディフォース。全ての力を、我が物にする者」

 

 

 『フォースエナジー……!!』

 

 『ホーリーウィング!!』

 『コンファームド!!』

 

 『ウィングアップ!!』

 

 強大な力を秘めたカードは円盤に翳され、ドライバーに力を与える。

 

 展開されし銀の翼は銃へエネルギーを供給。聖なる音を奏でながら、銀色の羽を舞い踊らせた。

 

 

「「変身!!」」

 

 

 『ホーリーアップ!!』

 

 

 時空が歪む。眼の前の脅威を上回るほどの力が、二人の周りを取り巻いた。

 

 

 『フォースデザイア!! ディフォース!!』

 

 『ウィンド! ウィング! ウイニング! ホーリー ホーリー ホーリー ホーリー ホーリーライブ!!』

 

 

 銀の両翼が大二を包み込み、彼をホーリーライブへと、装甲と化した時空を歪みがリキを包み込み、彼女をディフォースへと変身させる。

 

 二人の戦士が、強大なる力の前に立ちはだかった。

 

「大二……! 変わったな……!」

 

 突然、ライドブッカーから一枚のカードが飛び出て、彼女の顔の前で止まる。

 何も無かったカードに色が宿っていき、『DUALITY』と刻まれた新たなカードが誕生する。

 

「行きましょう、大二さん!」

「あぁ!!」

 

「小賢しいッ!!」

 

 ディフォースの拳が、パープルバイルの装甲を激しく穿つ。放出されたエネルギーが、奴の身体へ直接伝わり、細胞諸共焼き尽くす。

 

 すかさず回し蹴りを繰り出し、胸部を足裏で押印。

 吹き飛ばされた奴に、さらなる追撃が降りかかる。

 

 銀の翼で風の軌道を受け取り、大空を翔けるホーリーライブ。

 さながら鳥のような身のこなしで、奴の放つ黒き棘を避けながら、光弾の雨をお見舞いする。

 

 凄まじい旋風を巻き起こし、銀色に輝く戦士は着陸する。

 そして、ライブガンの銃口を曲げ、刃を展開し、“エビルブレード”へと変形させる。

 

「うぉぉぉぉらぁぁっ!!」

 

 声を荒げる大二の凄まじい斬撃が、パープルバイルの装甲を大幅に削った。破片と化した装甲はドロドロの液体へと変わり、辺りへ散る。

 

 ホーリーライブの銀装甲に付着した黒い液体。されど彼は、怯まずに、エビルブレードで奴の身体を大きく斬り裂く。

 

「俺を忘れるなッ!!」

 

 バッタの力を得たデモンズによる、背後からの奇襲。

 強固な合金と人工筋肉が生み出す、凄まじいパワーが、無防備な奴の身体へ伸し掛かった。

 

「小賢しい……小賢しいなァ人間ども!!」

 

 怒り狂いながら、スタンプを用いて空間を漆黒に塗り潰す。

 

 黒塗られた空間は、やがて武装へと変わっていき、奴の背中へ巨大な翼を形成した。

 

 翼を羽ばたかせ飛翔したバイルは、奴にとっては小蝿に等しいホーリーライブを落とそうと、躍起になって滑空。

 

「これを使えば……何か」

 

 新しく手に入れたカードを円盤へと翳す。

 

 

 『デュアリティエナジー……!!』

 

 

 すると、辺りを銀色のエネルギーが満たして、緩やかに時空を歪ませる。

 装填し、レバーを押し込めば、そのエネルギーはやがて羽を型取り始め、実体化してくる。

 

 

 『ノーメルシィ! ホーリーライブ!』

 

 

 実体化された装甲は、ディフォースに装着されて、溢れんばかりエネルギーを放つ。

 

 黄緑を基調とし、銀色の金属が用いられた胸部を覆う装甲。背中から伸びる、片方が黒く、片方が白い翼。

 仮面ライダーディフォース『ホーリーライブフォース』。慈悲なき戦士の力を制した証である。

 

 大空へ羽ばたき、ライドブッカーの銃口を展開。マゼンタの光弾で牽制しつつ、空を駆る奴へ一蹴を喰らわし、あっという間に高度を上回った。

 

「何だとぉ?!」

 

 ホーリーライブと共に、ぐるぐると円を描きながら大空を駆け巡り、パープルバイルに総攻撃を仕掛ける。

 ある時は斬撃、ある時は銃撃。二面性のある攻撃で、奴に反撃する隙は疎か、移動する隙すら与えない。まさに、慈悲なき攻撃だった。

 

 

 一時静止するディフォースとホーリーライブ。

 互いに顔を見合わせ、トドメの一撃を繰り出す準備へと入る。

 

 

 『ウィングチャージ!!』

 

 『フィニッシュ……レディ?』

 

 

 華やか音楽が奏でられ、二人の翼は太陽よりも眩く光り輝く。

 

 最後の足掻きで放たれた、黒き棘の嵐を華麗に回避しながら、奴との距離を取る。

 

 バッ、と広げられた翼から二人の脚へと、強大なるエネルギーが供給されていき、敵の脚をも竦ませる。

 

 

 『フライングアップ!!』

 『ウィニングジャスティスフィナーレ!!』

 

 『ファイナルアタック! ホ ホ ホ ホーリーライブ!!』

 

 

 勇ましき二つの怒号が大空へ響き渡り、太陽の輝きをも揺るがせて、戦士達が大気を貫いていく。

 突き出された足先が、敵の禍々しき胸部へと直撃し、灼炎が巻き起こる程の勢いで装甲を貫いてゆく。

 

 一際眩い閃光が空を彩れば、悪魔の身体は二人の戦士によって完膚なきまでに貫かれ、時空の歪みに囚われたまま爆散した。

 

 バイルの残骸は跡形も無く消え失せ、舞い落ちてくるのは、幾多もの銀色の羽だけであった。

 

 





次回は間章。もしかしたら今日中に。
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