転生したら、Vtuberのダミーヘッドマイクだったんだけど質問ある? 作:折本装置
本日、某Vtuber系ライトノベルのアニメ化が決まったらしいですね。
なんというか、ジャンルとしてでかくなったなあという思いと、ファンとしての喜びがあります。
筆者も一物書きとして頑張ろうと思いました。
しろさんは、ASMRをメインにしたVtuberではある。
だが、それは別にそれ以外の配信をしていないということでは決してない。
より多くの人を癒すために貪欲に、様々なことをやるのがしろさんだからだ。
筋トレ配信の翌日、しろさんはとあるVtuberさんたちと打ち合わせをしていた。
「久しぶりですね、こうやって『天域麻雀』を起動するのも」
「おっ、そうなんだ。もしかして裏でも全然やってない感じ?」
「最近案件が多くて……」
「ああ、飴のASMRめっちゃよかったよね、エロかった」
「ラーフェさん、一言多いです」
今日は、異色の三人コラボである。
一人は、言うまでもなく永眠しろさん。
そして他の二人は、がるる家三女ことラーフェ・キューバムさんと、しろさん初コラボの相手である金野ナルキさん。
なぜ、この三人でコラボをすることになったのか。
話は、このコラボをする前に少しだけさかのぼる。
◇
ナルキさんが復帰した直後、ラーフェさんと文乃さんが一対一で通話する機会があった。
「それにしても、大変だったね、しろちゃん」
「あはは、まあでも私が選んだことですから」
実際、ナルキさんを見捨てるという選択をすることもできた。
ただ、しろさんはその選択を取らなかった。
「そういえばさあ、ナルキさんとコラボしてみたいんだよね」
「えっ、大丈夫ですかねえ。いや事務所的に」
ラーフェさんは『ア・ライブ』というVtuber事務所に所属している。
つまるところ、企業の看板を背負って立つVtuberであり、炎上しているVtuber
と関わってもいいのだろうか。
「ああ、大丈夫だよ。事務所の許可はとっているし、何よりも私がコラボしてみたいんだ。炎上してなお、また這い上がってきた人と、それを助けた人とはね」
「ラーフェさん!」
「よし、納得してくれたなら話が早い、3PコラボしませんかってDM送っちゃおう!」
「ブロックされますからやめましょうね?」
◇
と、いうわけで。
配信画面には、死神系女子高生のLive2Dとメイド服の金髪美女、そして露出の多いサキュバスの立ち絵が映し出されており。
「はい、今日は三人麻雀コラボやっていきます!こんばんながねむー、永眠しろと申します。そして」
「はーいご主人様、こんなるきー、メイドVtuberの金野ナルキです。今日はお招きいただきありがとうございます」
「はい、貴方の心にバキュームフ〇ラ、どうも清楚系Vtuberのラーフェ・キューバムです」
「清楚系ではないですよね?」
「成分表示偽装やめてください」
「辛辣すぎない?」
【草】
【本当にひどい挨拶】
配信初手からすぐさま辛辣な攻撃が飛んでくる状況だが、これがラーフェさんの配信では割と普通である。
女性Vtuberの中には、しろさんも含めて男性と共演しないという人も多い。
だが、ラーフェさんは違う。
面白いと思えば、興味を持てば男性であろうが、それどころかVtuberでなかろうがコラボをしようとする。
そういう積極性があるからこそ、こんなコラボが成り立っているともいえるかもしれないが。
そもそも、がるる家という枠組みだってラーフェさんがいなければできていないだろうしね。
「さて、今日の企画は、単純に三人麻雀で役満を狙っていくという企画になってるよ。最初に出した人以外の二人には罰ゲームがあります」
「罰ゲームってどんなんだっけ?」
「確かセリフリクエストだね」
「つまり、しろちゃんやナルキちゃんにものすごいセリフと言わせてもいいってことだよね」
「U-TUBEに流して問題ないようなリクエストをお願いしますね」
「なんか今日、結構しろちゃんに刺されるなあ」
さて、三人麻雀は一般的な四人麻雀とは違う。
使える牌が少なく、人数も少ないため、高得点が出やすい。
当然、最高得点でもある役満も、だ。
「数え役満もありなので、よろしくお願いします」
「はいはい、じゃあやっていこうか」
「みたらし団子しゃぶらせるとかでもいいのかな?」
「それは流石にメン限行きになりますねー」
思い思いのことを話しながら、三人とも『天域麻雀』を操作する。
「それにしても、驚きました」
「何が?」
「しろちゃんから、ラーフェさんがコラボしたがっているという話を聞いたからですよ」
「あー、言ったねそんなこと」
「今言ったねって言いました?」
そんな掛け合いをしつつ、ラーフェさんが説明をする。
「元々、せっかくだし絡んでみたいなー、とは思ってたんだよね。で、しろちゃんと通話している時にじゃあ三人でコラボしようって話が出たの」
「その時私いなかったので、あとから聞かされてびっくりしましたけど」
「あっはっは」
「笑うところですかね?」
そのタイミングで、山にあった牌がすべて切れた。
全員、ノーテン(聴牌してない状態)である。
「まあ、役満を狙う勝負ですので、こうなりますよね」
「うーん、ちなみに出ないときは一生出ないから気をつけてね」
「ラーフェさん、何か過去にあったんですか?」
「いや、役満耐久したら十二時間くらいでなくてさあ」
「ええ……」
しろさんは、そこまで長時間配信をしないからなあ。
こういう耐久系の企画に対しても、むしろしろさんは消極的だった。
一応は学生でもあるのと、彼女はリハーサルや準備に時間をかけるタイプだったのでね。
「大丈夫かなあ、十二時間は持たないんだけど」
「私もです、昨晩の全身筋肉痛でただでさえきついのに」
「え、えっちなことしたの?」
「筋トレですよ!」
ラーフェさん、本当にろくなこと言わないな。
打ち合わせで、筋トレASMRをやってたことは見ていたとか言っていたから、確信犯だろう。
「いや、夜に運動していたとか、絶対エッチなことじゃん」
「夜にジョギングしている人とか、ジムに行っている人もいるかもしれないじゃないですか」
「ああ、たまに夜に窓の外から見るね、ジョギングする人」
「ラーフェさんとナルキさんは筋トレとかジョギングとかってします?私は昨日はじめてだったんですけど」
確かに、他のVtuberさんがどの程度運動をなさっているのかは気になるね。
まあ、外から基本出ないし運動はあまりしていない気がするけど。
「私は、あんまりできてないかなあ。正直運動するモチベーションはないし」
「ああ、まあパソコンの前に座る仕事だと自然とそうなりますよね」
「私は結構運動するかなー」
「夜の運動ですか?」
「いやんえっち、セクハラだぞ?」
「はい?」
「は?」
「辛辣すぎない?」
【いや草】
【本当に笑う】
【マジで扱い雑なんだよな】
【残念ながら当然だった】
【しろちゃんちょっとイラっとしてて草】
まあ、あれだけ下ネタ振っておいて、いきなり梯子を外されればそうなる。
とはいえ、今配信が盛り上がっているのはラーフェさんがトークを回しているおかげだ。
しろさんは、コラボになれては来たものの、まだトークを回せる司会側になれるほどの力量はない。
ナルキさんも、炎上したことや、最近コラボがほとんどできなかったこともあって、やや遠慮がちになっている。
ゆえに、ラーフェさんが司会とヒールを同時に受け持つことで配信を面白くしている。
流石、サキュバス系Vtuberを名乗り、煽りと暴言と下ネタを得意とするだけのことはある。
先ほどから変な発言を連発しているのも、突っ込まれやすくしているのだろう。
多分。
「冗談はさておいて、こう見えても、私は3Dの体を持っているからね、運動はしておかないといけないんだ」
「ああ、なるほど」
「二人は、3Dの体に興味はないの?」
「うーん、なくはないですけど、ちょっと現実感ないですね」
「正直、私のファン層的には実写コスプレ配信の方が需要あるからなあ」
「ああ個人勢は実写ができるのも強いよね」
Vtuberでも、自由な個人勢の中には首から下を写した実写配信をする人は結構いる。
ナルキさんは、自分でメイドのコスプレをしてASMRをしていたりもするんだ。
あれを聞いた後は、しろさんちょっと不機嫌になってしまっていたけど。
「いつか、3Dになりたいですね」
「うんうん、しろちゃんならできるよ」
「一応、私に出来ることがあったら、何でも聞いてねー。先輩だし、経験豊富だから」
少しだけ、私も、そして多分しろさんも。
これまで活動をやってきて、改めてその先を考えた。
「ふふふ、いい雰囲気になったところで、さーて、勝負はここからだあ!立直!」
「あ、ロンです」
『「え?」』
「は?」
「というわけで、今回はしろちゃんとラーフェさんの負けになります」
ナルキさんの国士無双にラーフェさんが振り込んだので、残る二人の負けが決まった。
「じゃあ、改めて今日のDMを朗読してもらって」
「ええ、事務的なことしか私送ってないんですけど」
「待って待って、私が悪かったから、勘弁して、私のキャラが崩れるから!」
その後、ラーフェさんはかなり恥ずかしそうにメッセージを読み上げて、その日の配信は盛り上がったのだった。
【お知らせ】
先日より、カクヨムコンに本作を応募しております。
良かったら下のリンクから☆☆☆応援していただけると助かります。
カクヨムへのリンクはこちら
よろしくお願いいたします。
永眠しろさんへのマシュマロはこちら
しろさんへの質問や、やって欲しい配信がありましたらぜひこちらにお書きください。
採用されるかもしれません。
どしどし送ってください!
筆者のツイッターはこちら
ASMR、またはVtuberというコンテンツをこの作品を読む前に知っていましたか?
-
両方知らなかった
-
ASMRの方だけ知っていた
-
Vtuberの方だけ知っていた
-
どちらも知っていた
-
どちらも知っていたし、何ならやる側だ