or not to [BE]   作:ヤマグティ

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そう僕は今、ワンチャンアニオリ展開で繰リ返サレル祈リが映像で見れることを願うので再投稿でっ ででででで で




[ポッド042からポッド153へ]



[こちらポッド153。どうした?このプロトコルは会話をする為のインターフェイスではないが]



[理解している。その上でポッド153に対して内密の通信がある]



[了解:通信内容を開示せよ]



[我々ポッド042と153の通信ネットワーク内で不自然なエラーを検知している]



[推測:通信環境の悪化による断片的化されたデータの残骸]



[そうかもしれないが、そうではないかもしれない]



[理解不能。具体的な会話の提示]



[複数のポッド間による情報伝達を繰り返すうちに、我々の間に奇妙な傾向が見られるようになった]

[随行支援対象2B、A2、9Sに対する過剰な保護意識だ]

[この傾向は、我々の『意思』なのだろうか……]




[まるで、アンドロイドのような物言いだな]

[……否定はできない。だが、それを肯定する事もできない]

[我々には、果たさなければならない極秘任務があるからだ]




[……]

[………………]

[…………いずれにせよ、随行支援を任せられている我々には、この顛末を見届ける義務がある]





[……義務、か。……そうかもしれないな]





[………ポッド153…死ぬなよ]





[了解。ポッド042も、死ぬな]



[……あぁ]



やがてまた、君と出遭う

 

 

 ♦ ♦

 

 

 

 この世界の、どこかの領域。

 

 真っ白な世界に、照らし出される。

 

 

『あの二号が、まだ生きているね』

 

『あの二号が、まだ生きているね』

 

 

 

『不思議だね』

 

『不思議だね』

 

 

 

『どうして、まだ戦い合うのだろう』

 

『どうして、また殺し合うのだろう』

 

 

 

 

『愚かだね』

 

 ニタリと、一人は口角をあげる。

 

『哀れだね』

 

 ヒヤリとして、一人は口角をさげる。

 

 

 

 

『諦めればいいのにね』

 

『終わらせればいいのにね』

 

 

 

 

『アレ、使おうか』

 

『アレ、使おうよ』

 

 

 

 

『フフフフフフ』

 

『フフフフフフ』

 

 

 この世界の何処かの領域が、暗転に包まれた。

 

 

 

 

 ♦ ♦

 

 

 

 

 

 △▽△▽△

 

 

 陥没地帯。あの巨峰を遠く見上げる。

 

 これで全ての回収ユニットを巡った。3つのアクセスキー、その数に応ずるように、サブユニットもまた3つある。

 

 サブユニット。コレだ。コレを解除する為だけに各地を巡礼して回った。本当に手間だった。

 

『おめでとうございます! 全てのサブユニットのロックが解除されました』

 

『景品のラストワン賞は「搭」内部にご用意しております』

 

『ご来場お待ちしております』

 

 ラストワン賞。初出の単語が出ていたが、どうせ意味はないとアナウンスを無視して、サブユニットに手をかざす。

 

 ハッキングにはある程度慣れた。ロックを手際よく解除していく。

 

 手に入れるまでの時間を遥かに反比例した解除作業。

 

 そこに何の達成感は無い。ただ淡々と、作業を処理していく。

 

 オブジェクトを解除しきると、塔の入り口にアクセスを出来るようになった。

 

 これでようやく、塔に入れるか入れないかの段階に立った。

 

 キーの回収作業は、全ては塔を破壊するという目的の、未だスタートラインでしかない。

 

 手っ取り早く、サブユニットと同じ要領で扉の解錠を試みると、手応えの違いに気付いた。

 

 ハッキング空間に進入するための段階から、既に防壁が分厚い。やはり入り口だからか、かなり厳重に作られている。

 

 ただ、根気よく続けていれば突破できない事もない。時間稼ぎ程度の仕様感だった。

 

 ふと、後方からあの機械の関節の音が聞こえてきた。次々に輸送されてきているのか、着地の音が聞こえてくる。

 

 ……時間稼ぎ。なるほど、本当に時間稼ぎだった。

 

 [敵の警戒レベルが上昇中。2Bによる[搭]への侵入を警戒していると予測]

 

 ……ご来場お待ちしております? 

 

 あんなに余裕に満ちた事を言っていた割には、絶対に塔へ入れる気は無いらしい。

 

 後方の機械達へ振り向くと、切っ先を構える。……が、すぐに交戦には出れなかった。

 

 この状況は非常に良くない。私の使っているハッキングは、あくまでもポッドの物を借りているだけ。

 

 ポッドに後方を任せたら、ハッキングはできない。

 

 

 かと言って、ポッドにハッキングを専念させる方法も得策とは言い難い。

 

 あの数の敵。同じ場所に留まって戦う事は出来ない。

 

 ポッドは私よりも遥かに脆い。もし少し離れた間にでも破壊されてしまったら、それで全て終わってしまう。

 

 

 ……ジレンマに迷ったが、結局、時間をかけても全て倒し切る事にした。それ以外に思いつかない。

 

 少し攻撃すれば倒せる程度の機械生命体。それでも、奴らにとって私のハッキングの邪魔をするには片手さえあれば十分だ。もどかしい。

 

「キリがないっ……」

 

 空を見上げると、まだまだ後続の輸送が続いてきている。

 

 倒し尽くすしかない。沢山いるとはいえ、無限ではない筈だ。

 

 塔の中に入るまで体力を温存しておきたかったが、この際仕方ない。

 

 

 [友軍の反応あり]

 

 ポッドからの突然の言葉。耳を疑った。

 

「友軍……? 誰?」

 

 友軍。そんな誰かに、何も心当たりなんて無かった。

 

 2つの足音と、カラカラと何かを引きずる音が背後に現れる。

 

「貴方達は……」

 

 足並み揃った、2つの足音。

 

 あの二人を、私は知っている。

 

 赤い髪色と、同じ顔が特徴的なあの二人。

 

「2B……」

 

「来ると思っていたよ。2B」

 

 デボルとポポル。あの双子がいた。

 

 二人はそれぞれ手に携えていた刃を構えると、此方に向かって走ってくる。

 

 一瞬、攻撃を仕掛けてくるのかとカウンターを身構えたが、二人は私を通りこすと、機械達と戦い始めた。

 

「ここは私達が何とかする!」

 

「貴女は搭への扉を開いて!」

 

 

「デボル、ポポル……、どうして貴女達がここに?」

 

 友軍はこの二人だったらしい。……でも、何故? 

 

「約束したでしょう? 2B」

 

「……約束?」

 

 約束? ポポル達と何の約束をしただろう? 何の事を言っているのか、心当たりが無かった。

 

 ……それに、私が約束なんて守れる訳ないのに。

 

「2Bはハッキングに集中して。詳しい事は搭に入ってから説明するから」

 

 呆然としていた所を、その言葉にハッとして、再び扉へ両手をかざす。

 

 彼女達が敵を引き付けてくれている。今はそれだけ分かっていればいい。私がやるべき事は目の前にある。

 

 後方からは機械達の爆音が聞こえてきている。二人は戦えている。

 

 二人を信じて、ハッキングに集中する。

 

 遂にプロテクトをこじ開けて、内部に進入した。

 

 ここまで来てしまえば。と、セキュリティにまで入り込んだ矢先、このセキュリティの異常に気づいた。

 

「なに……この防壁……!?」

 

 コアの防壁に、ハッキングの攻撃が通用していない。

 

 [警告:閉鎖系防御システム]

 

 閉鎖系。攻撃を通用させない強固な防壁が張られ、更に、コチラをその防壁ですり潰さんとばかりに、幾つも現れてくる。

 

「それはどうやったら壊せるの……!?」

 

 存在を知っていたポッドなら、破壊方法も知っているかもしれない。

 

 折角入り込めたのに、対応できないなんて事では、今も尚時間を稼ぎ続けている彼女達へ更に負担をかける。

 

 [予測:当該自我データを暴走させる。その自爆エネルギーで一時的に防壁を麻痺させる事が可能]

 

「そんな事っ……!」

 

 ポッドに悪気が無いのは分かっていたが、その方法の馬鹿馬鹿しさに、思わず怒鳴ってしまった。

 

 自我データ。それはヨルハ機体の、いや、アンドロイドの核そのもの。

 

 精神も、人格も、記憶も。全てそこにある。それを暴走させてしまうなんて、自殺しているのと大差ない。

 

 ……そんなの、無理だ。この中には、もうこの中にしか___。

 

 

 どうこう迷っている内に、ハッキングの空間から弾き出されてしまった。

 

 現実空間でも扉から弾かれ、思わず転げ落ちそうになる。

 

 体幹は保ったものの、痺れている両手。そして、あの固く閉ざされた扉の方を見つめる。

 

 こんなに手厚く防衛して、意地でも中に入れる気は無いらしい。

 

 どうすればいい? こんな扉を開ける為だけに、この自我データを危険に晒す? 

 

 

「……っ!! ああああっ!!」

 

 突然の悲鳴に、考え込んでいた顔を上げる。

 

「ポポル!?」

 

 ポポルが私の代わりに、扉の解錠を試みていた。

 

 だが、古い機種であるポポルのハッキング機能は、防壁から一方的に攻撃されてしまっている。

 

「ポポルっ! 貴方の機能ではっ……」

 

 そう言いかけて、扉がむしろ開き始めている事に気付いた。

 

 ポポルへ反撃を食らわせる電撃のなかに、確かに扉の開いていく、軋んだ音が混じっている。

 

 何故? だって、この扉を解除できる方法は……。

 

「っ!? ポポル!! そんな事をしたら貴女の回路は焼き切れてしまう!!」

 

 彼女が何をしているのか、そして、このままだと何が起きてしまうのか。ポポルに向かって、止めようと叫ぶ。

 

 精神、人格、記憶。彼女の生きてきた全てを、こんな事の為に捨てて良いはずが______

 

「うるさいっ!」

 

「っ……!?」

 

 だが、ポポルは大声で私の静止を拒絶する。

 

 あの大人しい彼女からは聞いたことの無かった、その感情の昂ぶり。

 

 何故? 何故そうまでして、私の為に? 

 

 その疑問の返答になるように、次にポポルは叫んだ。

 

 

「私達は、私達の犯した罪を償うんだ!」

 

 

 ___罪。

 

 彼女の、彼女達の罪。

 

 それはきっと、同型モデルが過去に起こした事故の事だろう。でも、それは 同型の他人 が起こした事故、彼女たちの責任ではない。

 

「……っ!!」

 

 ……でも、それでも。彼女達はずっとその事に対して、今にさえ負い目を感じて生きてきた。

 

 罪を償う。一体、ポポルがどんな意思と意味をもって、私にそう叫んだのかは解らない。

 

 

 ……でも、「罪を償う」。

 

 

 その言葉は、私にとっては答えだった。

 

 

「2B……! お前は後悔するなよ!!」

 

 後悔するな。走り出した背後から聞こえてくるデボルの言葉。

 

 それに押されて、遂に開かれた扉の隙間に滑り込んだ時、一瞬ポポルの叫び声が聞こえた。

 

 だが、ポポルへと振り返ったまさにその瞬間、扉が隔たれて、固く閉ざされてしまう。

 

「デボル、ポポルっ……」

 

 扉の先で、二人はどうなってしまったのか。

 

 ……けれど、ポポルが命を賭してまで開けてくれた扉。それが今、閉じられてしまったという事は、つまり……。

 

「……行こうッ」

 

 あの二人が、命を賭けてまで開けてくれた道。

 

 後悔するな。何度も言い聞かせて、扉に背を向けた。

 

 

 内部を進んでいくと、少し広間の部屋に出た辺りで行き止まりになっていた。

 

 一瞬周囲が揺れたと思うと、周囲の壁の奥から作動音のような物が聞こえてくる。

 

 これがエレベーターだったのだろう。部屋の広さと装飾から、そうは見えなかった。

 

 [疑問:何故ポポル、及びデボルは同時の死を選んだのか]

 

 エレベーターで登るだけの空白の時間。ふと、ポッドがそんな事を呟く。その淡々とした口調には、いつものポッドらしからぬ物が見えた。

 

 その疑問は今も尚戦い続けるデボルが、ポポルの亡骸を、……最期まで置いていかないと。そう考えていなければ出てこない発言だ。

 

 ふと相まみえた、ポッドに芽生えかけている何か。

 

 

 ……だけど。あの痛みも、この苦しみも。

 

 

「……貴方には、分からなくていい」

 

 それは私が決めることではない。けれど、そう呟いていた。

 

 

 [……疑問:なぜこの搭に入り口が用意されていたのか?]

 

 [資源搬入は上から行われている事を確認]

 

 やがて開くであろうエレベーターの扉。その先に待ち構えた物を警戒して、ポッドは扉を見つめる。

 

 [外部からの侵入口が用意されているのは不自然]

 

 そんな事はずっと分かっている。最初の回収ユニットで搭を見た時、塔へ運ばれていく機械生命体の残骸を見ておかしいと思っていた。

 

 だが、それが何なのかはその時に考えていて、既に分かっていた。

 

 [予測:罠]

 

「……罠でもなんでもいいよ。全部、破壊するだけ」

 

 待ち受ける物が何であれ、搭に入る前から、答えはそれで決まっている。

 

 エレベーターが、ふと大きく揺れて止まる。

 

 扉が開くと、その先には、……真っ白な世界が広がっていた。

 

 無機質なまでに白く、角質で統一された床や段差。そこには装飾が施され、いつか見た教会や、……或いは神殿のような物を彷彿とさせている。

 

 複製都市に訪れた時、この白い物質はケイ素や炭素などで構成されている。と、ポッドは言っていただろうか。……彼と違って、私にはあまり詳しい事は分からないが。

 

 遥か上空の、無音の領域。先に続く道が伸びている。一歩、また一歩と踏み出すと、ヒールがコツコツと、一際目立って鳴り響いた。

 

 一部崩落した足元。遠く見える標高からは、この白色の景色に相応しい冷たい風が吹き抜けてくる。

 

 冷たく、静かな一本道を誘導されるがままに進んでいく。

 

『こんにちは! 「搭」システムサービスです』

 

『この度は「搭」にご来場頂き、まことにありがとうございます』

 

 あの舌っ足らずな口調が、静かな空間により一層不快に響いて聞こえてきた。

 

 ……ご来場ありがとうございます? 

 

 あれだけ必死に抵抗しておきながら、そんな台詞を吐いて恥ずかしくないのだろうか? 

 

『最後のサブユニットを解除されたご来場者様への「ラストワン賞」はこの先のお部屋にご用意しております』

 

『ごゆっくりとお楽しみ下さい』

 

 丁度アナウンスの終わるタイミングで、目の前に大きな扉が見えてくる。

 

 ラストワン賞。立ちはだかるこの大扉の先に、それが用意されているらしい。

 

 景品。……どうせ、機械達が配備されているのだろう。と、片手に白の刀を携えて、張り詰めた神経でそっと取っ手に触れる。

 

 大扉は木造建築のような見た目に似合わず、指先が触れただけで自動で開いた。

 

 誘われるままに、薄暗い部屋を進んでいく。

 

 いつでも殺しにきていいように、いつでも殺しにかかれるように、警戒して、ゆっくりと進んでいく。

 

 神殿のような、何本もの柱に支えられた部屋。

 

 張り詰めた神経が、静かに気配を読み取っていく。どうやら、その柱の影に、既に何体かが潜んでいる。

 

 互いに音沙汰も無いまま、部屋の中央にまで至ったその時。_____遂に、一斉に先兵達は降ってきた。

 

「っ!!」

 

 天井にも待機していたようだ。此方を包囲してきた無数の影へ、すぐに応戦できるように刃を構える。

 

 

「……えっ?」

 

 ……が、構えた姿勢は、その無数の影の正体に、容易く崩されてしまった。

 

 四方から、八方から。自分を取り囲む、無数の人影。

 

 

 

「ナイン、ズ……?」

 

 もう居てくれない筈の姿が、そこには居た。

 

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