or not to [BE]   作:ヤマグティ

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2Bのゴーグルって二重構造になってるぽい感じするんだけど、このゴーグルしてるの2Bだけなんですよね。

コレもしかして毎回…?


当SSはその解釈で行くので再投稿です。 


なんかの節で初期2Bの姿が分かった時、普通のゴーグルしてたら勝利の雄叫び上げる自信ある。





聞き慣れないおはようの声
釈放の陽光


 

 

 

 ■ □

 

 

 

 

 

 [ヨルハ機体、9Sのブラックボックス信号は途絶。死亡を確認した。]

 

 

 

 無機質な女の声が、暗闇に響き渡る。

 

 [状況を共有する。]

 

 

 [……]

 

 [提案。ライトの点灯。]

 

 

 カチリとした、小さなスイッチ音。

 

 この世界の何処かの部屋に、明かりがつく。

 

 そこに映し出されたのは、あの二機のポッド。

 

 対なるような、白と黒のカラーリングが向かい合っている。

 

 [確認:ヨルハ機体、2BとA2の安全の確保。]

 

 黒い方、ポッド153が、白い方に問いかける。

 

 その返答になるように次に聞こえてきたのは、これもまた無機質な男の声。

 

 白い方のポッド、042。

 

 [ポッド042より、ポッド153へ。]

 

 [報告:ヨルハ機体2Bは本日、レジスタンスキャンプ所属の協力者の支援あって破損部分の修復が完了。現在再起動可能状態にある。]

 

 [ポッド042はヨルハ機体2Bの随行支援ユニット。]

 

 [ヨルハ機体2Bが稼働する以上、ヨルハ支援システムの規定通り、随行支援を行う義務があると判断した。]

 

 

 

 

 [引き続きポッド042は、ヨルハ機体2Bへ随行支援を行う。]

 

 

 

 

 

 [了解した。]

 

 [ポッド153より、ポッド042へ。]

 

 [報告:ポッド153は、ヨルハ機体9SよりA2への随行支援命令を受けた。]

 

 [この命令はヨルハ機体9Sにのみ解除可能。しかし、当ヨルハ機体9Sは死亡を確認された。]

 

 [権限者不在の命令の処理に思案した結果、ポッドプログラムの規定に則り、前随行支援対象、ヨルハ機体9Sの最終命令は実行することに決定した。]

 

 [ヨルハ機体A2も、現在再起動が可能な状態。]

 

 

 

 

 [ポッド153は随行支援対象を変更、ヨルハ機体A2へ随行支援を行う。]

 

 

 

 

 

 [了解。情報共有を終了する。]

 

 042のその言葉と共に、再び部屋には無音と暗闇が訪れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 [……。]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 [推奨:2Bの精神状態の定期的チェック。]

 

 

 

 [了解。]

 

 

 

 

 

 

 

 

 △▽△▽△

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空に見放された気がした。

 太陽は容赦なく、血に濡れた体を照らす。

 今はただ、降り止まない雨に焦がれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鳥に蔑まれた気がした。

 それでもこの双脚は、大地を駆け続ける。

 行きたい場所なんて、どこにもないのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花に笑われた気がした。

 何も考えずに済むように、ただ命令を処理する。

 恥じ入る必要も、権利も、選択も感情もないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ■■■□■■■■■■□

 

 白の契約

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 酷い悪夢を見た。

 

 

 

 

 今まで見てきた何よりも苦しくて、耐え難いもの。

 

 

 覚めてほしいと願うと、望んだ通りに意思が芽生えていく感覚がした。再起動をする時の、いつもの感覚。

 

 ……やっと、セットアップが終わったみたいだ。またいつもの起床の挨拶がかかる頃だろう。

 

 だけど……あぁ、君にどんな顔をして起きればいい? そう思うと、この瞳が中々開けられない。

 

 ただ酷い夢を見ただけのこと、余計な心配はかけたくない。いつも通りの動かない表情を意識しようと、表情筋を細かく整え続ける。

 

 気付かれないようにしないと。彼は鋭いし心配性な節がある、体調不良かもなんて、しつこくなるのが今から目に見える。

 

 

 ……。

 

 ……けれど、いつまで経っても、あの挨拶は聞こえてこなかった。

 

 おかしいな。起動プロセスが入ったんだ、それはセットアップの最終工程。それが入ってきたのなら、もう終わった筈。

 

 瞳を閉じたままだから、まだ眠っていると思われているのだろうか? 

 

 ……だとしても、あのお喋りな口の独り言さえ聞こえてこない。

 

 環境音は辺りから聞こえる、聴覚に異常なんて無い。今日は別行動だっただろうか? 

 

 

 

 ……? そもそも、どうして私は眠っていた? 

 

 最後の、記憶は……。

 

 

 

 ___分かっていた筈の事を 思い出してしまった。

 

 アンドロイドの見る『夢』は、過去の記憶の再生でしかないことを。

 

 

 ……。

 

 だから、つまり……。……あれは夢じゃなかった。

 

 

 この静音が証明。悪夢のような、現実。

 

 

 ……このまま、ずっと瞳を閉じていたかったけれど、……ゆっくりと、開ける。

 

 開いた瞳へは、真っ先に日差しが当たってきた。

 

 まるで祝福とでも言うかのような、輝かしく照りつける光だった。

 

 ……眩しい。ゴーグルが無い。

 

 チカチカとして鬱陶しい。あの目隠しを探すべく、上体を起こす。

 

 

「あ、気が付いたみたいよ、デボル」

 

 起こしたその先で、誰かと視線があった。ずっと間近にいたようで、その瞳が此方へ覗き込んできて、安堵の表情を見せる。

 

「おはよう。よく寝たな、2B」

 

 何かの作業をしていたもう一人が、彼女に呼ばれて作業を中断し、真っ先に此方にやってきて、軽く茶化してきた。

 

「貴方たちは……」

 

 此方を見つめてくる、2つ並んだ赤い髪色。

 

 ……デボルと、ポポルだ。この特徴的な二人がいる。

 

 それに周りの方を見渡す。見えるのは、幾つかの簡易的な設備と、数名ほどのアンドロイド達。

 

 それから、周囲を囲うビル郡が、この場所を隠すようにそびえ立って存在している。

 

 この場所は……。

 

「レジスタンス、キャンプ……」

 

 

「貴方。二週間も眠りっぱなしだったのよ?」

 

 視線を、また双子の方へ呼び戻される。大人しそうな髪型の方。ポポルは、心配そうな表情で此方を見ていた。

 

「見つけてきた私に感謝しろよ?」

 

 それに対して、逆立ったような髪型の、気の強そうな方。デボルは誇らしげな表情で私を覗き込んでいる。

 

 表情の異なる、同じ顔の二人。彼女らの言葉をもう一度、頭の中で復唱する。

 

 

『二週間』

 

『見つけてきた』

 

 

 ……。

 

 ……崩落していった奈落から、私は助かってしまったらしい。

 

「……」

 

「ナインズは……?」

 

 何かを言わなければと、開けたその口から溢れるように出てきたのは、彼の名前。

 

 分かっているのに。無意味だと知っているのに、願ってしまう。

 

「……?」 「ナイン、ズ?」

 

 聞き慣れない名前に、二人は顔を見合わせる。

 

「「……!」」

 

 だが、すぐにその名前の意味と、そう呼ぶ意図を理解してしまうと、……ポポルの方は悔しそうに眉間に皺を寄せて、そのまま黙り込んでしまう。

 

「……9Sの事なら……お前の方が……よく知ってるだろ?」

 

「……ブラックボックス信号も……切れている」

 

 あの普段勝ち気な態度のデボルですら、そう語る声は絞り出したような、小さなモノだった。

 

「……そう」 

 

 ……9Sは、死んだ。

 

 あれから気分が落ち着いているせいか、……それとも、か。

 

 酷くすんなりと、……その事実を認められた。

 

 

 [デボル・ポポルタイプのアンドロイドは治療・メンテナンスに特化した稀少なモデル。]

 

 [バンカーが破壊された今、彼女たちが居なければ今後の2Bの修理・補修は厳しいと予測。]

 

 [推奨:感謝の言葉。]

 

 沈黙の静寂が続く中、ポッドが取り持とうとそう促してくる。

 

「……ありがとう。デボル。ポポル」

 

 彼女達にお礼を言うのは、これで二回目だった。

 

 以前も怪獣のような大型機械生命体の爆風にはぐれた9Sを探す為に、彼女らの力を借りた事がある。

 

 デボルと、ポポル。

 

 赤い髪や同じ顔をした、双子である事が特徴的なアンドロイド。

 

 この二人との事は特に印象的に覚えている。体は同型でありながら、デボル・ポポルと、双子の『姉妹』として明確にパーソナルデータに区分をされた機体である事は珍しかった。

 

 私達ヨルハ機体にも、周囲のレジスタンスのアンドロイドにも、家族や兄弟のような関係性を持つ機体はいない。

 

 基本的に同型の機体には、同じパーソナルデータが……。

 

 

 ……同じ、同型。

 

 

 そうだ、あの同型モデル。

 

 

 

 A2。あの二号。

 

 

 

「……2B?」

 

 何か思い出したように突然立ち上がった私を、ポポルが呼び止めてくる。

 

 

「ほら、これ貴方のでしょう?」

 

 一体何を言われるのかと思ったら、ただゴーグルを手渡すためだった。忘れていた。ポポル達が管理してくれていたらしい。

 

「それ、何で二重になってるんだ?」

 

 ゴーグルを受け取ってつけようとした時、デボルがふと、何の他意もなく興味程度に聞いてきた。

 

 二重構造。このゴーグルは身につけたときに、顔の右半分を覆い尽くすような、……もう一つゴーグルを貼り付けた構造になっている。

 

 二人が管理していてくれたのなら、……当然この構造に気付かれてしまったんだろう。

 

 手に取ったゴーグルを見つめる。

 

「……特に理由は無い」

 

 固く身につけると、そう一言言って、その話題を終わらせる。

 

「……あまり無理をしないでね。2B」

 

 アテもなく何処かへ歩き始めたその背後に、ポポルがそう一言加えてきた。

 

 

 

 

 レジスタンスキャンプを抜けて、外に出る。

 

 俯いて、ただ足元だけを見ている。

 

「……」

 

 ヨルハ部隊は、6Oは、司令官は、……死んだ。

 

 そして、……9Sも。

 

 

 ヨルハ部隊は壊滅した。司令部も無い。

 

 もう、命令されて動く事は無い。

 

 けれど……。

 

 

 私だけが、一人生き残ってしまった。

 

 

 ……それを解放されたというには、あまりにも残酷な孤独だった。

 

「……ナインズ……っ……」

 

 どうして、私だけが? 

 

 どうして彼じゃなくて、私が生きている? 

 

 何も赦されない私が、到底値しない私が、……ただ一人生き残っている。

 

 何の為に? 何が理由で? 

 

「……ッ」

 

 のしかかってくる日差しの中に、ただ立ち尽くす。

 

 そこに何の暖かみも感じられない。その輝かしさが、余計に私を見下してくる。

 

 

「……。……っ?」

 

 ふと、そこで前方に感じた違和感。

 

 俯いたままの視線に、日差しが照らし出した何かの巨影が地面に見えた。

 

 

 ……こんなに大きな影が、この廃墟都市にはあっただろうか? 

 

 影の主を探そうと、ようやく顔を上げると、目の前には巨大な何かが天に伸びていた。

 

「……なに、アレ……」

 

 まるで大木のようにうねり生えた、真っ白な建造物。例えるならば、『塔』。

 

 こんな視界の殆どに映るようなもの、前までは無かったのに。

 

 [地下空間から出現した構造物。機械生命体に由来するものと考えられるが、詳細は不明。]

 

 ポッドが呆気にとられていた私の思考を読んだのか、そう答える。

 

 地下から……。あの地響きの原因は、これが出てくる時のモノだったのか。

 

 機械生命体に由来……。奴ら、こんなものまで作り出せるなんて。

 

 [巨大構造物中央部から地上に伸びている区間に移動構造物を検知。]

 

「……エレベーター?」

 

 [肯定。]

 

 あのうねった幹のようなモノ。あそこから上部に上がれる構造になっているらしい。

 

 あれがなんなのか、全く見当はつかない。ただ静かに、そこに当然のモノのように鎮座している。

 

 ……何もせずそこに静音しているのなら、特に気にする必要も無いだろう。理解に追いつかない物に、私は特段興味なんて無い。

 

 もうヨルハ部隊も無い。命令をされていない自分に、あの機械生命体の作った何かを調べに行く目的なんて無かった。

 

 そうやって、塔を回り道しようとした時、……そこで、何か引っかかるような違和感を感じた。

 

 何か、こういうときにあった筈のモノ。何かが足りない感じがする。

 

 いつもはこうじゃなかった筈。というような、そんな感覚。

 

 

 ……。

 

 ……あぁ、そうか。9Sだ。

 

 もし9Sがコレを見たら、どんな反応をするだろう? 

 

 きっと興味深そうに、少し睨んだような目つきをして、顎に手を当てて、見て分かるくらいに考え込む。

 

 それで、「今の任務は置いといて、調べに行きましょうよ!」 なんて言いだすんだ。

 

 私が止めても聞かないで、少し目を離したら居なくなってる。

 

 好奇心に見事に惨敗して一人で走っていってて、私はそれを追いかけて、結局調査に付き合わされる。

 

 ……そのやり取りが、無かった。

 

 

「……行ってみよう」

 

 進もうとしていた方向を、また塔の方に変えた。

 

 そこに行って何をするのかなんて目的を私は持って無い、けれど。

 

 何の目的も無いならと、取ってつけたような好奇心で、塔に向かう事にしていた。

 

 

 

 塔の根本に辿り着くと、エレベーターがあるらしい中心の巨大な柱には扉がついていた。周囲を見渡すと、突起物のようなオブジェクトが3つある。

 

 入り口にも、オブジェクトにも、なにかロックのようなものが掛かっているようだ。

 

「ポッド。ハッキングして」

 

 [了解。]

 

 ポッドが構造物の入り口に向かってハッキングを仕掛けに行くが、ブザー音が鳴り響き弾かれる。

 

「どうしたの?」

 

 [アクセス拒否を検知。]

 

 どうして? と聞こうとしたとき、突然声が周囲に響いてきた。

 

『こんにちは! 「塔」システムサービスです』

 

 軽快で舌足らずな、いつか人類の過去文献で聞いた、子供のような声が聞こえてきた。

 

『大変申し訳ありません。「塔」メインユニットにアクセスするにはサブユニットのロック解除が必要です』

 

『大変お手数ですが、よろしくお願いします』

 

 サブユニット。再び周囲を見渡す。

 

 この中心の柱をメインとするなら、あの3つの突起物がサブユニットなんだろう。

 

 [疑問:機械生命体がこのようなアナウンスを行う理由。]

 

 ポッドは塔の方を見るような挙動をすると、そんな事を聞いてくる。

 

「……」

 

「……機械生命体のやる事に、意味なんてないよ」

 

 私の口から出てきたのは、よく9Sが言っていたその一言。

 

 けれど私のそれは、どこか八つ当たりのようなものだった。

 

 再び突起物にもハッキングを仕掛けさせるが、これも再び弾かれた。

 

 またか。と、少しもどかしく感じる。

 

『こんにちは! 「塔」システムサービスです』

 

『「塔」サブユニットのアクセスには「アクセス認証キー」が必要です。申し訳ありませんがアクセスを許可することは出来ません』

 

 長ったらしいが要約すれば、私をこの塔に入れる気はないという事だ。

 

 別に入れないのならそれで構わない、と。その場を後にしようとした時。

 

 ザラリとした不快な感触が、脳内によぎった。

 

「……っ!?」

 

『その代わりとしまして。今回は初回アクセスをされた方に特別なサービスとして、「資源回収ユニット」へのツアーにご招待します!』

 

「……何……今の……?」

 

 [敵システムからの強制通信。「資源回収ユニット」と称する場所を通知。]

 

 あのアナウンスは、まだ続いてきていた。マップを開くと、確かに何かの反応が勝手に記されていた。

 

 資源回収ユニット。それが何なのかは分からない。だが、機械生命体が送りつけてきた以上、きっと罠や挑発の類だろう。

 

 挑発。そうだ、不意打ちのようにしてきた不快な感触。あの舌足らずな口調も、此方をからかうように聞こえた。

 

 あの口調……。バンカー陥落の時の、6Oの物と似ている。

 

「……ふざけるな」

 

 アレと同じ存在だ。機械生命体の、あの何者か。 

 

 ありありと浮かび上がってくるのは、紛うことなくあの日の事。

 

 6Oも、司令官も、9Sも。みんな奴らが殺した。

 

「……ポッド。さっき言ってた資源回収ユニットの位置をマークして」

 

 [……。……目的の提示。]

 

 少し間を置いたポッドの返答は、心做しかあまり乗り気じゃないように聞こえた。

 

「機械生命体の殲滅と、アクセスキーを入手して塔を破壊する」

 

 それ以外にない。資源回収ユニットも塔も、挑発でも罠でも何でもいい。そこに機械生命体がいるのなら、迎え討つ。

 

 [ヨルハ部隊基地バンカーが破壊された現在、各部隊員に対する命令は留保されていると判断。]

 

 [推奨:レジスタンス部隊との合流と、命令系統の再確認。]

 

「……命令されたからやるんじゃない」

 

「……私が、決めた」

 

 これから機械生命体と戦うのは、人類会議からの命令でも、アンドロイドとしての使命でもない。

 

 他ならぬ、自分の意志と決意。

 

 […………。]

 

 [……了解。今後も戦闘を継続するのなら、武器が必要と判断。]

 

 ポッドはそれを汲み取ったのか、少し静音すると、やがて目の前にやってきて、一つの武器を手にぶら下げる。

 

 黒い柄が特徴的な、刀。

 

「これって……」

 

 9Sが使っていた、黒い刀だ。

 

 [再起動後にも継続して戦闘を行う可能性から、戦闘手段は多い方が有利と判断した為、捜索・回収を行った。]

 

「……ありがとう」

 

 黒い刀を手に取る。奇しくも、私が使っていた白い刀とは対になっていた。

 

 左手で持って、手に慣らす為にクルクルと回すと、共に背に納刀する。

 

 黒の誓約。それがこの刀の名前。

 

 これが彼の、形見だとするならば。

 

「機械生命体は、殲滅する」

 

 その名前に則り、ポッドにも目的を伝えるようにして、言葉に出して誓う。

 

「それから……」

 

 ふと立ち止まると、また黒い刀を手に取る。

 

 考え込む顔が、刀身に向けられた。

 

 

 そこに反射しているのは、他でもない自分の顔。

 

 

 それを見つめて、……当然の答えを再確認すると、再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの二号も、殺す」

 

 

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