怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~   作:特撮恐竜

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次回はオリジナル回を投稿します。
理由としてはデスドラゴが地球怪獣である事を踏まえると原作における『アキトの約束』が出来ないと考えたからです。そのため、アキトがユナの家に来た理由が少し変えました。近いうちにその事に触れる予定なのでその辺はご了承下さい。


笑顔のために(後編)

キル星人が恐竜戦車を出現させた頃、GIRLSでも宇宙人が出現させた怪獣の情報が入ってきていた。すぐさま怪獣出現の情報を聞き付けたピグモンが司令室に入って職員に状況を訊ねる。

 

「ピグモンさん、大変です‼︎怪獣が出現しました‼︎」

「分かっています‼︎すぐにモニターに写して下さい‼︎」

「はい‼︎」

 

司令室に入ったトモミの言葉でオペレーターがモニターに写し出した映像を見る。そこには恐竜戦車が周りの物を破壊しながら前進していく姿が写っていた。

 

「過去のアーカイブドキュメントに記録を確認しました‼︎サイボーグ怪獣『恐竜戦車』です‼︎」

「恐竜戦車・・・キル星人がやってきた事からもしかしたらとは思ってましたが・・・GIRLSの皆さん、怪獣が出現しました‼︎イグニスさん達の追跡は後にしてそちらの方をお願いします‼︎」

『了解‼︎』

 

ピグモンからの通信を切ったレッドキングが前を見ると既に恐竜戦車が爆炎を上げながら街の中を行進していた。それを見てツバサが驚きの声を上げる。

 

「あー‼︎イグニス達が‼︎」

『⁉︎』

 

全員がツバサの指差す方向に目を向けるとイグニスとブラックスターズが隣り合わせに逃げ回っていた。その光景にレッドキングとアギラは頭を抱える。

 

「アイツら・・・世話が焼ける・・・。」

「どうしましょう・・・放っておく訳にはいかないし・・・。」

 

全員が頭を悩ませる中、先にアキトが発言した。

 

「恐らくキル星人の狙いはさっきイグニスが俺の研究室から盗んだ出土品だ。あれを取り返せば少なくとも奴らをこちらに引きつける事は出来る。」

「じゃあ、僕が盗んだ物を取り返します。」

「ツバサ、本気⁉︎」

「ちょっと大丈夫?かなり危険だよ。」

 

まだGIRLSに入って間もない幼馴染が挙手した事に驚くウインダムの横でアギラは心配しながら話しかける。ツバサはアギラに振り向くと笑みを浮かべながら発言した。

 

「大丈夫です‼︎GIRLSに入ったからには覚悟は出来てましたし・・・何より皆の笑顔を守るためにも僕がやります‼︎」

「だったら私も行きます‼︎ツバサは無茶をしかねませんから‼︎」

「あれは元々、俺の研究室に運ばれた物・・・俺も行く。」

 

ウインダム、アキトは真面目な表情で発言した。3人の顔を眺めたレッドキングは決断をする。

 

「分かった。イグニスはお前ら3人に任せる。俺達は市民の救助と避難誘導・・・そして時間稼ぎだ‼︎」

『了解‼︎』

 

ツバサ達3人がイグニス達の元に向かうと怪獣娘達は恐竜戦車から逃げ惑う人達に向かって走り出した。

 

 

 

 

「グオオオオオオオオ‼︎」

 

その少し前、キル星人の操る恐竜戦車は戦車から砲撃して街を破壊しながら暴れ回る。イグニスとサリーは必死に自分達を追う恐竜戦車から逃げ回っていた。

 

「ったく、キル星の腐った軍人共‼︎好き勝手やりやがって‼︎」

『我々はエタニティコアを手にして更なる発展を狙うのだ‼︎リシュリア星人のコソ泥なぞに奪われてたまるか‼︎』

「俺はコソ泥じゃねえ‼︎トレジャーハンターだぁぁぁぁ‼︎」

 

恐竜戦車はイグニスの叫びも知らずに前進してくる。そして前進するたびあたりに爆炎を散らしてくる。イグニスがそのまま走り続けているとサリーが前方に何かを発見する。

 

「兄貴‼︎」

「どうした⁉︎」

「前‼︎前にさっきの怪獣娘達が‼︎」

 

そこにいたのはブラック指令率いるブラックスターズだった。ブラック指令達はその場に座り込んで後ろから怪獣か来る事も知らずに一息ついている。

 

「ハァ・・・とんでもない修羅場だった・・・。」

「全くだよぉ・・・。」

「おい、お前らそこをどけ‼︎」

「何・・・ってお前は。」

「さっきの・・・ってええええええ‼︎」

 

ノーバとペガッサ星人がイグニスとサリーに目を向けると後ろから彼らを追ってくる巨大怪獣の姿が見える。後ろの恐竜戦車にブラック指令は思わず悲鳴を上げた。

 

「ぎぃやあああああああああああああああああああああ‼︎」

「か、怪獣だと⁉︎」

「どうなってんのこれぇぇぇぇ⁉︎」

「それよりも早く逃げましょう‼︎このままじゃ私達、潰されてしまいます‼︎」

 

ペガッサ星人の言葉でブラック指令達もイグニス、サリーの2人と共に走り出す。並んで後ろから迫る怪獣から逃げるイグニスにブラック指令は文句を付けた。

 

「おい‼︎何故、我々と同じ方向に走るんだ⁉︎このままじゃ我々も巻き添えじゃないか‼︎」

「はぁ⁉︎お前らが同じ方向に走ってんだろ⁉︎巻き添えが嫌ならどっか別の方向に行けよ‼︎」

「それがしたければとっくにそうしてる‼︎いいから何処かに行ってくれ‼︎」

「それはこっちの台詞だ‼︎お前らがどっか行けよ‼︎」

「兄貴、喧嘩してる場合じゃないでガンス‼︎」

「グオオオオオオオ‼︎」

 

イグニスとブラック指令が言い争っている間にも恐竜戦車は迫っている。そんな中、恐竜戦車の砲台が発砲され、彼らの後ろで大爆発が起きる。

 

『うわああああああああああ⁉︎』

 

恐竜戦車の砲撃でイグニス達は吹き飛ばされ、地面にうつ伏せになりながら倒れた。ブラック指令は仲間の無事を確認する。

 

「皆、大丈夫か・・・?」

「私は・・・なんとか・・・。」

「あれ?ペガちゃんは?」

 

ペガッサ星人の姿が見えない事に気付いたシルバーブルーメが周りを見渡す。すると彼女達の後ろで足を抑えながら倒れているペガッサ星人が見えた。

 

「くっ・・・ううう・・・。」

「ペガちゃん‼︎」

「怪我したのか⁉︎すぐに行くぞ‼︎」

 

ブラック指令がペガッサ星人の元に駆けつけようと走り出す。その時、恐竜戦車が再び砲撃し、2人の間で大爆発が起こった。爆風にブラック指が吹き飛ばされる。

 

「うわああああ⁉︎」

「ブラックちゃん‼︎」

 

シルバーブルーメとノーバがブラック指令に駆け寄った。2人がブラック指令に駆け寄って体を起こすとノーバは前方を見る。すると恐竜戦車のキャタピラがこのままペガッサ星人を押し潰そうと迫っていた。

 

「まずい・・・ペガッサ、逃げろ‼︎」

「逃げて、ペガちゃん‼︎」

「ペガッサ‼︎」

 

ペガッサ星人は後ろから黙々と迫る恐竜戦車のキャタピラに恐怖を覚えていた。足が思うように動かず、彼女は思わず目を閉じる。

 

(そんな・・・私、これからやりたい事・・・沢山あるのに・・・こんなところで・・・。)

 

すぐ後ろから迫るキャタピラにペガッサ星人が死の恐怖に怯えながら思わず目を閉じた時、彼女は自身の体が浮かび上がる感覚になる。何が起きたのか確かめるため、目を開けると自身をお姫様抱っこするイグニスの姿が写った。

 

「あ、貴方は‼︎」

「舌を噛むから喋らない方がいいぜ‼︎」

 

イグニスはペガッサ星人をお姫様抱っこしながら恐竜戦車の追撃から逃れるため走り出す。恐竜戦車は目からビームや戦車からの砲撃で2人を攻撃するもイグニスは止まる事なく走っていく。ペガッサ星人は今の自分の状況に心臓がドキドキせずにはいられなかった。

 

(嘘・・・私・・・男の人にお姫様抱っこされてる・・・。)

 

イグニスの目の前で恐竜戦車の砲撃で壊れた建物の瓦礫が落ちる。目の前に落ちた大きな瓦礫を踏み台にしてイグニスは大きくジャンプして飛び上がった。

 

「しっかり捕まってな‼︎」

「ひゃあああああああああ‼︎」」

 

ペガッサ星人が悲鳴を上げると共にイグニスの体は宙に浮かび上がる。やがて降下し、着地するとペガッサ星人を優しく下ろした。

 

「大丈夫か?」

「えっ・・・は、はい‼︎助けていただきありがとうございます・・・。」

「ペガッサぁぁぁぁ‼︎」

 

ペガッサ星人達の元にブラック指令達がやってくる。彼女達はペガッサ星人に駆け寄ると号泣しながら彼女が生きてることを確かめるように抱きしめた。

 

「ペガッサぁぁぁぁ‼︎」

「ペガちゃぁぁん‼︎本当に無事でよかったぁぁ‼︎」

「わっ⁉︎シルバーさん・・・ブラックさん・・・ノーバさん・・・ご心配おかけして御免なさい・・・。」

「いいよぉ‼︎ペガちゃんが無事で本当に良かったぁぁ‼︎」

 

ブラック指令はイグニスを見るとペガッサ星人から離れて彼の顔に視線を向ける。イグニスも彼女達の方を振り向いていた。

 

「すまない。我々の仲間を助けてくれて・・・恩にきる。お前の名前は?」

「イグニス。宇宙一のトレジャーハンターだ。」

「イグニス、ありがとう。この恩は必ず返すぞ・・・。」

「気にすんな。体が勝手に動いただけだ。それより今はコイツから逃げるのが先だ‼︎」

「えっ・・・ああ、そうだな‼︎ペガッサ、走れるか⁉︎」

「御免なさい・・・足・・・。」

「大丈夫だよ‼︎わたしが担いでいくから‼︎」

「頼むぞ、シルバーブルーメ‼︎」

 

シルバーブルーメがペガッサ星人を背中に抱えるとイグニス達は再び走り出した。恐竜戦車は目からビームを放ち、イグニス達を攻撃する。その時、巨大化したサリーが恐竜戦車にドロップキックを放ち、ビームの軌道を逸らす。

 

「兄貴、皆、無事でガンスか⁉︎」

「ったく、遅いぞ、サリー‼︎」

「面目ない、オイラ自身でかくなれるのを忘れてたでガンス‼︎」

「グオオオオオオオ‼︎」

 

恐竜戦車はサリーを敵とみなして突進してきた。サリーはジャンプして恐竜戦車の背中に跨るとすぐさま両顎を掴み、ゴーロン星人得意の怪力で口を引き裂こうとする。

 

「ぐぐぐぐぐぐぐぐ‼︎」

「グオオオオオオ‼︎」

 

恐竜戦車は必死に抵抗し、口を閉じようとするがサリーの馬鹿力で口がミシミシと悲鳴を上げていく。すると恐竜戦車は目からビームを放ち、サリーを吹き飛ばした。至近距離でビームを受けた部分は体の毛が焼けて黒こげになる。

恐竜戦車は邪魔者になると考えたサリーに向かって突進する。サリーは恐竜戦車の体を受け止めるも思う以上に強く動くキャタピラの力で後退していく。サリーが足を踏み締めて踏ん張ろうとした時、恐竜戦車の砲台が発砲され、サリーの体は火花を上げて吹っ飛んだ。

 

「ウキイイイイイイ⁉︎」

「おい‼︎あのゴーロン星人やられてるぞ‼︎」

「サリー‼︎」

 

サリーが力を振り絞って立ち上がろうとするがすぐに地面に崩れ落ちる。サリーが慢心疲労の状態とみなした恐竜戦車は再びイグニス達に向かって前進した。

 

「またこっちに来るぞ‼︎」

『うわああああああああああ⁉︎』

「イグニス‼︎」

「イグニスさーん‼︎」

「盗んだものをこっちに渡せ‼︎」

 

イグニス達が再び走り出そうとした時、ツバサとアキト、ウインダムがやってきた。アキトが手を振ってランタンを催促する。イグニスは走りながらツバサ達を見ると自身の懐からランタンを取り出す。

 

「これをこっちに渡せったって・・・この状況でそんな事・・・うわああああ⁉︎」

「おい‼︎また砲撃が来るぞ‼︎」

 

恐竜戦車が再びイグニス達を砲撃する。イグニス達はノーバの声で後ろを振り向くと更に速度を上げて走り出す。ツバサ達もその後を追いながら叫んだ。

 

「キル星人の狙いはそいつだ‼︎早くこっちに渡せ‼︎」

「このままだと貴方達も危ないですよ‼︎」

「イグニス、頑張れ‼︎スマイル、スマイルー‼︎」

「スマイル?・・・出来るか馬鹿野郎‼︎」

 

ツバサにツッコミを入れると同時に恐竜戦車が目からビームを放つ。ビームがイグニス達の後ろで着弾し、彼らは再び吹っ飛ばされる。そして爆発の衝撃でイグニスが手に持っていたランタンは何処かへ吹っ飛んでいってしまった。

 

「ヤバい‼︎イグニス達が‼︎」

「アキトさん、どうしましょう⁉︎」

「慌てるな‼︎奴が盗んだ物が飛んで行った方向はこっちだ‼︎他の怪獣娘に連絡して捜索を頼め‼︎」

「は、はい‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソ‼︎あのリシュリア星人、超古代の遺産を落としおった‼︎」

「仕方ない・・・この街を破壊し尽くして探すのみ‼︎恐竜戦車、攻撃態勢に入れ‼︎」

『ハッ‼︎』

 

イグニスが落としたランタンを見失ったキル星人が操縦する恐竜戦車は目からのビームと砲台からの砲撃を街にぶっ放す。砲撃とビームで建物が爆発しながら壊され、辺りに煙が立つ。ツバサ達と別行動を取っていた怪獣娘達が3人と合流してこれまでの経緯を聞く。

 

「それじゃあ・・・イグニスが落とした出土品を探せばいいんだね‼︎」

「ええ、街に飛んで行ってしまいましたがこの人数なら見つかる筈です‼︎市民を助けながら捜索しましょう‼︎」

 

ウインダムの言葉に頷いた怪獣娘達はそれぞれ散っていく。そして最中、エレキングは1人の小学生くらいの女の子が瓦礫に足を挟めているのを目撃した。彼女は真っ先に少女に駆け出していくも恐竜戦車の砲撃の流れ弾が後ろに着弾して吹っ飛ばされてしまう。

 

「・・・くっ⁉︎」

 

エレキングは地面に転がりながら倒れるもすぐに起き上がろうとする。すると先程の砲撃で地盤が弱くなっていたのか足元の地面が崩れ落ちた。エレキングは真っ逆さまに転落していく。

 

「きゃあああああああ⁉︎」

 

エレキングはそのまま落ちてしまった。幸いにも変身していた影響で大怪我は免れたものの落下の衝撃で足を挫いてしまう。

 

「くっ・・・足が・・・。」

 

エレキングはソウルライザーに手を取って助けを呼ぼうとする。その時、大きく揺れて手元からソウルライザーが落ちてしまった。落ちたソウルライザーは地割れの亀裂の中に消えて彼女の手に届かない所に落ちてしまう。

 

「そんな⁉︎」

 

エレキングは絶望感に落ちながらソウルライザーが落ちていった亀裂を眺める。その時、上から少年の声が聞こえてきた。

 

「エレキングさん‼︎エレキングさん、大丈夫ですか⁉︎」

「⁉︎・・・貴方‼︎」

 

彼女が上を向いて声のした方を確認するとツバサが上から覗いていた。その隣には先程の少女がいる。どうやらエレキングが下に落ちた間にツバサが救出したようだ。

 

「私は大丈夫‼︎それより、その子は・・・。」

「瓦礫に足が挟まっていたところを助けたら、怪獣娘のお姉さんがここに落ちたって聞いて・・・それで様子を見に来たんです。」

「グアアアアアア‼︎」

 

その時、恐竜戦車の唸り声と共に大きく地面が揺れる。上で恐竜戦車が暴れている事を悟ったエレキングは上のツバサに向かって叫んだ。

 

「私の事はいいからその子を安全な場所に連れて行きなさい‼︎」

「エレキングさんはどうするんですか⁉︎」

「私は怪獣娘よ‼︎この程度なんて事ないわ‼︎だから早く‼︎」

 

ツバサは苦虫を潰したような顔になって少女を連れて行く。そして数分後、縄を持って戻ってきた。ツバサは縄を落とすとそれを辿って下に降りていく。エレキングは驚いた顔でツバサに向かって叫ぶ。

 

「⁉︎・・・貴方何してるの⁉︎私なら大丈夫だって言ったじゃない‼︎早くあの子を」

「近くにレイカ達がいたから彼女達に任せました‼︎今から行きますから待ってて下さい‼︎」

「だったらイグニスが盗んだ出土品を探して回収しなさい‼︎私は怪獣娘だからこの程度なんて事ないわ‼︎」

「そんな訳ないでしょう‼︎明らかにエレキングさん、怪我してるじゃないですか‼︎」

 

エレキングはツバサに足の怪我を見抜かれていた事に驚きを隠せない。少し黙り込むと再び口を開く。

 

「⁉︎・・・どうして分かったの?」

「さっき足を抑えてるように見えましたし・・・エレキングさんが意地張ってる姿がレイカが意地張ってる時に似てたから・・・助けが必要に見えたんですよ‼︎」

「だ・・・だとしてもどうやってここから私を出すつもりなのよ‼︎こんな状況で貴方まで降りたら状況が悪化しかねないわよ‼︎」

「それでも・・・何もしないなんて事僕には出来ません‼︎僕は世界中の人達を笑顔にしたい‼︎その笑顔には貴方も入ってるんですよ‼︎」

 

ツバサは叫びながら縄を辿りエレキングの元に着地する。ツバサは着地するとエレキングの足の具合を確認する。エレキングはここまで降りてきたツバサに唖然とするもツバサの問いに答えた。

 

「歩けそうですか?」

「・・・無理よ。」

「じゃあ、少しだけ立てそうですか?」

「・・・少しだけなら・・・それが何?」

「じゃあ、少し我慢して下さい。」

 

ツバサはエレキングを少しだけ半立ちさせると彼女を背中に背負い、もう一本のロープを取り出した。

 

「少し手を貸して下さい。貴方を縄に括り付けて固定します。」

「本気⁉︎」

「本気です。」

 

思わぬツバサの行動にエレキングは顔を赤くして驚く。エレキングは顔を赤くしながらツバサごと自身の背中にロープを巻き付けた。

 

「あ、貴方、私を背負って登るつもり⁉︎かなり危険よ・・・。」

「危険でも貴方を助けるにはこれしかないです!我慢して下さい。」

 

ツバサはエレキングを背負うと再びロープを辿って登り始める。そんな中、エレキングはツバサの背中で静かに口を開いた。

 

「世界中の人達を笑顔にするなんて・・・出来る訳ないわ。この世界には色々な価値観を持った人がいる・・・中には人の心を平気で踏みにじる人だっているのよ・・・世界中の人達を笑顔になんて・・・無理物語よ。」

「・・・それでも・・・それでも僕は世界中の人達を笑顔にしたいんです‼︎勿論、エレキングさんだって・・・同じです。僕はエレキングさんの心からの笑顔を見たい‼︎」

 

血を滲ませながら縄を必死に辿って登るツバサにエレキングは顔を赤くしながらツバサを抱き寄せる。その際に彼女のGIRLSで有数の巨乳が背中にくっつくも必死で登るツバサは全く動じなかった。エレキングはツバサの背中で思わず笑みを寄せる。

 

「全く・・・お節介な人ね。」

「1人の女の子を笑顔に出来ない人に世界中の人達を笑顔になんて出来る訳ありませんから。」

 

やがてツバサは登りきるとそこにはウインダムとマガコンビがいた。3人はツバサとエレキングに気付くと思わず2人に駆け寄る。

 

「ツバサに・・・エレキングさん⁉︎」

「どうして2人がそこから出てくるんですか⁉︎」

「それよりエレキングさんを頼む‼︎足を怪我してるんだ‼︎」

「ふええ⁉︎・・・分かりました、エレキングさんの事は任せて下さい‼︎」

 

縄を解いてエレキングをウインダムとマガコンビに託すとツバサは後ろを振り向く。そこでは恐竜戦車が砲撃しながら目からのビームで町を焼き尽くしている。ツバサはGUTSスパークレンスとGUTSハイパーキーを取り出した。

 

〈ULTRAMAN TRIGGER! MULTI TYPE‼︎〉

 

起動したGUTSハイパーキーをGUTSスパークレンスの銃底にセットした。

 

〈BOOT UP! ZEPERION‼︎〉

 

銃身を開いてGUTSスパークレンスを持った右手を前に突き出すと左側から右側に動かしていく。そして引き金を引いて天に掲げながらその名を叫んだ。

 

「未来を築く希望の光‼︎ウルトラマントリガアアアァァァァ‼︎」

ULTRAMAN TRIGGER! MULTI TYPE‼︎

 

恐竜戦車は目からビームを放って町を破壊しながら前進し、キャタピラで車や道路を砕いて辺りに爆煙を上げていく。その時、光と共にトリガーが現れて恐竜戦車に向かって構えた。

 

「デヤッ‼︎」

「隊長‼︎ウルトラマントリガーです‼︎」

「心配ない‼︎闇の巨人との戦いに備えて調整したコイツならウルトラマンといえども敵ではないわ‼︎」

 

トリガーは恐竜戦車に向かって構えるとそのまま突撃していく。恐竜戦車も前進してトリガーを轢こうと突進する。やがてぶつかり合うと2人は激しく力比べを始めた。しかし、キャタピラで前進する恐竜戦車はトリガーを押し返していく。

 

「デヤアアッ‼︎」

 

トリガーは力を入れて踏ん張るも足は後ろに動き、その体はだんだんと押し返されていく。その時、恐竜戦車は砲台をぶっ放した。トリガーに砲弾が直撃し、後ろに吹っ飛ぶ。その隙に恐竜戦車はトリガーを轢き殺そうとした。

トリガーは立ち上がって飛び上がると恐竜戦車の背中に着地し、馬乗りになってその頭にチョップを入れる。恐竜戦車が怯んだ隙に肩、頭、背中に拳や手刀を入れていく。その時、恐竜戦車の長い尻尾がトリガーを叩き落とす。恐竜戦車はトリガーを背中からはたき落とすと砲台から砲撃する。トリガーはそれを側転で避けた。再び砲撃するとトリガーの足元が爆発してトリガーが怯む。その隙に恐竜戦車は目からビームを放った。ビームがトリガーに直撃してトリガーは後ろに吹っ飛ばされる。

 

「デヤアッ‼︎」

 

 

 

 

 

 

その頃、エレキングを支えたウインダムはマガコンビと共にトリガーと恐竜戦車の戦いを眺めていた。ウインダムに肩を支えられているエレキングは先程までの出来事を思い出して呟く。

 

「ウインダム・・・。」

「?・・・どうしたんですか?」

「貴方の幼馴染・・・大分お節介ね。」

 

ウインダムはエレキングの言葉に目をキョトンとする。やがて彼女の言葉を理解して微笑みながら口を開いた。

 

「そうですね・・・確かにツバサはお節介かもしれません・・・でも、ツバサのお節介は・・・常に誰かを助けるためにした事ですから・・・。」

「そう・・・。」

「私もツバサのお節介に助けられました・・・小学校の頃からアニメが好きだった私は・・・よく男子から馬鹿にさせる事も多くて・・・ツバサだけが私の趣味を肯定してくれたんです・・・。その時、私、ツバサにこう言ったんです。『私の笑顔のためにお節介を焼いてくれる貴方なら世界中の人達を笑顔に出来る』って・・・それからツバサは笑顔のために自分に出来る事を全力でやるようになって・・・。」

「成る程ね・・・その頃からかしら?彼の事を唯の幼馴染ではなく異性と意識し始めたのは?」

「へっ、いや‼︎そんな事ないですよ‼︎」

「フフ、冗談よ。」

(((真面目なエレキングさんがこの状況で冗談を⁉︎)))

 

後輩3人が真面目なエレキングがこの状況で冗談を言った事に驚く。その中でマガジャッパがとある方向に目を向けるとそこにはイグニスが盗んだランタンが落ちていた。

 

「バサちゃん!エレキングさんにウインダムさん!あれを見て下さい‼︎」

「どうしたの・・・ってアレ⁉︎」

「イグニスが盗んだランタン‼︎」

「貴方達‼︎」

「「はい‼︎」」

 

マガコンビは真っ先にランタンに向かって走り出す。すると瓦礫が落ちてランタンが隠れてしまった。

 

「しまった‼︎」

「大丈夫‼︎わたし達は怪獣娘だよ‼︎」

「ああ、そうか‼︎」

 

2人は竜巻と水流で瓦礫を吹き飛ばす。そしてランタンに駆け寄った。

 

「よし、これで大丈夫‼︎」

「エレキングさーん‼︎盗まれたものは取り返しましたよ‼︎」

 

エレキングとウインダムは2人に笑みを向ける。

その頃、恐竜戦車とトリガーの戦いはトリガーの劣勢になっていた。恐竜戦車は目からのビームと砲台からの砲撃を同時に放ち、トリガーを苦しめる。トリガーの足元が何度も大爆発を起こしてトリガーが怯む。

 

「ウルトラマンが危ない‼︎」

「おい、どうした⁉︎」

 

後ろからアキトが走りながらやってきた。マガコンビはランタンを見せながら状況を説明する。

 

「アキトさん‼︎」

「イグニスに盗まれたものを確保しました‼︎でも、ウルトラマンが‼︎」

 

アキトは2人に駆け寄るとランタンが確かにあるのを確認する。トリガーと恐竜戦車の戦いに目を向けると倒れたトリガーを轢き殺そうと前進する恐竜戦車を見て、ランタンに手を伸ばす。

 

「貸せ。キル星人の狙いはコイツだ。俺が奴を引きつける。その隙にトリガーに逆転のチャンスを作らせる。」

「待って下さい‼︎危険です‼︎」

「そんなのは承知の上だ‼︎・・・大丈夫だ、俺の覚悟はお前ら怪獣娘にも負けてない。」

 

アキトはマガバッサーからランタンを取ると恐竜戦車に向けてそれを掲げる。トリガーを轢き殺そうとする恐竜戦車はそれを見ると進行方向を変えてアキトの方に前進する。

 

「よし、こっちだ‼︎こっちに来い‼︎」

 

トリガーは立ち上がると恐竜戦車がアキトに標的を変えたのを確認する。するとツバサはパワータイプのハイパーキーに手を伸ばした。

 

〈ULTRAMAN TRIGGER! POWER TYPE‼︎〉

 

ツバサはマルチタイプキーを抜くと『パワータイプキー』をGUTSスパークレンスの銃底に装填した。

 

〈BOOT UP! DERACIUM‼︎〉

 

そしてツバサは再びGUTSスパークレンスを持った右手を天に掲げながら引き金を引いて叫ぶ。

 

「勝利を掴む剛力の光‼︎ウルトラマントリガアアアァァァァ‼︎」

ULTRAMAN TRIGGER! POWRER TYPE‼︎

 

恐竜戦車はアキトから超古代の遺物を奪うべく前進する。アキトはランタンを掲げながら恐竜戦車は引きつける。

 

「こっちだ‼︎こっちに来い‼︎」

 

恐竜戦車は着々とアキトとの距離を縮めていく。そしてアキトを轢き殺そうと速度を上げた時、パワータイプにチェンジしたトリガーが膝蹴りで恐竜戦車の軌道を逸らす。

 

「よし‼︎」

 

トリガーはそのまま恐竜戦車の背中にしがみつくと足でブレーキをかけて恐竜戦車の動きを止めるべく力比べを始める。今度は力に優れたパワータイプに抑えられているだけあって恐竜戦車がもがいている。背中に力が増した拳を叩き込む中、恐竜戦車は尻尾でトリガーを叩きのめそうとするが尻尾を受け止められる。そしてトリガーは尻尾を掴みながら恐竜戦車を横転させる。

 

『うわああああああああ⁉︎』

 

戦車に乗っているキル星人達が横転して悲鳴を上げる中、何処からともなく飛んできたサークルアームズを受け止めるとパワークローに変化させる。

 

〈CIRCLE ARMS‼︎POWER CLAW‼︎〉

 

ツバサはサークルアームズにパワータイプキーを差し込んで引き金を引き、その力を読み込む。

 

〈MAXIMUM BOOT UP! POWER‼︎ DERACIUM CLAW IMPACT!〉

 

トリガーは大きく飛び上がると力を集めたサークルアームズを恐竜戦車に叩き込んだ。恐竜戦車は丁度起き上がった直後だったためトリガーのマキシマムクローインパクトに対応出来ずに直撃する。

 

『ぐああああああああああ‼︎』

 

トリガーのクローマキシマムインパクトを受けた恐竜戦車は中に乗っていたキル星人諸共大爆発を起こす。そしてその場にはサークルアームズを手に持ったトリガーが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ウルトラマントリガー・・・やはりその力、ゴクジョーだな‼︎」

「やっぱりウルトラマンは凄いでガンスね〜。」

「あの!イグニスさん‼︎」

 

イグニスとサリーがトリガーに感激していると後ろからシルバーブルーメに支えられたペガッサ星人が立っていた。ペガッサ星人は顔を赤くしながらイグニスの元に駆け寄る。

 

「イグニスさん・・・本当にありがとうございました‼︎・・・それで・・・あの・・・また会えますか?」

「そうだな・・・俺がこの星にいる限り・・・会えるかもな。」

 

ペガッサ星人はイグニスの答えに顔を赤くしながら嬉しそうな表情になる。そして変身を解除して元の人間である『平賀サツキ』に戻った。

 

「イグニスさん、私、平賀サツキって言います‼︎ペガッサ星人の怪獣娘です‼︎」

「サツキ・・・ペガッサ星人の怪獣娘か・・・覚えておくぜ。」

 

イグニスはサツキに背中を向けるとその場から去っていく。後ろからサリーがその姿を追う様を見てサツキは顔を赤くしながら見送っていた。

 

 

 

 

 

その頃、GIRLSでは盗られた出土品が他にも無いから確認していた。レイカ達が確認する中、ツバサはアキトに耳打ちする。

 

「ヒジリ先輩、さっきはありがとうございます。お陰で助かりました。」

「全く・・・危なかっしい戦いだったな。」

「・・・気を付けます。」

 

ツバサは罰が悪そうにしながら出土品を確認する。すると後ろからランが声を掛けてきた。

 

「さっきはありがとう。本当に助かったわ。」

「ああ、気にしないで下さい。僕は僕に出来る事をしただけですよ、エレキングさん。」

「・・・ラン・・・湖上ランよ。ランでいいわ。今度、食事にでもいかないかしら?奢るわよ。」

「えっ⁉︎そんな・・・いいんですか?」

「ええ、今日のお礼として・・・どうかしら。」

「・・・分かりました、ランさん‼︎」

 

ランはツバサの答えに口元に思わず笑みを寄せる。そしてアキ達といるレイカに向かって視線を向けると再びツバサを見て笑みを浮かべた。

 

「フフ・・・。」

 

 

 

 

 

 

その3日後、ウインダムは夜の街で人類に災厄を齎す存在、『シャドウ』をビルの屋上から狙撃していた。スコープで狙いを定めて額からのレーザーでシャドウを1匹残さず殲滅する。ウインダムはシャドウがいなくなったのを確認するとGIRLSに連絡を取ろうとする。その時、何処からともなく彼女に何者かが話しかけてきた。

 

『成る程・・・今のがシャドウだね・・・アンタ達怪獣娘の敵という・・・アイツらも中々面白そうじゃないか‼︎』

「面白そうって・・・そんな事は・・・⁉︎あ、貴方は・・・。」

 

ウインダムは声のした方に向けて反論しようと声のした方を向く。すると闇の中から現れたのは驚くべき存在だった。それはミツクニからシャドウを上回る脅威と言われた闇の巨人の1人であるカルミラだった。

 

「か、カルミラ・・・。」

『おや、アンタ達も知っていたんだねぇ・・・。そう、あたしの名はカルミラ。会いたかったよ・・・怪獣娘・・・さぁ、あたしを楽しませておくれよ。』

 

カルミラはウインダムを見ると光の鞭を形成する。暗闇の中、ウインダムはカルミラと睨み合っていた。




次回予告(CV:マナカ・ツバサ)
「遂にレイカ達怪獣娘に闇の巨人達が攻撃を仕掛けてきた。闇の巨人達の恐るべき実力に怪獣娘がピンチに陥る中、キル星人の置き土産であるキングゴルドラスまで出現して大パニックに!絶対に皆を守らなきゃ‼︎次回‼︎

怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~


怪獣娘vs闇の巨人


スマイルスマイル‼︎」
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