怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~ 作:特撮恐竜
惑星破壊神『サタンデロス』登場
とある木造仕立ての二階建てアパートにてブラック指令とノーバがTVでニュースを見ていた。
「闇の巨人がまたしてもGIRLSの怪獣娘と交戦・・・か。」
「闇の巨人か・・・やはり奴らは恐ろしいようだな・・・。ウルトラマントリガーと並んで我々の目標である地球侵略の最大の敵となるだろう・・・。」
ここはブラック指令が住んでいるアパートの一室で彼女達が活動拠点として使っているアジトである。ブラック指令ははニュースから聞こえる現代に蘇った闇の巨人の脅威に震えていた。そんなブラック指令をいつもシルバーブルーメがからかうのがこの部屋でのいつもの日常だが今は彼女はこの部屋におらず、代わりにこの男がブラック指令にツッコミを入れていた。
「お前ら、今更気付いたのかよ・・・ったく本当に地球侵略する気があるなら敵の戦力ぐらい把握しとけよ・・・。本当にやる気があるのか疑わしくなるぜ・・・。」
「正直、闇の巨人やウルトラマンがいようがいまいがアンタらには千年掛かっても無理だと思うでガンス・・・。」
「煩い‼︎我々に不可能の文字は無い‼︎黙っていろ、イグニスにサリー‼︎」
ブラック指令にツッコミを入れたのは何とあのイグニスとサリーのコンビであった。どうやら恐竜戦車の騒動以来、何の因果か彼らはブラックスターズのアジトに入り浸るようになったらしい。ブラック指令とノーバも2人がいる光景に慣れたのか完全に受け入れている。寛ぎながらツッコミを入れる2人にブラック指令がムキになって言い返す中、シルバーブルーメとサツキが部屋に入ってきた。
「やっほ〜・・・ってイグニスちゃんにサリーちゃん‼︎」
「お2人ともまたいらしてたんですね・・・。」
「よぉ、シルバーブルーメにサツキ‼︎」
「お邪魔してるでガンス〜!」
シルバーブルーメとサツキは座布団に腰掛けるとブラック指令達が見ていたTV画面に目を向ける。TVで流れているニュースを見ると2人もニュースから伝わる闇の巨人達の恐ろしさに震え上がる。
「また闇の巨人のニュースか〜・・・マジで・・・ヤバいのが蘇ったよね・・・。」
「クラスでも持ち切りになってますからね・・・普段は家でTVとか見れないのですが・・・クラスの皆からよく噂を聞きます・・・GIRLSの皆さんがやられかけたとか・・・。」
「フッ、あくまで噂だろう・・・いざ敵対するとなったならば我々ブラックスターズの敵ではないわ‼︎ナーッハッハッハッハッハッハ‼︎」
「はっ、馬鹿言え。お前らじゃ絶対に勝てねえよ・・・。」
イグニスは後ろで高笑いを上げるブラック指令を鼻で笑うと再びTVに目を向ける。その時、TVの画面が切り替わる。そして映像には目が赤く青い発光帯、各部が蛍光レッドを基調としたカラーリングの頭部がキリンやガゼルのような哺乳類を混ぜたような顔をしたロボット怪獣が映し出されていた。そのロボット怪獣の名は惑星守護神『ギガデロス』を改造したロボット怪獣である。
「コイツは‼︎」
「一昨日、宇宙から落ちてきたロボット怪獣ではないか⁉︎また動き出したというのか⁉︎」
実はブラック指令の言葉通り、そのサタンデロスは一昨日、突然地球に落ちてきた。サタンデロスは1時間に動かないという不便な性能があるが、実は大きな秘密がある。それ故に今まで倒せずにいるのだ。シルバーブルーメはTVに注目している。すると光と共にウルトラマントリガーが現れてロボットに向かって構える。
「あっ‼︎ウルトラマン‼︎」
「今日こそお願いします‼︎そのロボットを倒して下さい・・・‼︎」
トリガーはサタンデロスに向かって突っ込んでいくと飛び蹴りを放つ。しかし、トリガーの蹴りがロボットに直撃する事は無かった。ロボットの全身周りに強力なバリアが張られ、トリガーの蹴りを塞いだのだ。
「ジェアッ⁉︎」
「ああっ‼︎あのバリアが‼︎」
「やっぱりウルトラマンさんでも破れないんですね・・・。」
その様をイグニスが険しい目で見ている。サタンデロスは右腕に備えられた剣でトリガーを斬りつけた。トリガーが火花と共に地面に転がっていく。トリガーは起き上がるとサタンデロスに右手からのストレートパンチを叩き込もうとする。しかし、このパンチもバリアによって阻まれた。トリガーはバリアに弾き飛ばされ、後ろに吹っ飛ぶ。その隙を突いたサタンデロスは左腕に備えられたガトリングをぶっ放した。トリガーはバク転しながら避けるとサークルアームズを構えて再び突進する。しかし、サタンデロスにサークルアームズの刀身が届かず、再びバリアに弾き飛ばされた。
「やはり強力なバリアに阻まれているな。」
「うん、凄く苦戦してるね・・・。」
「・・・・・・。」
「イグニス?」
彼女達がトリガーの戦いを見る中、イグニスは険しい表情でTVに写るサタンデロスを見る。
その頃、サタンデロスと戦っていたトリガーのカラータイマーは赤に変わって点滅していた。
「ジェアッ‼︎」
トリガーはサークルアームズで何度も斬り付けようとするがやはりバリアが機体を阻む。トリガーは距離を取り、ゼペリオン光線を放つチャージに入る。一か八か必殺光線でバリアを突き抜けて機体を撃破しようと考えたのだ。チャージを終えたトリガーが機体に向けて必殺光線を放つ。しかし、サタンデロスのバリアはゼペリオン光線さえも防ぎ、僅かにバリアにヒビを生む事しか出来なかった。トリガーはエネルギーが少なくなり思わず膝をつく。
その時、サタンデロスは左腕を構えて手に仕込まれた銃をぶっ放す。サタンデロスの手から放たれるマシンガンのような銃撃がトリガーを襲った。トリガーは爆炎に包まれて地面に吹っ飛ばされる。そして限界が来て、光の粒子となって消えていった。
「ああっ、ウルトラマンが‼︎」
「あのロボット、なんて恐ろしいバリアを張れるんだ・・・。ウルトラマンの光線まで防ぐとは・・・。」
「あのロボット、一体何なんでしょうか?」
「かつての記録にはないから新型のロボット怪獣だとは思うが・・・。」
ブラックスターズがそれぞれ感想を言葉にする中、イグニスだけは黙ってサタンデロスを睨みながら呟く。隣のサリーはそんなイグニスの様子を心配する。
「あの野郎、今度は何が狙いだ・・・。」
「兄貴?」
イグニスは静かに立ち上がるとドアに向かって歩き出す。そんなイグニスをノーバが呼び止めた。
「おい、どうした?」
「外の空気を吸ってくる。」
イグニスは静かに告げると外に出る。そして階段を降りると歩き出ながら昔の思い出を思い出していた。
『イグニス、レッドの・・・俺達の・・・夢、お前に託すぜ‼︎』
『馬鹿言うんじゃねえ‼︎・・・・・・おい、止せ・・・止めろ・・・止めろぉぉぉぉぉぉ‼︎』
傷だらけの赤いジャケットを着た海賊にもトレジャーハンターにも見える青年が自身の肩に手を置いてから、真っ先に燃える目の前に突っ込んでいく記憶がたぎる。過去の思い出を思い出しながら歩いているイグニスがふと目を前に向けると目の前にGIRLS東京支部が写っていた。
その頃、サタンデロスとの戦いに負けて変身が解けたツバサは目を開けて意識を取り戻すと自身が医務室のベッドに寝かされていた事を知る。そして先程までの戦いを思い出すと急いで着替えて講義室に向かう。講義室に到着するとレイカ達いつものメンバーが集まっていた。怪我して医務室に運ばれていた筈のツバサの登場に驚く。
「ツバサ⁉︎」
「どうしてここに⁉︎」
「あのロボットはどうな・・・うぐっ‼︎」
ツバサの体が痛みで崩れ落ちる。思わずレイカがツバサの元に駆け付けて彼の体を支えた。
「ツバサ、駄目じゃない‼︎まだ寝てなきゃ‼︎」
「御免、あのロボットが気になって・・・ピグモンさん、あのロボットはどうなりましたか⁉︎」
「・・・・・・トリガーを退けた後、再び活動を停止しました。恐らくですがエネルギーチャージを行っていると思われます。停止してから3時間が経過しました。」
「それじゃあ、20時間後には・・・また・・・。」
その言葉にその場にいた者達が改めてあのロボットがまた動き出す事を思い知らされる。ベニオが拳を机にぶつけて吠える。
「畜生‼︎何なんだよ、あのロボットは‼︎」
「1日に1時間だけ活動して、23時間、エネルギーをチャージする謎のロボット・・・あんなロボット怪獣は今まで確認された事がないわ。」
「エエ、GIRLSの記録にはありませんデシタ。間違いなく新型のロボット怪獣でショウ。」
その場にいた誰もが一昨日までの記憶を思い出す。バリアに阻まれ、GUTSスパークレンスとGUTSハイパーキーを駆使して強化した攻撃もトリガーのスカイタイプ、パワータイプの攻撃も通じなかった。
「そもそもの話、何であのロボットは1日に1時間しか動かないのよ⁉︎」
「あのバリアを維持しながら活動する為には23時間のエネルギーチャージが必要みたいだ。」
「うん、トリガーが何度も敗れてるもんね・・・。」
「このままじゃ、世界中があのロボットに・・・‼︎」
全員が沈黙する。マルゥルがモニターに写るサタンデロスを見て皆に目を向ける。
「多分だけど・・・あのロボットはギガデロスだと思う。」
「ギガデロス?・・・マルゥルちゃん、あのロボット知ってるの⁉︎」
「ああ、確かある惑星の怪獣災害を止める為に作られたロボットだ。誰かによって改造されてるけど間違いねえ‼︎」
「1日に1時間だけ動き、全てを焼き尽くすロボット・・・。」
「悪魔のロボットね・・・1日に1時間だけ動く・・・1時間の悪魔・・・。」
「1時間の悪魔・・・名付けるなら・・・サタンデロスってところね。」
「サタンデロスか。いいね。いい名前だな‼︎」
突然乱入してきた声に誰もがその方向を振り向く。するとそこにはイグニスが席に座っていた。誰もがここに乱入してきた侵入者に驚く。
「あ、貴方は‼︎」
「イグニス‼︎何でここに⁉︎」
「あのロボットを倒したいんだろ?俺は弱点を知ってるぜ‼︎」
「何言ってる‼︎信じられる訳ないだろ‼︎」
「俺達に任せろ‼︎行くぞ、ミクラス‼︎」
「はい‼︎」
ミクとベニオが怪獣娘に変身してイグニスに突撃する。しかし、イグニスは掌から波動波を放ち、2人を足止めした。
「うっ・・・動けない‼︎」
「クソッ‼︎何なんだこれ⁉︎」
そのまま2人を止めるイグニスの顔の紋章を見てマルゥルが大声を上げる。
「ああああ‼︎思い出した‼︎間違いねえ‼︎お前、リシュリア星人だろ‼︎」
イグニスは波動波を解除する。ミクラスとレッドキングは無理矢理動きを止められていた事でその場に倒れた。イグニスは目を横に向けるとカーテンで隠された窓に向かっていく。そしてカーテンをめくるとそこには窓ガラスに張り付いているブラックスターズとサリーの5人がいた。
「どうしたの・・・ってええっ⁉︎」
「ええっ⁉︎ブラックスターズにサリー⁉︎」
「お前らの気配を変なところから感じると思えばお前ら何やってんだ⁉︎」
「ご、御免で・・・ガンス‼︎兄貴の行方が・・・気になって・・・付いて行ったら、GIRLSだったもので・・・。」
「我々は・・・お前が何故・・・ここに来たのか気になって・・・しまってな・・・。」
「ったく、仕方ねえな。」
イグニスのツッコミに答えたサリーとブラック指令の言葉に呆れるとその場で窓を開けてブラックスターズとサリーを中に入れる。
「た、助かったでガンス・・・兄貴・・・。」
「世話かけさせんじゃねえよ、お前ら・・・。」
「それよりどういうつもりだ⁉︎GIRLSに協力しようとするなんて‼︎」
「別に・・・。ただの気まぐれさ。」
その頃、ツバサ達はまさかブラックスターズまでここに来ることになるとは想像もしておらず唖然とする。話を戻す為にもマルゥルが言葉を放った。
「それにしても・・・まさかリシュリア星人に生き残りがいたなんて・・・。」
「え?マルゥル、それってどういう事?」
「リシュリア星は100年前、何者かに滅ぼされたんだ。」
『ええっ⁉︎』
イグニスの正体と彼の星についてサリー以外の誰もが驚く。先程まで一緒にいたブラックスターズも驚いている事から彼女達も知らなかったらしい。ノーバとサツキも驚きながら詰め寄る中、ツバサが前に出た。
「イグニス、お前の星って・・・!」
「既に滅ぼされていたのですか⁉︎」
「・・・まあな・・・。」
「それじゃあイグニスの母星、リシュリア星はあのロボットに⁉︎」
「いや、ただ単に他人の星を勝手に踏み荒らす奴らが気に入らないだけさ。」
「そうでガンス。兄貴の星を滅ぼしたのは」
「サリー、余計な事を言うんじゃねえ‼︎」
サリーの言葉を塞いだイグニスは彼の怒鳴り声で驚くブラックスターズを背に再びレイカ達GIRLSのメンバーに向き合う。
「さて、さっきも言ったが俺は弱点を知ってる。どうする、俺の話を聞くのか、それとも聞かないのか?」
その場にいた皆が黙り込む。それはサリーもブラックスターズも同じだった。数秒後、答えを決めたトモミがイグニスの前に出る。どうやらトモミは答えを決めたらしく、イグニスに向かって真剣な表情で向き直っていた。トモミの口から出た言葉は・・・。
久しぶりに5000文字くらいで纏められました・・・。