怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~ 作:特撮恐竜
読者の皆さん、恐らく次回出るハルキは原作の『ナツカワ』の方なのか、私の作品の怪獣娘Zの『冬河』の方なのか気になる方が多いと思います。
その答えを後書きの次回予告ではっきりさせます‼︎果たしてどちらのハルキが出るのか・・・お楽しみに‼︎
「つ、ツバサさん?どうしてここに?」
「ミクラスさん達からの緊急応援要請を聞いてね。間一髪間に合ってよかったよ・・・。」
ツバサはダガーヒュドラムを真剣白刃取りで押さえながらマガジャッパの質問に答える。しかし、人間と闇の巨人では力の差がやはり限界があり、ツバサの手は震えていた。
『ほう、私の剣を受け止めるとは人間にしては中々やりますね。やはり似ているだけのことはある。』
「ぐぐぐぐぐ・・・‼︎」
ツバサは力を振り絞って耐えるがヒュドラムの剣はツバサの頭に近づいていく。その時、ウインダムを筆頭に一部を除いて怪獣娘達が集まってきた。
「ツバサ‼︎」
「大丈夫か‼︎今、助けるぞ‼︎」
「大丈夫‼︎何とかしてみせる・・・ぐぐぐぐぐぐ・・・うおおおおおおおお‼︎」
ウインダムとレッドキングがツバサを助けようと走り出した時、ツバサは力を振り絞ってヒュドラムを押し返し始める。その様子にヒュドラムだけでなく怪獣娘達も驚きを隠せない。
『なっ、何⁉︎』
「嘘・・・ツバサ君・・・。」
「ヒュドラムを押し返している・・・。」
ツバサは火事場の馬鹿力を発揮し、ヒュドラムを押し返す。ヒュドラムの剣を押さえつけながら前蹴りでヒュドラムとの距離を引き離すとマガジャッパに駆け寄った。
「ジャッパさん、大丈夫⁉︎」
「・・・・・・。」
「ジャッパさん?」
「はっ・・・はい‼︎大丈夫でしゅ‼︎」
ヒュドラムに臆する事なく立ち向かっていったその勇姿に見惚れていたマガジャッパはツバサの問い掛けにやっと気付くと噛みながら答えた。その一方でヒュドラムは頭を抱えながら剣を構える。
『よくもやってくれたなテメエ‼︎まずはテメエの首から切り刻んでやるよ‼︎』
「そうはさせないよ‼︎」
ヒュドラムがダガーヒュドラムでツバサを斬りつけようとするとガッツ星人(ミコ)が蹴りで斬撃を防ぐ。彼女を筆頭にアギラ、マガバッサー、ゴモラがヒュドラムの前に立ち塞がった。
「ここはボク達が引き受けるからツバサ君はマガジャッパをお願い‼︎」
「分かった‼︎」
「さてと・・・うちらの本気見せたるわあい‼︎」
『待ちやがれ、テメエ‼︎』
ヒュドラムが再び剣を構えると超震動波がその行手を阻む。その姿を見たヒュドラムは気だるそうに彼女達に視線を向けた。
『・・・はぁ、貴方達の相手をしたい気分ではないのですが・・・。』
「そんな事言って・・・わたし達に勝てる自信がないんじゃないの?闇の巨人が聞いて呆れるわね〜。」
『ほう、この私によくほざけますね・・・いいでしょう。まずは貴方から血祭りにあげてあげますよ‼︎』
ヒュドラムはガッツ星人(ミコ)に斬撃波を放つ。彼女は瞬間移動でヒュドラムの攻撃を避けると同時にゴモラが突進を仕掛ける。ヒュドラムはすぐさま横に逸れてゴモラの突進を避けるとその背中に蹴りを入れる。
「ぐえっ⁉︎」
ゴモラが仰向けになって地面に倒れると同時にウインダムが額からレーザーを放ち、ヒュドラムを攻撃する。ヒュドラムはダガーヒュドラムでレーザーを受け止めるが成長したウインダムのレーザーは確かにヒュドラムをじりじりと後退させていく。
『ぐっ・・・成る程・・・確かに前より強くなっていますね。ですが‼︎』
ヒュドラムは力を振り絞ってウインダムのレーザーを掻き消した。レーザーを掻き消したヒュドラムは剣を構えて指を振りながら挑発する。
『その程度ではまだまだですよ。この程度で私達に勝とうなどと思わない事です。』
ヒュドラムはダガーヒュドラムを構えて斬撃波を放つ。ウインダムは背中から無数のミサイルを放ち、ヒュドラムの斬撃波を撃ち落とした。
次にヒュドラムに攻撃を仕掛けたのはアギラとマガバッサーだ。アギラは角による突進で、マガバッサーは風の刃を放ち、ヒュドラムを攻撃する。ヒュドラムはすぐさまジャンプして彼女達の攻撃を避け、アギラとマガバッサーは苦い顔を浮かべる。
「速すぎる・・・。ボク達の攻撃が中々届かない・・・。」
「くっそ〜‼︎チョロチョロ逃げまわりやがって‼︎卑怯だぞ‼︎」
『おやおや、随分と甘い事を仰いますねぇ。戦いに卑怯などという言葉は通じませんよ。』
「だったらこれでどうだ‼︎」
マガバッサーが叫んだと同時にザンドリアス、ノイズラにアイコンタクトを向ける。2人はマガバッサーに頷くとヒュドラムを3方向から囲む。ヒュドラムを囲い込んだ3人は竜巻、口からの炎、音波を同時に放った。しかし、ヒュドラムは3人の怪獣娘の攻撃を確認すると高くジャンプして3方向からの攻撃から逃れる。
『私を囲んで逃げられなくする作戦を立てても意味がありませんよ。貴方達の攻撃を避ける事など容易いのですから。』
「だったらわたし達が相手だよ‼︎」
ヒュドラムは声が聞こえた後ろを振り向くとそこにはガッツ星人(ミコ)が立っていた。彼女は高くハイキックを放つ。ヒュドラムは何とか受け止め、彼女と距離を取る。その時、ガッツ星人(マコ)が肘打ちを仕掛けてきた。ヒュドラムは間一髪で避けるがガッツ星人(マコ)は瞬間移動で距離を詰める。
ヒュドラムは後ろに下がり、彼女と距離を取ると斬撃波を放った。ガッツ星人(マコ)は瞬間移動で避け、ガッツ星人(ミコ)と同時にヒュドラムの後ろに回り込む。後ろに感じた気配を察知したヒュドラムは即座に振り向くと同時にガッツ姉妹のダブルキックが迫る。ヒュドラムは後ろに飛んで避け、2人と睨み合った。
『以前、戦った時も思いましたが・・・貴方達は中々やるようですねぇ・・・しかし、私にだけ構っていていいのですか?』
「大丈夫‼︎サタンデロスならアレに任せてるから。」
「ウキイイイイイイイ‼︎」
ヒュドラムがガッツ星人(ミコ)の指差した方向を確認するとそこではサリーがサタンデロスに膝蹴りをかまして吹っ飛ばしている光景が映った。実は怪獣娘達がヒュドラムと戦闘を繰り広げている間、動き出したサタンデロスの相手をサリーが務めていてくれていたのだ。膝蹴りでサタンデロスを吹っ飛ばしたサリーを見たヒュドラムは頭を抱えだす。
『まさかゴーロン星人が・・・仕方ありません。怪獣娘の双子姉妹、いずれ貴方達の首を貰い受けますよ‼︎』
ヒュドラムは巨大化すると同時にサリーを斬り付ける。火花を散らして切り傷をつけながら地面に倒れるサリーを見てイグニスは思わず叫ぶ。
「ウキイイイイ⁉︎」
「サリー‼︎」
夕日の中、サリーは自身に攻撃を仕掛けてきたヒュドラムを睨む。ヒュドラムはサタンデロスの前に立つとダガーヒュドラムを構えながらサリーに迫る。イグニスは思わずサリーに叫んだ。
「逃げろ、サリー‼︎ソイツは駄目だ‼︎サタンデロスならまだしもソイツだけはお前が勝てる相手じゃねえ‼︎」
「わ、分かってるでガンス・・・‼︎」
『逃がしませんよ‼︎』
ヒュドラムはあっという間にサリーの後ろに回り込み、背中を斬りつける。サリーは背中に大きな切り傷をつけながら地面に倒れた。それを見たツバサはマガジャッパを安全な場所で休ませる。
「マガジャッパさん、ここで休んでて。」
「は、はい・・・。」
ツバサはジリジリとサリーに迫るヒュドラムを見てすぐさま走りだす。そしてマガジャッパの視界から外れた事を確認するとGUTSスパークレンスとマルチタイプのトリガーが描かれたGUTSハイパーキーを取り出した。
〈ULTRAMAN TRIGGER! MULTI TYPE‼︎〉
起動したGUTSハイパーキーをGUTSスパークレンスの銃底にセットした。
〈BOOT UP! ZEPERION‼︎〉
銃身を開いてGUTSスパークレンスを持った右手を持ちながら天に掲げて叫んだ。
「未来を築く希望の光‼︎ウルトラマントリガアアアァァァァ‼︎」
〈ULTRAMAN TRIGGER! MULTI TYPE‼︎〉
ツバサが変身したトリガーはヒュドラムに飛び蹴りを仕掛けるもヒュドラムはあっさりと避ける。そしてトリガーはサリーを庇うように立つとヒュドラムに向かって構える。
「ツバサ‼︎」
『ヒュドラムは僕に任せて君はサタンデロスを‼︎』
『優雅に・・・華麗に参りましょうか。』
トリガーはヒュドラムのダガーヒュドラムの斬撃を避けるがすぐさま体制を変えて放った回し蹴りをかわせず、後ろによろける。逆立ちしながら放ってきた蹴りを避けたトリガーは反撃に映るが素早いヒュドラムにはあっさりと拳を避けられてしまう。トリガーはヒュドラムが再び振りかざしてきたダガーヒュドラムによる斬撃を何とか受け止めるが背中に受けた蹴りで体勢を崩す。
『フハハハハハハハ‼︎』
ヒュドラムが剣を回しながら迫る中、トリガーは出方に気を付ける。暫く睨み合うとトリガーが拳を放った。しかし、ヒュドラムはあっさりと受け流してしまう。再び拳を放つと今度はダガーヒュドラムで受け止められ、左手からのパンチも受け流される。
ヒュドラムが横からダガーヒュドラムで斬り付けようとしてきたがトリガーはそれを受け止め、両者は背中合わせになる。ヒュドラムが距離を置き、剣で斬り付けてくるとトリガーは頭を伏せ、剣を避ける。再び斬撃を避けると両者共に蹴り合った。
漸く一撃入れたトリガーはヒュドラムから下がる。ヒュドラムの方も後ろに下がり、以前より自身の動きに付いてきた事からトリガーが強くなっていると感じ取った。
『フッフッフッフッフッフッ・・・‼︎』
ヒュドラムはダガーヒュドラムを指先で撫でるとトリガーに向かって突撃する。
その頃、サリーは怪獣娘の援護を受けながらサタンデロスと戦っていた。ゴモラの超震動波とゴルザの超音波光線が同時に命中するとサリーはその機体に拳を叩き込む。パワーに長けたゴーロン星人の拳を受けたサタンデロスは軽く吹っ飛んだ。
サタンデロスはサリーを確認すると左腕の銃をぶっ放す。サリーは前転しながら避けると、サタンデロスにタックルを仕掛ける。サタンデロスはサリーのタックルを受けるとそのまま吹っ飛び、地面に大きな地響きを立てて倒れる。サリーはそのままサタンデロスを相手にマウントを取ると殴り始める。
しかし、サタンデロスもただ殴られっぱなしでは無い。サリーの拳を5発程受けると左腕の銃をゼロ距離で放ち、サリーを吹っ飛ばした。
「ウキイイイイイィィィィィィ‼︎」
「サリー‼︎」
『サリー、今助ける‼︎』
『おっと‼︎そうはさせませんよ‼︎』
マルチソードの状態のサークルアームズを手に持ったトリガーがサタンデロスに吹っ飛ばされたサリーを助けようとするもヒュドラムがその行手を阻む。ヒュドラムのダガーヒュドラムをサークルアームズで受け止めた。続いてヒュドラムは蹴りを放ってくる。トリガーはまともに受けるがすぐに持ち直し、ヒュドラムの斬撃を避ける。
トリガーはサークルアームズで斬り付けるがヒュドラムはあっさりとかわしてしまう。それでも次に飛んできたダガーヒュドラムの刃はサークルアームズで受け止める事に成功した。
『ほう、この間より動きがいいですね。ですが残念です‼︎折角の力を人間なんかのために使うなんて‼︎』
お互いの武器がぶつかり合い、両者の睨み合いが続く。やがてヒュドラムが肘打ちを放ち、トリガーと距離を引き離す。再び両者の武器がぶつかり合うとお互いに睨み合う事になった。
『昔の貴方の方がエレガントでしたねえ‼︎』
トリガーの中でツバサは先日、ティガとカルミラ達が戦っていた夢を思い出す。そして同時に自身に拳を向けてきたティガを思い出してあの夢の事に疑問を持ち始める。
その心の隙を突かれたせいで力が緩んだ事を確認したヒュドラムはトリガーを押し返すとダガーヒュドラムで脇腹を斬り付けた。ヒュドラムの刃で脇腹に火花を散らしながらトリガーは吹っ飛ばされる。その様子を見たサリーはサタンデロスを蹴っ飛ばすとトリガーに向かっていこうとする。
「ツバサ、今行くでガンス‼︎・・・って、邪魔するなでガンス‼︎」
「トリガー‼︎」
しかし、無感情なロボット故にすぐに持ち直したサタンデロスは右腕の剣でサリーを斬りつけてきた。サリーはサタンデロスの右腕を押さえつけるとそのまま目の前のロボットと力比べになる。
その間にヒュドラムはユナの後ろに降り立った。アギラとウインダムがその事に気付くとユナに向かって叫ぶ。
「ユナさん‼︎」
「後ろにヒュドラムが来ています‼︎」
「‼︎」
ユナは2人の声で振り返ると目の前のヒュドラムを見据える。アギラとウインダムはすぐさま彼女に向かって走り出す。しかし、ヒュドラムは右腕に闇の力を集め、ユナに向かって光線を放つ。その瞬間、ユナはユザレに変身し、バリアを張って光線を防いだ。しかし、ユナがいた場所は大きく大爆発を起こす。
『ユナ先輩‼︎』
「「ユナさん‼︎」」
ツバサとウインダム、アギラが思わず叫ぶ。しかし、ユナは無事だった。彼女の周りには瓦礫が散らばっている。当のユナは何が起こったのか分からず周りを見渡している。そんな彼女にウインダムとアギラが駆け寄った。
「ユナさん、大丈夫⁉︎」
「お怪我はありませんか⁉︎」
「アキちゃん・・・レイカちゃん・・・うん、大丈夫・・・。」
『フハハハハハハ‼︎エクセレント‼︎順調に目覚めつつあるようですね‼︎』
『ヒュドラムぅぅぅぅ‼︎』
ツバサはユナを傷付けようとしたヒュドラムに怒りを示すとスカイタイプのトリガーが描かれたGUTSハイパーキーに手を付ける。そしてスカイタイプのハイパーキーをGUTSスパークレンスに装填する。
〈BOOT UP! LANBULLET!〉
そしてツバサは再びGUTSスパークレンスを持った右手を天に掲げながら引き金を引いて叫ぶ。
「天空を駆ける、高速の光‼︎ウルトラマントリガアアアァァァァ‼︎」
〈ULTRAMAN TRIGGER! SKY TYPE‼︎〉
スカイタイプにタイプチェンジしたトリガーはすぐさまヒュドラムに近づき、サークルアームズで斬り付ける。油断していたヒュドラムはまともに斬撃を受ける。ヒュドラムが怯んだ事を確認すると今度はサークルアームズでフェンシングのように何度も突き始める。ヒュドラムはダガーヒュドラムでサークルアームズによる突きを受け止めるが何度も何度も受け続けている内にヒュドラムの方が押され始めていた。トリガーは隙を見つけるとすぐさまヒュドラムをすれ違い様に斬り付ける。
「シェアッ‼︎」
そしてスカイアローの矢先をサタンデロスに向け、弓を引いた。サリーに剣を振り下ろそうとしたサタンデロスの足に光の矢が突き刺さり、サタンデロスは動きを止める。ガードの体勢を取っていたサリーは目の前のロボットが動きを止めた事を確認するとトリガーからの応援に応えるべくドロップキックを放ち、サタンデロスを吹っ飛ばした。
トリガーは飛び上がりながらサークルアームズを構えて光の矢を連射しサタンデロスの機体に火花を散らす。そしてサリーがサタンデロスを飛び蹴りで吹っ飛ばすとトリガーがその先に回り込み、回し蹴りでサタンデロスの機体を吹っ飛ばした。そして起き上がったと同時にすれ違いざまにサタンデロスを斬り付け、光の矢で機体を吹っ飛ばした。
『テメエ‼︎調子乗ってんじゃ・・・なっ⁉︎』
ヒュドラムが怒りを露わにして起き上がると自身にサタンデロスの機体が飛んでくるのが見える。思わずヒュドラムは避けようとするがサリーがその後ろに回り込み、ドロップキックでヒュドラムをサタンデロスが飛んでくる方向へ吹っ飛ばした。
「さっきのお礼でガンス‼︎」
『ぬおっ⁉︎』
ヒュドラムがサタンデロスに向かって飛んでいく中、トリガーはランバルト光弾を撃つ溜めに入る。サタンデロスとヒュドラムがぶつかろうとする直前、トリガーがチャージを終え、ランバルト光弾を放った。サタンデロスの機体にランバルト光弾が直撃し、ヒュドラムにぶつかると同時に大きな大爆発が起こる。爆発が収まるとサタンデロスの機体は木っ端微塵になっており、ヒュドラムの姿は何処にも無かった。
「やったぁぁぁぁ‼︎」
「よし‼︎よし!!!」
「よっしゃああああああああああ‼︎」
「ヒュドラムを倒したぁぁぁぁ‼︎」
その様子を見て現場にいた怪獣娘達は歓喜の声を上げる。GIRLS東京支部で戦いを見守っていたピグモンも安心して一息ついている。その一方でイグニスだけは険しい顔でヒュドラムがいた場所を見ていた。
「イグニスさん、サリーさん、この度は本当にありがとうございました‼︎貴方達がいなければ私達はサタンデロスに対して何も出来なかったでしょう。お2人がいなければ更に甚大な被害が出ていました・・・GIRLSを代表してお礼申し上げます‼︎本当にありがとうございました‼︎」
戦いが終わって全てが片付いた後、GIRLS東京支部にてツバサと作戦に参加した怪獣娘達がイグニスに向き合っていた。GIRLSを代表してトモミがイグニスとサリーに頭を下げている。
「イグニスさん、サリーさん、もし良ければ・・・これからも私達GIRLSに力を貸して頂けませんか?今、この星は闇の巨人というこれまでにない最大の脅威に見舞われています。お2人のような人が必要なのです‼︎ですから」
「あー、悪いが正義の味方ってのは性に合わないんでね。」
「そうそう、オイラ達には堅苦しい組織に入るのは無理でガンス。」
「そうですか・・・。」
「ま、暫くは地球にいるからまた遊びにくるぜ。じゃあな。行くぜ、サリー。」
少ししょんぼりした表情を見せるトモミの肩を叩いたイグニスはサリーを引き連れて出口に向かう。するとトモミはイグニス達に向かって1枚のカードを渡す。
「あの、イグニスさん‼︎」
「ん?これは?」
「このカードが有ればいつでもこのGIRLS東京支部に入る事が出来ます‼︎これから先、不法侵入されては困りますから・・・ここに来る時はそのカードを使って下さい‼︎」
「へえ、コイツはゴクジョーものだな‼︎サンキュー、ありがたく頂くぜ。」
イグニスはトモミからカードを受け取るとサリーを連れてそのまま去っていく。その後ろ姿を見たベニオは不安そうな様子でトモミに訊ねた。
「お、おいいいのかよ?アイツにあんなもん渡して。」
「大丈夫ですよ。いざとなったら私達が止めればいいんですから。」
「けど、今回は色々といいとこ持ってかれたよね〜。」
「確かに・・・油断ならない奴だ。」
ベニオの問いに笑みを浮かべて答えたトモミの横でミカヅキの言葉にアキトか笑みを浮かべながら頷く。アキトも今回の作戦を経てイグニスへの警戒心が多少薄れたらしい。その後ろでユカがツバサに近づいていく。
「あ、あのツバサさん・・・。」
「ん?」
「先程は助けて頂き、本当にありがとうございました‼︎」
「いいよ。気にしないで。マガジャッパさんが無事でよかった。ほら、スマイルスマイル。」
「ふええ・・・。」
ツバサが見せる笑顔にユカは顔を赤くしながら見惚れる。ツバサの隣にいるレイカはその様子に危機感を感じていた。
(ま、まさか・・・マガジャッパさん、ツバサの事を⁉︎嘘・・・マガジャッパさん、胸も大きくてスタイルいいのに・・・よりにもよって・・・これはマズいですね・・・。)
完全に日が沈んだ頃、イグニスはヒュドラムとサタンデロス、トリガーが激戦を繰り広げた跡地に立っていた。イグニスは苦い表情をしながら呟く。
「ヒュドラムがアレでくたばる訳がねえ・・・‼︎必ず生きてる筈だ・・・相変わらず気に食わない野郎だぜ・・・‼︎」
イグニスは戦場の跡を睨みながら過去の事を思い出す。
燃え上がる大地の中、イグニスは赤いジャケットを羽織った1人の青年を連れて逃げ回っていた。その時、その青年がイグニスを突き飛ばす。
『おい‼︎何のつもりだ⁉︎』
『決まってんだろ?あの化け物野郎と戦うんだよ‼︎』
イグニスは青年の言葉を聞いて信じられないと言った表情をしている。そして目の前の男が何をやろうとしているのかを察知したイグニスは青年の肩を必死で掴み呼び止める。
『馬鹿言うな‼︎俺達だけでも逃げるぞ‼︎』
『ジョーも・・・ルカも・・・ハカセも・・・アイムも・・・ガイも・・・皆命掛けて奴と戦ったんだ。俺だけが逃げるなんてそんな事出来るわけねえだろ‼︎』
『馬鹿を言うな‼︎死んだらお終いだろ‼︎』
『イグニス‼︎』
青年はイグニスの両肩を掴んで正面から向き合う。そして笑みを浮かべながら口を開いた。
『俺が仮に死んでも・・・お前が生きてりゃレッドの意思は生きる・・・俺の分まで宇宙一のお宝を探せよ。』
『止めろ・・・そんな事言うもんじゃねえだろ‼︎お前がいなかったら・・・張り合いがねえよ‼︎』
「イグニス、レッドの・・・俺達の・・・宇宙一のお宝を見つけるという俺達の夢、お前に託すぜ‼︎』
『馬鹿言うんじゃねえ‼︎・・・・・・おい、止せ・・・止めろ・・・止めろぉぉぉぉぉぉ‼︎マーベラスぅぅぅぅぅぅぅぅ‼︎』
マーベラスと呼ばれた青年はイグニスを突き飛ばして右手にサーベル、左手に銃を構えて炎の中に突撃していく。そしてその時、目の前が大爆発してイグニスは吹っ飛ばされた。
そしてイグニスが目を覚ますと目の前は先程よりも酷い炎に包まれていた。イグニスは熱さに耐えながら先程の青年『マーベラス』を探す。すると目の前に巨大な何かが降りてきた。
『フハハハハハハハハハ‼︎三千万年ぶりの食事はすっかり堪能しました‼︎』
「止めろ『お前ぇぇぇぇ‼︎』
イグニスの前に降り立ったのは何と闇の巨人の1人であるヒュドラムだった。実はヒュドラムはカルミラとダーゴンよりも百年先に復活していたのである。そして復活したと同時にイグニスの故郷であるリシュリア星を襲撃したのだ。イグニスは怒りに震える手で銃を構えて発砲するがヒュドラムは簡単に手で弾く。
『おや、まだ食べ残しがいましたか?まぁ、いいでしょう・・・食べ過ぎは体に毒ですからね。フハハハハハハハハハ‼︎』
『おい待て・・・戦え・・・俺と戦えよ・・・マーベラス・・・マーベラス、何処だ‼︎マーベラス‼︎』
ヒュドラムは闇のオーラに身を包んでリシュリア星から去っていく。イグニスは怒りに震える中、マーベラスの事を思い出し、彼の姿を探し始める。そしてイグニスは何かにつまづき転んだ。
『痛え・・・一体何・・・⁉︎』
イグニスが自身を転ばせたものに目を向けるとそれは石になって、頭が体から砕けたマーベラスの頭だった。イグニスはその姿に正気を保てずにいる。
『おい・・・嘘だろ・・・冗談だよな・・・ハハ・・・ハハハッ・・・これは夢だ・・・悪い夢なんだ・・・そうだよな・・・なぁ、マーベラス・・・。』
イグニスは思わず脱力して座り込む。そして彼の目に映ったのは石化して砕けたマーベラスの胴体だった。イグニスはその悲惨な現場に目の前の光景が夢ではなく現実だと嫌でも思い知らされる。
『嘘だ・・・こんなの・・・嘘だと言ってくれ・・・言ってくれよ・・・なぁ・・・。』
イグニスは涙を浮かべながら石像となったマーベラスの腕を掴んで確かめる。しかし、石特有のひんやりとした感触は嫌でもイグニスに目の前の無情な真実を伝えていた。
『嘘だ・・・嘘だ・・・嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎マーベラスぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ‼︎』
燃えるリシュリア星の中でマーベラスだった石像の残骸を掴みながらイグニスは悲痛の絶叫を上げる。その絶叫は住民が滅び、静かとなったリシュリア星全体に響き渡った。
そして現在、イグニスは過去の記憶を思い出しながらヒュドラムとトリガーの戦いの後を睨む。そして拳を深く握り締めた。
「奴に勝つには力がいる・・・ウルトラマン・・・トリガー・・・あの力が・・・。」
静かに呟いたイグニスは振り返ると静かにサリーが待つ場所に向かって帰っていった。
次回予告(CV:マナカ・ツバサ)
「突然空から落ちてきた謎のロボット。ロボットのパイロットは僕達とは別次元の宇宙の地球から来た『ストレイジ』という防衛チームの隊員だった。しかもこの人もウルトラマンに⁉︎次回‼︎
スマイルスマイル‼︎」