怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~ 作:特撮恐竜
「し、シズマ会長が‼︎」
「べ、別次元から来た人間⁉︎」
「嘘・・・。」
ミツクニの秘密を知った怪獣娘を代表してアキ、ミカヅキ、ミサオが驚きの声を上げる。彼女達以外もミツクニの秘密を知り、全員が驚きの表情を浮かべていた。
「それじゃあ・・・シズマ会長はハルキさんと同じ・・・。」
「にわかには信じ難いですが・・・。」
「だが事実だ。ここに第一次大怪獣時代以来、この世界から失われた筈のガッツウイング1号があるのがその証拠だ。」
ツバサが先日自分の次元に帰って行ったもう1人のウルトラマンの変身者を思い浮かべる中、信じられないレイカの呟きに返したアキトの言葉で全員がガッツウイング1号を眺めてミツクニの話が全て真実である事を思い知らされる。
「あ、あの・・・アキトさん、驚かないんですか?」
「ミツクニ会長の元で協力して研究していた俺は知っていたからな。」
「ええっ⁉︎ヒジリ先輩知っていたんですか⁉︎」
ツバサの疑問に頷いたアキトの反応で全員がアキトを見て唖然とする。そして数分後、ハルカとギランボが再びガッツウイング1号に目を向けて口を開いた。
「まさか別の次元にもGUTSやウルトラマンティガが存在する地球があったなんて・・・。」
「という事は私の元の怪獣とかも・・・その地球にいたんですか?」
「無論存在していた。私達TPC、そしてGUTSはあらゆる策を念じて、ティガと共に何度も戦ったよ。ゴルザやギランボなどの様々な怪獣とね。」
「ティガと共に・・・私達の元の怪獣と・・・。それじゃあ本物のティガにも・・・。」
「ああ、何度も遭遇したよ。彼には危ないところを何度も助けてもらった。今でも私の中に彼の生き様は残ってる。忘れられない記憶としてね。」
「し、シズマ会長の秘密は分かりました。信じ難い事ですが・・・ここに証拠であるガッツウイング1号もあります・・・。私達もその話を信じましょう。けど、どうやってこの世界に来たんですか?」
トモミの言葉にミツクニはガッツウイング1号に手を触れてその機体を見上げる。そして機体に思いをふけながら語り始めた。
「そうだな。その事も語らなければ・・・全ては30年前に遡る。」
「30年前?」
「元の次元のTPCで私は情報部に勤めていた。当時、私は原因不明の異常磁気の調査に命じられ、ガッツウイングで空を飛んでいた。その最中に突然時空に歪みが生じ、私はその歪みの中に吸い込まれた。そして辿り着いたのがこの次元の地球だったのだ。」
「な・・・成る程・・・そういう経緯があったのですね・・・。」
「でも、何で今、その事を打ち明けようと思ったのですか?」
「これから先、闇の巨人達との戦いは更に激しくなっていくだろう。君達にはこれから更に一丸となってもらいたい。そう思って・・・私も覚悟を持ち、君達に全てを話す事を決めたのだ。」
「シズマ会長・・・。」
全員がミツクニの覚悟とその思いに驚き、絶句している。そんな中、ユナが静かに口を開いた。
「ピグモンさん、皆、お父様と2人きりにしてくれない?」
「ユナユナ?」
「お父様と2人で・・・話したい事があるの・・・だから・・・。」
「分かりました。ユナユナの想いを汲み取りましょう。シズマ会長、私達はここで失礼します。」
ミツクニがトモミに頷くと彼女はユナを残して部屋を退出していく。彼女達はガッツウイング1号が保管された大部屋から出て暫くすると再び口を開き始めた。
「それにしてもシズマ会長にあんな秘密があったなんて・・・。」
「全くだよー‼︎流石のわたしもビックリしちゃったよ〜‼︎」
「ま、確かに別次元から来たなんて迂闊には言えねえから無理もねえけどな。」
「まあな。でも俺らの中じゃ、ユナが今回の話を聞いてハードだったろうぜ。」
「マルゥル、それどういう事?」
怪獣娘を代表してアキ、ミカヅキ、ベニオがミツクニの話を聞いた感想を口にする中、マルゥルの言葉にヨウが反応する。マルゥルは全員の顔を見て思い出したように話し出す。
「そういや言ってなかったよな。ユナ、今日が18歳の誕生日なんだよ。」
「ええっ⁉︎そうなの⁉︎」
「うわ〜、ユナっちにとってとんでもない誕生日プレゼントじゃん・・・今日・・・。」
「うわっ⁉︎ユナさん・・・凄くハードな誕生日プレゼントを・・・。」
マルゥルの言葉で全員が再び沈黙に包まれる。そんな空気を打開すべくツバサは必死になって皆に呼び掛けた。
「じゃあさ、僕達でユナ先輩の誕生日パーティーやりましょうよ‼︎皆でユナ先輩を元気づけませんか‼︎」
「おおっ⁉︎ツバちゃん、いいこと言うねえ‼︎」
「うん‼︎今日がユナさんの誕生日なら盛大にパーッと祝わないと‼︎」
「そうですね‼︎ユナユナの為にプレゼントを用意しなきゃ‼︎」
怪獣娘の中でも明るい性格のミカヅキやミクの言葉に釣られてその場にいた全員が明るい空気になっていく。そんな中、ユナの心中を察して未だに暗い表情を浮かべるアキトにツバサが呼び掛けた。
「ヒジリ先輩、そんな表情しないでください‼︎僕らがそんなんじゃユナ先輩だって元気を出せませんよ‼︎」
「けど・・・俺は・・・。」
「ほら、スマイルスマイル‼︎ヒジリ先輩ならユナ先輩をかなら笑顔に出来ますって‼︎だから、誕生日パーティー、やりましょう‼︎」
「・・・ウザい。」
ツバサの雰囲気に思わず辛口を叩くもアキトは何処となく吹っ切れたような顔をしている。そしてツバサ達はそのままGIRLS東京支部に戻って行った。
その頃、シズマ財団に残ったユナはミツクニと一緒にガッツウイング1号を見上げている。そんな中、ミツクニがユナに頭を下げた。
「ユナ、すまない。」
「お父様、どうして謝るの⁉︎」
「ユザレの事・・・母さんの血筋のこと・・・今まで隠していた事だ。まだ高校生であるお前にとって・・・余りにも過酷に感じるかもしれない・・・そう思ってずっと黙っていた・・・。そのせいで・・・お前の心に大きな不安を与えてしまった・・・本当にすまなかった。」
「ううん、謝らないで。お父様が謝る必要なんてないよ。闇の巨人の事が無くても・・・いつかは知らなきゃいけない事だと思うから。」
「ユナ・・・。」
「それに・・・話してくれたお陰で謎が解けたこともあるし・・・これまで何度か意識を失う事があったけど・・・きっとそれは私の中のユザレが出てきていたからって分かったし・・・色々腑に落ちたから。だからお父様は気にしないで。」
ユナはこれまでの自身の記憶を思い出しながら自身の右手を見つめる。そんな中、ミツクニはここに来る前に自身の机から出したあの古いペンダントを取り出すとユナの首元に付ける。
「ユナ、これをお前に。」
「?お父様これは一体?」
「母さんからの誕生日プレゼントだ。お前が18歳になったら渡すように言われていた。」
「お母様からの・・・プレゼント・・・。」
ユナはペンダントを手に取り、そのまま母の形見を思うように握りしめる。ミツクニはユナと向き合いながら自身が愛した女性の事を語り始める。
「母さんはいつだってお前の事を案じていた。ユザレの血を受け継ぐ事できっと過酷な運命を背負う事になる事を・・・お前に普通の暮らしをさせてやれない事を心から申し訳なく思っていた。」
「お母様が・・・。」
「ユリカは死ぬ直前まで・・・お前の事を愛していたよ。」
ユナは父の言葉で母からの愛をペンダントから感じ、更に強く握りしめる。そしてそのまま顔を上げ、目の前の父親と向き合おうとする。その時、ユナの中のユザレが姿を現した。
「お父様、私、もっと知りたい。お母様の事・・・そして・・・⁉︎」
「ユザレ⁉︎」
「ガーゴルゴンの封印が弱まっている・・・気を付けて。」
ユザレはユナの中に引っ込むとユナが意識を取り戻す。父から全てを聞いた事でユザレが出てきた事をユナは確かにその身に感じ取っていた。
「ユザレ・・・。」
ユナがミツクニから母親の形見を託されている頃、GIRLSではユナの誕生日パーティーの為の飾り付けが行われていた。そんな中、サチコが風船を膨らませている。
「よし、出来たよ‼︎」
「おお〜‼︎風船が膨らんだ〜‼︎」
「やるじゃんザンドリアス‼︎バンドのボーカル務めているだけあって肺活量あるね‼︎」
「へへーん‼︎あたしの事、もっと褒めてくれていいんですよ‼︎」
ミクとミコに褒められ、サチコが胸を張る中、アキ、ベニオ、ミカヅキがサチコが膨らませた風船のうち、細長い風船を捻ってバルーンアートを作っている。そんな中、ベニオが力加減を誤って風船を割ってしまう。
「あ、やっちまった・・・。」
「ちょっと〜‼︎レッドちゃ〜ん‼︎」
「わ、悪い・・・。お前らに任せていいか?」
「それは別にいいですけど・・・レッドキングさんこういうのやった事ないんですか?」
「ねえよ‼︎悪いか⁉︎」
「そんな怒らなくても・・・。」
ベニオが逆ギレする中、ランとハルカはヨウ、ユカの2人と一緒にリボンや完成したバルーンアートで部屋の飾り付けをしている。しかし、途中でハルカが飾りを落としてしまう。
「おっとっと、バッサーちゃん、それお願いしてもいい〜?」
「ゴルザさん最後までやって下さいよ〜。」
「アハハ・・・私こういうの苦手みたい・・・後はバッサーちゃんとジャッパちゃんに任せていいかな?」
「ええ?・・・ゴルザさん、こういうのあんまりやらないんですか?」
「うん‼︎」
「「でしょうね・・・。」」
「貴方達、口じゃなくて手を動かしなさい。」
ランに注意され、ヨウとユカが再び飾り付けに取り組む中、マコとクララが辺りを見渡してツバサとレイカがいないことに気付く。
「あれ?ツバサとウインダムは?」
「2人とも何処に行ったのデース?」
「2人には買い出しを頼みました〜。飾り付けの予備に・・・オードブルなど食べ物、ユナユナの誕生日ケーキに加えてケーキに刺す蝋燭・・・そして皆からのプレゼントを買いに行きましたよ〜。」
「ああ、だからさっき皆からお金を集めてわたし達がユナに渡したい物を聞いたんだね。」
「んじゃあ、俺達は飾り付けの方に専念するか‼︎」
「はい‼︎けど、レッドはバルーンアートには手を出さないで下さいね。」
「う"・・・。」
トモミの言葉に風船を手につけようとしたベニオは思わず表情を痙攣らせながら後ろに下がった。
その頃、ツバサとレイカは両手に様々な品物が詰まったレジ袋や紙袋を抱えてケーキ屋から出てきた。2人は丁度ユナの誕生日ケーキを買って全ての買い物を完了させたところだった。
「これで頼まれた物は全て揃ったね。」
「ええ、けど意外だったわね。ワンホール分のケーキなんて予約しない限り即日では買えない物だと思ってたわよ。」
「うん、あれは意外だった・・・意外にいけるものなんだね。ところでさ・・・。」
「?」
「皆がユナ先輩に渡す誕生日プレゼントだけど、皆に頼まれて色々な物を買ったじゃん。でも、ヒジリ先輩、もうプレゼントは自分で用意したと言っていたけど・・・何を用意したんだろ?」
「ああ・・・確かに・・・何用意したのかしら?」
「おまピト関係は単行本をレイカが、アニメのBlu-rayBOXをランさんが頼んだけど・・・流石にこれと被ることはないと思うし・・・。」
「ザンドリアスさん達のようにCDの可能性も低いわよね?」
「キングジョーさんやガッツさんは結構お洒落なアクセサリーを選んでたけど・・・そういうのなのかな?」
「うう〜ん。少し考えづらくない?アキトさんがそういうのユナさんに渡すと思う?」
「う〜ん・・・確かに・・・でも、きっとユナ先輩のために選んだ心からのプレゼントなんだ。きっと何だろうと気に入ってくれると信じたいね。」
「ええ・・・そうね。」
ツバサは紙袋からおまピトの単行本を取り出す。レイカも思わずおまピトの公式スピンオフの単行本を取り出した。
「それにしても・・・やっぱりレイカとランさんはおまピト関係なんだね。」
「おまピトは中高生に大人気なのよ。ユナさんにもその良さを知って欲しいじゃない。」
「ま、確かに僕もレイカの影響でおまピトの良さが分かったし・・・僕自身もファンになったけど・・・ユナさんにまで広めようとは・・・何か2人がおまピトの番宣係に見えてきたな・・・。」
「番宣・・・いいじゃない!ファンが増えるのは嬉しいし、やはり多くの人におまピトの良さを知って欲しいわ‼︎」
「レイカってば・・・凄い情熱だね・・・。」
ツバサがレイカのおまピトへの並々ならぬ情熱に押されている中、街の外れの地底では三千万年前、ユザレに石にされたガーゴルゴンが眠っていた。しかし、地響きが鳴りガーゴルゴンの体を包んでいた石が昆虫のさなぎのように割れ始める。そして石化の封印が完全に破られ、三千万年ぶりに石化魔獣『ガーゴルゴン』が復活を果たした。
「ギイゴオオオオオオオオオオ‼︎」
ヤバイ・・・ブレーザーが始まる日が近いのにZの方が進まない・・・。皆さんもう少しお待ち下さい‼︎