怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~ 作:特撮恐竜
ガーゴルゴンは三千万年の眠りから覚めると地上に再び顔を出して復活の雄叫びを上げる。三千万年の時を経て怪獣が眠っていた場所は街の外れにある裏山であり、ガーゴルゴンは街を確認するとその方向に足を進め始めた。
ガーゴルゴンの襲来は当然GIRLSにも知らされていた。慌ただしく聞こえるアラームにトモミが答える。
「どうしました⁉︎」
『緊急事態です‼︎街の外れの山から怪獣が出現しました‼︎』
『出現した怪獣は過去のドキュメントに記録があります‼︎恐らく石化魔獣ガーゴルゴンだと思われます‼︎』
「分かりました‼︎直ちに対処に当たります‼︎GIRLS出動です‼︎」
『了解‼︎』
トモミの言葉でその場にいた全員が部屋を出ていく。その際、ハルカは体に絡み付いた飾り付けのリボンを外すのに手間取っていた。やがて痺れを切らした彼女は外れかけのリボンを放置してそのまま部屋を出る。
「ご、ゴルザさんそれ解かないんですか?」
「解くの面倒だからこのまま出る‼︎」
「こ・・・このまま・・・?」
ヨウとユカはハルカの答えに唖然とする。そして数秒後、我に帰ると彼女達も気を取り直して部屋を出ていった。
その頃、買い出しに出ていたツバサとレイカはトモミから怪獣出現の情報を聞き付けて現場に急行していた。ツバサがガーゴルゴンを確認している後ろでウインダムが市民の避難誘導を行なっていた。
「皆さん、慌てないで‼︎落ち着いて避難して下さい‼︎」
「この怪獣・・・何処かに向かってる?・・・この先には進行方向は・・・マズい‼︎レイカ‼︎」
「どうしたの⁉︎」
「この先はシズマ財団の建物がある‼︎さっき僕達がミツクニ会長に呼ばれたあの建物だ‼︎」
「ええっ⁉︎」
ウインダムはソウルライザーで怪獣の進行方向の先を調べる。すると数秒後、先程訪れたシズマ財団の建物に近くなるという結論が出されてウインダムはガーゴルゴンを見る。
「マズい‼︎このままじゃ・・・。」
「レイカ、僕がユナ先輩とミツクニ会長に危険を知らせる‼︎君は市民の避難誘導を‼︎」
「分かったわ‼︎気を付けて‼︎」
ツバサはレイカと別れてシズマ財団の建物に走っていく。しかし、ガーゴルゴンの進行が止まる様子はない。このままでは間に合わないと感じたツバサはGUTSスパークレンスでガーゴルゴンを銃撃する。
「ギイゴオオオオオオ‼︎」
その銃撃を鬱陶しく感じたガーゴルゴンは右肩から生えた首から電撃を放ち、ツバサを攻撃する。ツバサは思わず前転して避ける。
その頃、騒ぎを聞き付けたユナとミツクニが外に飛び出してまるで蛇を思わせる怪獣がこちらに向かっている事を確認する。ガーゴルゴンは両肩の首から電撃を放ち、周りを破壊する。ガーゴルゴンの電撃でビルが崩れ落ち始めた。それを見たツバサはマルチタイプのトリガーが描かれたGUTSハイパーキーを取り出した。
〈ULTRAMAN TRIGGER! MULTI TYPE‼︎〉
起動したGUTSハイパーキーをGUTSスパークレンスの銃底にセットした。
〈BOOT UP! ZEPERION‼︎〉
銃身を開いてGUTSスパークレンスを持った右手を持ちながら天に掲げて叫んだ。
「未来を築く希望の光‼︎ウルトラマントリガアアアァァァァ‼︎」
〈ULTRAMAN TRIGGER! MULTI TYPE‼︎〉
トリガーは崩れ落ちるビルを受け止めて地面に静かに下ろす。それを見たミツクニはトリガーに向かってよくやったと言いたげに拳を掲げた。トリガーは思わず頷くとガーゴルゴンに向かって構える。
「ギイゴオオオオオオ‼︎」
「ジェアッ‼︎」
トリガーはジリジリとガーゴルゴンに向かっていく。先に仕掛けたのはガーゴルゴンだ。ガーゴルゴンは両肩を振り回してトリガーにぶつけようとする。右腕をかわして左腕を受け止められたガーゴルゴンは右腕をトリガーに3度ほどぶつけてトリガーを振り払った。
それを見ながらミツクニはユナを連れて建物の裏側に回る。そして娘と向き合うと口を開いた。
「ユナ、お前は私が守ってみせる。母さんとユリカと約束したからな。」
「お母様は・・・どんな人だったの?」
「お前に似て・・・優しく・・・強い女性だった。この世界に来て何も知らなくて不安だらけだった私にいつでも寄り添ってくれた。私にとっての全てだったよ。」
ミツクニの脳裏に若い妊婦の姿が浮かび上がる。その妊婦こそミツクニの妻であり、ユナの母親である『シズマ・ユリカ』であった。ユリカは若い頃のミツクニの手を取ると妊娠で膨れたお腹に触らせる。
『いつかこの子にもユザレの末裔としての運命が待ち受けている。・・・でもね、不思議と不安はないの。別の世界から来た貴方との間に生まれた子だから・・・きっと強い子かなって思って・・・。』
そして現在、ユナはミツクニから母の事を聞かされ、ペンダントを握り締めながら母の愛をその身に感じる。
その頃、トリガーはガーゴルゴンに拳を放つもそれを受け止められていた。トリガーは左肩の首を押さえつけるも振り解かれ、ガーゴルゴンの両肩の首から放たれた電撃を受ける。更に電撃で飛び散った瓦礫がユナとミツクニに降り注ごうとしていた。ミツクニは思わずユナを抱き寄せて自身の体を盾にユナを守ろうとする。その時、GUTSスパークレンスからの銃撃と額からのレーザーで瓦礫を砕いたアキトとウインダムが2人を守る。
「ミツクニさん、ユナ‼︎」
「お怪我はありませんか⁉︎」
「ああ、ありがとう。アキト、ウインダム君。」
ミツクニは自分達を救ってくれた2人に礼を言うと鞄からグローブやヘルメットを取り出した。その様子からアキトはミツクニが何をしようとしているのか察する。
「あの・・・シズマ会長、一体何をなさるつもりですか?」
「まさか・・・ガッツウイングに乗るつもりですか?」
「いつか必ずこんな日が来る。ずっと見越していた私はこの世界に来てからもガッツウイングの操縦訓練を絶やさなかった。この世界から怪獣が消え、怪獣娘達が確認されてからもシュミレーション訓練だけは怠る事はなかった。そして今、再びこの機体を動かす時が来た。アキト、ウインダム君、ユナを安全な場所に。」
「分かりました。」
「は、はい‼︎」
「お父様‼︎」
「私の事は大丈夫。さ、早く行きなさい。」
ヘルメットを被って再びガッツウイング1号が保管された倉庫にミツクニが向かう。アキトとウインダムはユナの手を取り、その場から離れていった。
一方でガッツウイング1号を見据えたミツクニは階段を上り、コックピットのハッチを開けて操縦席に座る。そしてガッツウイングのスイッチを次々と押し、エンジンをかける。
「準備完了。これよりガッツウイングを発進する。」
『了解シマシタ。』
「ガッツウイング、発進‼︎」
ミツクニはレバーを操作してエンジンが充分にかかったガッツウイング1号を発進させる。倉庫の屋根が開き、その黄色い機体が空に舞い上がった。長い時を経て再びガッツウイング1号がこの空を飛び去った瞬間だった。
その頃、トリガーはガーゴルゴンの尻尾をいなす。しかし、ガーゴルゴンの尻尾が二股に分かれていた事を忘れていたため、もう一方の尻尾を受けて倒れる。その時、ガーゴルゴンの本来の目が開いた。ガーゴルゴンは目に力を溜めて石化光線を放とうとする。それを見たキングジョーが思わず叫んだ。
「いけマセン‼︎ガーゴルゴンは目からあらゆる物を石にしてしまう光線を放てマス‼︎」
「それじゃあ、このままだとトリガーは‼︎」
「逃げてトリガー‼︎」
ガーゴルゴンが目から石化光線を放とうとした時、上から突然ビームが飛んでくる。飛んできたビームはガーゴルゴンの目に命中し、石化光線を放つのを防いだ。思わずトリガーと怪獣娘がビームが飛んできた方向を見る。するのこちらに向かってガッツウイング1号が飛んで来るのが見えた。
「あ、あれは・・・まさか⁉︎」
『ガッツウイング⁉︎』
「第一次大怪獣時代、空を飛んで怪獣と戦った防衛チームの戦闘機・・・まさかこの目で空を飛んで怪獣と戦っているところを見れるなんて・・・。」
「ちょっと待って‼︎この時代であの飛行機を飛ばせる人なんているの⁉︎」
「・・・あっ、確かにあのガッツウイング誰が操縦してんだよ⁉︎」
「まさか・・・。」
現場にいた怪獣娘達が第一次大怪獣時代、空を飛んでいたガッツウイングが再びこの空を飛んでいる光景に唖然とする中、中央司令室にいたピグモンはモニターを見てガッツウイングのパイロットに連絡を取ろうとする。
「どうにかガッツウイングのパイロットと連絡を取れませんか?」
「待って下さい!・・・・・・繋がりました‼︎ガッツウイング、こちらGIRLS、パイロットの方は応答して下さい‼︎」
『何か用かね。』
「シズマ会長⁉︎まさか・・・そのガッツウイングはさっきの⁉︎まだ飛ばすことが出来たんですか⁉︎」
『ああ、ここは私に任せてくれ。』
「し、しかし‼︎シズマ会長に万が一の事があれば・・・。」
『私の事なら大丈夫だ。日頃からこんな日が来ると思って訓練は怠らなかった。私の事は気にせず、君は他の怪獣娘のサポートを頼む。』
「・・・・・・分かりました。決して無茶はしないで下さい‼︎」
ミツクニはトモミとの通信を切るとガーゴルゴンに向かっていく。ガーゴルゴンは右肩からの首から電撃を放ち、ガッツウイングを攻撃する。ガッツウイングは空中で何度も回転しながらビームを放つ。しかしいつまでも回避とはいかず、左翼に電撃が命中する。
「ぐっ、まだまだ‼︎」
ミツクニは操縦席のレバーを操作して下に下がりながら湖に向かってビームのボタンを押す。ガッツウイングから放たれたビームは湖に着弾して水飛沫を起こす。ガッツウイングはその水飛沫に突っ込み、炎上していた左翼を消火した。
「私はユナを、この地球を守る‼︎」
ミツクニは熱く宣言してガッツウイングのボタンを押す。再びガーゴルゴンにビームが命中した時、ユナは歓喜の声を上げる。
「お父様‼︎」
「シズマ会長・・・凄いです、あの年で・・・あそこまでガッツウイングを操縦出来るなんて・・・。」
ユナに続いてウインダムも歓喜の声を上げた時、ガーゴルゴンがユナの方を振り向く。カルミラの命令を思い出したガーゴルゴンはユザレと瓜二つのユナに狙いを定めた。トリガーはそれを察してガーゴルゴンに突撃するも左肩の首からの電流に足を阻まれる。それを見たアキトとウインダムがGUTSスパークレンスからの銃撃とひたいからのレーザーとミサイルでガーゴルゴンを攻撃する。
「ユナ、逃げろ‼︎」
「ユナさん、逃げて下さい‼︎」
「私の中にいるんでしょ・・・いるんでしょ‼︎ユザレ、出てきなさいよ‼︎」
ユナがミツクニから貰った母の肩身であるペンダントを握る。その時、思念体となったユザレがユナから分離する。その時、ガーゴルゴンは目から石化光線を放つも、ユザレはバリアを張り石化光線を跳ね返した。しかし、三千万年前、同じ技を受けた事を覚えていたガーゴルゴンは横に逸れて石化光線をかわす。
再びユザレはユナの中に戻った。思わずウインダムがユナに駆け寄る。
「ユナさん、大丈夫ですか⁉︎」
「う、うん。・・・ユザレ・・・。」
その様子を後ろからヒュドラムとダーゴンが観察していた。ヒュドラムは嬉しそうに声を上げる。
『エクセレント‼︎どうやら順調に覚醒の時が近付いているようですね。そうは思いませんか、ダーゴン?』
『・・・・・・。』
ダーゴンはユナを見て何か思う事があるのか黙っている。そして何も言わずにその場から消えて行った。
トリガーは飛び立ってガッツウイングと並ぶとガッツウイングがビームを放ったと同時にトリガー・ハンドスラッシュを放ち、ガーゴルゴンを攻撃する。トリガー・ハンドスラッシュとガッツウイングからのビームを同時に受けたガーゴルゴンは怯むも右肩の首から電撃を放つ。トリガーとガッツウイングは同時に避け、やがてガッツウイングがトリガーから離れたその時、トリガーは再びハンドスラッシュを放つ。
ガーゴルゴンにハンドスラッシュが命中した時、ガッツウイングはガーゴルゴンな横に回り込み、至近距離からのビームで右肩の首を潰した。その事に腹を立てたガーゴルゴンは再び目を開いて石化光線を放つ。石化光線はガッツウイングの左翼を掠る。そして機体が石化してメインカメラが使い物にならなくなる中、ミツクニは目を閉じる。そして神経を研ぎ澄ませ、レバーのボタンを押した。ガッツウイングからのビームがガーゴルゴンの弱点である目に命中し、ガーゴルゴンは大きく怯む。
ガッツウイングがガーゴルゴンの横を飛んで行った時、トリガーはサークルアームズにハイパーキーを装填して力を溜める。
『これで終わりだ‼︎』
長く伸びたエネルギーの刃がガーゴルゴンの体を真っ二つにする。トリガーが剣を振りかざして後ろに向いた時、ガーゴルゴンの体は大爆発を起こした。
ガーゴルゴンが倒された事で石化仕掛けていたガッツウイングは元に戻っていく。そして大きく飛び上がるとトリガーと一緒に並び立つ。
「ガッツウイングが・・・ウルトラマンと一緒に空を飛んでる・・・。」
「凄い・・・当時の人達が見たら俺達の翼が帰ってきたって言って喜びそう・・・。」
怪獣娘達は再び一緒にこの空を飛ぶガッツウイングとウルトラマントリガーに目を向けて感激する。そしてトリガーはガッツウイングと別れて何処かへ飛んで行った。
「・・・ユリカ、これからもユナを見守っててくれ。」
ガッツウイングから空を見上げながらミツクニは静かに呟いた。その頃、ユナはアキトとウインダムに静かに問い掛ける。
「2人は・・・ユザレの事、知ってたんだね。」
「御免なさい・・・ミツクニ会長の事は先程知りましたがユザレの事に関しては私だけでなくアギさんとミクさんも知ってました。」
「・・・御免。」
GIRLS東京支部にユナが戻り、ミツクニが来る前までいたミーティングルームに入るとその場にいた皆が一斉にクラッカーを開く。部屋の中はユナの誕生日を祝う為の飾り付けが完全に完成していた。
『ユナ、誕生日おめでとう‼︎』
「・・・皆、ありがとう‼︎」
「ヒジリ先輩、ほら‼︎」
「ほら、アキトちゃん‼︎」
「遠慮しない遠慮しない‼︎」
アキトはツバサやミカヅキ、ミクに急かされユナにプレゼントが入った箱を渡す。ユナは笑顔でそれを受け取った。
「ありがと、心配掛けて御免ね。私はもう大丈夫だから!」
「あれ?シズマ会長はどうしたんですか?」
「新しい調査があるって言って出掛けたよ。」
「そうか、また寂しくなるね。」
「大丈夫、私には皆がいるから‼︎ねえ、アキト、プレゼント開けていい?」
アキトが頷いた時、ユナは誕生日プレゼントが入った箱を開ける。そこにはカラフルにデコレーションされたスタンガンが入っていた。
「う、嘘・・・。」
「え・・・え・・・え・・・?」
ツバサとマルゥルが混乱する中、ユナがスタンガンのスイッチを押す。電流が走った時、全員がアキトのプレゼントが何かを理解する。それを見た怪獣娘達は全員ドン引きしていた。
「あ、アキトさん・・・。」
「誕生日プレゼントにスタンガンを渡す人初めて見た・・・。」
「マジで・・・え・・・マジ?」
「誕生日・・・プレゼントに・・・えええ・・・嘘やろぉ・・・。」
「お前、マジかよ・・・これ。」
「ねえ、ミコ・・・あれは無いわよね。」
「無い無いあれは無い・・・マジであり得ない。」
「これは無いわぁ・・・マジで無いわぁ・・・。」
「ひ・・・酷すぎます・・・。」
「年上に向かってこんな事言うのもなんだけど・・・アンタ、バカぁ⁉︎」
「年上に向かってこんな事言うのも何だけど・・・もう少し女の子が喜ぶプレゼント選べよお前。」
「アッキー、後で貴方には個人授業です‼︎女の子に渡すに相応しいプレゼントについて最低でも2時間は勉強してもらいますからね‼︎」
アキトがユナに渡したプレゼントを見てそれぞれ引きながら反応を見せる怪獣娘達。ユナの誕生日プレゼントの後、アキトはトモミに引っ張られ、彼女率いる怪獣娘から女の子が喜ぶプレゼントについてみっちりと授業された。後にGIRLSではアキトのこの行為は好きな女の子にスタンガンを誕生日プレゼントとして渡した男として伝説となったとか・・・。
次回予告(CV:マナカ・ツバサ)
「石板から新たな情報が見つかる中、ユナ先輩に迫るダーゴンの魔の手。止めろ、ユナ先輩に手を出すな!て、何か様子が変だな・・・ええっ⁉︎ダーゴンがユナ先輩に恋しちゃったの⁉︎次回‼︎
スマイルスマイル‼︎」