怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~   作:特撮恐竜

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この回に登場する怪獣はザラガスではありません。ザラガスよりティガに関わる怪獣が出ます。
何が出るかは次回をお楽しみに‼︎


揺れるココロ(前編)

アキトの研究室である異変が起こっていた。何と石板の中で完全に石化され封印されていた左下の箇所が突然ひび割れ始めた。そしてヒビが完全に割れて中が曝け出される。そこには太陽を思わせる何かとそれを説明するかのように並び立つ古代文字だった。

 

 

とある日、街の中で闇の巨人の1人であるダーゴンが何かを考えこみながら空気椅子の体制をとっていた。ダーゴンの頭には自身に向かって担を切ってみせたユナの姿が浮かんでいる。ユナの姿が何故浮かぶのか分からないダーゴンはその場で頭を悩ませ続けていた。

 

『何故だ・・・何故あの娘が頭から離れん・・・我、我に問う。この想いは何なのだ?』

 

頭に浮かぶユナの事が気になったダーゴンは立ち上がる。そして何処かへ向かっていった。

 

 

 

 

そして時刻は放課後時、それぞれ通っている学校の制服姿になっているミサオ、ミカヅキの2人と並んで街を歩いているユナの姿があった。

 

「こんな偶然があるもんだね。下校中のミサオちゃんとミカヅキちゃんにバッタリ会うなんてさ‼︎」

「本当だね〜!しかもお互い通っている高校や中学の制服着ててさ。いつもGIRLSの制服や私服姿をよく見る事が多いから何か新鮮な感じがするよね〜、特にノイちゃん‼︎」

「いやいや、アタシだってゴモたんさんの高校の制服姿なんて滅多に見れない珍しい姿だと思いますよ‼︎しかもセーラー服だから尚更ですって‼︎」

「あ、それは私も思った。ミカヅキちゃんの高校って制服、セーラー服だったんだね。意外〜‼︎」

「えへへ、どう似合う?」

「似合う似合う‼︎ミカヅキちゃんの元気な性格が凄く伝わってくるよ‼︎」

「えへへ、ありがと!ねえ、折角だから一緒に街を歩かない?この3人でさ‼︎」

 

仲良く並んで歩く3人の中を見る者がいた。それはユナの事が頭から離れずその答えを探しているダーゴンだった。ダーゴンはユナだけにその瞳を捉える。そして目を晒して自身の手に視線を移した。そんな中、ダーゴンの様子を見ていた男がいた。

 

「へえ〜、成る程ねぇ・・・。」

 

その様子を見ていたのは何とイグニスだった。イグニスは悶々と悩むダーゴンの様子を見て面白そうに笑う。その最中、近くの自販機でジュースを買ってきたサリーはイグニスの様子に気付いた。

 

「兄貴〜、待たせたで・・・何してるガンス?・・・ってあれはダーゴン⁉︎何であんなとこに・・・?」

 

事情を知らないサリーは今のダーゴンの行動に首を傾げている。一方でイグニスは面白そうな様子を見て笑みを浮かべていた。

 

 

 

その少し前、ツバサはアキトに呼ばれて彼の研究室に来ていた。アキトの研究室に入るとそこには先日、ガーゴルゴンとの戦い以来封印が解けた石板の一部が浮かび上がっていた。

 

「えっ⁉︎ヒジリ先輩、これ・・・いつから⁉︎」

「分からない。いつ封印が解けたのか・・・。」

「何かきっかけがあったのかな?」

「それは分からない・・・だがこれで新しい情報を手に入れる事が出来る筈だ。」

 

アキトは早速石板の文字の解読に回る。ツバサもそれを手伝うべくアキトに付いて行った。

 

 

 

「ユナちゃん、この間のわたしが出てる大怪獣ファイト見てくれた?」

「見た見た‼︎ハルカさんとの試合でしょ‼︎凄く迫力があったよ‼︎特に超振動波と超音波光線がぶつかり合った時が1番迫力あったよ‼︎」

「アタシもそれ見ましたよ‼︎本当、どちらが勝ってもおかしくない試合でしたね‼︎」

「でも後一歩のところでゴルちゃんに負けちゃったんだよね〜。あと少しで勝てたのに悔しかったな〜。」

「ミカヅキちゃんもきっとハルカさんに勝てる日が来るよ‼︎だってミカヅキちゃん凄く頑張ってるもん‼︎」

 

その頃、ユナはミカヅキ、ミサオと並んで街を歩いていた。その光景を相変わらずダーゴンが見ている。ダーゴンは彼女達にバレないように跡を付けるも自身の感情を整理出来ずにいる。

 

『何だ・・・このモヤモヤした気持ちは?』

「モヤモヤするねぇ。」

 

悩むダーゴンの肩にイグニスが頭を乗せて耳元に囁いた。突然後ろを取られたダーゴンは思わず飛び退き、イグニスに警戒態勢を取る。

 

『ぬおっ・・・何奴⁉︎・・・我に何様だ⁉︎』

「お前・・・自分の気持ちに気付いてないのか?」

『何だと?』

「教えてやろう・・・それは・・・恋・・・こぉぉぉぉぉぉぉぉい‼︎」

「あ・・・兄貴・・・一体何を?」

 

目の前で明後日の方向を見て叫ぶイグニスにダーゴンだけでなく彼の相棒であるサリーも疑問を浮かべていた。ダーゴンは思わず目の前の男への警戒態勢も崩して訊ねる。

 

『恋?・・・恋とは何だ?』

「この世の生き物は・・・恋を重ねて強くなる・・・強くなる。」

『強くなるだと⁉︎詳しく聞かせてもらおうか‼︎』

「ちょっ・・・兄貴、そいつヒュドラムの仲間でガンスよ。・・・いいんでガンスか?」

「俺がムカつくのはあくまでヒュドラムだ。カルミラとダーゴンは関係ねえよ。」

『何だ?ヒュドラムがどうかしたのか?』

「ん、ああ気にすんな。それより恋というのはだな・・・・・・。」

『・・・・・・ふむふむ、成る程成る程。』

 

ヒュドラムの事を晒したイグニスはダーゴンに自身が知る知識を語り始める。サリーはその様子に何か嫌な予感を感じて彼方の方に目を向けていた。そんな最中、ブラック指令率いるブラックスターズがやってくる。

 

「あっ、いた‼︎おい、イグニス何してる‼︎間もなく我らの会議が・・・ってどえええええ⁉︎」

「あ、あれって・・・まさか闇の巨人の1人の⁉︎」

「ダーゴン・・・。」

「な、何で小さくなってるんですか⁉︎・・・というか何故ここにいるんです⁉︎」

「いや・・・実はオイラも何故ここにいるのか分からないでガンス・・・。」

「ほ、本物の闇の巨人・・・何て気迫なんだ・・・。」

 

ブラック指令は間近で初めて遭遇した闇の巨人から感じる圧倒的な力に完全に怖気ついている。いつもならシルバーブルーメがそんなブラック指令を揶揄うためにカメラでその姿を撮影しているのだが流石の彼女も目の前にいるダーゴンの姿に呆気を取られカメラを用意できないでいた。

 

「とまぁ・・・そんな感じだ。」

『成る程・・・よく分かった・・・誰だか知らないが感謝するぞ。』

 

イグニスはダーゴンに全てを教えたらしくダーゴンが礼を告げ、背を向けて去っていく。イグニスは後ろでダーゴンにビビっていたブラックスターズに気付くと声を掛ける。

 

「サリー、ブラック指令達もいるんだろ。隠れてないで出てこいよ。」

「い、イグニスさんら・・・貴方・・・ダーゴンと何を話してたんですか?」

「ま、まさか・・・奴と組む気じゃないだろうな‼︎お前は私達ブラックスターズの5人目のメンバーなのだぞ‼︎我らの敵である闇の巨人と手を組むなど‼︎」

「違えよ‼︎アイツらと組むつもりもねえしお前らの仲間になった覚えもねえよ‼︎」

「だ、だが・・・奴と何か話していたのは事実だろ?一体何を話してたんだ?」

「んー・・・奴さんどうも恋という物をしているらしくてな。だから俺が奴に恋の事を教えてやったんだ。」

「「「「こ、恋を⁉︎」」」」

 

ブラックスターズ全員が人類の敵と言われている闇の巨人がまさかそんな事で悩んでいるとは思わず、イグニスの言葉に目を見開いて驚く。そして我に帰ったブラック指令は駆け出そうとしていた。

 

「おのれ‼︎ただでさえ憎きリア充が多い世の中だというのに‼︎闇の巨人である奴までリア充にしてたまるか‼︎諸君行くぞ‼︎」

「行くって・・・何処に?」

「決まってる‼︎ダーゴンの恋の邪魔をしてやるのだ‼︎」

「やめなよ〜。ブラックちゃんがダーゴンに挑んでも1秒でやられちゃうって〜。」

「何言っている‼︎わたしに敗北の文字などないわ‼︎ナーッハッハッハ‼︎」

「さっきまで震えていた癖に・・・。」

「う、煩いぞノーバ‼︎時には負けると分かってても戦わなきゃならん時があるのだ‼︎そんな事言ってられんぞ‼︎」

 

ノーバに図星を指摘されながらも明らかに強がりながらブラック指令は叫ぶ。そんな彼女をイグニスとサリーが制止しようとする。

 

「やめとけよ。昔から人の恋路を邪魔する奴らは地獄に落ちるって決まってんだぜ。」

「そうでガンス。それにブラック指令、幾ら馬鹿なお前でも勝てない相手だって分かるでガンしょ?」

「それでもだ‼︎ただでさえこの星にはゴミのようにリア充が溢れているのだぞ‼︎闇の巨人までリア充になど絶対にさせてなるものかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

ブラック指令の言葉から伝わるリア充への恨みにイグニスとサリーは首を傾げる。思わず2人は近くにいたサツキに彼女のリア充に対する敵意について訊ねた

 

「なぁサツキ・・・アイツからリア充について凄え恨みを感じるんだけど。」

「一体何があったでガンスか?」

「ぶ、ブラックさん・・・酒によって凄く恥ずかしい思いをした事があるらしくて・・・それ以来男の人が寄り付かなくなったらしく・・・。」

「リア充に恨みを募らせるようになった訳か。厄介だな・・・折角面白そうなものが見れそうだってのに・・・おい、サリー。」

「何でガンスか?」

「ブラックを黙らせてこい。」

「了解でガンス‼︎」

 

イグニスの命令を受けたサリーはブラック指令の後ろに回り込む。サツキとシルバーブルーメはサリーが何をしようとしているのか疑問を抱いた。

 

「サリーさん?」

「どうするつもりなんだろ?」

「おい、ブラック⁉︎少し黙るでガンス‼︎」

「⁉︎・・・サリー、お前、何を・・・‼︎」

 

ブラック指令の後ろに回り込んだサリーは自身の腕をブラック指令の首に回して固定する。そして少し力を入れて腕を動かした途端、何か鳴ってはいけない物が鳴り響いた。音が響くとブラック指令は白目を向いて完全に意識を失っている。その様子にサツキが思わず叫んだ。

 

「えええええええええええ⁉︎さ、サリーさん何してるんですか⁉︎」

「何って兄貴の言う通り少しブラックを黙らせただけでガンス。」

「よし、でかしたぞサリー‼︎」

「い、イグニスさん何言ってるんですか⁉︎ブラックさん、白目を向いてるんですよ‼︎」

「サツキちゃん、心配しなくても大丈夫‼︎この程度なんて事ないよ。少し経ったら復活するから‼︎」

「ブラックの生命力はゾンビ並みだからな。私の見立てでは数分したら復活するだろう。だから何の心配もいらない。」

「え・・・ええ・・・ですが・・・。」

 

シルバーブルーメやノーバの言葉を聞いてもサツキは不安を隠さずにいる。そんな中、先導に立つイグニスの隣のサリーがブラック指令を担ぎだした。

 

「サツキ、知ってるか?ブラックみたいな存在そのものがギャグな奴らの生命力は凄まじい。俺は宇宙を旅してそれを実感する奴らと何度も会ってきた。心配する事はないさ。ブラックも暫くしたら目を覚ます。」

「い・・・いやそれでも・・・。」

「それより早く行くぞ。これから面白えもんが見られるぜ。」

「え?本当⁉︎」

「ああ。」

「是非是非‼︎」

「私も気になる。」

「よし、んじゃ行くぞ。サリー、ブラックは任せるぜ。」

「了解でガンス‼︎」

「あっ、待ってくださいよぉぉぉ‼︎」

 

 

 

 

 

その頃、GIRLSではアキトの研究室にツバサ、調査部を代表してレイカ、そしてマルゥルが集まっていた。マルゥルがアキトの顔を覗き込んでくる。

 

「どうよ、アキト‼︎」

「何か分かりましたか?」

「ん・・・ああ、石板の解読が出来た。」

「ほ、本当ですか⁉︎」

「何て書いてあるんですか⁉︎」

 

ツバサとレイカの幼馴染コンビに詰め寄られ、アキトは観念しながら話し始める。

 

「・・・強大なる・・・力の源・・・エタニティコアか⁉︎」

「え⁉︎それじゃあこの絵に書かれている太陽のような絵が⁉︎」

「闇の巨人が狙っているエタニティコアなんですか⁉︎」

「みてえだな。」

「ああ・・・強大なる力の源・・・現代風に解釈すれば高エネルギー体だな。」

「高エネルギー体・・・。」

 

ツバサは思わず石板のエタニティコアらしき物が描かれた絵に触れる。するとツバサの脳裏に金色に光り輝く太陽のような何かが見えた。思わずツバサは石板から手を離す。

 

「どうしたの?」

「え⁉︎」

「ツバサ、さっき石板に触って・・・すぐに離したじゃない。何かあったのかなって。」

「ぼ、僕の事は大丈夫‼︎だから・・・気にしないで‼︎」

 

ツバサは何とかレイカの問を誤魔化す。するとアキトが手元のタブレットを操作すると画面をツバサ達に見せた。画面にはミツクニが見つけた石板の絵にそっくりな壁画が写っている。

 

「これを見てみろ。」

「これってシズマ会長が見つけた‼︎」

「この壁画の文字を徹底的に解析したところ三千万年前に怪獣達が頻繁に出現した理由は地球の何処に存在するある強大な力に関係している事が分かった。」

「それってもしかして・・・‼︎」

「ああ、石板の情報と照らし合わせてもエタニティコアで間違いないだろう。」

「どういう事だ?」

「怪獣達はエタニティコアの力に刺激されていたとしたら。」

「・・・・・・すぐにピグモンさんに連絡しましょう‼︎」

「皆とも情報を共有しねえとな‼︎」

 

レイカとマルゥルの言葉に頷いた時、アキトのスマホが鳴り出す。ビデオ通話にして応答するとユナ、ミサオ、ミカヅキが写った。

 

『アキト‼︎』

「ユナ‼︎」

「ゴモたんさんにノイズラーさん‼︎」

『ヤッホー、ダム子にツバサちゃん‼︎』

『マルゥルもいたのか⁉︎』

「ああ、まあな・・・それよりお前らが3人でいるなんて珍しいな。」

「ええ、ゴモたんさんの学生制服姿も驚きです・・・ゴモたんさんの学校、セーラー服だったんですね。」

『まあね‼︎・・・それよりユナちゃんから聞いたよ‼︎石板の事‼︎』

『何か分かった事ある?』

「ああ、エタニティコアの情報を手に入れた。」

『本当⁉︎』

『流石アキトちゃん‼︎頼りになるね‼︎』

『アタシらもそっちに向かうから待っててくれ‼︎』

 

ツバサ達が頷いた時、ユナ達の後ろに目が移り、目を見開いて驚く。そこには彼女達に迫るダーゴンの姿があったのだ。ツバサ達はすぐに警告する。

 

「ユナ先輩‼︎ゴモたんさんにノイズラーさん‼︎」

「後ろ‼︎後ろです‼︎」

『えっ・・・後ろ?』

『後ろに何が・・・なっ⁉︎お前は⁉︎』

『ダーゴン⁉︎何でここ』

「・・・おいおい、こりゃマズいんじゃねえの⁉︎」

 

ミカヅキの声と共に映像が途切れる。ヤバイ事になったと直球に感じたツバサはレイカ達と目を合わせる。

 

「すぐに行かなきゃ‼︎レイカ、他の皆にも連絡して‼︎」

「勿論よ‼︎・・・ピグモンさん、大変です‼︎ダーゴンが現れました‼︎ユナさん、ノイズラーさん、ゴモたんさんが危険です‼︎」

「俺も行く‼︎マルゥルは本部に残っててくれ‼︎」

「分かった‼︎

 

ツバサ達は慌ただしくアキトの研究室を後にする。連絡しながら走っていたレイカがツバサに遅れて部屋を出て行った時、石板が光り出して文字が隠れていた部分が崩れようとしていた。




昨日より怪獣娘×ブレーザーのプロトタイプの連載を始めました。そちらもよろしくお願いします‼︎
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