怪獣娘トリガー ~ウルトラマントリガー復活計画~ 作:特撮恐竜
剛力闘士『ダーゴン』登場
怪獣が現れてから数日後、ミツクニはGIRL東京支部の講義室で教壇に立っていた。その横にはトモミが立っている。
「怪獣娘諸君、先日は大変ご苦労だった。数十年ぶりに怪獣が襲来するも君達のお陰で死人を出さずに済んだ。」
「ええ、けど・・・怪獣を倒したのは再び現れたティガにそっくりのウルトラマンです。私達はあのウルトラマンに比べたら無力と言ってもいいでしょう。」
ミツクニの言葉にトモミが返事を返す。トモミはモニターにトリガーと戦うカルミラを写し出して、ミツクニに問いかける。
「それで・・・シズマ会長、貴方に聞きたいのはこの巨人の事です。会長はこの巨人を闇の巨人と仰っていましたが・・・。」
「そうだ・・・我がシズマ財団によるあの遺跡の調査が進むにつれ1つの石板が発見された。それがこの石板だ。」
ミツクニはその場にいた怪獣娘達にある石板を見せる。それは中心に祈りを捧げるような仕草の女性の後ろに先日現れたウルトラマンにそっくりな巨人が描かれていた。
「そ、その石板の絵・・・‼︎」
「先日現れたウルトラマンにそっくり・・・‼︎」
サチコとミサオが驚いた表情で石板に注目する。ミツクニは2人の言葉を聞いて全員に石板の事を伝える。
「そうだ。恐らくこの石板には先日現れたウルトラマンが描かれている。石板によれば彼の名はトリガー・・・ウルトラマントリガーだ。」
「ウルトラマン・・・トリガー・・・。」
アキは先日の戦闘を思い出しながら呟く。そんな中、ミツクニは石板の左側を指差した。
「そして未だ完全では無いが石板をある程度は解析する事が出来た。その結果、三千万年前の超古代文明を滅ぼした巨大な闇の存在が明らかになったのだ。それがこの部分に描かれた闇の巨人だ。ピグモン君、この部分をズームアップしてくれ。」
トモミはミツクニの言葉通り、石板の左側をズームする。するとその部分にはトリガーに酷似した巨人が剣を奮って女性型の異形と戦う絵が描かれていた。その部分にミコとクララが反応する。
「ちょっと‼︎その絵に描かれているそれ・・・‼︎」
「先日現れたウルトラマン・・・そしてあのウルトラマンと戦った女性型の巨人にそっくりデス‼︎」
ミコとクララの言葉を一通り聞いたミツクニは再び石板を解読した結果を伝える。
「石板によれば先日現れたあの女性型の巨人の名は『カルミラ』。闇の巨人達を纏める残忍な女戦士だ・・・。」
「カルミラ・・・・それがあの巨人の名前・・・。」
「石板によれば先日現れたあのウルトラマンと超古代の巫女によって闇の巨人達は封印され、宇宙に追放された・・・しかし、遠い未来奴らは復活すると予言されていたんだ・・・。」
「だからシャドウを超える脅威が来る事を知っていたのデスネ。」
「どうして言ってくれなかったんですか‼︎知ってたらある程度対策も立てられたのに・・・‼︎」
「私もGIRLSの上層部に何度も訴えたんだ。しかし、『古代のお伽話を鵜呑みにするなんてシズマ会長らしくない』『そんなお伽話は信憑性に値しない』と聞く耳を持たず話を打ち切ってしまった・・・。それで今日まで君達に奴らの事を伝えられなかったんだ。」
「頭の固い上層部ならあり得る話ね・・・。」
「シャドウ以外には人類の敵となる存在がいませんでしたからね・・・上層部が話を打ち切ってしまうのも無理は無いです・・・。」
「しかし闇の巨人は復活してしまった・・・このままでは怪獣娘だけでなくこの星に生きる全ての命が危機に晒されるだろう‼︎今まで奴らの事を黙っててすまなかった‼︎だが、この星に生きる全ての命の為にも私達に協力してくれないだろうか‼︎」
ミツクニは頭を下げてその場にいた怪獣娘全員に頼み込む。その様子を見たトモミが慌てて話しかける。
「い、いえ、シズマ会長‼︎こちらこそ色々と申し訳ありませんでした‼︎それで・・・この件ですが勿論力をお貸し致します‼︎いや、むしろ力を貸させて下さい‼︎これは間違いなくGIRLSが設立されて以来初めて私達怪獣娘に・・・いえ全ての人類に訪れる最大の脅威です‼︎」
「そうデス‼︎ワタシ達怪獣娘は怪獣の魂を持って生まれてきましシタ‼︎人々を守る為に戦うのもワタシ達の使命デス‼︎」
「俺達怪獣娘には人間の心があります‼︎そいつがあれば元の怪獣の力も超えられる‼︎」
「それをいつ振るうか・・・闇の巨人が復活した今な筈です‼︎」
トモミに続き、クララ、ベニオ、ミカヅキが声を上げる。まだ怪獣娘になって経験が少ないレイカ達は彼女達に唖然としていたがやがて覚悟を決めた表情を浮かべる。
「そうですね・・・私達は役に立たないかもしれませんがそれでもお供させて下さい‼︎」
「よーし、闇の巨人に打ち勝つぞー‼︎」
ミクが決意を叫ぶ横でアキは考え事をしていた。そんなアキの様子を心配したミコが話しかけた。
「どうしたの、アギ?」
「あ、いや・・・少しシズマ会長の話で気になる事があって・・・。」
そう言ったアキの言葉を聞いたミツクニはアキを見て尋ねた。アキもこのまま黙ってるだけじゃ駄目だと思って意を決意してミツクニに尋ねる。
「何か気になる事でも?」
「あっ・・・いや・・・シズマ会長、シズマ会長は闇の巨人『達』と言いましたよね・・・。それって・・・闇の巨人はあのカルミラだけじゃないって事ですか?」
『⁉︎』
アキの言葉にミツクニ以外の全員が先程のミツクニの言葉を思い出した顔をする。ミツクニはアキの言葉を聞いて石板の左側に指を刺す。そこにはトリガーらしき巨人と戦うゴツい鎧の異形と腕が翼になった異形が描かれていた。
「そうだな・・・その辺も説明しなければな・・・実は闇の巨人はカルミラだけではない・・・。」
「ええっ⁉︎闇の巨人って他にもいるんですか⁉︎」
「そうだ・・・力に長けた巨人『ダーゴン』、スピードに長けた巨人『ヒュドラム』・・・先日現れたカルミラを合わせて3体の闇の巨人が存在している。」
「ふええええぇぇぇっ⁉︎あんなのが3人も⁉︎」
「そうだ・・・恐らくだが・・・カルミラが復活した以上・・・残り2体が復活するのも時間の問題だろう・・・。」
ミツクニの言葉に驚いたヨウとユカの声が反応する。最後のミツクニの言葉に怪獣娘達は思わず沈黙してしまう。明らかにシャドウどころか自分達を遥かに上回る力を持つ存在が3人もいると知ってしまい途方に暮れ始めたのだ。マコが一言呟くまでその場にいた全員が言葉を話さなかった。
「あんなのが3人も・・・そんなのとどうやって戦えと言うのよ・・・。」
宇宙空間の何処かの惑星で逆さになって頭が埋もれた石像があった。その石像の隣に降り立ったのは地球でトリガーと激闘を繰り広げたカルミラだ。彼女はカルミラウィップを振るいその石像をヒビを入れた。するとその石造が割れて中から赤と黒が基調の鎧を纏ったような見た目に頭に3本の角が付いた巨人が目を覚ましたのだ。その巨人こそ剛力闘士『ダーゴン』。ミツクニが復活を恐れた闇の巨人の1人だ。
『ぐっ、ぐおおおおっ・・・。』
『いつまで寝てるんだい‼︎』
目覚めたばかりのダーゴンは頭を抑えるがカルミラはそんな彼に対して蹴りを入れる。再びダーゴンは背中から倒れた。
『おおっ‼︎カルミラか‼︎』
『3000万年経っちまったよ‼︎』
再びダーゴンは起き上がる。カルミラはダーゴンを見ず言葉を放った。
『ダーゴン、聞きな。トリガーを見つけた。』
『何と⁉︎我が好敵手と再び戦えると言う事かぁぁぁぁぁぁ‼︎』
ダーゴンはカルミラの言葉に歓喜の声を上げた。ダーゴンの声が宇宙空間に響き渡る。そしてダーゴンは地球に向かって飛んで行った。
『ったく、あの馬鹿は・・・それにしても・・・今の地球は妙だねぇ・・・怪獣の気配があちこちからするのにどれもこれも小さいものばかり・・・三千万年の時を経て一体どんな変化が起きたというんだい・・・。』
ダーゴンを見送りながらカルミラは地球がある方向に目を向けて呟く。その呟きは広く暗い宇宙空間にかき消されていった。
「僕は・・・どうすればいいのかな・・・。」
怪獣娘達がミツクニから闇の巨人について聞かされている頃、ツバサはGIRLS本部を見ながら悩んでいた。その悩みの原因は数日前に遡る。その日、GIRLSへの推薦入隊について詳しく教えるためツバサの家にミツクニが訪問していた。テーブルに並んで隣の母親が見守りながらツバサはミツクニと対面していた。
『それでツバサ君、君をGIRLSに推薦したい。勇気を持ち、君は人々の笑顔のために、誰かを守るためにその身を張る事が出来る。君のような勇気ある者がこれから先、GIRLSには必要になるに違いないからな。」
『・・・シズマ会長、1つ質問しても。』
『勿論。何かな?』
『僕がウルトラマントリガーである事はレイカ達に話しても大丈夫なんですか?』
『・・・いや、君の正体は私達だけの秘密だ。君の正体が知られたらどんな危険が待っているか分からんからな。』
『・・・・・・だったら少し考える時間をくれませんか?僕がGIRLSに入ったらレイカ達に僕があのウルトラマンって事がバレるかもしれません‼︎もし、そうなったら・・・レイカの身に・・・。』
『ツバサ・・・。』
『とにかく‼︎今は考える時間を下さい・・・。必ず答えは持ってきますから。』
ツバサはGIRLS本部を暫く眺めると再び足を進め始める。しかし、ツバサはGIRLSに入るか入らないか考えていたため、前から来る人物に気付かなかった。上の空だったツバサはそのまま目の前から来た人物と衝突してしまう。
「うわっ⁉︎」
「きゃっ⁉︎」
「ユナ‼︎」
ツバサは何が起こったのか目を開いて確認する。するとそこには自分とぶつかったせいで尻餅をついた自身の学校の有名人である『シズマ・ユナ』と『ヒジリ・アキト』がいた。心配の表情でユナに寄り添うアキトを見てツバサは学校の先輩であるユナに失礼な事をしたと思い、彼女に駆け寄って頭を下げる。
「ご、御免なさい‼︎」
「ったく、何処を見てるんだ。気をつけろ。」
「いいよいいよ。私は大丈夫だから気にしないで。」
「本当にすみませんでした‼︎」
「待って‼︎」
ユナ自身に手を差し伸べてくるアキトに大丈夫と言いながら立ち上がるとその場を去ろうとするツバサを呼び止める。当然、ツバサは彼女に呼び止められる記憶が無いため少し困った顔を見せた。
「な、何ですか?」
「君って・・・確か同じ高校の一年生だよね?それで・・・お父様にGIRLSへの入隊推薦が来ている子・・・違う?」
「何でそれを⁉︎」
「お父様から話は聞いてるよ。私達もGIRLSへの入隊推薦を受けてるの‼︎」
「お父様・・・ああ、確か先輩って‼︎」
ツバサはユナの言葉を聞いて彼女がミツクニの娘である事に納得した様子を見せる。3人は立ち話もなんだと近くの公園のテーブルで飲み物を飲みながら話す事になった。
「まずは自己紹介が先だよね。私はシズマ・ユナ。こっちはアキト。私の幼馴染なの。ほら、アキト。」
「・・・ヒジリ・アキトだ。」
「マナカ・ツバサです。お2人の事は知ってます。僕達の学校では有名人ですから。・・・・・・。」
「どうしたの?」
「シズマ先輩、僕と何処かで会った方ありません?最近、シズマ先輩に似た人と会った事があって・・・。妹とかいないですよね。」
「え?多分学校ですれ違ったとかじゃない?私、一人っ子だから妹さんとかいないし。」
「・・・そう、そうですよね。御免なさい、シズマ先輩。変なこと聞いて。」
「ユナでいいよ。お父様もシズマなんだからややこしくなっちゃう。」
「分かりました、ユナ先輩・・・あの先輩達もGIRLSへの入隊推薦を受けたと聞きましたが・・・。」
ユナから名前呼びを許可されたツバサは少し考え込むと彼女達の事情について詳しく訊ねようとする。ユナはツバサの問いを察すると何の躊躇いも無く答えてきた。
「ええ。私、お父様から色々な英才教育を受けてきて・・・その中で怪獣との戦い方も教わったの。」
「か、怪獣との戦い方⁉︎なんでミツクニ会長はそんな事・・・‼︎」
「それは私も分からない。けど、これまでお父様から教わった事をGIRLSの怪獣娘達や他の人達のために役立てたい・・・そんな思いからお父様に頼んで入隊への推薦を受ける事にしたの。」
「そ、そうだったんですか・・・。じゃあ、ヒジリ先輩は何故?」
「・・・別にお前には関係ないだろ。」
「アキト、そんな事言っちゃ駄目。・・・ツバサ君、君はあの日現場にいたんだよね?」
「ええ。」
「あの時、お父様は対怪獣用の個人装備で怪獣を1度撃退したでしょ。」
ユナの言葉にツバサは先日の事を思い出す。そして自身もミツクニから託されたアイテムを思い出した。
「もしかしてGUTSスパークレンスとハイパーキーの事ですか?」
「そう、それ‼︎それを作ったのはアキトなの。」
「えええええ⁉︎」
ツバサは目の前の自分と2つしか歳が違わない学校の先輩が自身がウルトラマンに変身するあいてむを作った事に驚きを隠せずにいた。そんなツバサの思いと裏腹にユナの言葉は続く。
「天才であるアキトの技術と頭脳はこれから先、GIRLSの役に立つ・・・そう思ったからアキトも私と一緒にお父様からの推薦を受けたんだ。」
「そうだったんですか・・・。」
「御免ね、時間取っちゃって。ツバサ君もこれから私達と一緒にGIRLSの仲間になる訳だし、こうやってちゃんと話がしたかったんだ。」
「ああ、いや・・・実は・・・推薦を受けるかどうかまだ・・・悩んでいて・・・。」
「あっ、そうだったの?」
ユナの問いにツバサは小さく頷く。するとユナは笑みを浮かべて訊ねてきた。
「悩みってどんな事?折角こうして話が出来たんだもん。同じ高校のよしみで聞いてあげるよ。」
「ええ・・・いや・・・その・・・。」
ツバサはユナの問いかけにどう答えるか悩んだ。自身がウルトラマントリガーである事はミツクニとレイナ以外には秘密にしなければならないため、自身がGIRLSに入ろうか悩んでる理由にどう説明すればいいのか分からないからだ。
「・・・何か言えない理由があるの?・・・言いたくないなら別にいいよ。・・・悩んだ末、君が後悔する事のない選択をしたらいい・・・私はそう思うから。」
「ユナ先輩・・・。」
「じゃあ、私達もう行くね。ツバサ君、私達は君が来るのを待ってるよ。」
「いえ、僕の方こそ・・・ありがとうございます。ジュース、ご馳走さまでした。」
ユナとアキトは立ち上がるとツバサに背を向けて去っていく。ツバサは2人の背中を見送るとトリガーのハイパーキーを取り出すと、それに目を向けながら呟いた。
「僕が・・・後悔しない・・・選択か。」
「あんな貧弱そうな奴、ほっとけばいいのに・・・。」
「何言ってるの。GIRLSの仲間以前にツバサ君は私達の学校の後輩なんだから先輩として助けになれる事があるなら聞いてあげないと‼︎」
「・・・ユナはお人好しすぎだよ。」
アキトは先程会った後輩に厳しい目を向ける。そしてさっきまでの事を思い出すと怒りや嫉妬などを込めて力強く握り拳を作る。
(なんであんな奴が・・・あんな奴がウルトラマンに‼︎)
なるべく多く投稿出来るよう頑張ります‼︎