【求ム】貞操逆転世界の婚活ヒトオスVTuber【清楚系】   作:外なる天使さん

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STAGE EX-2 第三種接近早漏

 俺は戦慄した。

 こ、こんシコだと? あ、アカン。それは今日一番よろしくないワードだぞ。……声か? いや、確かに独り言は迂闊だったかもしれないが、それだけでバレるのであれば既に何処かの時点でバレている筈だ。それに配信では多数に聞かせることを意識して声を張っているから、オフでのトーンとは少し違うし……。

 この席に座ったのもついさっきだ。俺の方から身バレに繋がる疑惑や確信をさせるような証拠は漏らしていないだろう。

 ……声紋分析とか? え、そんなガチな道具ピンポイントに持ち歩く奴おる……?

 ど、どうだ? 単なるハッタリか? ヒトオスの絶対数が少ないから、道行く男全てにこんシコテロすればいつか当たりを引ける的な……。

 

 不安の種は尽きない。俺は少しでも情報を得ようと、念入りに相手を観察することにした。むむむ……何だか掴みどころがないというか、どうにもトボけた感じの女だ。

 

 ──ミディアムボブくらいの銀髪に、これまた色白の肌。こちらは血色どうこうではなく、純粋に色素が薄いだけのようだ。サファイア色の碧眼と相まって、見た目だけなら雪の妖精を名乗っても違和感はない。

 一見するとヒトメスの中でもかなり上位の綺麗系なのだろうが……。同時に、容姿以外の全ての要素がその儚げな印象をぶち壊していた。宝石のような瞳は気怠げなジト目だし、抑揚の少ないダウナー系の声はこっちまで眠くなりそうだ。所作には落ち着きがあるものの、楚々と言うよりマイペースといった表現の方が正しいだろう。

 

「なんという熱い視線。もしや今私は孕まされている……?」

 

 お前を警戒してんだよ!

 

 そんな視認しただけでミームを植え付けられる、どこぞのオブジェクトみたいなことになってたまるか。もう日常生活送るだけでも難易度ナイトメアじゃねーか。ヒトオス収容されちゃうよ。

 

 そして一番残念なのは言動であった。……よし、ここは慌てず騒がずお乳突いて──違う、落ち着いてやり過ごそう。大丈夫だ。支給されたスマホには、連れ込み対策で見守りGPSアプリも入っている。とにかくこの場は知らないフリ一択だ。

 

「え? こん……なんですか? ナンパなら他の人に──」

 

 自分でも驚くほど白々しい声が出た気がするが、困惑ヒトオスフェイスを駆使して上手いこと誤魔化して──そこへ耳元から囁き声。

 

「──私が今大声でこんシコすれば、貴方はとても困ったことになってしまう。それはこちらも本意ではない。……この場は腰を打ち付けて、ゆっくりとお互いを理解すべき」

 

 そんな台詞と共に、ゆっくりと肩を撫で回される。

 

 こ、この女、やはり何かしらの確信を……? くっ、だが俺はそんな脅しには──これはこれでちょっとアリかもとか、内なるオタクになんて絶対屈したりなんかしない……!*1

 ……俺はアホだが自分が駄目なタイプのオタクであるという自覚がある程度には賢いので、清楚は大好きだけどそれはそれとして他の属性にも大概弱かった。ジト目美人に勝てるわけないだろいい加減にしろ。

 

 でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。重要な事じゃない。

 

「なっ……馬鹿な、一体いつ間合いを詰められた!?」

 

 円形のテーブルとはいえ、それなりに距離はあった筈……! どうして今の今まで接近に気が付かなかった!?

 

「にゅふふ、期待通りの反応。……ではヒント、私の服装をよく見るといい。じっくりねっとりと、舐め回すような逆視姦を希望」

 

 いやお前の希望は知らんが。

 

 しかし変な女とはいえ、見た目だけは美女をノーリスクで眺めるのは吝かではなく……つまり脅されているから仕方ないね。

 何故かグラビアみたいなポージングをしているのが物凄くシュールだが……ふむ。まずお約束として身体の一部がデカいはデカいが、基本的には細身で長身のモデル体型という感じだ。

 着崩した薄手のジャケットに、白と黒のボーダー柄の丈が短いキャミソール。細身の腰とおヘソが眩しい。ホットパンツからスラリと伸びた脚はブーツで守られ、膝と太ももの境目ではニーソが絶対領域を形成している。こちらもキャミに合わせたのか白黒の横縞だ。

 

 ともあれパッと思い浮かぶイメージは……。

 

「囚人コーデ……?」

 

「──ならばご要望にお応えして、今すぐ分からせて差し上げよう」

 

 ごめんなさい! 白黒ボーダーの印象が強すぎて、何かそれしか浮かばなかったんです!

 

「む……今のは警戒を解きほぐすための軽快なジョーク。怯える必要はない」

 

 そんなもん余計警戒するわ。微妙に韻を踏んでるのもなんか腹立つし。

 

「それに安心して欲しい、私はれっきとした『性癖持ち』……。男性が手に入るのであれば、他は何でもいいと思っているその辺の雑魚メスとは違う。むしろ同列に扱われるのはとても心外」

 

「ああ、つまり何か拗らせたと……」

 

 何か『異能持ち』とか『レアスキル持ち』みたいなノリでサラッと言われたが、要は趣味嗜好の範疇を越えて「〇〇じゃないと抜けないor濡れない」レベルに性癖を拗らせてしまった悲しき獣の呼び名である。

 

 男に求める拘りが強い分、ヒトオスにとっては生意気ながらも既婚者やエンコー職員に次いで比較的安全な存在なのだが……。当人はただでさえ少ない男の中から自分の性癖に合致し、かつ受け入れてくれる男性を探すという苦行を強いられることになる。基本的には男と接する機会の多い者が発症する富者の病とされるが、所詮は性癖の話なので拗らせ過ぎた一般人も稀によくいる。

 

 なんなら俺の身近にも、雇い主とか先輩とか同期とかに割とよくいるが……んん? いやいや、まさかね……

 

「……ともあれ先程のはちょっとした手品。この格好を見ての通り──は目の錯覚を引き起こす。私の乳揺れ美脚コンボに惑わされた貴方は、目測よりも遠くにいるものと誤認した。その隙に私は接近。やがて正確な距離感を認識した際、私が一瞬で側に移動したように感じただけ」

 

「般若の人のパクリじゃねーか」

 

 君は御寝所番衆の生き残りか何かなの……?

 あと自分で美脚言うな。ほぼニーソで隠れてるし、太ももとの境界線は割とむっちり食い込んでるぞ。そういうの好き。

 

 ……クソっ、あまりにもあんまりな漫画理論のせいでつい反応してしまった。つーかそれが通るなら、この位置まで気付かない俺がポンコツ過ぎない? あるいはヒトメスが頻繁に物理法則を無視するせいで、俺の脳味噌ちゃんはもうその辺深く考えるのを職務放棄している可能性も。

 

「……今のネタが通じるとは。もしやと思っていたが、やはり貴方は相当の好きもの」

 

「言い方ァ!」

 

 ただのオタク趣味になんて言い草しやがる!

 今のは普通に話広げるとこだったじゃん。漫画ネタ通じる男の人って初めて~みたいな。でもその言い方だと、俺が単なるドスケベ淫乱男みたいに聞こえちゃうじゃん。そりゃあこの世界なら、場合によっては自分が歴史に残るレベルのウルトラビッチになっていた可能性は否定出来ないが……。しかし安易なハーレム生活の対価は、搾精ドリンクバー性活という恐怖が俺を冷静にさせるのだ。

 

 こ、この女は危険だ……。確かに婚圧は感じないが、そのくせ下ネタは普通にぶっこんで来るし、ぶっちゃけ何を考えてるかよく分からん。身バレの危険を横に置いても、下手に相手をしていると抜け出せなくなる予感がする。主にツッコミ面。

 

 それに気付けば俺の方も余所行きを意識しない素の言動が出ちゃってるし、妙に会話のテンポが馴染むというか、まるで初対面の友人と話しているような感覚に陥っている。 

 

「ん……?」

 

 いよいよ頭を抱えたくなってきたところで、視界の端に人影が引っ掛かった。

 それだけなら特に気にすることもないのだが、何故かその人影はこちらへと向かって来る。最初は普通に歩いていたのが、徐々に早歩きへ。そして不機嫌そうな赤毛の少女の輪郭が明確になり、そのままズンズンと大股で近付いて来て──、

 

「テメェこんな場所で何してやがる、この色ボケ星人!」

 

「むぺっ!?」

 

 ……目の前にやって来たかと思えば、横の般若モドキを盛大に引っ叩いた。

 そして片手で両頬を鷲掴み、自分の方へと顔を向かせる。

 

「テメー言ってたよな? ナンパされてるかもしれないから、迎えに行くって。それでアタシを置いて事務所を飛び出して行ったテメーが、なぁに小洒落たカフェで男をナンパしてんだ? あン?」

 

 おお、美女が強制的に変顔させられとる……。

 だがボーダー女にも言い分があるらしく、パタパタと抵抗する。

 

「お、オナ子は相変わらずそーろーが過ぎる……。私は今まさに完璧なこんシコミュの最中で……むぎゅむぎゅ」

 

「誰が、何だって? オラ、もう一度言ってみろや」

 

 言い訳というよりもほぼ煽りな言動に対し、赤毛の少女は親指と人差し指でぐにぐにと頬を圧迫しているが……。俺としてはそれ以上に聞き逃がせない言葉があった。

 

「……オナ子?」

 

 呟きを拾ったのか、一瞬ビクッと反応した少女が慌てた様子でこちらを向く。

 

「あ、いやその、それはあだ名みたいなもので──えっと、すみません、連れがご迷惑掛けたみたいで……。ここの支払いはアタシらが持つんで、せめて通報だけは勘弁してやって貰えると……」

 

 などと申し訳なさそうに言われてしまったが、一体俺は何をされたと思われているのだろうか……。いやそうではなく。

 ここまで無意識に目を逸らしていた複数の要素がまぐわうようにして脳内でひとつになった俺は、無言でスマホのDMを起動。どうか勘違いであってくれと祈りながら文章を打ち込み──送信っと。

 

 鬼公方アラヤ わたしアラヤくん。多分今、貴女の目の前に座っているの……。

 

 ──そして無情にも鳴り響く通知音。一言断った少女が右手のタコさんをポイッと捨てて、自身のスマホを覗く。そしてフリーズ。

 

「……は?」

 

 やがて困惑の視線がスマホと俺とを行き来するのを確認した俺は、自分が哀愁を帯びた表情を浮かべている自覚をしつつ、先程送ったDM画面をスッと差し出した。

 

 数瞬の後、色々と察したであろう少女が震えた手でこちらを指差し、

 

「え、あっ……? お、おま、おま──」

 

「おまんこ?」

 

「その流れ前にやったわ」

 

 はい、今のでこいつも確定。ここまでヒントがあれば、俺がどれだけ間抜けでも残りのどちらなのかは流石に判別が付く。

 

「お、お前がアラ──きゃんっ!?

 

 ──そして赤毛娘の言葉を遮るようにして、ジト目女がケツを引っ叩いた。……さっきの仕返しかな?

 当人は悪びれる様子もなく少女をぐいっと引っ張り顔を寄せ、視線を俺に固定したまま、

 

あらあら、この子ったらこんな場所でメスを漏らして。……オナ子、今のはあまりにも迂闊過ぎる。こんな公の場で男性を指差してアラヤ氏の名前を叫んだりしたら、それこそ身バレ不可避。瞬く間にアラヤ氏のアヘ顔はおろか、乳輪のサイズや如淫棒の味と匂いに至るまで全世界に公開ダブルピースされてしまう」

 

「お前の脳内の俺はどんだけエグい目に遭ってるの???」

 

 確かにさっきのは危なかったし完璧な配慮だったが……。でもよりにもよって、今の今まで俺を身バレの恐怖に叩き込んでいた張本人がそれ言っちゃうの?

 

 俺は全ての元凶に対し、同じような半目の表情を作って向けた。

 

「さてはお前、最初から俺がそうだと分かった上で絡んで来ただろ。──ニーニャ」 

 

 言葉に対し、彼女は出会った時から変わらぬ抑揚のない声と、眠たげなジト目のまま微妙に口角を上げた。そして両手をチョキチョキと見せつけるようなダブルピースの形にして──これまた出会った時と同じ台詞を吐いたのだった。

 

「……こんシコ~」

 

 

 

 

「──ではこれより、問題児共の取り調べを行う」

 

「りょ、今日のパンツは水色のサテン。はい次、オナ子の番」

 

「へ? あ、アタシはフリルが付いた白……いやこれ必要か?」

 

 聞いた覚えはないのですが……でもアラヤくんポインツは加点しておきましょう。まあ一応ね、一応。

 

 Q:はい、まずはニーニャさん。そもそもの話、いつから気付いていたんですか?

 

「最初はこちらも半信半疑だった……けれど私は"絶対性感"の持ち主。ひとり遊び中のアラヤ氏と肉声交姦して確証を得た」

 

 Q:つまり独り言に勝手に入って来た時ですね。まるで俺が屋外で自家発電をしていたかのような言い方は止めなさい。それと雑談はおせっせに含まれません。……じゃあ何でその時すぐ言わなかったの?

 

「……男性がひとりでいるのは目立つ。アラヤ氏の貞操の安全の為にも、固有名詞を出す前にそちらから気付くようにしたかった。そのために『ゆっくりお互いを理解すべき』と言葉も選んだ。私は悪くない」

 

 Q:ではあの「秘密を盾に何らかの関係を要求するエロ淑女」ムーブは、こちらへの配慮あってのことだと?

 

「会話を続ける内に自然と気付いてくれると思った。……しかしこれは私のミス。男性は声紋を使った腟内認証が出来ないことを、うっかり失念していた……」

 

「女のアタシにも出来ねーよアホか」

 

 Q:……ところで俺の肩を撫で回す必要はありましたか?

 

「私も年頃のヒトメス。性癖の拘りを捨てる気はないが、それはそれとして男性のエロい身体は別膣。隙あらばお触りするのが人情というもの」

 

 Q:っていうか君たち、そもそも何でここに居るの?

 

「この場所に関しての話なら、事務所のスタッフが監視しているGPSをチラ見して覚えた」

 

「おい待て、そんな便利なモンがあるとかアタシ聞いてねーぞ!? 最初から抜け駆けする気満々じゃねーか!」

 

 Q:つまりどういうことだってばよ。

 

「……事務所で待ってても男の姿が見えないから、どっかでナンパされてるんじゃねーの? って話になったんだよ。そしたらトイレから戻ったニーニャの奴が、急にお前のこと迎えに行くって言って飛び出した」

 

 Q:なるほど。……ところで記憶が確かなら、今日の配信で事務所のスタジオを使うよう言い出したのはニーニャさんでしたよね。計画通りですか?

 

「……アラヤ氏が確定で事務所を訪れるタイミングに乗じれば合法的にオフコラボが可能だなんて、そんなこと思ってない。しかしこうして"偶然"出会った以上、今から我々だけ帰宅してのコラボ配信というのは、盛り上がりに欠けると言わざるを得ない」

 

 Q:ということは、イオナさんも?

 

「あ、アタシはちょっと事務所に急用を思い付いたっつーか……。し、仕方ねーだろ!? 男が来るって知ったら、気になるに決まってるだろ普通!」

 

 Q:まあそれはそう。それではあらためて元凶のニーニャさん、最後に何か言うことは?

 

「この尋問はまるでなっていない。古来より、捕らえた将やスパイは男性を使って寝返らせるのが最も上策。本物の鬼公方氏がいながらお肉棒ビンタのひとつも披露しないとは、一体如何なる了見か」

 

 そんなエロゲみたいな歴史の闇は知らん。

 

「……ホットドッグ食べる?」

 

「「わーい」」

 

 ────。

 ──。

 

「ところで絶対性感って何さ」

 

「男性に対して極めて優秀な感度の良さを持つ能力のこと。アラヤ氏が本人であると断定出来たのも、膣内振動数による声紋の一致から。私ほど敏感な女はそういないから、普段は安心していい。どやぁ

 

 とりあえずは五感や第六感が鋭い人と同じ扱いでいいらしい。セブンセンシズは性透視の類であったか……。

 なお、欠点は能力の優位性を発揮出来るほどヒトオスの数がおらず、また知り合う機会が皆無なこと。そして快楽にとても弱いこと。

 

「なにその能力、えっちじゃん」

 

 でもこの世界だとほぼ死にスキルなのでは……?

 

「ってか、お前そのナリで敏感体質なのかよ」

 

 イオナが割と失礼なことを言っている気がするが……確かにこうして直接会ったニーニャの印象的にも、彼女はどちらかと言えば──。

 

「……今、こいつ見た目はむしろマグロっぽいのにな、って思った?」

 

 いや、全然そんなことないっすよ?

 

 威嚇するソーセージの如くブンブンと首を横に振って否定する俺たちであったが、時既に手遅れ。彼女は体勢を前のめりにしつつ、そのジトっとした瞳を初めてカッと見開き、

 

「──ベッドワークに消極的なヒトオスを差すスラングとして用いられる『マグロ』は、あくまで市場に揚がった冷凍モノ。現役のマグロは死ぬまで泳ぎ続けることで有名。……つまりこれをヒトメスにアヘハメた場合、その気になれば朝から晩まで終わることなく腰を振り続け、お腹の大トロがとろとろに──」

 

 なんて悍ましい魚類なんだ、今すぐ絶滅させなきゃ……!(冤罪)

 

 

*1
クソ雑魚転生者




ちんこすう(マシュマロ)
 オナホや電マのようにご自由にお使い下さい。
 また作中のネタとして取り上げることがあるのでご了承下さい。
作者シコッタ-
 更新アクメ通知bot。
カクヨム版
 特殊タグがないので差別化のためやや早漏です。
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