【求ム】貞操逆転世界の婚活ヒトオスVTuber【清楚系】   作:外なる天使さん

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STAGE EX-3 第三種接近早漏

「ぅあ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛~~~~……」

 

 ……そして今俺の目の前には、テーブルに突っ伏して身悶えする少女がおりました。

 正体は言うまでもなくオナ子──もとい奇条イオナの中の人である。

 

 事務所を出た彼女は何か探すアテでもあるのかと思い、方角と直感を頼りにニーニャの後を追った。そして呑気にカフェで男をナンパしているアホを発見。あるいは最初からGPS情報の共有が行われていれば、この時点で相手が俺であると察せたのやもしれないが……結果はご覧の有様である。

 

 そんなこんなで現在に至るまでの聴取がひと段落したところで──イオナが壊れた。今後共に活動する同期……それも相手は若い男ということで、初対面における第一印象はクールにキメてやるぜという彼女の予定は見事消え去った。しかも自分のミスとはいえケツをぶっ叩かれた挙げ句、男の前でよわよわ~♡ なメス鳴きを晒したことを今更ながら思い出し、羞恥のあまりオーバーヒートに至ったらしい。仮に出たのが力強いオホ声だったら堂々と胸を張れたのかは不明である。

 

 ともあれ話を聞くに、どうやら彼女の中には『しつこいナンパ女に困っているアラヤくんをスマートかつクールに助け出す』という、メスガ期女子が授業中に妄想しがちなシチュエーションを特盛りにした具体的なプランが存在したご様子。正直そちらの方がよっぽど黒歴史になる予感しかしないのだが……触らぬヒトメスにアクメなしと俺は学んだ。今はそっとしておいてあげよう。

 

 ──ちなみにだが、流れで下着の色とデザインまで暴露した件について特に思うことはないらしい。そっちの方を恥じらえよ……。

 

 

 

 

「はむはむ……リアル男性を前にして頬張るホットドッグと苺ショートの食べ合わせ、不覚にも癖になる味」

 

 なお、事態の混乱を招いた当人は何食わぬ顔で舌鼓を打っている模様。

 ……仕方ないんや。無駄に遠回りした感こそあるが、叱るとなると微妙なラインだし。まあ正直こいつに振り回されっぱなしのイオナはキレていいと思うが、先程の正体お漏らし未遂のフォローがあるため、あまり強く出れないようだ。

 まあ俺としては、やたらと事務所での配信を推していたのはそういう企みかと腑に落ちたので、逆にスッキリしたまである。

 

 ちなみにふたりともオーダーは既に済ませている。男が座っているだけで店員は笑顔かもしれないが、そこにコーヒーの一杯すら頼まないヒトメスがいるとなれば、流石にブチ切れ案件だろう。

 

「……時にアラヤ氏、生クリームの男体盛りに興味は?」

 

「食い物で遊ぶな」

 

「否定はしない……だと……?」

 

 だが残念なことに、遊び倒しているのはこの店であった。

 彼女たちが注文したのは、所謂レディース向けのオススメセット。ワンプレートの中心に肉汁溢れる太めのソーセージを使ったホットドッグを据えて、苺の乗ったプチショートケーキを左右に添えたクソ強気な一品だ。ご丁寧に苺はナパージュでツヤツヤだし、お皿の空白はクリームと季節のソースでデコレーションまでされてやがる。もちろんドリンク付きだ。

 内容だけ見れば軽食とデザートのお得なセットと言えなくもないが……。盛り付けのセンスがヒトメスを一周してただのクソガキなんよ。

 

 おかしいな……立地や価格設定からしても、ここって結構な高級カフェだと思ったんだが。いや……なるほど、格式に拘るばかりではただの二流。飢えた女性客に男を食べたという満足感を提供してこそ、一流のサービスということか。実際他のメニューは普通だし、商品のクオリティはかなり高い。

 フッ……朱雀院のメイドが勧めるだけのことはある、ということか。狂ってやがる。

 

 そんな風に現実と戦いつつ、イオナの復活待ちをしながらぼんやり眺めていると……視線に気付いたニーニャが手元のお皿とこちらを見比べ、

 

「……おひとつどうぞ?」

 

 これが欲しいのか? このいやしんぼめ、と言わんばかりに食べかけのケーキをあーん……ではなく。何故か両手で下乳を持ち上げて差し出した。なんでや。

 

「しかしホットドッグでは共食いになってしまう恐れが……」

 

 そういう話でもない。

 

「うむ、どうやらアラヤ氏には気苦労を掛けてしまった様子。なのでここは誠意の【詫び乳】を配布すべきかと」

 

「それもう誠意じゃなくてただの性意じゃん……」

 

 しかもそれだと「おひとつ」じゃ済まなくない? セットでお前も付いてきちゃうじゃん。いや取り外されても困るんだけど。

 

「むっ……私はスケベには拘りを持つ女、乳は柔らかくとも性癖の守りは堅い。本意ではないからこその誠意と受け取って貰いたい。……くすん、エロゲの中から出てきたどちゃエロなダーリン(予定)以外の男性に、私の大切な初乳を捧げることになるなんて──チラッ」

 

 嘘つけ、お前らヒトメスは挨拶感覚で乳揉ませたり乗せたりするだろうが。今日だけでこれでもかと思い知ったわ。

 

ひひひ、その柔肌を隅々まで味わい尽くした最初の男がこのワシであることを、この先貴様は愛する夫を抱く度に思い出すのだぁ……ぐふっ、ぐひゃひゃひゃひゃ──って誰が揉むか!」

 

「おお~……!」

 

 それでも一応ノッてみる俺。こいつから送られたDMに引っ張られたせいか、悪徳領主っぽくなっちゃったわ。って、ええ……? 何か今日一番の喜びようなんですけどこの人。

 

「……あのさ、ただの勘違いだったら申し訳ないんだけど。さっきからネタ振りに見せかけて、俺を使って性癖を満たせるかの実験とかしてないよね……?」

 

 事あるごとに「性癖があるから大丈夫」みたいな風を装ってるけど、発情して襲ってこないだけでその性癖が具体的にどこからどこまでなのか、一貫して口にしないのがそこはかとなく不穏なんよ……。

 

 これが初顔合わせであるのは事実だが、付き合い自体は一応デビュー前からあるわけで。つまり男であることを除けば、俺がどんな性格かは概ね把握されているということになる。趣味嗜好の話で「やっぱ二次元しか勝たんわ~」的なノリになることはあっても、流石に活動前の距離感を掴めていない段階から、全ての闇を開示した奴はいないだろうし……。

 

 なんならその確認のために今回オフでの接触を計画したとか──。いやいやまさか~、ははは。

 

「……………………」

 

 ねえその無言めっちゃ怖いんですけど!

 

「……あ、アラヤ氏ってば考え過ぎ〜。私はただアラヤ氏の視線が乳揺れに集中しているから、気を利かせて忖度したまで」

 

 なーんだ、俺がおっぱいばかり見てたせいだったか~。

 

「そ、それは仕方ないじゃん……? お前らヒトメスが色々とデカいせいで、自然とそこに視点のピントが合うように出来てんだわヒトオスはよぉ!」

 

 まるでこっちが物欲しそうに見ていたかのように言いやがって! こちとらそろそろお腹いっぱいやぞ!

 顔に合わせて常に見上げてると物理的に首が辛いし、それならもう諦めておっぱいに話しかけた方が楽なんだわ。あとお前相手に限っては、さっきの横縞おっぱい般若理論が頭から離れないだけだよ!

 

 全く、おっぱい見るのに下心すら失う転生者さんの気持ちにもなって欲しいものである。

 

「でもそう考えるとイオナは……小さいな

 

「彼女は現役のJK。あざとさの塊であるメスガ期にはよくあること」

 

 身長の話である。

 一般ヒトオスサイズの俺と比べて少し低いくらいだから、大体160cm前後だろうか。どう見てもロリキャラとは程遠いサイズだが、まずこの世界だとヒトオスがちっこい生き物扱いだからな……。──しかし数年でここから30cm近く育つと思うと、全く末恐ろしい存在だぜ。

 ちなみにお胸は普通に大きい。まあ爆乳ではなく巨乳という意味では、ヒトメスの平均としては小さいことになるのかもしれないが……。

 

「ンだよ……チビで悪かったな」

 

 すると話題に上がった少女──イオナが若干不貞腐れたようにムスッとしてこちらを向いた。でも心なしか口元が緩んでいる気もする。

 

 ……こいつ、さては話に加わるタイミング見失ってたな。もっと早く話を振ってやるべきだったか。入り難い会話しててごめんねマジで。

 

 ──彼女を視界に収めてまず最初に目が行くのは、ボリュームのある赤毛を束ねたポニーテールだ。結び目の位置はやや高め、強気さのアピールだ。

 その本人はワルワルな口調から漂うやんちゃなイメージとは裏腹に、パッチリお目々と八重歯が特徴的な美少女だった。小動物系(ヒトメス基準)というやつだ。

 服装は肩出しのTシャツと、ダメージ入りのスキニーデニム。シンプルだが若さと快活さを感じさせる。

 

 ともあれ相手は歳下のメスガ期少女、生意気盛りとはいえ優しくせねば。

 

「いや、イオナは凄く可愛い女の子だと思うぞ。その八重歯もチャームポイントとしてかなりポイント高いし」

 

「んなっ──なななにゃに言ってんだお前ぇ!?

 

 うわこのじぇーけーものすごくチョロい。

 

 なんか身長を気にしているっぽかったので、小さい→可愛いに変換してみたところ……ちょっと心配になるほど効果があった。もちろん嘘は言ってないのだが。

 

 いや、そうか。単純にこの世界の女性は異性に褒められ慣れていないのか……。しかも進化と淘汰の結果美形しかいないから、もう可愛いのが当たり前みたいなとこあるし。一般俺様男性もあんな感じだから、そうなると内面的な部分を深く知り合う機会がない大半のヒトメスは……うん。

 

 でもそう考えると、俺もこの世界で女性をストレートに褒めた記憶ってあんまりないな。転生者としてはスマイル0円と同じで言うだけお得なプライスレスワードなのに……。ああ「今私のこと可愛いって言った? じゃあ子宮の婚姻届に実チン捺印しよっか♡」ってなりかねないからか。……あれ? それじゃあまた俺何かやっちゃいました……?

 

「うぅ……お、男に可愛いなんて言われたの、家族以外じゃ初めてだぞ……」

 

 恐る恐るイオナさんのご様子を伺って見ると──せ、セーフ!

 

 顔を赤らめてモジモジしているものの、手指はポニテの毛先を弄るだけに留まり下着の中に伸びる気配はなし。何か呟きながらチラチラ見られてるけど、瞳孔ガン開きでフーッ♡ フーッ♡ と発情する姿とは程遠い。

 

 ……ふぃ~、焦った~。

 ま、まあね、いくらアラヤくんといえどもそう何度もポンなんてしないってワケ。大体からして、この場の面子は皆にじこんの同期として接しているのだ。つまりガワを被っていようがいまいが『アラヤくんとしての発言はバーチャルです。実在する俺や下半身とは一切関係ありません』ってコトよ。

 その証拠に股間の鬼公方さんが「こいつはアラヤくんの貞操に安全だな、ヨシ!」って判断したからこそ、ヒトメス相手に可愛いなんて言葉がサラッと出たのだろう。分業制かな?

 

 まあ意識して言うのは若干のむず痒さがあるが──でもこれだ。これこそ俺がこの世界に本来求めていた反応なんだよ……!

 

 俺は清楚とはまた別の安全地帯──止まり木を見つけた気がした。そうか、これが癒しか……。え、数年後? うるせぇ、大事なのは明日より今さ。

 

「アラヤ氏。私も、私も……!」

 

 そしてこの場のいやらし担当が自分にも言えとせっついてくるぅ……。この一瞬でおねだりキッズムーブに切り替えるあたり、恐ろしく計算高い。

 

 とはいえこいつも同期。襲ってこない分には邪険にする気もないので、最初に感じた印象を素直に伝えておく。はいはい可愛い可愛い。

 

にゅふ、にゅふふふ……。妖精──つまり人知れず姿を消してもそれは妖精の仕業なので罪には問われない」

 

 申し訳ないが純粋な邪悪は悍まし過ぎるのでNG。

 

「ただの妖怪じゃねーか」

 

 だらしない笑みと共に欲望を垂れ流す同期の姿で正気を取り戻したイオナが、ホットドッグを両手に掴んで言う。

 

「……っていうか、勝手に来たアタシらが奢って貰うのやっぱおかしいだろ。男が女の分の代金払うとか聞いたことねーぞ」

 

 どうやら彼女は互いの正体が明らかになった今でも、最初に言った通りに割り勘どころか俺の分まで出すつもりだったようだ。いくら善意の貢……お気持ちスタイルを見出したとはいえ、JKの金で飲み食いするのは流石にクズみが強すぎた。俺はやんわりと説得を試みる。

 

「イオナ──と一応ニーニャは俺のことを心配して探しに来てくれたんだろ? それに元々事務所の皆に何か買って行くつもりだったし、そう遠慮しなくてもいいって」

 

 だからなるべく早く、その下ネタドッグを俺の視界から消し去って下さい。

 

「そ、そうか。それがおかしいって言ってんだけどな……。じゃあえっと、いただきます」

 

 ククク……完全体のヒトメスに比べたら、ちょっと気が強いだけのメスガ期JKなんて可愛いもんよ。連中が舌舐めずりするライオンなら、イオナは本人の性格と相まって『なんかデケェ猫』といった感じだ。

 

 しかしなんだ、こうしてリアルのふたりを見てみると──。

 

「何かどっちも、微妙にガワと似てるような……?」

 

 もちろん服装や髪型を始め、細かい部分はかなり違うので普通は気付かない。ただこうやってご本人と接していると、仕草とか笑い方とかが自然と重なる感覚があるのだ。

 

 するとトリップから帰還した邪悪な妖精さんが返事をした。

 

「アラヤ氏も似たようなもの。……そして原因はうちのボス。にじこん立ち上げのコンセプトを思い出すといい」

 

「にじこんの……ああ、あの俺自身が斬ダム──じゃなくて二次元になる的な」

 

「ん、昨今のVはキャラ設定と魂人格の乖離が激しい。人気が出ると、どうしても本来の自分を見て欲しくなるのが人情。それも成長の一種と言えるが、以前との齟齬が生じるのもまた事実」

 

 所謂「変わっちまったな……」的なやつのことか。まあ仕方ないっちゃ仕方ないが。

 それならいっそ最初から、表面を設定で覆っても自分の半身として認識出来るくらい親和性のある造型にすればいい──ってことか。その究極系がリアルロールプレイ全力なカリンさんなわけだが……。アップデートで老けたりするんだろうか。

 

「うーん、確かにそう言われると、俺も最近は自分のことを『アラヤくん』って扱うことに何の疑問も持たなくなってるトコあるような。え、怖ぁ……

 

 カリンさんも大概だけど、にじこんの技術班も大分ヤバない……? 普段事務所に居るスタッフとはまた別だろうし、そのうちご機嫌伺いに行くべきだろうか。

 

「っていうか今更だけど、俺ら普通に会話してて大丈夫?」

 

 ふと湧いた俺の疑問に、最後に残したイチゴを名残惜しげに平らげたイオナが軽く言う。

 

「一応周りは気にしてるけど、基本はヘーキだろ。そりゃ男ひとりだったら視姦、孕耳に注意しなきゃだけどよ。今はほら……あ、アタシらが一緒だし」

 

 なるほど……なるほど?

 

「確かに一般的には、野良男性の肉声は貴重なオカズの材料。……しかしそれが女連れとなると話は別。防衛機能が働き、自然と聴覚をシャットアウトせざるをえない」 

 

 ヒトメスさんにはノイズキャンセリング機能まで搭載されてるんですか。すごいなー、憧れないなー。

 

「アラヤ氏……どのような背景にせよ、街中で見る男女の組み合わせは大抵『勝者』──未婚女性にとって他人のイチャラブを見せつけられることほど、腸が煮えくり返ることはない」

 

 ああ、うん……そう言われると確かに嫌だわ。自然と避けるのも頷ける。

 

「それにアタシらだって馬鹿じゃねーんだ。ちゃんと対策くらい考えてるから安心しろって!」

 

「うむ、いざという時は『え、似てる? ……でっしょ~!? だから今夜は彼ぴにぃ、鬼公方アラヤのコスプレさせて朝までお肉棒祭りしちゃいま~す♡』という方便で追い払う予定」

 

「その声どっから出したの?」

 

 急に陽キャのギャルみたいな声になるやん……じゃなくて。

 

 いくら身バレ回避のためとはいえ、罪のないヒトメスを壊すのは止めなさい!

 

 




ちんこすう(マシュマロ)
 オナホや電マのようにご自由にお使い下さい。
 また作中のネタとして取り上げることがあるのでご了承下さい。
作者シコッタ-
 更新アクメ通知bot。
カクヨム版
 特殊タグがないので差別化のためやや早漏です。
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