【求ム】貞操逆転世界の婚活ヒトオスVTuber【清楚系】 作:外なる天使さん
『なぜなにアラシコ~!』
「お~いみんな集まれ~。なぜなにアラシコの時間だよ~!」
「さて、本日はアラヤ氏がいかに無自覚えっちであるのか、本人を相手に分からせていこうと思う」
何故か手慣れた様子でノリノリの蜜水と、どこからか取り出した白衣と眼鏡を装着したニーニャが執拗にクイックイッしながら解説を始めた。お前それ普段から持ち歩いてるの?
「急に何か始まったで……」
「これを待ってた」
イオナさん……?
なんなの? もしかしてお前らの間では定期コンテンツになってたりするの?
「早速だが、私の絶対性感が導き出した結論によると──どうやらアラヤ氏は、日常レベルで『男の子の日』が訪れてしまう、超発情期体質であると思われる」
「なんて???」
やっぱりこいつの性感、大トロ敏感じゃなくて中落ちクソ雑魚有だろ……。
▼
男の子の日──それはチワワと化したこの世界の
草食になってもオスはオス、雄性だけでは完結不可能な存在。
プラシーボ効果のように、肉体が精神の影響を受けるのと理屈は同じだ。搾精に耐えられるように進化した肉体は、定期的に生物の義務を思い出してドクドクと遺伝子を生産。それに引き摺られた結果、ヒトメスへの警戒心も緩むというわけだ。既婚者に関してはお察し下さい。
具体的には、普段塩対応なヒトオスくんがデレたと錯覚するほど優しくなったり、無防備になってチラリズムを頻発。更にはスキンシップや不意の接触にも寛容になったりするらしい。──端的に言うとチョロくなる。開幕……! 本格的狩猟シーズン……!
……俺はただ、何かアラヤくんに対してだけセクハラの頻度と質がエグくない? という、謎の不公平感に物申したかっただけなんだけどなぁ。この連中の言い分だと、それは全部アラヤくんがえちえちでチョロそうに見えるのが悪いということらしい。誠に遺憾である。
「それでは分かりやすいように、我々から見た一般男性とアラヤ氏の違いをいくつか挙げていく。──なお、ここでは一部特殊な出自や教育を受けたであろう男性は除外するものとする」
特殊……ああ、男児はどこぞへの婿入りが前提であろう何とか院タイプとか、花婿修行的なカリキュラムが存在する高級ミルク牧場──もとい名門男子校のことですね、分かります。
「まず、普通の未婚男性は女性に対して、滅多なことでは優しさを見せない。寛容さもあまりない。むしろ男性が不快にならないよう、女性側が気を配るのが常識」
……でもその環境に胡座をかいてピノキオると「ようやく実った♡」とばかりに分からせゲージを満タンにしたお前らヒトメスに、伸びたお鼻をぬぷぬぷにされるじゃん。メンズファーストのファーストは、ファーストフードの方だってぼく知ってるよ。
「──だがアラヤ氏はアポなしで押し掛けた我々に対して不快に思う様子もなく、むしろ気遣いすら見せた。更にはスタッフへの差し入れを用意するという配慮まで」
そうだね、先にDMで連絡すれば誰も困らなかったよね。……まあなし崩し的にオフコラボに持ち込むためにも、事前に勘付いて逃げられないようにというある意味繊細な気配りの結果なのだろうが。アラヤくんの精神衛生にもっと配慮してどうぞ。
「それに普通は男の人って、スキンシップに凄く厳しいって聞くよ~? 何かあるとすーぐセクハラって言うし、電車やバスで頭におっぱい乗っただけで不機嫌になる、って昔先輩が自慢してたもん。……でもアラヤくんは優しいから、そんなことで怒ったりしないもんね~?」
言ってること全部他人の話で草。実体験ゼロじゃねーか。っていうかこいつさぁ、
「え、それ俺にしがみついて居住権主張しながら光合成してたお前が言うの……?」
大丈夫? やっぱり今からでも通報する?
「あっあっごめんなさいごめんなさい欲求不満とデスマの疲労でどうにかなっていたんです。それに陰キャは緊張すると用意してたキャラもデッキも頭から消し飛ぶ生き物なんですお願いだから許してください! それでは誠意の証として全裸で土下座を……あ、おっぱい邪魔で上手く出来ないや。なら背面土下座で……あ、駄目? ところでおねーさんは『抱き着いた』のではなく『抱っこしてもらった』だけなのでセクハラではありません。その違いをアラヤくんなら分かってくれるっておねーさん信じてる。……それはそれとしてお話の邪魔にならないようにおねーさんは部屋の隅で胎児のように丸くなっていますねえへへ」
なんか早口で去っていったな……。なんだったんだ今の。
「今のはカットで」
「アッハイ」
ニーニャがスパッと手刀を振ってどっかにやった。セクハラでないなら罪状は住居侵入罪でいいのだろうか……。
「あとな、基本的に若い男って自分すげーって思ってるから、そうそう他人のことを褒めたりしねーぞ?」
ごめんそれは俺も割と頻繁に思ってるわ。遺伝子レベルで調子に乗りやすい生き物で本当にすまない。
でも共用ヒトオス語では「ふーん、やるじゃん?」「おもしれー男or女」「生意気な奴じゃないか」は一般的に褒め言葉に分類されるので、彼らのためにもその点だけご理解いただければと……。
「な、なのにお前はその、アタシみてーなのにもかっ、かか可愛いとか平気で言うし……」
何かもにょもにょしているイオナは別としても「エッロ~い♡」が異性への褒め言葉なナマモノにだけは言われたくないんですがそれは……。
でも確かに、この世界だと「可愛い~♡」も基本はヒトオスに対して使われる表現だからな*1相手によっては嫌味と受け取られる可能性もないとは言えない。
「……そっか、分かった。じゃあこれからはもう言わないように気をつけるわ」
「は? 誰もそんなこと言ってねーんだが!? だからって誰にでもは言ったりすんじゃねーぞ!」
ええ……情緒不安定かよ。胸ぐらを掴んでガクガク揺らすのはお止め下さい、フィジカル差で服が破けてしまいます。一体どうしろっていうんですか?
そしてトドメとばかりに、ニーニャがビシッと俺を指差して言葉を作った。
「何より男性は普通──メイドの膝に座らされて当たり前のように受け入れたりはしない」
ドン!
…………。
……。
「いや、それは知ってる」
仕方ないじゃん……。だって初対面からこんな感じだし、飼い主であるカリンさんが何言ったところで聞く耳を持たないんだもん。一応配信中はちゃんと控えてくれるし、やってることはただの椅子だから実害もない。もう慣れるしかないじゃんね。
「しかもお前、よく見りゃ男用ブラも着けてねーし」
「そりゃ要らんでしょ……」
「これでは視姦し放題。否、誘っていると言っても過言ではない」
まるで着けたら対策になるかのような物言い止めない? どうせ脱がしたり剥ぎ取ったりする愉しみが一枚分増えるだけじゃん。
「──これらの要素に加え、チャットでの会話内容や配信での言動、何より現実における立ち振舞い。……どれもこれも、アラヤ氏が常時『男の子の日』のピークにあると考えれば納得の行く説明が付く。つまり女性に優しいのも、お触りに対して判定が甘いのも、発情期がデフォルトであるアラヤ氏にとっては普通のこと」
こいつ無理矢理話をまとめおったで……。
すると部屋の隅でバブバブと丸くなっていた蜜水が、バッと立ち上がって挙手した。
「はい、先生~! それじゃあアラヤくんは、おねーさんたちのことをえっちな目で見ているってコトですか~?」
「間違いない*2。──アラヤ氏をオカズにする時、アラヤ氏もまたヒトメスをオカズにしているのだ。先天的にせよ後天的にせよ、常日頃からこのようなドスケベ体質では男性ながらに性癖も歪むというもの……」
おいオナニーチェ止めろ。セクハラ通り越してもうただの悪口やぞ!
「お、男がアタシのことをオカズに……。ど、どーしよ……自撮りとか送ってあげた方がいいのか……?」
【悲報】アラヤくんが毎回セクハラされるのは、他ならぬ俺にとってヒトメスがえっちに見えるせい。因果は応報し、淫はオホする。
「せ、先生! 確かに俺はホモじゃないので、自分の性欲までは否定しません。でもこれだけじゃあ、お前らみたいな変態が俺にばかり寄ってくる説明にはなりませんよ!」
「オイ、アタシをこいつらと一緒にすんな」
「そうだそうだ~、オギャりは全ての生命が一度は通る道なんだから、むしろ健全な行為だもん! ただちょ~っとオプションに譲れない拘りがあるだけで~……」
「うむ。一意専心──ただそれのみ」
いやお前らの性癖の話は今どうでもいいんだわ!
「ともあれ今の私はえっちな授業に定評のある女教師。生徒の質問には答える。原因は即ち──アラヤ氏がドピュドピュと垂れ流している"淫力"」
「い、"淫力"……だと……!?」
▼
研究によると『男の子の日』状態の男性は、普段はヒトメス→ヒトオスの一方向にしか作用しない"淫力"がヒトオス→ヒトメス方向にも発生し、結果互いに引かれ合う現象が起きるという。身体はヒトメスを求める。
つまり俺がやたらと拗らせてそうなヒトメスにばかり縁があるのは、日頃から"淫力"を発生させている俺が同じ側にいるせいだと言いたいらしい。ひでぇ侮辱だ。
……あれ? でもこれ微妙に当たってないか? 『男の子の日』だの"淫力"だのというパワーワードはともかく、そもそもヒトメスだろうとヒトオスだろうと種族人間は本来、年中発情期のナマモノだし。この世界の男が性的に草食なのは偏った男女比という環境が生んだ精神的な問題であって、既婚者の例から見ても別に肉体の生殖能力が衰えているわけではなく……。
何よりこれは採用面接に同席したカリンさんと、この状況でなおも不動を貫くメイちゃんしか知らないことだが……そもそも俺はより良い婚活のためにVTuberとなったわけで。
つまり清楚という異性に執着している俺はその時点で──もっと言うと、前世のせいでビジュアルだけは満点なヒトメスを本心から可愛いとか美人だなぁと思ったり、ラーメン屋の行列で後続の無料おっぱい駐車場にされても不快感すら抱けないであろう我が身は、意図せず結構な強さの"淫力"を発している可能性が……?
ヤバい、何か冷や汗が出てきた。深淵を覗き込んだら宇宙の真理を見せられたような気分だ。これ以上知ってはいけない、そして気付かれてはいけないと頭の中で誰かが叫んでいる。ああ、射会の窓に! 射会の窓に!
俺は藁にもすがる思いでニーニャに問うた。
「先生……俺、ちゃんと治るんですよね……?」
「無理。潔く諦めた後、速やかに受け入れてどうぞ。ようこそ"こちら側へ"」
うそやん……。
別にセクハラでもおっぱいならいいじゃんとか、もうそんな次元の話ではなかった。それに妖怪テイスティングBBAの例もある。もし他のヒトオス連中へ向かう筈だった変態も自分が引き受けているという可能性を思うと、無性に俺だけ損をしている気分になって何となく許せないのだ。何ならそれが理由の全てと言っても過言ではない。ぐぎぎぎ……。
い、いや、まだだ……まだ諦めないぞ! それに今の話だと、"淫力"にはあくまで誘引する性質しかない。別に自分が望むタイプの異性を連れてくるわけではないのでクソの役にも立たないが、初対面の相手から「こいつチョロそう♡」な目で見られるような効果はない筈だ。その点は一体どうお考えなんですか!?
「あー……っとな、多分混乱してごっちゃにしてるんだと思うが。お前がその……え、エロく見えるっていうのは、また別の話なんだわ」
ひょ?
「おねーさんが思うに、多分アラヤくんって『男の子の日』の症状が重い方なんじゃないかな~? 軽い人は薄く広がっていくからすぐ分かるけど、重い人って内側に溜め込むみたいだし……」
「あの、蜜水さん? 念の為確認するけど、お前今何の話してる?」
「え~? 何って……アラヤくんの体内から漏れ出てる、発情期特有のチョロそうなフェロモン?」
略してチョロモン。まーた新しい単語が出てきた。……えっマジで?
「出てる。例えるのなら、グラスに水を注ぎ続けて溢れているのに近い。擬音にすると『ムッワァ……』」
「せめて液体か気体かどっちかにしてくんない? 無駄にややこしいわ」
うっ……けどそう言われると確かに。俺は前世でさえグラビアアイドルを見てエロいとは思えど、それだけでは抜けない侍。だがリアルヒトメスを脱がせた途端に貞操終了。かと言ってシチュエーションを求めてエロ漫画に走っても、主役は当然男キャラ。山場のシーンを盛り上げるのは男のケツやアヘ顔のアップであって、決して可愛い女キャラではない。
というか少ないを通り越して、男向けのエロ本とかエロ漫画の市場が全然ない。無駄撃ちするくらいなら子作りしろ♡ という政府の悪意を感じる。
……そのせいで逆に前世よりも性欲の発散に不自由しているところはあるし、無意識の内に股間の鬼公方さんがイラついているという可能性は否めない。
「でもでも~アラヤくんって男の子にしては所作が落ち着いてるから、セクハラを気にして遠目から視姦するだけだと、パートナーに分からされた既婚男性と気配が似てて、意外と気付かないかも~?」
「そのくせ何か距離感バグってんだよなこいつ……。だ、駄目とは言ってねーぞ!? ただ危なっかしいから、あんまひとりで出歩くなっつー話をだな……」
いうてお前らに関しては初対面だけど初対面じゃないし、VTuber的に仕方無くない?
「実際のところ、拗らせた性癖を持つアラヤ氏は一見チョロそうでこそあるものの、本質的には我々の同類。その歪んだ童貞は複雑怪奇にして難攻不落と言っていい」
「あれ今俺罵倒された?」
──理想を言うなら是非お婿さんに。
それが無理なら処女卒業のお手合わせを。子作りだけの関係でいいですから!
……これがこの世界における一般的な女性の思考である。言うまでもなく、後者に漕ぎ着けられる者すら一握りだ。……どっちも大差なくね? などと言ってはいけない。じゃあ結婚しよっか♡ というオチになること請け合いだ。
しかしいくら発情期の男性を狙い撃ちしたところで、求められる現実的なハードルの高さは変わらない。
「故にお持ち帰りが無理ならばせめて──というのが人情。せめてワンチャンに期待しつつ、アラヤ氏のような隙の多いチョロオスを嗅ぎ分け、許される範囲で味わい尽くすのが関の山」
「そもそも、ナマの男の人と接する機会が少ないからね~。駄目なら駄目でオカズに使うだけだし『オラッ♡ オラッ♡ お高く留まりやがって♡ どうだ参ったかっ♡』……的な感じで」
前向きなのはいいことだね。人情よりも欲情と劣情が溢れてるけど。
……話をまとめると、まず異性を求める"淫力"のせいで俺自身が変態の誘雌灯と化し、更には前世と今とで悪魔合体した極めて真っ当(強弁)な感性と性欲が、よりにもよって自らをチョロく見せていると。……えっ、これどうしようもなくね?
「そ、それじゃあやっぱり、俺が会計時に乳袋の上からお釣りを受け取るよう言われたのも……?」
「いや、それは普通」
そこはそうなんかい! はいはいそうですよね、おっぱいはセーフだもんね。そういうとこやぞ。
「その場を見てないから分からないけど~……『うわこの子チョロそう~♡ 頼めばついでにおっぱい揉んでくれたりしないかな♡』っていう風に思われちゃった可能性は、なきにしもアラヤくん?」
やっぱり駄目じゃないか……。
「『揉ませる』じゃなくて『揉んで貰う』なら男性の自主的な行動だから、判断ミスってもセクハラにはならないし~。だから『抱き着いた』んじゃなくて『抱っこして貰った』おねーさんも~……」
うるせぇお前はもっと反省しろ。これまでの話が本当なら、俺の体質を一番悪用してるのはお前かメイちゃんの二択やぞ!
「つーかアノ日でもねー普通の男なら、その場で拒否して終わりだろ」
……それは確かにそう。
「そ、そないなこと言われても、やっぱりうち女のおっぱい好きやし……」
拒否したらしたで、それはそれで男としての自分が死ぬ予感しかしないんだよな。ただそろそろ食傷を通り越して、おっぱいがゲシュタルト崩壊しそうなだけで。
「……………………ふーん」
あ、イオナさん。もしかして今の聞こえちゃった感じですか……? 何やらご自分のお胸をぽよぽよと確認している様子ですが、いや貴女のそれ普通にデカいでしょ。だから余裕がありそうに見えて割とヘタレ系ジャンルな蜜水さんを睨むのは止めて差し上げなさい。アレは多分、ヒトメスの平均からもハミ乳してるから参考にならないよ。
それはさておき、
「な、なら飲食店で店員さんが突然半脱ぎになるのは……!? それも普通のことだって言うんですか!」
「動き回って暑かっただけだろ」
ちょっとイオナさん!? 急に雑に済まさないで! もっと真剣に!
「それこそ普通のことだよ~。性器を露出しない範囲での脱衣なんて、腕まくりと同じだもん」
ほなあの定食屋はセーフか~。安心して今後も通おう。
「そっか、それならタクシーの代金をおっぱいの谷間に支払うのも、別に普通のことなんだな……」
つまりあの運転手さんは雰囲気がとってもえっちなだけで、職務に対して真面目な本物の清楚女性。……なんか俺と似てんな。あれあれ? もしかして引かれ合っちゃいましたか? "淫力"よ、俺は初めて聞いた時からお前の力を信じてたぜ~。あの出会いが偶然ではなく運命となれば話は別だ。そうと決まれば帰りもあのタクシーを呼んで──、
「「「いや、それはおかしい」」」
えっ。
「……お前さー、アタシらの胸を一体なんだと思ってんだ?」
えっ。
「そりゃあ大きいから、ちょっと乗せたり挟んだりはするけど~。収納スペースにするのは流石に無茶だよ?」
えっ。
「乳渡しはあくまで合理性を伴った方法。対して谷間払いは、再度取り出して保管する必要が生じるただの二度手間。……アラヤ氏、常識的に考えて胸の谷間が金庫に繋がっているわけがない」
あっれぇ!?
「じ、じゃあまさかあの運転手さんは、ただのセクハラお姉さんだったのか……? いやいやあんな清楚な人がそんな」
でもそう考えると、電波が悪いからカードが使えないとかこんな都会でそうそうあるか……?
単にタクシーでのカード払いが嫌がられただけ──けど端末が使えないのは見せて貰ったし、現金を下ろしに移動する方がそれこそ手間だろう。
「よく分からないけど~、その運転手の人ってどんな感じだったの?」
「え、そりゃあ清楚で……」
「そうじゃねーだろ、もっと具体的な容姿を言えよ。髪型とか目つきとか、何かあるだろ」
いやだから清楚──あ、あれ? どんな風に清楚なんだっけ? タクシーの運転手なんだから会社の清楚な制服で、清楚だから髪型はもちろん清楚……。髪色は清楚で長さもとにかく清楚。顔立ちも目つきも唇も肌も匂いもスタイルも清楚清楚清楚清……楚……。
「……ふむ、アラヤ氏。そのタクシー会社は把握している?」
「い、いや……あまり見かけないデザインだったような──あ、そうだ領収書」
領収書をお願いした記憶は確かにあるぞ。今日の分は全部一緒にまとめてる筈……鞄、違う。洋菓子、これも違う。──あっこれか?
「なんだこれ、古臭い紙の人形か? ……あ、触ったら崩れちまった。わり」
ええ……? うそでしょ……。
言葉に出来ない空気が生まれる。暫くして、やや不安げな表情をしながらイオナが口を開いた。
「──お前、一体何に乗ってここまで来たんだ……?」
……あのまま一緒にドライブしていたら、果たして俺は一体どこへ連れて行かれたのだろうか。
沈黙が支配する中、得体の知れない不気味さだけがその場に残った……。
▼
──なお、多少のフェイクを交えつつ。勿体ないので夏のホラーシーズンに小ネタとして今のエピソードを供養したところ、リスナーにどちゃくそ草生やされまくった。
さ え お ・ライブ
#異世界なう
【ホラー雑談】怪異VSお前ら、にじこん夏の陣【にじこん/鬼公方アラヤ】
チャンネル登録者数 xyz人
「──ってことがあったんよ。怖くね?」
それはそれで怖いわ
出稼ぎかな?
今はどの界隈も男のヤり手不足か~
長生きしなきゃね……
長イキもするぞ♡
あー、アラヤくんのせいでひとりじゃ眠れなくなったわー怖いわー
さっさとベロチューしてブチ犯せ
話を聞くに、本人の願望が反映される的なやつなのかな?
つまり私らだったら男がえっちのお誘いをして来る……ってコト!?
「ふと思ったんだけど……とっくに死んでるゴーストオスなら精魂尽き果てる心配もないし、36時間体制でお前ら全員の相手が出来るのでは?」
馬鹿野郎w
はい天才
死後も仕コ事するヒトオスくん、誇らしくないの?
幽霊にチン権はないもんな……
流石に草
あの! そういうネタは夏の入稿前に欲しかったんですけど……!? す孕ーメルンの潮吹き
もう一冊描け
「ごめんやっぱ幽霊よりお前らの方がよっぽど怖えーわ」
……果たしてあの運転手さんはその後、タクシードライバーから高級車を乗り回すS級ナンパ師に無事ジョブチェンジ出来たのか──季節と共に悲しみを乗り越えた俺は、そこだけちょっと気になった。
新年
あけおめこ
とよろ
ところで投稿直後にリアタイして下さった方は、恐らくこれを読みながら年を跨いでしまったことでしょう。どんな気持ちですか?(曇りなき眼
ちんこすう(マシュマロ)
オナホや電マのようにご自由にお使い下さい。
また作中のネタとして取り上げることがあるのでご了承下さい。
作者シコッタ-
更新アクメ通知bot。
カクヨム版
特殊タグがないので差別化のためやや早漏です。