【求ム】貞操逆転世界の婚活ヒトオスVTuber【清楚系】 作:外なる天使さん
『本日は【色欲戦隊パコレンジャー】キャラクターステージにご来場いただき、誠にありがとうございます。お客様にお願い申し上げます──携帯電話のアラーム、ローターのスイッチ等はあらかじめお切り下さい。また客席内での淫食、及び上演中のハメ撮りは固くお断り申しあげます。皆さまのご理解、ご協力をお願いいたします。……まもなく開演となります、どうぞお席についてお待ちください』
諸注意を含んだ案内アナウンスから数分後。客席側の照明が段階的に落ち、やがてブザーの音と共にゆっくりと舞台の幕が上がった。
『良い子のみんな~、こんにちは~!』
司会の衣装に身を包んだ蜜水が年齢ギリギリを攻めたツインテール姿でステージに現れ、おっぱいを揺らしながら躍動感たっぷりに両手を振る。
彼女は大きな身振りで客席──特にこちら側を値踏みするように睥睨して、
『わぁ~! 美味しそうなお友達がこんなに沢山! ……でもちょっと元気が足りないかな? まずは大きな声で、お姉さんと一緒にご挨拶をしてみましょう! さんはいっ、こーんにーちは~!!』
定番のやり取りにキッズたちが力いっぱい声を張る。とはいえ付近の男子衆の反応は芳しくない。茶番はいいからさっさとショー本編に入れと言いたげな雰囲気だ。
流石にその辺りは折り込み済みなのか、全校集会の校長先生と違って挨拶を引っ張るようなこともなく。蜜水はテンポよく司会を回していく。
『ところで……皆は今日、パコレンジャーに会いに来てくれたんだよね? よーし、それじゃあ今からお姉さんと一緒に呼んでみよう! せーのっ、パコレンジャー!!』
平和な世には決して存在してはならない戦隊チームの名前が会場内に木霊する。今度は少年たちも一緒だ。パコレンジャーはその名の如く、力と引き換えにパコれない宿命を背負わされた悲劇もとい非モテの戦士たちなので、男子からの信頼も厚いのである。
しかし……どうしたことだろう? 特に舞台に動きはない様子。やはり救い主はベガスで休暇中であったか。
何度呼び掛けても全く現れる気配のない変身ヒロインに、あちこちから困惑の声が上がる。壇上の蜜水も右往左往とこころなしか忙しない。
『あれあれ~? パコレンジャー、どこに行っちゃったのかなぁ? ……それはね、この私が始末してやったからだーっ!』
……おっと、何やら風向きが変わったぞ?
効果音に合わせてステージ側の照明が落ち、数秒の暗転後──再びライトアップされた蜜水は、ダークなBGMを背負う悪の組織のエロ怪人へと変貌していた! どうやら下に仕込んでいたらしい。
『そう──私の正体は強欲怪人レッグホールド! この会場は我々、
な、なんということでしょう! 恐ろしいことに、司会のお姉さんは実は悪いお姉さんと入れ替わっていたのです! ……男性席を見て"美味しそう"とか言ってたの、あれ伏線かよ。平常運転過ぎて逆に気付けねーわあんなの。
『ふっふっふ……本来ならこの場にいる全ての男性をお持ち帰りするところだけれど、私は寛大だ。ひとり──この中でひとりだけ、我々の仲間になってくれるというのであれば他は見逃してあげましょう。さあ行きなさい、下っ端勧誘員たち!』
『オ゛ーッ♡』
「あ、戦闘員ではないんだ……」
応答の"応"、あるいはえいえいおーの"おー"。そこに濁点を添えるだけでこれほどまでに言葉が汚れてしまう有り様は、いっそ芸術的ですらある。
『ちなみに組織の主な活動内容は、各種スポーツにゲーム大会、そして飲み会と合宿よ!』
……それはもう単なるサークルの勧誘なのでは? いやでも、絶妙にヤリサーっぽい雰囲気を感じるし、スケールはさておき悪の組織っぽさは中々の物かもしれない。
ともあれ肩書きの数倍くらい慎ましやかな要求を掲げる強欲怪人の命令に、下っ端スーツを纏った黒ずくめの集団がVIP席へと雪崩込む。マスクで顔を隠しながらも、しっかりと胸の谷間を露出する衣装には一種の美意識を感じる程だ。
「よ、ヨーキャンパスだああああ!?」
「何やってるパコレンジャー! ぼくだけでいいから早く助けろ!」
オスガキ共、大慌てで草。いや草ではないが……そもそもの話、協力的な男子をアドリブで募るなどという運任せの舞台など、とてもじゃないが現実的ではない。こういうのはあらかじめ用意した人質役──つまりサクラが仕込まれていると相場が決まっている。
その証拠に、ひとしきり脅かすように席を一周した下っ端連中の動きが、特定の少年を連れて行こうとする物へと変わった──のだが、
「びええええええん! 怖いよおおおおおお!!」
「ど、どうしたのたかしちゃん!? 舞台に上がって他の子よりも目立ちたい、ってママにエキストラの申し込みをするように言ったのはたかしちゃんなのに……」
「そ゛ん゛な゛の゛し゛ら゛な゛い゛も゛お゛お゛お゛お゛ん゛──!!」
人質役、まさかの登壇拒否。泣き喚くその子を抱き上げ、申し訳無さそうにぺこぺこと頭を下げながらママさんは退場してしまう。
……さもありなん。下っ端怪人といえど彼女たちも一廉の役者、言わずもがな高身長デカパイの恵体フィジカル強者だ。そこにボディラインが浮き彫りになるシンプルな下っ端スーツの組み合わせ──これを前世で例えると、筋肉モリモリマッチョマンの変態が集団で幼い少女を取り囲むようなものである。そりゃあ怖いわ。
しかし困ったのは梯子を外されてしまったヨーキャンパスの面々だ。不測の事態に慌てふためく彼女たちのくぐもった声が耳へと届く。
『どっどどどどどうしよう!? 打ち合わせの時は大丈夫って言ってたのに、こんなことになるなんて……!』
『お、落ち着きなさい! こうなったら別の男の子にお願いするしか……』
『けどさっきみたいに泣かれたら……』
『ならいっそ、下に行って女の子を連れて行くのは──』
『それだと男性しか助けないっていう、パコレンジャーの原作イメージに解釈違いが起きる恐れが……』
聞けば聞くほど碌でもない連中だなぁ、パコレンジャー。逆に興味が湧いてきちゃったぞ。
「わあ──!? こっちに向かって来た……助けてにーちゃん!」
「こっここ、これ以上僕たちに近付くと、姉様に言いつけますよ! いいんですか!?」
『だ、大丈夫……ちゃんと優しくするから! さきっぽだけだから……!』
一か八か、ワンチャンに賭けたヨーキャンパスの魔の手が琥珀君と海王君へと迫る。一方で、役者さんの事情を察しているのか燕君は非常に落ち着いた様子で──、
「……スゥ──」
あ、違うわこれ。全てを諦めた俎上の鯉みたいな表情になってるわ。あっちのふたりもビビり過ぎだが、こっちはこっちで諦観までの判断があまりにも早過ぎである。
『ほらほら、どうしたのかしら~? ひとり犠牲にすれば皆は助かるの。だったら選択の余地はないと思わない? 勇気のある男の子がいないというのであれば、私が勝手に選んじゃうわよ~?』
インカムか何かで状況を把握したのだろう。蜜水がデスゲーム運営みたいな台詞で子供たちを脅かしつつ、必死に尺を引き伸ばす。傍目には上手く取り繕っているように見えるが、実際は舞台に立つ彼女も冷や汗が止まらない状況だろう。
「お、お兄様……」
出来たばかりの偽妹の窮地に、結ちゃんが心配そうな声で俺の上着の裾を握る。……義(妹)を見てせざるは勇無きなり、か。やむなしっ!
「待て! 俺が身代わりになる……だからその子たちには手を出すな!」
そういうことになった。
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舞台袖で蜜水と情報共有を行っている。
壇上ではパコレンジャーと別の怪人が戦闘の真っ最中。始末したと言ったな? あれは嘘だ。卑劣な罠に嵌ったものの戦隊は健在で、この会場を目指して今も追手と戦っているという設定なのだ。
「うぅ……差し入れまでして貰ったのにこんなことになっちゃって、ホントにごめんね……」
「エキストラの件は不幸な事故だとして……お前ただの司会って言ってなかった?」
「その筈だったんだけどね……。実は、本来のレッグホールド役の子が午前の公演で足コキしたのをずっと我慢してたみたいで、発覚したのがお昼休憩の終わり頃だったの」
「紛らわしいから捻挫って言いなさい」
「それで急いで代役を立てなきゃって話になったんだけど、あれよあれよいう間にこんなことに……。そりゃあおねーさんは司会だから全員の台詞を暗記してるし、アクションシーンの経験も他の子よりはあるけれども……!」
「お前のハイスペって実は呪いの一種だったりするの?」
祝福と代償っていうか、勇者には試練を的な……。しかしなるほど、代役だから怪人になってもオギャってないのか。
「まあこうなった以上は出来る限りは協力するけど、具体的に俺がやることって何かあるの?」
「ん? 今何でもするって……」
「じゃ、お疲れっしたー」
「あ゛あ゛あ゛あ゛待って待って冗談だから! だ、大丈夫! この役で重要なのは男の子のご機嫌だから、おにいちゃんはこっちのリードに任せてくれれば最初は強く腰をぶつけて後は流れで……!」
その流れってやつがこの世界では一番の不安要素なんだよなぁ……。とはいえどっちにしろ、出たとこ勝負なのは変わらんか。結ちゃんの見ている前で格好悪い姿を見せるワケにもいかないし、相手が蜜水なだけまだマシと思うべきか。全く、配信外なのにとんだ地獄コラボもあったもんである。
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さて、激闘を制したパコレンジャーであったが、その安否は不明のまま。シーンは蜜水こと怪人レッグホールドへと戻る。彼女の腕には、文字通り手中に落ちた被害者一般男性こと俺くんの姿が。
「ああっ……そんな、ズルい!」
「急いでパコレンジャー!」
オラオラ系が異性を連れ回すが如きその姿に、客席から悲鳴が上がる。何なら部下である筈の下っ端からもブーイングの嵐である。
そんな雑音は意にも介さず、蜜水は容赦のない悪役としての芝居に邁進する。
『あーはっはっは、どれだけ叫ぼうとも無駄無駄無駄ぁ〜! 所詮パコレンジャーなんて、助けを求める男性の声にしか反応出来ない陰キャの集まりでしかないのよ!』
とんだポンコツ戦隊じゃねーか。ひょっとして今期の特撮って、陰キャと陽キャのしょーもない対立がテーマだったりするんです?
『つ・ま・り~……男が声を出せない状態なら、奴らはこの場に駆けつけることは不可能! 例えばこんな風に──ほーら、ぎゅ~っ♡』
言うや否や、蜜水が俺の頭を抱き寄せロケット型の長乳にむぎゅっと埋めた。更にはスラリとした長い脚が持ち上げられ、こちらの腰へと絡みつく。
「むぐぐ……おまっ、絶対こんなの台本に書いてないだろ!?」
「えへへ……ピンチになったら真っ先に助けに来てくれるなんて、やっぱり君はおねーさんの運命のおにいちゃんなんだぁ……♡」
駄目だまるで聞いちゃいねえ。
つーかぶっちゃけ字面で予想はしてたけど、レッグホールドってやっぱりだいしゅきホールドが怪人化した姿かよ!
くっ……だが今のアラヤくんはあくまで戦隊と怪人を引き立てるための非力なモブキャラ。おっぱい……ではなく、怪人には逆らえない立場なので! 事前の取り決めに従い流れに身を任せて無抵抗を決め込んでいると──会場に渦巻く嫉妬の念を、鋭い声が貫いた。
『待てーい!!』
『……むっ、なにやつ!?』
スタイリッシュなパフォーマンスを披露しながら名乗りを上げるは、色とりどりの──否、実質一色と評判の正義の味方。
『とうっ──パコピンク参上!』
『フッ……パコローズピンク、ここに推参』
『ぱ、パコーラルピンクですぅ……!』
『……パコタフィーピンク。よろしく』
『そして私がパコサーモンピンクだよ~』
五人揃って──、
『そこまでだ! 強欲怪人レッグホールド! 男性は皆で分かち合うべき大事な珍宝──独り占めなんて許さないぞ!!』
『おのれ~……生きていたかパコレンジャー! ここで会ったが百アク
……どうしよう。この世界の価値観で言えば、ヨーキャンパスの思想は人類を滅ぼしかねない巨悪そのもの。でも話を聞いている内に、なんだか戦隊の方が敵な気がしてきちゃったぞ……?
▼
下っ端勧誘員を相手に無双するものの、道中の戦いによる消耗は思いの外大きく。万全の怪人を相手に苦戦を強いられ、絶体絶命の窮地に陥るパコレンジャー。
間近で繰り広げられる見応え抜群のアクションシーンに役得を感じつつ。自分の役割を思い出した俺は、若干嫌々ながらも戦隊に向け声援を送る。
『パコレンジャー、頑張れ~!』
『──はうっ♡ し、下着が濡れて力が出ないッ……!?』
しまった、逆効果だったか。
……しかし善戦からのピンチは戦隊モノのお約束とはいえ、コスパ悪いなぁこの紐パンマン。いや、女性だからウーマンかパンナが妥当なのだろうけども。語呂がね。
『ついにパコレンジャー敗れたり~! そうそう、お前たちはそうやって地べたに這いつくばって、無様にヘコヘコ腰を振っているのがお似合いよ!』
「それは本当に無様なやつなんよ」
そういうのが好きそうな奴が知り合いにいるけども。
ともあれ勝利を確信した蜜水扮する怪人レッグホールド。彼女はトドメも刺さずに今夜の飲み会と、ホテルの個室を予約し始めた。
スポットライトがリーダーの戦隊ピンクに向けられる。
『……チャンスだ、奴は油断しているぞ! ──会場の皆! レッグホールドを倒してあの男性を助けるために、皆のヤリモクエナジーを私たちに分けてくれ!!』
説明しよう! パコレンジャーはヤりたい、でもヤれない……そんなムラムラとした性なる感情──通称ヤリモクエナジーを集めることで、必殺技を使えるようになるのだ!
『さあ、私たちと一緒に心の底から叫ぶんだ!』
せーのっ、
『ヤらせろ──!!』
うん、やっぱりこいつら敵だな……?
会場全体を巻き込んだパフォーマンスに、今日一番の大盛り上がりを見せるキッズたち。げんなりしながら客席に目を向けると──最前列に見覚えのある顔をいくつか発見。
私服に着替えた媛乃さん。やたらとキャラが濃かった元迷子の洋ロリ。テンションアゲアゲの親切なギャルズ──の隣でジトッしたブルーアイズの半眼をこちらに向ける、雪のような白い肌とミディアムボブの銀髪を持つ北欧系の顔立ちをしたどえらい美人。
「ヤらせろー」
…………。
……。
な ん か 居 る 。
珍宝って言葉、実は下ネタじゃないんですよ。
ちんこすう(マシュマロ)
オナホや電マのようにご自由にお使い下さい。
また作中のネタとして取り上げることがあるのでご了承下さい。
作者シコッタ-RX
更新アクメ通知bot。最近しゃぶ……喋ることを覚えました。
カクヨム版
特殊タグがないので差別化のためやや早漏です。