IS ーバトライド・クロニクル   作:帰灰燼

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最初の数話を統合するか迷い中……


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やっぱ文字数が少ないと感じたので統合しました


第十話 二刀の武将/槍の騎士/流水の守護者

 

 

 

 

≪ソイヤッ!!≫

 

≪オレンジアームズ!!≫

 

 

「うわっ!? お、オレンジって……俺!?」

 

 

ロックシードを「斬った」瞬間、頭上のオレンジが倭に落下、頭部を覆ってしまう。

 

 

「や、倭さん!?」

 

「あ、ああああんた何やったのよ!?」

 

「わ、わたくしもまさかこんな事にーーきゃっ!!?」

 

 

驚く間も無く、オレンジから放たれた波動がセシリアを弾き飛ばし、倭の身体を衣服の形で包む。

 

そして。

 

 

≪花道・オンステージ!!≫

 

 

オレンジ自体の継ぎ目から光が走ると、それに沿って皮を剥くかの如く展開し、上半身を覆う。

 

そしてーー此処に、新たな「戦士」が誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

濃紺に染まるインナーは金に輝く装丁に彩られ、

 

上体を覆う橙の装甲はさながら平安の胴丸を連想させ、

 

額には、弧を描く角飾りが三日月の如く光を放つ、

 

その姿は正にーー「武将」だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「え? え? ……えーーーーーーーーーーっ!!?」

 

 

様変わりした自らの姿に、思わず絶叫する倭。

 

だが、状況は倭を待ってはくれない。

 

 

「ガァッ!!」

 

 

様子を伺っていた怪物が、これを好機とばかりに襲い掛かってきた。

 

 

「うわっ!? ちょっ、いてっ、痛い痛い痛い!!」

 

「倭さん!! ……ああもう、倭さんから離れて下さいまし!!」

 

 

組みつかれ、爪と牙で攻められる倭。

 

セシリアもライフルを拾い怪物を狙うが、下手に撃てば倭まで撃ち抜いてしまう。

 

だが、次の瞬間。

 

 

「いてっ、って……いってえなーーーっ!!!」

 

 

倭が思い切り仰け反っただけで、怪物が投げ飛ばされたのだ。

 

 

「ーーはい? えっと、あの……だ、大丈夫ですの?」

 

「えーと……大丈夫、みてえだな……もしかして、行けちゃったりするのか?」

 

「グルル……ガォッ!!」

 

 

隙だらけの体勢を整えた怪物が背後から襲い掛かるが、

 

 

「今度は!!」

 

「やらせるかよ!!」

 

 

セシリアの狙撃で撃ち抜かれた所を、倭の手に握られた太刀が斬り裂き吹き飛ばす。

 

 

「ギャアッ!!?」

 

「きゃっ!? ちょっと、飛ばす方向も考えてよ!!」

 

「わ、悪い! って、逃げるなてめえ!!」

 

 

深琴の側を掠めるように転がった怪物を追い掛ける倭。

 

だが、怪物に続いてアリーナを飛び出した倭の目に飛び込んできたのは、校舎へと向かう道を埋め尽くす初級インベスの群れと、校舎までは近付けまいと迎撃する教師IS部隊との激戦だった。

 

 

「何でここまで増えてんだよ……って、危ねえ!!」

 

 

咄嗟に投げた太刀が新任らしき若い教師を押し倒した初級インベスを貫くが、代償として周囲のインベスに気付かれてしまう。

 

 

「てめえら、こっちくんなー!!」

 

 

左腰に差してあったメカニカルな刀を抜き、飛び掛かってきた初級インベスを両断する。

 

 

「おお、すげえ……よし、一か八か突っ切るぞ!! セシリア、深琴は任せた!!」

 

「任されましたわ! 深琴さん、わたくしに掴まって下さいませ!」

 

「わ、わかったわ!」

 

 

深琴を抱えて追従するセシリアを背に、インベスの群れを強行突破する倭。

 

群がる初級インベスを、斬り裂き、殴り飛ばし、蹴り倒し、校舎まで後一歩の所まで迫る。

 

だが、一匹の初級インベスが倭の足にしがみ付き、足が止まったところに大量のインベスが組み付いてくる。

 

 

「くそっ、離せこの野郎!!」

 

「このっ、離しなさい!!」

 

「セシリア、後ろから来てる!!」

 

「畜生……負けて、たまるかぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

≪ソイヤッ!!≫

 

≪オレンジ・スパーキング!!≫

 

 

必死にもがく倭の手が偶然、ロックシードを切り開いたブレードに三回連続で当たる。

 

その瞬間、今まで鎧として被さっていたオレンジが元の姿に戻り、高速回転を始めた。

 

 

「ぅえええ!!? ちょっ、今度は何だ何だ何だぁあああぁあ!!?」

 

 

凄まじい回転力に、倭自身も振り回されるが、インベス達も残らず振り離される。

 

更に、

 

 

「オルコットさん、上です!!」

 

 

セシリアがその言葉に反応し咄嗟に上昇した為宙吊りになった数匹のインベス達を、声の主ーー山田先生の精密な射撃が撃ち墜とした。

 

 

「三人共、此方に!!」

 

 

山田先生の援護を受け、辛うじて校舎へと転がり込む。

 

その背後から、先程の緑色の怪物が襲い掛かるが、

 

 

「ふっ!!」

 

「ギャンッ!!?」

 

 

織斑先生が容易く叩き落す。

 

 

「おお、ワザマエ!」

 

「これがカラテの極意ですのね!」

 

「剣術だ馬鹿者。 それと、誰がニンジャだ大馬鹿者が」

 

 

倭のボケに、先程倭が投げた太刀と共にツッコミを投げ返す織斑先生。

 

 

「で、オルコット以外の貴様等は誰だ」

 

「へ? え、えーっと……って、また逃げる気かよ!! すいません千冬さん、説明はまた後で!!」

 

 

またしても逃げ出した怪物を追って、校舎内に駆け込む倭。

 

 

「これ以上やらせるか!! おりゃあ!!」

 

 

手近の女生徒に襲い掛かる寸前だった怪物に組み付き、投げ倒す。

 

 

「此処で決着を付けてやる!!」.

 

「ガオォッ!!」

 

 

騒ぎを聞き付け集まってきた女生徒の見守る中、倭と怪物はぶつかり合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、学生寮へと続く道では、二人の女生徒が初級インベスの群れに囲まれていた。

 

 

「ふえ〜、いっぱいいるね〜」

 

「ほ、本音……」

 

「だいじょーぶだいじょーぶ、ほら怖くない怖くない〜」

 

 

何故か本音と呼ばれただぼだぼ袖の女生徒が初級インベスを手懐けているように見えるが、もう一人の青髪ショートの女生徒は気が気でない。

 

 

(どうしよう……こんな所、誰も通らない……<打鉄弐式>も、まだまともに動かせない……このままじゃ、本音も、私も……怖いよ……助けて…………)

 

 

 

 

 

「……助けて……お姉ちゃん……」

 

 

 

 

≪STRIKVENT≫

 

 

 

 

「……え?」

 

 

女生徒の耳に聞き慣れない音声が届いた、次の瞬間。

 

 

「きゃあぁぁぁ〜〜〜」

 

 

だぼだぼ袖の女生徒を巻き込み、激しい水流がインベスを次々と押し流していく。

 

そして。

 

 

≪FINALVENT≫

 

 

『シャギャァァァァァァァァァァ!!!』

 

 

インベスを呑み込んだ濁流を、鮫のような怪物が引き裂き爆散させた。

 

 

「……す……凄い……」

 

 

言葉も出ない女生徒の前に、ずぶ濡れになっただぼだぼ袖女生徒を抱えた何者かーー黒地に水色のラインが走るインナーを碧い装甲で覆った仮面の戦士が歩み寄ってくる。

 

 

「……本音……!」

 

『気絶しているだけ。 心配は無い』

 

 

不自然なマシンボイスでそれだけ言い残すと、本音と呼ばれた女生徒を託し去っていく。

 

 

「ま、待って……! あの……あ、ありがとう!」

 

『……貴女が無事なら、それでいい』

 

 

そう返し、今度こそ戦士は去って行った。

 

 

「……あの人が……仮面、ライダー……?」

 

 

女生徒の心に、鮮烈な印象を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、倭は苦戦していた。

 

 

「インベスが進化するなんて聞いてねえぞ!! ぐあっ!!」

 

 

緑色の怪物の攻撃を防御した瞬間、横手から「鹿に似た青い怪物」に殴り飛ばされる。

 

この怪物、元は初級インベスだったのだが、迎撃に当たっていた教員が突出し過ぎてまとわりつかれ、止む無くISを放棄して脱出。

 

取り残されたISから初級インベスの一体がコアを抜き出しーー補食した。

 

すると、コアを補食した初級インベスがいきなり肥大化し、鹿のような姿へと変貌。

 

ISを失った教員を両腕の角で引き裂き重傷を負わせると、そのまま校舎内で戦う倭と緑色の怪物の間に割り込んできたのだ。

 

 

「邪魔すんな!! ……ってえ、固ったいんだよこいつ!!」

 

 

しかも、青い怪物の各部に生える角は強度も相当らしく、緑の怪物には通用した太刀が弾かれてしまう。

 

おまけに、校舎内には野次馬と化した生徒達がそこら中におり、駆け付けた増員の教員部隊も迂闊に銃を使えない。

 

その為、倭は一対二の不利な状況を強いられていた。

 

 

「調子に、乗るなぁ!!」

 

 

青い怪物の陰から飛び掛かってきた緑の怪物をカウンターで吹き飛ばすが、直後に青い怪物に殴り飛ばされ、壁際まで追い詰められてしまう。

 

そして、逃げ場の無い倭を鋭い角が貫くーー

 

 

 

 

≪カモン!!≫

 

≪バナナ・オーレ!!≫

 

 

 

 

ーー直前、怪物が逆に巨大なバナナのようなエネルギーに腹部を貫かれ、吹き飛ばされた。

 

 

「ブルルッ!!?」

 

「ば……バナナ?」

 

 

突然の援護に呆気に取られながら、バナナ型エネルギーが飛んできた方に目を向けるとーー

 

 

 

 

 

 

 

 

全身のインナーはメタリックレッドに輝き、

 

銀の装甲をエングレーブと金の装甲板が彩り、

 

バナナにも似た双角を戴くヘルメットからは、スリットの隙間から黄の眼光が覗く。

 

その姿は正にーー「騎士」だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あいつも、「仮面ライダー」なのか?」

 

 

無意識の呟きだったのだが、「騎士」の耳には届いたらしく、

 

 

「仮面ライダー? ……面白い、ならば俺は今よりこう名乗ろう。 俺の名はーーバロン」

 

 

 

 

「<仮面ライダー……バロン>だッ!!」

 

 

 

 

「仮面ライダー、バロン……」

 

「貴様は其処で見ていろ。 今から俺が本当の強さという物を見せてやる!」

 

 

言うや否や、青い怪物に挑みかかる騎士ーーバロン。

 

 

「って、そいつには攻撃が!!」

 

「黙って見ていろ! ハッ!!」

 

 

バロンの一撃に対し、青い怪物は両腕の角で受け止めようとするが、

 

 

「甘い!!」

 

 

武装のランスで殴り掛かる軌道から、瞬時に突きに切り替えた為、角の隙間をすり抜け首筋に突き刺さる。

 

 

「ブルオオオオオオオ!!?」

 

「防御が硬いなら、隙間を狙えばいい。 力と能力任せしか能が無い雑魚など、俺の敵では無い」

 

 

そのままバロンは青い怪物を追い詰めていく。

 

 

「凄え……って、またお前かよ!!」

 

 

バロンの戦いぶりに目を奪われていた倭だったが、またしても緑の怪物の奇襲を受ける。

 

 

「俺も負けてられっか!! いくぜぇぇぇぇぇ!!」

 

 

白式の要領で太刀と刀の柄を連結させると、そのまま振り回し強烈な斬撃を叩き込む。

 

 

「ギャアッ!!?」

 

「よし、行ける!!」

 

 

トドメを刺すべく駆け出した倭の脳裏に、聞き慣れた声が響く。

 

 

ーー気をつけてーー

 

ーー貴方は、運命を選ぼうとしているーー

 

 

「この声ーー深琴か!? 何で追ってきてんだ!! 何処だ深琴!!」

 

 

焦って周囲を見渡すと、怪物の背後の階段に深琴の姿があった。

 

だが、その姿は今までのパーカーから白いゆったりした装束へと大きく様変わりしていた。

 

 

ーー力で成せるのは“破壊”だけーー

 

ーーこの先に踏み込めば後戻りはできないーー

 

ーー世界を己の色に染め上げるまではーー

 

 

何時もの深琴とは余りにも異なる雰囲気と物言いに困惑する倭だが、視界の隅で怪物が立ち上がるのを目にし、迷いを振り払う。

 

 

「だからって、お前を見捨てるなんて出来る訳ねえだろ!!」

 

 

その言葉に、深琴は倭のバックルーーいや、ロックシードと刀を指差す。

 

見ると、刀にはバックルと同じようにロックシードをセット可能な窪みがある。

 

 

「えっと……こうか!」

 

≪Lock-off!≫

 

≪Lock-on!!≫

 

 

刀にロックシードをセットし深琴の方を見ると、いつの間にか深琴は居なくなっていた。

 

 

「ガァアアアアアアア!!」

 

 

怒りの咆哮を放つ怪物に対し、薙刀状に合体した刀を振りかぶる倭。

 

 

≪イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン……オレンジ・チャージ!!≫

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」

 

 

怪物が放った怪光線を、回転させた薙刀で弾き返す。

 

 

「せりゃあ!!

 

 

刀から放出された斬撃エネルギーが床を走り、怪物に命中、オレンジ型の球体エネルギーとなり動きを封じる。

 

 

「はああぁぁ……おおりゃああああああああ!!!」

 

 

薙刀を回転させ、太刀側の刃から放たれた斬撃がエネルギー球ごと怪物を両断する。

 

そして。

 

 

「ギャアアアアアアアアアアァァァァァァ……!!!」

 

 

断末魔の絶叫と共に、輪切りのオレンジのエフェクトを撒き散らしつつ怪物が爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所。

 

研究所の一室らしきその場所では、髪を後ろに束ねた白衣の青年と巻き毛が特徴の黒スーツの青年がモニターを凝視していた。

 

 

「<戦極ドライバー>一号機、起動確認……とうとう始まったね、僕達の夢の第一歩が」

 

「ああ、お前のお陰だ。 これでやっと、俺達「四人」の夢が叶う」

 

「僕は何もしてないさ。 頑張ったのは君とーー」

 

 

白衣の青年の手には、写真立てが握られている。

 

中に飾られている写真には、今より若い二人と、「抜き身の刀を思わせる女子中学生」、そして「メカニカルなウサミミを着けた女子中学生」が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーー可愛い後輩達さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっとここまでこぎ着けた……

今回の怪人の設定です


ビャッコインベス

硬質化した分厚い皮膚を持つ虎に似た緑色の中華風インべス。

右腕の爪が大きく発達しており、爪の一つ一つが鋭利な刃物のような切れ味を誇る。

酸化した銅鐸のような皮膚の下は筋肉の塊であり、高いパワー、そしてスピードを兼ね備えている。

また、全身から帯状の破壊光線を放つ。



シカインベス

頭部と背中に巨大な枝角を持つ青い和風タイプのインベス。

鋭い枝角は装甲を貫く武器であり、相手の攻撃を受け止める鎧の一種ともなり、複雑な形状をした角は受け止めた武器そのものを破壊してしまう強度を誇る。

手足には硬い蹄の様な外骨格があり、バネの様な全身の発達した筋力から繰り出される攻撃をさらに強化する。



次回は主役ライダー陣の設定を公開します

それではまた
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