IS ーバトライド・クロニクル   作:帰灰燼

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第二章 赤き龍は虚像に舞う
序章 新たなる命、受け継がれる決意


 

 

 

 

 

 

ーーかぎ!! 赤城!!ーー

 

 

 

 

……ああ、蓮か。 ……泣いてんのか?

 

 

 

 

ーー赤城! 気をしっかり持て!もうすぐ助けが来る! きっと助かる!

 

 

 

 

……なあ、蓮……俺、なんかわかった気がする

 

 

 

 

ーー何を言ってる! そんな……そんな、もう終わりみたいな事を言うな! お前は、この戦いをーー

 

 

 

 

……蓮……俺さ……昨日から……ずっと、考えてて……それでも、わかんなくて……でも、さっき思った……俺、やっぱり……ミラーワールドなんか閉じたい……戦いを、止めたいって……。

 

 

 

 

ーーああ……ああ……!

 

 

 

 

……きっと……すげー辛い思いしたり……させたりすると思うけど……それでも、止めたい……それが……正しいかどうかじゃなくて……それが、オレの……ライダーの一人として叶えたい「願い」なんだ……

 

 

 

 

ーーだったら、生きてその願いを叶えろ!! 死んだら……死んだら終わりなんだぞ!!

 

 

 

 

……だよなあ……蓮……お前はなるべく……生きろ……

 

 

 

 

ーーお前こそ生きろ!! 死ぬな……死ぬな、「真司」!!

 

 

 

 

……はは……始めて「名前」で呼んでくれたな……なんか……すっげー嬉しい……

 

 

 

 

ーー名前くらい、これから何度だって呼んでやる!! だから……真司? おい、真司!! 死ぬな、生きろ真司!! 真司!!

 

 

 

 

ーーお前に「死ぬな」なんて言われるなんてな……

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーちょっとーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーんじ! 真司! おい、大丈夫か!?」

 

 

 

 

「……んあ? ああ、倭か。 どした?」

 

「「どした?」じゃねえよ。 お前、さっきまで凄い顔でうなされてたんだぞ」

 

「うなされてた? 俺が?」

 

「ああ。 どんな夢だったか知らねえけど、物凄い顔だったぞ。 ほら」

 

「写メ撮ってんじゃねえよ……うわっ、こりゃ酷え」

 

「だろ? まあ、詳しくは聞かねえけどよ……悩みがあるんなら、遠慮無く言えよ。 仮にもクラスメイトなんだし」

 

「「仮」かよ。 ま、いざって時はお言葉に甘えさせて貰うさ」

 

「おお、いつでも来い。 んじゃ、俺は朝練あるから」

 

「朝練? お前、帰宅部だろ?」

 

「まあ、ちょっとな」

 

 

そう言って、倭は部屋を後にする。

 

 

「朝練ねえ……っと、俺も「朝練」しとくか」

 

 

だが、真司が向かった先は洗面所。

 

 

「ーー変身!」

 

 

その言葉と共に、洗面所から人の気配が消えーー

 

 

「ーーやっべ、洗面所に忘れ物ーーって、真司の奴もう飯食いに行ったのか?」

 

 

直後に倭が帰ってきた時には、真司の姿は何処にも見当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城 真司(あかぎ しんじ)

 

1998年生まれ、15歳。

 

ネットニュース配信会社「OREジャーナル」記者見習い。

 

社長兼編集長の大久保氏曰く「祭りの取材に行ったらいつの間にか御輿担いでるような性格」。

 

彼を簡潔に語るならば、こんな所だろうか。

 

だが、彼にはもう一つの姿がある。

 

その姿とはーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「橘君、クラス代表決定おめでと〜〜〜う!!」

 

『おめでと〜〜〜〜〜〜!!』

 

「めでたくねえ!! ちっともめでたくねえ!! 大体何で俺がクラス代表なんだよ!! 引き分けだったんだからセシリアでもいいだろ!?」

 

 

貸し切り状態の食堂にて、主賓となった倭の絶叫が響き渡る。

 

 

「仕方ないじゃーん、オルコットさんが辞退しちゃったんだからー」

 

「そうそう、仕方ない仕方ない」

 

「辞退? 何でだよセシリア?」

 

 

その問いに、セシリアは何故か頬を赤らめながら答える。

 

 

「確かに、わたくしは倭さんと引き分けましたわ。 しかし、あの時倭さんが仕切り直していなければ、負けていたのはわたくしでした。 それに、わたくしの初日の言動は代表候補生としてあまりにも自覚を欠く物。 故に、反省の意味を込めて辞退する事に致しました」

 

「反省ねえ……けど、皆は俺みたいな素人が代表で不安じゃねえのか?」

 

 

その問いに、口々に肯定の意見を述べるクラスメイト達。

 

 

「何言ってんの! 始めての機体で仮にも代表候補生と互角だったんだよ!? これで経験積んだら最強っしよ!」

 

「それに、橘君は強くなりたいんでしょ? だったら、クラス代表になれば色んな人と戦えるから、経験を積むにはうってつけだよ?」

 

「せっかくの男子生徒なんだから、有効活用したいしねー」

 

「……まあ、最後のはスルーしとくとして……そういう事ならまあ、やってみてもいいか」

 

 

その言葉を受け、クラスメイト達から歓声が上がる。

 

 

「及ばずながら、わたくしもサポート致しますわ。 一緒に頑張りましょう、倭さん」

 

「ああ、宜しく頼むぜ」

 

 

 

 

「はいはーい、仲が良い所悪いけど、ちょっといいかなー?」

 

 

 

 

その言葉に振り向くと、そこには長い黒髪の美少女が倭達に向かって手を振っていた。

 

 

「えーと……貴女は?」

 

「あ、私は二年の<黛 薫子(まゆずみ かおるこ)>。 宜しくね。 新聞部の副部長やってまーす。 で、この子が今年入ったーー」

 

「カメラマン担当の赤城 真司でーす。 よろしくー」

 

「ーーって真司!? 何やってんだよお前!?」

 

 

その問いに、真司は無駄に胸を張って答える。

 

 

「やっぱ将来ピュリッツァー賞を取る身としちゃさ、常日頃からの鍛錬は欠かせない訳よ。 で、黛副部長が以前俺が投稿してた写真を覚えててさ」

 

「写真?」

 

「ほら、これこれ」

 

 

そう言って薫子が取り出した雑誌には、宙を舞う子猫の写真が掲載されていた。

 

 

「って、ペット写真かよ」

 

「あら、結構馬鹿に出来ないわよ? これだけ躍動感のある一瞬を逃さずに撮れる子なんて中々いないのよ」

 

「ま、そんなこんなで副部長直々のスカウトを受けて、こんな若輩でよければって訳だ」

 

「で、本音は?」

 

「取材する側になれば取材から逃げられるかなーって」

 

「そおい」

 

 

とりあえず真司の顔面に雑誌を叩き付け、薫子の取材を受ける事に。

 

 

「ではでは橘君! クラス代表になった感想をどうぞ!」

 

「感想ねえ……まあ、セシリアも手伝ってくれるらしいので、やれる所までやるだけです」

 

「うーん、もっといいコメント無い? 「俺に触れるとヤケドするぜ」とか!」

 

「黛先輩、年誤魔化してません?」

 

「む、失礼だね君。 仕方ない、適当に捏造しとくか」

 

「織斑先生に報告しときますね」

 

「むう、強敵だね君は。 まあいいや、セシリアちゃんもコメントいいかな?」

 

「え、ええ。 こういった取材に答えるのも代表候補生の役目ですから。 では、何故わたくしがクラス代表では無く補佐に回ったかーー」

 

「ああ、長そうだから写真だけでいいや。 赤城君よろしくー」

 

「さ、最後まで聞きなさーー」

 

「はい、目線下さーい。 はい、チーズ」

 

「ーーって、乗せないで下さいまし!」

 

 

真司の構えるカメラに向かってバッチリカメラ目線を決め、直後に正気に戻り怒鳴るセシリア。

 

 

「じゃあ、適当に理由付けしとくね。 橘君に惚れたから、なんてどうかな?」

 

「なっ!!? な、ななな……」

 

 

不意に図星を突かれ、真っ赤になるセシリア。

 

 

「はいはい副部長、そっち方面で弄るのはやめやめ」

 

「えー、こんなにイイ反応してくれてるのに勿体無いよー」

 

「……そういえば、昨日の外部通話ログに副部長の名前でーー」

 

「さあ、聞く事も聞いたし最後に写真一枚いいかな!?」

 

 

この時、全員の脳裏に、

 

 

(何を掴んでるんだろう……というか、何やらかしたんだ黛先輩)

 

 

という疑問が浮かんだという。

 

その後、倭とセシリアのツーショット写真を撮る事になったのだが、

 

 

「ちょっと、何故皆さんまで入っていらっしゃるの!?」

 

 

写真担当だった真司以外の全員が乱入した上、薫子の

 

 

「これ、赤城君だけ仲間外れっぽくない?」

 

 

との一言で改めてクラスの集合写真として薫子が撮り直した事は余談である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「時間軸バラバラじゃねえかゴルァ!!」とお思いの読者の皆様もいるでしょうが、何せ作者が思いついたエピソードを辻褄が合うように並べてるので時系列通りにいかない事もあるのですよ
誠に申し訳ありません


次回はあの原作キャラが出ます

それではまた
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