IS ーバトライド・クロニクル   作:帰灰燼

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お待たせしました


やはりバトルは苦手……なんで仮面ライダー物を書こうと思ったかな


第二十三話 挑む理由

 

 

 

 

「逃がさない!」

 

 

準決勝・最終試合。

 

真司は、三組代表の正確な射撃の前に近付けずにいた。

 

 

「流石に、準決勝ともなると……っと!!」

 

 

相手の使用ISは、山田先生も使用していた量産型ISラファール・リヴァイブなのだが、三組代表はそれに射撃戦用パッケージ(追加兵装)を追加する事で火力を増強していた。

 

加えて、三組代表は一年生の中でもセシリアと並び屈指の射撃センスの持ち主と目されており、二丁のアサルトマシンガンのランダム射撃、そして時折混ぜてくるグレネードランチャーの砲撃により、真司は容易に近付けずにいた。

 

 

「このままじゃジリ貧か……けど!!」

 

 

右手側のアサルトマシンガンの弾切れを狙い、残ったマシンガンの弾幕を装甲で弾きながら一気に間合いを詰める。

 

だが、

 

 

「甘い!」

 

 

直線的な突撃故に読み易く、瞬時に量子変換で持ち替えたグレネードランチャーの迎撃をマトモに受け撃墜される。

 

 

「ぐっ!!」

 

「悪いけど、相手が専用機持ちだからってそう簡単に負けてられないのよね! こっちにも、意地があるのよ!」

 

 

地に墜ちた真司目掛け、リロードを終えたアサルトマシンガンの弾幕が降り注ぐ。

 

 

「危なっ!?」

 

 

元々装備されていた実体ブレードの代わりに篠ノ之博士が搭載した雪片影打で辛うじて弾丸を弾きつつ、再び回避軌道に入る真司。

 

 

「しょうがない、ここは切り札を切るか!」

 

 

左腕に搭載された三連ガトリングガンで牽制しつつ、斬り込む隙を伺う。

 

そして、三組代表の左手側のマシンガンが弾切れを起こしたタイミングを狙い、再度突撃を敢行する。

 

 

「だから、甘いのよ!!」

 

 

右手に残ったマシンガンで装甲を削りつつ、左手に換装した本命のグレネードランチャーが放たれる。

 

だが、

 

 

「ジャケット・アーマー、パージ!!」

 

 

音声認識を受け、最速のシステム発動により全身の重装甲が剥がれ落ちる。

 

グレネード弾はビルトビルガーから弾き飛ばされたそれにぶつかり、爆発。

 

真司の姿は、グレネード弾とジャケット・アーマーが起こした爆煙の中に消えた。

 

 

「な、何よこれ!?」

 

 

どうやら、ジャケット・アーマー内部にレーダー阻害物質が混入されていたらしく、ISのセンサーを以てしても真司の姿を捉える事が出来ない。

 

しかも、煙幕はかなり広範囲に広がっている為、何処に潜んでいるか検討もつかない。

 

 

「いいわ……来るなら来なさい……何度だって叩き落としてやるんだから……!」

 

 

グレネードランチャーを右手に持ち替え、油断無く煙幕を伺う三組代表。

 

やがて、煙幕が視覚を遮る限界まで薄れるーーその刹那。

 

 

「ーーっあ!!?」

 

 

絶対防御が発動するレベルの斬撃が、三組代表を襲う。

 

 

(な、何今の!? 彼の機体、ここまで速かった!? それに、あの細い剣の一撃がこんなに重い筈ーー)

 

 

混乱する三組代表の視界に、彼女の乗機から送られてきた機体情報が飛び込んでくる。

 

 

(バックパックが、変形ーー!?)

 

 

ジャケット・アーマーに覆われていたバックパックーーその内部に収納されていた、一対の可変式ウイング。

 

それこそが、ジャケット・アーマーを排除して身軽になったビルトビルガーに爆発的な加速を与え、三組代表が知覚出来ない速度での切り込みを可能にした要因だった。

 

 

(それ自体が推進効果を持つ力場を形成する翼……まさか、今の一撃もこの翼で!?)

 

 

翼による当て逃げ。

 

力場により強度、斬れ味共に強化されたウイングは、IS用近接ブレードすら上回る威力を発揮していた。

 

 

「ーー捕まえた!!」

 

(っ、しまっーー)

 

 

そう、一撃を受けた当人が、衝撃の余り一瞬状況確認に集中してしまう程に。

 

それは、致命的な隙を生みーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「スタッグビートル……クラッシャァァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー自らを、アリーナへと葬る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

試合後、ピット内。

 

 

「あーあ、勝てると思ったんだけどなー」

 

「いや、かなりギリギリだったぜ。 こいつじゃ無かったら負けてたって」

 

「そう言ってくれると嬉しいな。 けど、決勝戦大丈夫?」

 

「ああ、ジャケット・アーマーには予備があるし、まだ切り札も全部切ってねえしな。 見てろって、あんたの分までキッチリ優勝してやっから」

 

「期待してるよ。 ……あ、そういえばまだ自己紹介して無かったよね?」

 

「いや、試合の時にアナウンスしてたし」

 

「気分の問題よ。 じゃあ、改めてーー〈鷹月 静寂(たかつき しずね)〉よ。 よろしく」

 

「赤城 真司だ。 こっちこそよろしくな」

 

 

笑顔で握手を交わす二人。

 

その光景を、ビルトビルガーの修復作業の片手間に見詰める二人の人影があった。

 

 

「いやー、青春だねー」

 

「貴女にまともな青春なんてあったの?」

 

「む、失礼だねマリオン博士。 束さんにだって対等な友達くらいいたんだよ?」

 

「どうせ織斑さん一人でしょ?」

 

「他にもいたもん! ひかるんとか、あっきーとか!」

 

「はいはい、悪かったわよ。 そこまでムキにならなくてもいいでしょうに」

 

 

苦笑しつつ束をあしらう女性。

 

その胸に取り付けられたネームプレートには、〈マリオン・ラドム〉と記されていた。

 

 

「あ、博士。 こいつの調子どうですか?」

 

「問題無いわ。 ジャケットパージとビクティム・ビークは十分想定された運用法だし」

 

「ビクティム・ビーク?」

 

「あの羽根ラリアートの事だよ」

 

「ああ、あれか……」

 

「けど、ジャケットパージを見られたのは痛いね。 多分、あのツインテールにも警戒されるよ」

 

「確かにな……ジャケット脱いだ状態で鈴の「あれ」を食らったらひとたまりも無いだろうし」

 

「まあ、なるようにしかならないわよ。 決勝戦までまだ時間はあるし、ここは私達に任せて外の空気でも吸っていらっしゃいな」

 

「ですね……そうします」

 

 

ラドム博士の提案に頷き、ピットを後にする真司。

 

 

「……と言っても、倭の見舞いに行くには時間が足りないか……ん? あれは……更識さんか?」

 

 

ふと休憩所を見ると、自販機の下を覗き込む簪の姿があった。

 

 

「よお、何してんだ更識さん?」

 

 

その問いに、不機嫌そうな視線を向ける簪。

 

 

「……名字で呼ばれるのは、嫌い。 簪で、いい」

 

「んじゃ、簪さんで。 で、何してんだ?」

 

「電子マネーカードを落とした。隙間が狭くて、手が入らない」

 

「ふーん。 よし、ちょっと待ってろ」

 

 

そう言うと、左手に手を添えてビルトビルガーを呼び出ーーそうとしたが、待機形態である腕時計は巻かれていない。

 

 

「あー、そういや修理中だったか。 ふう……よい、しょっ……と!!」

 

 

仕方ないので自力で自販機を持ち上げようとするが、びくともしない。

 

それもその筈、IS学園内の自販機全ては地震対策として床にボルトで固定されているのだ。

 

 

「そ、そういう事は早く言ってくれよ……」

 

 

簪からそれを説明され、無駄な努力に思わず脱力する真司。

 

 

「一生懸命だったから……邪魔するのも悪いと思って」

 

 

そう言って、止むを得ず小銭入れから数百円出して購入したスポーツドリンクを真司に差し出す簪。

 

 

「さ、サンキュ……仕方ない、後で職員室で定規借りて掻き出すか」

 

 

とりあえず、近場のベンチに腰掛ける真司。

 

簪も、少しだけ離れた場所に座る。

 

 

「……赤城君は、何故戦うの?」

 

「へ? ……ああ、クラス代表戦の事か」

 

「うん。 本当なら、大神君が出る筈だった……そう、大神君から聞いた。 ……理由でもあるの?」

 

「理由、ねえ……」

 

 

手元のスポーツドリンクを飲み下し、何となしに呟く。

 

 

「もしかして……橘君が、関係してる?」

 

「へ? 何でそう思うんだ?」

 

「鈴から少し聞いた。 橘君と、喧嘩してるって」

 

「喧嘩って……まあ、理由がくだらないって意味じゃそう変わらないか」

 

 

思わず苦笑する真司。

 

 

「……勝てると、思う?」

 

「あー……まあ、正直難しいとは思ってる」

 

「じゃあ、何故勝負しようと思ったの?」

 

「何で、って……なんつーか、ほっとけないっつーか……」

 

 

上手く言えない様子の真司に、ふと思い付いた答えを述べてみる。

 

 

「……友達、だから?」

 

「……だろうな。 それ以外思いつかねえし、鈴の方は小学生からの腐れ縁だしな。 やっぱ、あのままにしちゃおけないだろ」

 

 

その時、アリーナの方角から決勝の準備が完了した旨を伝えるアナウンスが流れてきた。

 

 

「っと、そろそろ出番か。 じゃあな、簪さん」

 

「うん……」

 

 

簪に別れを告げ、アリーナへと向かう真司。

 

その背中に、簪の声が掛かる。

 

 

「赤城君は、橘君の事を、どう思ってるの?」

 

「?」

 

「えっと……だから、鈴の好きだった男の子が……その……」

 

 

流石にはっきり言うのは憚られる様子の簪。

 

だが、真司には何が言いたいか理解出来たらしく、きっぱりと返す。

 

 

「ありえねえな。 見てれば分かるだろ、あんな単純馬鹿」

 

 

その言葉に、簪も苦笑しつつ返す。

 

 

「鈴も、同じ事を言ってた。 けど……本当の事を話してくれるまで、絶対許さないとも言ってた。 だから……鈴の事、お願い」

 

「ああ、任せろ」

 

 

その言葉を最後に、改めてアリーナへと向かう。

 

 

「絶対許さない、か……やっぱ、負けられないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「水依?」

 

「あ……」

 

 

とある豪邸。

 

そのエントランスにて、水依は黒いスーツの青年と鉢合わせしていた。

 

 

「帰っていたのか。 珍しいな」

 

「うん……」

 

 

言葉少なにその場を去ろうとする水依。

 

と、すれ違い様にその肩を掴まれる。

 

 

「水依。 私に何か言う事は無いか?」

 

「な、何も無いよ?」

 

「本当か?」

 

「う、うん……私、用があるから」

 

 

そう言って、青年の手を振り払う水依。

 

と、その背中に青年の声が掛けられる。

 

 

「ダンス仲間の見舞いか?」

 

「っ……!」

 

「私が知らないとでも思っていたのか?」

 

「…………」

 

「別に咎めるつもりは無い。 咎めるような事でも無いしな。 だが、所詮奴等とお前では住む世界が違う。 それを忘れるな」

 

 

その言葉に言い返す事無く、水依は駆け去って行った。

 

 

「水依……お前のような、自らの望みを他人に依存するような人間には、アーマードライダーは荷が重い。 いっそ、今の内に脱落した方がお前の為だ」

 

 

そう呟く青年の手には、戦極ドライバーとメロンを象った錠前が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ドライブいいですよね
ちょっとコラボ物書こうかな




因みに、鷹月さんは原作だと一組ですが、話の都合上別クラスにしました
後、地味に射撃の腕を上げてます




次回は決勝戦です

それではまた
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