俺の名はゲラート・グリンデルバルド   作:色々残念

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書いてみたらまだまだ続けられそうなので続きました
更に続くかもしれません


転生グリンデルバルドは道を示す

セブルスやリリー・エバンズが5年生になり、レギュラスやバーティが4年生になった頃、ギルデロイ・ロックハートという新入生が組分け帽子の長考の末にレイブンクローに組分けされた。

 

レイブンクローの新入生達についての印象を他の教師に聞いてみると、その中でギルデロイ・ロックハートは中の上よりは上という成績で、特に目立ったところはない生徒であるようだ。

 

新入生のギルデロイ・ロックハートは目立ちたがり屋ではあるが、目立てる程優れたところがある訳ではないらしい。

 

ホグワーツで唯一ファンクラブがある教師である俺に、相談しにきたギルデロイ・ロックハートは、人気者になる為にはどうすればいいんでしょうか、と言ってきた。

 

他人の功績を奪って、それを本にして出版したとしても、全く面白くなければ売れない筈だ。

 

ギルデロイ・ロックハートには面白い本を書ける文才というものがある筈だが、今の本人はそれに気付いていないらしい。

 

俺からの薦めで試しにホグワーツの校内新聞で文章を書いてみることになったギルデロイ・ロックハート。

 

話のネタとして俺が出会った魔法生物に関する話をギルデロイ・ロックハートに提供してみると、それを面白い文章にしていたギルデロイ・ロックハートには間違いなく文才がある。

 

ギルデロイ・ロックハートの面白い文章を目当てにホグワーツの校内新聞を読む者達が増えていき、人気者となることができたギルデロイ・ロックハートは俺に感謝をした。

 

僕は将来ジャーナリストになって色々な人に取材をして文章を書いていきます、と言っていたギルデロイ・ロックハートは、自分が進むべき道を見つけることができたらしい。

 

まあ、他人の功績を奪って自分のものにする詐欺師になるよりかは健全だ。

 

完全に悩みが解決されたギルデロイ・ロックハートは生き生きとしていて、ホグワーツで楽しく過ごしている。

 

そんなギルデロイ・ロックハートがホグワーツの校内新聞に、どんな悩みでもグリンデルバルド先生なら解決できる筈、と書いたからかもしれないが、俺に相談しにくる生徒達が凄まじく増えた。

 

些細な悩みから将来に関する悩みなどを相談されて、それを解決していく内に、困った時はグリンデルバルド先生に相談すれば解決する、という情報がホグワーツの生徒達に流れていたようだ。

 

連日俺の部屋の前には生徒達が並んでおり、長蛇の列となっているが、ホグワーツの生徒達は大なり小なり悩みを抱えているらしい。

 

生徒の悩みを解決するのも教師の務めではあるが、休む時間が全くないと普通の教師なら倒れていてもおかしくはないだろう。

 

しかし日本の人魚である八尾の肉で色々と頑丈になったこの身体なら問題はなく、睡眠時間が削られるようなことがないので肉体的には好調のままだ。

 

それからも様々な生徒の悩みを聞いていき、解決する日々を過ごしていると、同僚である教師達からちゃんと休んでいるのか心配されることになった。

 

体力的には問題ないので大丈夫だと伝えても、休みなさいゲラートと言ってくる教師陣。

 

ゲラートに倒れられたらホグワーツが間違いなくとんでもないことになります、と断言する教師に頷いた他の教師達。

 

校長であるアルバス直々に休むように言われて、授業以外で生徒達と接することがなくなる。

 

生徒達にはアルバスから、俺の部屋に行くことが、しばらく禁止となることを伝えたようだ。

 

それから数日間、授業が終わってからは部屋でのんびりとすることが増えていたが、暇なので魔道具を制作していると部屋がノックされた。

 

魔道具の制作を中断して扉を開くと、アルバスが立っていたので部屋に招き入れて椅子と机に紅茶と茶菓子を杖なし魔法で用意する。

 

何の用かとアルバスに聞いてみると、俺に相談したいという生徒達からの要望が多く、ホグワーツとしても無視できないようになっていたようだ。

 

という訳で相談室を開くことになったようで、そこで俺は1日で10人までの悩みを聞くことになるらしい。

 

人数を限定することで俺への負担を軽減しようと思ったようだが、1日10人というのもそれなりの数だ。

 

これでもかなり減らしたらしく、最初は1日で50人と凄まじい数だったようである。

 

流石にそれは無理だと却下されたようだが、却下されて良かったと俺も思う。

 

魔法生物飼育学の授業を終わらせてから、用意された相談室に向かうと生徒達が既に待っていた。

 

1番先頭に並んでいた生徒と一緒に相談室に入り、対面で椅子に座ると、生徒からの相談が始まっていく。

 

将来何をやればいいかわからないという、7年生のハッフルパフの生徒からの相談。

 

来年度にはホグワーツを卒業することになっている7年生のハッフルパフの生徒が抱く悩みは将来についての悩みだった。

 

この7年生のハッフルパフの生徒は、薬草学と魔法薬学で優秀な成績を残していた筈だ。

 

その点について聞いてみると、薬草学と魔法薬学は好きな科目だったから頑張れたらしい。

 

好きなことを仕事にしてみるのはどうか、と提案してみると、そんな風に将来を決めても良いんでしょうか、と不安そうなハッフルパフの生徒。

 

「俺は人の将来は出会いで決まるものだと考えている。例えばそれは学ぶものとしての出会いであったり、他の人との出会いであったりもするだろう。俺もアルバスとの出会いがあって今、魔法生物飼育学の教師をしているからな」

 

そう言っている俺の話を真剣に聞いている生徒に応える為に、更に話を続けていった。

 

「きみは薬草学と魔法薬学と出会って、好きになった。それもまた将来を決める出会いの1つだ。基本的に魔法族は、好きなことを仕事にしていることが多い。だからきみが好きなことを仕事にしても構わないんだ」

 

続けて言った俺の言葉を聞いているハッフルパフの生徒は、自分の好きなことを仕事にする、と呟いている。

 

「薬草学と魔法薬学が好きなことだから頑張れたなら、その2つがきみにとっては大切だったんだろう。やりたいことが決まっていないなら、好きなことをやってみるのも悪くない」

 

悩めるハッフルパフの7年生に伝えたいことを、はっきり言葉にして伝えていく。

 

「将来何をやればいいかがわからないなら、嫌なことをやるよりかは、好きなことをやった方が頑張れるだろう。これからどんな道を選ぶか決めるのはきみだが、きみがどうしたいと思ったか聞かせてくれないか?」

 

そう聞いてみると、僕は薬草学を活かせる仕事をやってみたいと思いました、と答えたハッフルパフの7年生。

 

「それでは俺の知り合いで良ければ薬草学を活かせる就職先を紹介しよう。同じホグワーツの卒業生も何人か務めているようだが、居心地がとても良い職場らしい。ハッフルパフの卒業生が多いようだから、きみなら直ぐにでも馴染める筈だ」

 

ホグワーツの卒業生が務める薬草学関係の仕事場について詳細を教えておくと、ありがとうございますグリンデルバルド先生とハッフルパフの7年生は頭を下げる。

 

悩みが晴れてすっきりした顔になったハッフルパフの7年生は笑顔で相談室から出ていった。

 

それから次の生徒が相談室に入ってきて、俺に相談をしていく。俺が悩みを解決していくと笑顔で去っていく生徒達。

 

今日決められていた10人の相談を終えることができたが、全員それぞれ違う悩みを抱いていた。生徒達の悩みを全て解決することができたが、それは俺に可能なことであったからだろう。

 

まあ、明らかに不可能なことを相談してくる常識の無い生徒が居ないことは良いことだ。それは今のホグワーツに明確な問題児が居ないということだからな。

 

流石にジェームズ・ポッターやシリウス・ブラックのような問題児がホグワーツに早々に現れることはないようで良かった。

 

将来ジェームズ・ポッターやシリウス・ブラックの子がホグワーツへ入学するとしたら、警戒しておく必要がありそうだが、しばらくそんなことはないと断言できる。

 

幾ら名家だとしてもホグワーツを退学となったものに向けられる視線は厳しいようで、ポッター家とブラック家は、ジェームズ・ポッターとシリウス・ブラックの結婚相手を捜すことには苦労しているらしい。

 

あれから4年の月日が経過しているが、未だに結婚相手が見つかっていないジェームズ・ポッターとシリウス・ブラック。

 

遂には純血で金に困っている家に資金を提供して、未婚の純血の女性を嫁がせてもらおうかとも考えているポッター家とブラック家。

 

そんな情報がホグワーツの卒業生達から俺の元へと届く。どうやら名家である彼等の情報網は優れているようだ。

 

問題児だったジェームズ・ポッターやシリウス・ブラックの子どもが問題児になると判断している彼等は、今度は自分達の子どもが問題児達によって犠牲になるのではないかと警戒しているらしい。

 

ホグワーツには他の生徒もいるので問題児だけを教師が常に監視しておく訳にはいかないが、問題児が行動を起こす前に教師として止めておく必要があるだろう。

 

少なくとも俺の授業中は問題児達に、何もさせるつもりはない。問題児達から他の生徒を守るのも、ホグワーツの教師の務めだ。

 

翌日もホグワーツの生徒達は相談室に並び、俺に色々な相談をしていく。将来についての悩みが多いホグワーツの上級生達は、まだ進むべき道を見つけることができていないようだった。

 

教師として生徒達には進むべき道を示してやり、ついでに就職先の紹介も行っておく。一応今回相談しに来た全員には希望する就職先を紹介することができた。

 

ホグワーツの卒業生がいる就職先なので、卒業生には新しく就職することになる生徒の面倒を見てもらうように頼んでおくと、その見返りに俺が作った特製のバタービールを欲しがる卒業生は多い。

 

卒業生達の元に瓶に詰めた特製バタービールを送っておき、ついでに特製の菓子もおまけとして追加しておいた。

 

次の日もホグワーツの教師として魔法生物飼育学の授業を終えてから相談室へと向かう。相談室に並ぶ生徒達には見知った顔が混じっていた。

 

1人目の悩みはクィディッチに関する悩みで、2人目の悩みは恋人とのデートに関する悩み。本日3人目の相談者はレギュラスであり、悩みは名家であるブラック家の後継ぎとしての悩みだった。

 

長男であるシリウス・ブラックの代わりにブラック家を受け継ぐことになるレギュラス。まだ少年と言える年齢のレギュラスが背負うには重い後継者の重責。

 

魔法界の貴族として相応しい立ち振舞いをしなくてはならないということについては慣れているから問題はないようだが、ブラック家の後継者という重荷から解放された兄に対してレギュラスは思うところがあるらしい。

 

ホグワーツでのシリウス・ブラックの所業を聞いて、兄であるシリウスが後継者から外されたことについてレギュラスは納得しているが、ホグワーツで好き勝手やった奴のせいで苦労している自分は何なのだろうかと思ってしまうこともあるようだ。

 

あと3年でホグワーツを卒業してしまうことが残念だと考えてしまうのは、悪いことなんでしょうかグリンデルバルド先生と言ってきたレギュラス。

 

「それは悪いことではないさレギュラス。ホグワーツでバーティという友人を得ることができたきみにとってホグワーツでの時間が大切だったということだからな。その思い出は、大事にしておくといい」

 

そう言った俺に、はい、グリンデルバルド先生と言うレギュラスは嬉しそうに笑っていた。

 

レギュラスの笑顔を見ているとかつてのオリオンのことを思い出すことがある。

 

レギュラスの父であるオリオンもホグワーツにいた時は、よく俺に色々と相談しに来ては特製のバタービールを何杯も笑顔で飲んでいった。

 

未だに特製のバタービールを催促してくるオリオンは、よほど俺のバタービールを気に入っているようだ。

 

そんなオリオンについての話をレギュラスにしてみると、オリオンというブラック家の当主が自分と似たような悩みを抱いていたことに安堵をしていた。

 

俺と色々と会話をしていく内に笑顔が増えていったレギュラス。どうやら今まで胸の内に溜め込んでいたものを吐き出すことができてスッキリできたらしい。

 

父もグリンデルバルド先生に色々と相談していたんですね、と言うレギュラスは悩んでいたのが自分だけではないことを知ることができて、気持ちが落ち着いているようだ。

 

「ホグワーツを卒業したとしても何か困ったことがあれば、いつでも相談してくれていい」

 

そう言った俺に、困った時はそうします、ありがとうございましたグリンデルバルド先生と言って頭を下げたレギュラスは相談室から出ていく。

 

その後も相談室での生徒達からの相談に応じていき、生徒達の悩みを相談されてから、その悩みを解決に導いていった。

 

以前、旅先で知り合ったヴィーラのクーラに渡しておいた連絡用の魔道具から俺に、怪我をしているからゲラートに助けてほしいという連絡が入る。

 

闇の魔術に対する防衛術の教師であるトムに、学年別の現在の魔法生物飼育学の進行状況を教えて、魔法生物飼育学の授業をトムに任せ、アルバスに外出許可を貰うとホグワーツから飛び出した。

 

杖なし魔法で空を飛びながら魔道具である地図で、知り合いのヴィーラであるクーラの位置を確認していく。

 

しばらく高速で飛んだ先で、住みかで座るヴィーラのクーラを発見。腕と背中に魔法による深い裂傷があることから魔法族に攻撃されたことは間違いない。

 

周囲を警戒していたクーラが此方に気付くと近づいて抱きつこうとしてきたので、治療が先だと言い含めてクーラを落ち着かせてから魔法で治療を行う。

 

腕と背中の裂傷を完全に治療すると、これで問題はないわね、と抱きついてきたクーラ。

 

そのまま熱烈にキスをしようとしてくるヴィーラのクーラを引き剥がして、怪我をした状況について説明してもらうことにした。

 

知り合いのヴィーラのクーラが住みかにしている場所には強力な魔法をかけておいたので、侵入するにはアルバスやトムが死の秘宝であるニワトコの杖でも使わなければ不可能だ。

 

しかしクーラが怪我をしているとなると何か理由がある筈だな。

 

という訳でクーラが怪我をした理由を聞くと、住みかの近くで魔法使いに傷つけられている他のヴィーラ達を助けようとしたからだったらしい。

 

まるで見せつけるかのように他のヴィーラ達を傷つけていたその魔法使いに怒りを抱いたクーラは、獰猛な獣に姿を変えて魔法使いに襲いかかって怪我を負わせたが、魔法で反撃されて腕と背中を負傷したようだ。

 

その間に他のヴィーラ達は逃げ去って、怪我をした魔法使いも姿をくらましたようである。

 

クーラに許可を貰って開心術で記憶を読み、他のヴィーラ達の容姿と、魔法使いの容姿を確認した。怪我をしている他のヴィーラ達も捜し出して治療を施しておく。

 

ヴィーラ達を傷つけた魔法使いの場所を魔道具の地図で見つけ出してから、真正面から魔法使いの魔法を杖なし魔法で全て容易く弾き返していき、格の違いを教えてから心を折り、ついでに魔法使いの杖も折る。

 

俺の知り合いの魔法生物であるヴィーラのクーラは、ヴィーラの中でも美女として有名であり、クーラこそ自分に相応しいと思ったこの魔法使いは、他のヴィーラ達を捕まえて傷つけて目的のヴィーラであるクーラを呼び出そうと考えていたようだ。

 

非魔法族を相手にも練習として魔法を使っていた魔法使いが、加減を間違えて魔法で非魔法族を何回か殺害していることもわかった。

 

確実に犯罪者であることは確かなので、この国の魔法省に魔法使いを引き渡す。

 

己の欲望の為に他者や魔法生物を傷つけるような奴が魔法族にいることを知ってはいたが不愉快であることは確かだ。

 

身体の傷は治したがヴィーラ達が心に傷を負っていないかが心配になってクーラの元に戻ると、俺が怪我を治療した他のヴィーラ達に、何故か俺のことを自慢しているようだった。

 

そしてゲラートと私は相思相愛の関係、とヴィーラのクーラが言い出したところで、嘘を教えるんじゃない、と言っておく。

 

そんなクーラに俺はもう1つ聞いておかなければいけないことがあった。

 

守りの魔法が込められたネックレスを以前クーラにも渡しておいた筈だが、今のクーラはそれを持っていない。

 

その理由を聞くと、何年か前に知り合いのヴィーラの子がボーバトン魔法学校に通うことになったので、その子が怪我をしないようにと、ネックレスを渡してしまったようだった。

 

自分以外を大切にできるその気持ちは悪いことではないが、ネックレスを渡したなら、新しいネックレスを俺に頼んでほしかったところだ。

 

怒ってる?と聞いてきたヴィーラのクーラに、怒ってはいないが心配はしている、と答えた俺はクーラに自分のことも大事にしてほしいと言っておくと頷いたクーラ。

 

守りの魔法を込めた新しいネックレスを用意して、知り合いのヴィーラのクーラと他のヴィーラ達にも渡しておいた。

 

望み通りのデザインのネックレスに喜んでいたヴィーラ達。無くしたり渡したりしたらちゃんと俺に報告するようにとヴィーラ達に忠告しておく。

 

ついでに知り合いであるクーラ以外のヴィーラ達の住みかにも強力な魔法をかけておき、並みの魔法使いでは侵入できないようにしておいたが、他のヴィーラ達も喜んでいたな。

 

その後、何故か俺を誘惑をしてこようとしてきたヴィーラ達。しかし誘惑が全く効かない俺に驚いていたヴィーラ達に、俺の知り合いであるヴィーラのクーラが、ゲラートは特別よ、と笑う。

 

それからヴィーラ達を住みかに送り届けて、以前からの知り合いのクーラとしばらく話したが、ゲラートは全く変わってないわね、と嬉しそうなクーラ。

 

きみは大分優しくなった、と俺が言うと、ゲラートのせいだけど、と言ってきたヴィーラのクーラは、シルバーブロンドの髪を揺らしながら笑った。

 

そろそろホグワーツに帰ろうかと思っていたところで帰る用意をしていると、また会いましょうね、ゲラートと笑顔で言ったクーラが投げキッスをしてくる。

 

投げキッスの軌道から顔を逸らして避けた俺は、ヴィーラのクーラと別れの挨拶をしてから杖なし魔法で空を飛んだ。

 

俺がホグワーツに戻ると生徒達がグリンデルバルド先生が帰ってきた、と物凄く喜んでいたが、喜んでいた理由は俺に相談したいことがあるからだろう。

 

そう思っていたんだが、単純に俺がホグワーツに帰ってきたことを喜んでいる生徒達が多く、グリンデルバルド先生は、お疲れでしょうから今日の相談は止めておきます、と言う生徒達。

 

直ぐにでも相談室を開くように言われるかと考えていた俺は、思っていたよりも生徒達に労われて戸惑っていた。

 

そんな俺にアルバスとトムが笑顔でホグワーツの校内新聞を渡してくる。

 

校内新聞に目を通すと、アルバスが情報提供したのか、日々生徒達の悩みを解決するグリンデルバルド先生は、ホグワーツの外で助けを求める誰かを助ける為に迷わずホグワーツを飛び出していった、と大きく書かれていた。

 

他にも日々の悩み相談で俺に悩みを解決してもらった生徒達からの感謝の声も書かれており、ありがとうグリンデルバルド先生、とも書かれているようだ。

 

ゲラートは生徒達に好かれておるようじゃのう、と笑うアルバス。グリンデルバルド先生だから当然ですよ、と自慢気なトム。

 

まあ、何にせよ生徒達に感謝されて悪い気分ではない。

 

授業後も生徒達の相談で忙しかったが、多少は報われたような気がする。

 

読み終えた校内新聞を返そうとすると、それはゲラートが持っておくといいじゃろう、とアルバスが言った。

 

色々と忙しかったでしょうし、今日と明日は僕が魔法生物飼育学を受け持ちますからゆっくり休んでいてくださいグリンデルバルド先生、とトムが言う。

 

そんなに疲れてはいないんだが、と俺が言ってみると、今日も明日も、しっかり休むんじゃよゲラート、と釘を刺してくるアルバス。

 

いつの間にか連携してくるようになったトムとアルバスは仲良くなっていたのかもしれない。

 

今日と明日を含めた休暇をどう過ごすかを考えてみたが、ホグワーツの校内で過ごすことには代わりないので、好きにさせてもらうことにした。

 

朝から本を読み、豪勢な朝食を食べ終えてからも、昼まで部屋で本を読む。

 

昼食としてホグワーツの屋敷しもべ妖精に用意してもらったサンドイッチを入れたバスケットを持ちながら、ホグワーツの校内を移動していく。

 

日当たりの良い場所で杖なし魔法を使い、石から変身させた椅子に座ってサンドイッチをバスケットから取り出して、風景を見ながらサンドイッチを食べる。

 

具沢山のサンドイッチは、それなりにボリュームがあるが問題なく平らげていった。

 

デザートのフルーツサンドを食べていると生徒達の姿がちらほら見えるようになったが、此方を気にしている生徒達が多い。

 

昼休みで遊んでいる生徒達に手を振りながら、笑いかけると女子生徒達が頬を赤く染める。

 

そんな女子生徒の1人をからかう男子生徒は、どうやらその女子生徒が好きなようだ。

 

お邪魔かと思って杖なし魔法で椅子を石に戻し、部屋に戻ることにしたが、特にやることがない。

 

この前買った本は読み終えてしまったしな、と考えていると部屋がノックされる。

 

扉を開くと、部屋の前に立っていたのは魔法薬学教師のスラグホーンだった。

 

休日のところを失礼するよゲラート、と言ったスラグホーンに、用件を聞いてみると、スラグホーンが主催するスラグクラブという集まりで食べる為に、和菓子を用意してほしいとのことだ。

 

スラグクラブに参加したレギュラスやバーティが和菓子という菓子について熱心に語ったことから、他のスラグクラブに参加しているメンバーが和菓子を食べてみたいと思ったらしい。

 

しかしホグワーツの屋敷しもべ妖精も流石に和菓子は知らなかったようだ。

 

じゃあ何処でレギュラスとバーティは和菓子を食べたんだということになり、グリンデルバルド先生が用意してくれました、と正直に話した2人。

 

グリンデルバルド先生に和菓子を頼んできてください、とスラグクラブのメンバーに頼まれたスラグホーンが、それで俺のところまで和菓子を用意してもらいにやってきたようである。

 

まあ、暇だったので問題なく和菓子を用意しておき、試食をさせてみると団子を気に入ったスラグホーン。

 

三色団子を素晴らしい、と絶賛したスラグホーンは、これを多目にくれないだろうか、と自分が食べたいものを多目に頼んできた。

 

生徒達にも渡すようにと伝えて、三色団子を多目に用意すると、スラグクラブが開かれる場所まで運ぶのを手伝っておく。

 

とりあえず暇は潰せたので、よしとしておこう。

 

短い休暇が終わる前にトムから全学年の魔法生物飼育学の進行状況を聞いた俺は、次の授業の用意を進めておいた。

 

休暇が終わってから魔法生物飼育学の授業を行うと、生徒達が積極的に質問をしてきたので、質問に答えてから魔法生物飼育学に関する問題を生徒に出してみる。

 

レイブンクローの生徒だけではなく、ハッフルパフの生徒も手を上げて答えようとしてきた。

 

問題の答えをハッフルパフの生徒に聞いてみると、しっかり正しい解答をした生徒。

 

「正解だ。ハッフルパフに10点」

 

俺がそう言って、ハッフルパフに点を与えると喜んでいたハッフルパフの生徒達。

 

それからも魔法生物飼育学の授業を続けていき、何度か俺が出した問題に全て正解で答えたハッフルパフとレイブンクローに加点をしておく。

 

魔法生物飼育学の授業を終えてから相談室に向かうと、今日も生徒達が並んでいた。

 

その中にはセブルスの姿もある。

 

順番的には5番目だ。

 

生徒達からの相談を順番に聞き、今日も悩みを解決していくと、セブルスの番が来た。

 

5年生になり、精悍な顔つきになってきていたセブルスが、今回の相談内容を語っていく。

 

ホグワーツを卒業した後は、自分の代わりに魔法薬学の教師になってみないかとスラグホーン先生に言われているんですが、僕はどうしたらいいでしょうか、と言うセブルス。

 

卒業後は魔法薬学者になるつもりだったセブルスは、スラグホーンに魔法薬学の成績を高く評価されているらしい。

 

セブルスがホグワーツの教師になれる程、魔法薬学を修めているとスラグホーンに判断されていることは確かだろう。

 

スラグホーン先生にも世話になったことは確かなので、断りづらいんです、と言ったセブルスは明らかに困っている。

 

最初は助手でも構わないから、と言うスラグホーンは、押しが強かったようで、セブルスは押し切られそうになってしまったようだ。

 

考えておきます、とだけ言ってスラグホーンとの話を切り上げて逃げたらしいが、はっきりと断ることができなかったことを気にしていたセブルス。

 

何故スラグホーンがセブルスを魔法薬学の教師にしたいのか、その理由に察しがついた俺は、魔法薬学の教師は断った方がいいだろうな、とセブルスに言う。

 

おそらくは将来入学してくるジェームズ・ポッターや、シリウス・ブラックの子の相手を任せるつもりだということをセブルスに教えておくと、それは僕も嫌です、とセブルスは言い切った。

 

とりあえずセブルスはスラグホーンの申し出を断ってくるらしい。

 

そうしておいた方が正解だと俺は思う。

 

後日スラグホーンに、生徒に嫌なものを押しつけようとするのは止めておけ、と言っておくと、物凄く動揺していたスラグホーン。

 

な、な、何のことやら、と言うスラグホーンに、ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、と俺が言うとスラグホーンは驚愕していた。

 

どうやら問題児は嫁が見つかったらしいな、それでホグワーツに問題児の子どもがいずれ来ると思ったんだろう、流石にまた問題児の相手をするのは嫌だったか、と俺が言った瞬間、スラグホーンは顔を歪める。

 

わたしは、もうあんな問題児の相手はしたくないんだ、と言ってきたスラグホーンは悲痛な顔をしていた。

 

「だからといって、嫌なものを生徒に押し付けるのは違うだろうスラグホーン。それは教師として明らかに間違っている」

 

そう俺が言うと、なら、どうすれば良かったんだ、と言いながら項垂れたスラグホーン。

 

「魔法薬学の後任はアルバスに相談して捜してもらえばいい。それまでは魔法薬学の教師を続ければいいだろう」

 

優秀な生徒と仲良くするのは嫌いじゃあるまい、と付け加えておくと、スラグクラブはホグワーツでの唯一の楽しみだよ、とスラグホーンは言った。

 

後任が見つかるまでに魔法薬学の教師を続けたくなくなったら、事前にアルバスを含めた教師全員に報告するように、と言っておく。

 

突然教師が居なくなったら、それはそれで問題だからな。

 

最低限、授業内容の引き継ぎ程度は、してもらわなければ、生徒も教師も困ることは間違いない。

 

色々と会話した結果、スラグホーンは、しばらく魔法薬学の教師を続ける気になったようだ。

 

とりあえずスラグホーンが夜逃げをするということは無さそうなので、よしとしておこう。

 

セブルスがホグワーツの魔法薬学の教師にならなくても、何も問題はないな。

 

リリー・エバンズと一緒に、セブルスは末永く幸せに暮らしていけばいい。

 

そちらの方が幸せだと俺は思う。




原作と違う点

ギルデロイ・ロックハートが学生時代に校内新聞で人気者になり、ジャーナリストの道を選ぶ

ギルデロイ・ロックハートは取材をしても忘却術で忘れさせて、成果を横取りするような詐欺師になることはなく、少々誇張することはあっても正確な情報を記載するジャーナリストとなる

オリオン・ブラックが健在であり、ブラック家の当主を務めているが、たまにグリンデルバルドに特製バタービールを催促して送ってもらっている

スラグホーンが主催するスラグクラブでグリンデルバルドが用意した和菓子が提供されて、奪い合いになる

ジェームズ・ポッターの結婚相手がリリー・エバンズではない

シリウス・ブラックに結婚相手がいる

セブルス・スネイプがホグワーツの魔法薬学の教師になることがない
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