亡命者アル   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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始まり始まり


プロローグ

「ミッションの確認をする……我が国は深刻な人的、物的不足に陥っている。この現状を打開するために玄界への大規模な侵攻作戦が立案された。アル少佐、作戦内容の確認を行え」

 

「了解しました司令官閣下……我が方の遠征艇に持ち込んだトリオン兵の数バムスター50、バド50、モールモッド30、ギーキャット3以上になります」

 

 遠征艇には司令官と呼ばれた男とアルという女子高生くらいの若い兵士の2名が作戦会議をしていた

 

「過去の記録だが、4年前に玄界にこれ以上だが侵攻した国はトリオン器官を約1000個、捕虜を400人も確保して戦争に勝利した。規模は小さくなるが、これだけの数ならばトリオン器官を200いや300は確保し、捕虜を100名は連れ帰らねば我が国は滅亡してしまう。今回君の任務は敵戦闘員の排除……トップエースではないとはいえ、一応9人もの敵国のトリオン体の兵士を殺した手腕と国への忠誠心を上層部は高く評価している……期待しているぞアル少佐」

 

「はい、司令官閣下」

 

 茶番劇もはだはだしい……アルはそう感じていた

 

 祖国に忠誠心を誓っているのはそう見えた方が優遇されるからであり、そうでなければ地獄の前線に逆戻りになってしまうからである

 

 現在祖国サテラスは複数国と戦闘状態であり、アルが生まれる数ヶ月前から始まり、休戦と戦争を繰り返しながらじわじわと国力を疲弊していった

 

 常時戦争状態とも言える祖国しか見てこなかったアルにとってそれが日常であり、詰め込まれた知識も戦争に関係する者と祖国の歴史ばっかりでろくに教育もされぬまま地獄の前線に放り込まれ、なんとか10年生き延びた猛者でもあり、そんなに生きていればトリオン兵は何百と倒し、トリオン体の兵士とも幾度とも戦闘し、生き延びてきた

 

 生き延びることを最優先目標としていたためキル数は少ないが一応5人以上のトリオン体の兵士を殺していることからエースと呼ばれていた

 

 ただ祖国は徐々に徐々に押され続けた

 

 人材の枯渇、食料危機による飢餓と戦争によるにより人口減、兵士を徴兵するために熟練工の不足によるトリオン技術の悪化、母トリガーだよりの産業構造による産業の空洞化……ろくに教育を受けていないアルでも祖国はもうダメだとわかる

 

 広報部が必死に戦場の良い情報を流し続けてているが、攻められるのはもうここ数年自国ばっかりで、侵攻をするだけの戦力がもう枯渇しているのだ

 

 他国では天才と呼べるアルですらなんとかエースと呼べるくらいノーマルトリガーの技術は他国より遅れており、技術の停滞は祖国を狂気に駆り立てた

 

 ギーキャット……人を材料とした特別トリオン兵

 

 見た目は神の国と呼ばれるアフトクラトルのラービットを更に小型(ラービット3メートルに対してギーキャット2.5メートル)し、ラービットの捕獲能力を無くした代わりに機動力と近接攻撃力を上げたと広報部が報道しているトリオン兵だが、実態はラービットよりも性能の劣る模造品でしかなく、それでいて多数の赤子と敵の捕虜、政敵のトリオン器官を抽出してできた人を材料とした兵士である

 

 赤子を産み出すために生命の泉作戦と呼ばれる他国からしたら狂気の作戦、子供食いと呼ばれる作戦により国中の適正年齢の女性はどんな職業に就いていようとも人工受精で子供を産まなければならない、トリオン量が少ない子供はギーキャットの素材にならなければならないという作戦でアル自身既に12歳から現在の16歳までに3度の妊娠、出産を経験し、妊娠していようとトリオン体なら戦えるとのことで前線に出され生き延びてきた過去がある

 

 アルの子供は残念ながら適正が無く3人全てギーキャットの素材とされてしまっている

 

 涙を流しながらも戦場で戦果を上げ続けたこと、軍上層部の適性検査に合格した者の中で一番適材と判断されたことで今回の国を上げての最後の賭け……玄界襲撃作戦のメンバーに選ばれた

 

 ……遠征艇にいるトリオン兵約130体は祖国の防衛戦力から抽出したものであり、この作戦が失敗するとギーキャットの適正トリオン量が上がり、子供を産めなくなった者、兵士として使えない老人達もギーキャットの素材となってしまう……いや国が破綻し、滅亡してしまうかもしれないという本当に最後の賭けの作戦だった

 

 そんな盛大な作戦であるにも関わらず遠征艇に乗り込んだのは司令官という階級だけは高い技官と16歳の自分だけ

 

 茶番劇でしかない

 

「……時間だ。作戦行動を開始せよ」

 

「は!」

 

 自決用の毒も持った……もう失う物も無い……祖国のため、他の人の為に盛大に散ろう……それが私の役目だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボーダー本部では警報が鳴り続いていた

 

『門多数発生! 門多数発生、防衛任務中の香取隊他、B級間宮隊、吉田隊、早川隊、海老名隊、柿崎隊、新船隊、諏訪隊、東隊、弓場隊、生駒隊、A級三輪隊、加古隊、風間隊、太刀川隊は防衛任務に直ちに合流するように繰り返す……』

 

 大規模侵攻とまではいかないが門の数30の中規模侵攻とされ、A級を含む多数の部隊が投入された

 

「香取隊から連絡! 人型近界民(ネイバー)と接触、戦闘に入りました」

 

「香取隊は足止めに徹し、風間隊を向かわせる!」

 

 防衛任務全体を指揮する忍田本部長と本部所属のオペレーター達、作戦立案者達(防衛任務指揮官補佐)が戦闘モードに移行し、部隊オペレーターとの中継や映像から効率的な部隊運用方法を考えたり、立案している中、幹部のメンバーは至って冷静であった

 

「全く何処の国だ? 4年前ならいざ知らず威力偵察も無しにトリオン兵の全力投入とは馬鹿にしているのか?」

 

「鬼怒田さんの言うことはもっともですな。トラップは正常に作動しているのかな?」

 

「あぁ、今頃巨大なブレードがバムスターやモールモッド等の中型以上の敵を一刀両断している頃だろうな」

 

「トラップ正常に作動! 北部から南部に移動していたトリオン兵及び南部で密集していたトリオン兵に大打撃! こちら損害今だ0!」

 

「これでスポンサー獲得の材料に困りませんな」

 

「問題は小型トリオン兵及び飛行型だが、バドは狙撃で問題ないね。東君もいることだし」

 

「問題は香取隊が捕捉した人型ネイバーか」

 

「新型トリオン兵も確認されましたが既に太刀川隊が2体撃破、柿崎隊が戦闘中のようだが」

 

「近くに諏訪隊も居るからこちらも撃破は時間の問題でしょう。香取隊は手こずっているようだがね」

 

「香取隊の映像は出るか?」

 

「今出します!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……見通しが甘すぎですよ司令官閣下……どこが無抵抗な民の回収ですか……既にギーキャット2体にトリオン兵8割が撃破されてるじゃないですか……まだ作戦開始15分しか経過していませんよ」

 

 銃撃の弾幕を避けながら戦闘の様子をレーダーで確認していたアルは自軍が急速に弱体化……壊滅していく様子に祖国の滅亡が確実となったことを悟った

 

「司令官いかがいたします? ……司令官閣下? 司令官閣下!!」

 

 通信は無く絶句しているのか絶望して既に命を絶ったかどちらかだろう……作戦の失敗は明白の為後者の可能性が高いな

 

「まぁ威力偵察しても結果は変わらなかっただろうし、威力偵察で奇襲が失敗する可能性も考えての全力投入だったが……奇襲慣れしているな敵は……はは、笑うしかないや」

 

 トリガー技術後進国と呼ばれる玄界にここまで壊滅的被害を出しているのだから祖国の技術がいかに遅れているかを目の当たりにしてしまった

 

 玄界は4年で急速に力を付けたのに我が国は……

 

「せっかくだ……最後の最後まで足掻いてみることにしますか……」

 

 アルは覚悟を改めて決めた……とりあえず目の前の3人のトリオン体の兵士を倒すことから始める事にした

 

「キュービット起動……レーザーモード」

 

 三角形のトリオンキューブを自身の周りに多数展開し、レーザーを放つ

 

 三角形のトリオンキューブは複数の三角形が頂点を合わせる動きを取り、そこからレーザーが発射される

 

 その本数5本は地面を抉り取りながら進み、5秒間の照射で家々が吹き飛んだ

 

 レーザーや瓦礫を回避しようと3人が別々に動いた

 

 一瞬だが1対3を1対1に持ち込める場面となる

 

「ホバー」

 

 足から空気を射出して瓦礫の上を高速で移動し、ブレードで黒髪の青年(三浦)の武器ごと切断する

 

 バシューと光になって飛んでいったがこれで1対2……対応は可能だ

 

 すぐに分断されていた眼鏡をかけた白っぽいクリーム色の髪をした青年(若村)が弾丸を放ってくるがバリアで防ぎながらホバーで移動する

 

 移動しながらレーザーを2段階に分けて照射する

 

 1発目に眼鏡の青年(若村)のバリアを展開させ、本命の2発目は4発分のレーザーを一点に集中した極太レーザーでバリアごとレーザーの光に包まれた

 

 避けようとしたようだが右半身を失ったことで光になって飛んでいった

 

「若村! ちっ! 使えないわね!!」

 

 最後に残った赤と黒髪が混じった私と同じくらいの少女が青い薄い四角いトリオンでできた何か(グラスホッパー)に触れ、私に向かって飛んできて黒い小さな武器でこちらを撃ってくる

 

「トリオンを弾丸して放つ武器か……取り扱いも簡単そうで使えそうだ……鹵獲する」

 

「やれるもんならやってみなさいよ!!」

 

 両手をその武器で弾丸を放つが私の前に展開するバリアに防がれてしまう……いや、後ろに逸れた弾が追ってくる? 

 

「ハウンド」

 

「ちっ!」

 

 ホバーの空気の噴出量を増やし、地面に向かっておもいっきり吹き付け、瓦礫の壁(ビルのコンクリート壁の一部)を一瞬立て、それを背を守る盾とした

 

 弾丸を辛うじて守ったアルは壁に両足をつけて、ホバーの要領で空気を噴出し、横に高速で少女に向かって飛んでいった

 

「グラスホッパー!」

 

「機動力はこちらが上だ」

 

 また四角いトリオンでできた何かで少女は空中ジャンプをして加速するが、アルのホバーの方が速く、徐々に距離が近くなる

 

「この!」

 

「何度も食らうか」

 

 バリアを前面、上面、背面、左右に展開して防ぐと、キュービットをそのまま放つ

 

 集まればレーザーとなるが、キュービットはバラバラの状態だと弾丸をアルの手腕で自由に弾道を描く事ができる

 

 グラスホッパーという技で避けようとするが、目視しているため対象をロックオン状態であり、キュービットは全方位から少女に襲い掛かる

 

「く!?」

 

 全方位バリアで防ごうとするが、キュービットの鋭利な角による貫通力により初撃は防げても、時間差で襲い掛かるキュービットを防げるだけのバリアの耐久力は残っておらず、体に無数の穴が開く

 

「トリオンの漏洩過多……また光になって逃げる前に武器を頂く」

 

「近界民にやる武器なんか無いわよ!」

 

 武器は光になって消えてしまった

 

「トリオン体!? この武器がトリガーじゃないのか!!」

 

「残念ね!」

 

 バシューと少女は最後に笑みを浮かべて飛んでいったが、若干の悔しさも感じた

 

「あの大きな建物に光が吸い込まれる……トリオン体が破壊されても安全に脱出できるシステム……これが有ればもっと死者は減らせたかも……!?」

 

 今まで誰も居なかったハズなのにいきなり人が現れた

 

「外したか」

 

 いや違うこれはダミー! 注意が前に言った瞬間に後ろから攻撃が来る

 

 ブレードで後ろを斬るが手応え無し

 

 避けられた

 

「瓦礫の足音、気配からして2……いや3!」

 

 戦場で後天的に身に付けた近距離で殺気と視線を感覚的に見つける兵士としての経験則にのっとり敵の数を割り出した

 

 目の前に見えているのは1人、残り2人は潜んでいるが視線を感じるということは15mは離れていない

 

「キュービット!」

 

 レーザーを自身を守るように上空から円錐状にレーザーを放つ

 

「シールド」

 

 ただ全方位にやる関係で威力が低くなってしまうが、シールドというバリアを張る時は透明化はできないらしく残りの2人も姿が見えた

 

「ホバー」

 

 3名に囲まれている状態で戦うのは分が悪いため脱出を試みるが、ザクと嫌な感覚が足にした

 

 見ると足に深々とナイフの様な武器が刺さっており、左足のスラスター部分が故障し、ホバーが使えなくなった

 

 ガクンと推進力を失ったことで瓦礫に顔面から突っ込むが、ブレードを杖のようにして体勢を立て直した

 

 しかし、包囲されていることには変わり無く、短剣を使った連携技で徐々にアルは追い詰められる

 

 ブレードとキュービットを並列で使用し、手数不足を補いながらも、3対1はエースと呼ばれるアルでも厳しく遂に捕まる

 

 地面から生えた短剣(モールクロー)に右足も斬られホバーが完全に使えなくなり、ダメージの蓄積によりトリオン体も悲鳴をあげるかのごとく亀裂が入る

 

 が、伊達に何年も地獄で生き延びてきた猛者なだけあり、アルは落ち着いていた

 

 援軍無しの孤立状態、救援も期待できない、隠れるのに適した瓦礫多数、敵の目に見えている数3……全ての現状ある情報をインプットし、最適の答えを出す

 

「ミニチュアローズ」

 

 トリオン量が常人より多いアルだから使える必殺技……半径500メートルの半円状に大爆発する自爆技

 

 強制的にトリオン体で無くなるデメリットがあるが、これでヤバイ時は敵を巻き込んで逃げ続けた

 

 バシューと3つの光が飛んでいく

 

 トリオン体でなくなったことにより敵のレーダーに映らなくなるメリットもあり、すぐさま瓦礫を移動して民家の中に侵入する

 

 何年も放置されていたのか汚いが、そんなことを気にせずに警戒しながら仮眠を取ることにした

 

 眠れば再びトリオン体を作ることができるためだ

 

 アルは少しだけの仮眠を畳の部屋で座ったまま取ることした

 

 

 

 

 

 

 

 

「トリオン反応消失……防衛成功です。お疲れ様です忍田本部長」

 

「いや、まだ終わっていない……トリオン体を解除した生身の近界民が居るハズだ! 風間を呼べ! そして他の部隊は自爆した地域の周辺を探して必ず捕らえろ!」

 

「了解しましたすぐに伝達します」

 

 各部隊に再び命令が飛ぶ

 

 忍田含めトリオン体……戦闘体でなくなった敵の確保は容易いと思っていたが、アルがなぜこれ程の戦闘力で上に使い潰されずに生存できたかを思い知ることになる

 

 

 

 

 

 

 

「……30分経過……トリオン量……1割というところか」

 

 サイドエフェクト……玄界では副作用という文字が与えられている特殊能力だがアルにも備わっていた

 

【強化トリオン器官】

 

 トリオン器官の代謝が凄まじく速く、人よりも大きい

 

 心臓が大きい競走馬のスタミナが凄まじい様にトリオン器官が人よりも2周り大きいため、トリオンの回復量、トリオンの出力、トリオンの総量が増える特異体質である

 

 普通一晩眠り、食事を取ることで回復するトリオン量だが、アルは仮眠を取ることでトリオン体に戻れるまで回復していた

 

 が、アルのトリオン総量は25

 

 現在のアルのトリオン量は3と回復したといっても微々たるものであり、アルは敵の迎撃が早急に対策されたことによりトリオンを探知されていると経験則から考えだし、戦闘体にならずに物陰を隠れながら移動を開始した

 

「諏訪さん流石に戦闘地域の端にはいないでしょ」

 

「いや、俺のギャンブラーの勘が皆が探している地点には居ないと見たね……人型近界民を確保すれば二等戦功は固いからな! 必ず俺達の諏訪隊で見つけて焼き肉行くぞ」

 

「いいっすね! 諏訪さんの奢りで」

 

「おう! その為には見つけるぞ」

 

「「はい」」

 

 敵の数は3、家屋の陰から覗いて人数を把握したアルは軽い石を持って遠くに投げた

 

 カコ

 

「ん? なんか音しなかったか?」

 

「行ってみますか」

 

 男達が移動したのを見計らって移動を開始する

 

 家々の陰に隠れながら移動を繰り返し、大きな建物(スーパーマーケット)の前までたどり着いた

 

「……凄いな食料があるかもしれない」

 

 中に入るとガランとしたとした店内には何も残っておらず荒らされた後も無いため物資は持ち去られた後の様だ

 

「4年前に大規模侵攻があった際に物品を安全な場所に移動したと見るのが正しいか?」

 

 ショーケースはカビが生えたりしていて数年は使われた痕跡が無い事からアルはそう推察する

 

「ふぅ、それでも奥の部屋(店員休憩室)に椅子とテーブルがあって助かった……暗いが、この暗さなら逆に見つかることも無いだろう」

 

 アルはポケットから携帯食料噛りながら椅子やテーブル、箱等を集めて簡易的なバリケードを作る

 

「よし、裏口はこの缶詰みたいな物(空き缶)で作った音のなるトラップを仕掛けておけば良いか……ふう、やっと一息つける」

 

 カーテンを取ってきて降り立たんで重ね、複数の繋げたテーブルの上に置くことで簡易的なベッドにし横になる

 

「地図などが有れば良いのだが……そんな便利な物はないか……食料は残り2食、自決用の毒もよし……」

 

 継ぎ接ぎだらけの緑色の軍服に身を包み、これからの計画を立てる

 

「初期の作戦は失敗した。これにより祖国崩壊は確定となった。玄界に遠征能力が有った場合祖国に攻撃された場合人間爆弾計画を実行しかねない……流石に祖国も8正面だと小規模の襲撃でも防衛不可能だからな……遠征部隊同士が食い合いしてくれるのを願うしかないとは祖国も落ちた物だ……」

 

 やるべき事は決まった

 

 あの光(ベイルアウト)が飛んでいった巨大な建造物で破壊活動をする

 

 遠征艇を発見次第破壊する

 

「……手札を確認しよう」

 

 キュービット……三角形のトリオンキューブを作り、そのまま飛んでいったり重ねる事でレーザーを放てる

 

 敵にダメージを与えるならば5本のレーザーが限界で1本に絞れば確実に殺れるが隙ができてしまう

 

 ブレード……円柱状のブレードトリオン量により切れ味や長さが変わる……が、祖国の技術力の低下でトリオン量が多い私でも1.5m程にするのがやっと

 

 ホバー……空気を取り込んで放出することに少しだけ浮き上がり空中移動と放出量を調整する事で加速することができる

 

 欠点はトリオン消費が激しくて私でも2時間でトリオン不足になる……長期戦に不向きなのとホバーしていない時は重りでしかない

 

 バリア……黒色のバリア

 

 レーダー……敵と味方が分かる簡易レーダー

 

 ミニチュアローズ……自爆攻撃で残りのトリオン残量を全て爆発に転換する

 

 以上6点

 

「まず作戦決行は深夜、問題はどうやって近づくかか……地面に蓋の様な物が有ったな……これだけ人が住んでいた形跡があるのに下水道の設備が見えないのはおかしい……地下にもしやあるのでは!?」

 

 アルは下水道からの侵入が可能かもしれないと仮説を立て、ここら一帯が現在は人が生活していない様子から汚物が流れてくる地点があの建物だと断定した

 

「侵入する時に必ずトリオン体にならなければならないが、施設の下であれば敵のトリオン反応と合わせて敵のレーダーの目を掻い潜る事ができるかもしれない」

 

 作戦は決まった……後は休んでトリオン量を回復するのみ

 

 アルは目をつぶり仮眠に入る

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