亡命者アル   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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アイビス

 ブンブンと私は竹刀と呼ばれる物を振るう

 

 私が求めていた物より短いが、ボーダーで使われる弧月と呼ばれる武器の長さが約120cm程のためこの長さに慣れた方が良いと岡村さんに言われ、私は竹刀を勉強の時間以外振り続けた

 

 思い出すのは訓練兵だった頃の日々……生身の私達を教官達がボコボコにし、それを避ける、反撃する訓練を延々とやらされた

 

 痛み無くして上達は無し

 

 私はこの言葉が嫌いだった

 

 だからわざと足の骨を折り、見学の時間を無理矢理作り出して教官の癖や同期の上手い奴の避けかた、受け身の取り方等を学習した

 

 じっくり見る事ができた事で骨折が治った後私は同期と教官全ての剣筋を学習していた

 

 結果私は後半の成績はダントツでトップだったが、骨折期間訓練を休んでいたため一般兵として前線に赴く事となる

 

 ただ同期が次々に死んでいく中、訓練期間の6ヶ月で身に付けた剣筋は生存するために欠かせない物に昇華させることができた

 

 努力は嘘をつかない

 

 常にイメージをする

 

 相手よりも早く

 

 1対1、1対多数

 

 格上、格下

 

 1振り1振りに意味を持たせる

 

 目を瞑り、イメージを具体的にして素早く振るう

 

 汗が飛び散るがお構い無しに振り続ける

 

 アルの集中力は戦場の中で研ぎ澄まされ、常人のそれを凌駕していた

 

 人を斬る

 

 必要最低限の動きで最も効率的に人体にダメージを与える

 

 岡村さんに頼んで用意してもらった人体の本を解読しながらトリオン器官の位置をイメージし、首、胸、四肢の切断、第二撃、第三撃の連続斬り

 

 殺しの技を磨き続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄まじい集中力だな」

 

「はい、この前は私が正面の扉から部屋に入ったのにも気がつかずに竹刀を振り続けていました」

 

 すっかり担当となった堂田と岡村は監視カメラからアルの部屋での様子をチェックしてた

 

 アルは睡眠時間が4時間と短い

 

 健康チェックと近界民と玄界民の違いのデータ収集のために1日機材を取り付けて生活してもらった時の事だ

 

 普通の人間なら深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返すのだが、アルは眠りに入る時の15分と起きる15分前以外を深い眠りにずっと入っている

 

 その為深い眠りのトータル時間が常人と同じくらいになり、眠る時間を減らすことができた

 

 またアルはトリオン器官が常人よりも2.5倍程大きい

 

 これをアルは普通の人より2周り大きいと表現していたがその他にも違う事が幾つもあった

 

 心臓の大きさ

 

 常識の1.8倍程の巨大な心臓をしていることがわかった

 

 心肥大と呼ばれる病気ではなく常に訓練と実戦をしてきたことによるスポーツ心臓と呼ばれる物で心拍数が普通の人より少なく、1度に大量の血液を送り出せるので疲労回復が常人よりも早い

 

 骨密度

 

 常人の3倍の骨密度でこの骨が折られた事があるというのが担当者からの驚きだった

 

 アル曰く木の幹に何度も蹴りを入れて折ったとのこと

 

 腸の吸収効率

 

 腸の長さは平均的なのに吸収力が1.5倍程あるとのこと

 

 肺活量

 

 驚異の10,000ml

 

 これはトップアスリートの極一部しか到達できない領域

 

 総括……知能指数も合わせてアルは戦闘に適した身体を16歳ながらに作り上げられた

 

 トリオン器官が大きいのが他の臓器に良い影響を与えた可能性もあるが、心臓と肺活量は後天的に身に付け、残りは生まれ持った才能だと言うことがわかる

 

 サテラスはこれ以上の化物が複数名居たという事実とこれ程の逸材を一般兵として使い潰す制度の問題をボーダーの技術班理解し、堂田を通してアルに化物と呼ばれる兵士の特徴を教えてもらったりもした

 

「アル曰くトリオン量は一般兵より多いのは当たり前だが旧式のトリガーでも敵を殺す技量に優れていたらしい。アルは生存能力に特化したようだが、それを攻撃性に振り分け、運が良ければ化物の完成だ。アルは素質は有ったが我が身かわいさ余って博打打ちにはなれなかったらしいな」

 

「つまりボーダーのベイルアウトが組合わさった場合アルは初めて生存能力から攻撃性に振り分けることができるということになりませんか?」

 

「そうなった場合アルは化物になれるかもな」

 

 

 

 

 

 

 

「さて、入隊まで1週間を切ったけどアル、今日はアルの名前を決めたいと思います!」

 

 岡村さんが食事中にそんな事を言い出した

 

 ちなみに今日の食事はハンバーグ定食だ

 

 ソースとポン酢が用意されてあり、ハンバーグを半分に分けてソースとポン酢をつけてご飯と一緒に食べる

 

 これにサラダを掻き込むともう止められない

 

 ご飯を5杯もおかわりしてしまった

 

 最後はハンバーグが無くなったので味噌汁をおかずにご飯を掻き込んだが

 

「いやアル、玄界だと苗字……家の名前ってのがあるんだよ。私の場合は岡村だけど他に幸子って名前がある」

 

「なるほど……そういうのは勝手に決めて良い物なのか?」

 

「うーん、芸名等で自分で付けたり師匠につけてもらったりする事はあるけど基本的には無いかな……ただアルだけだとこっちとしては困るんだよね」

 

「何でも良いのですか?」

 

「そうだね」

 

「うーん、岡村さん何か良い案は無いかな」

 

「とりあえず日本の苗字は違和感や辻褄合わせが問題になるから和名は無しだから……ガガーリナ……アル・ガガーリナなんてどうだろうか。ガガーリンという宇宙飛行士の女性版の苗字だね。アルの顔も東欧系に近いから違和感は少ないと思うよ」

 

「じゃあそれで」

 

「まぁ基本はアルって呼ばれる様にすれば良いし、ガガーリナも書類上必要なだけだから」

 

「わかりました」

 

 こうして私の名前はアル・ガガーリナとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 入隊の5日前、岡村さんがアルにボーダーのポジションやトリガー、そしてC級隊員について教えてくれた

 

 弧月(刀)やスコーピオン(ナイフ)みたいなのを扱う近接戦のスペシャリスト 攻撃手

 

 トリオン体の技術を流用して作られた銃という武器を使い、味方との連携をしながら安定した火力を出せる 銃手

 

 センスが必要だが銃手と違い複数の弾を使い分ける事が可能、威力も射程距離、弾速も設定可能とやれることが多い 射手

 

 長距離から敵を仕留める事が可能 狙撃手

 

 攻撃手と銃手or射手を使い分けることで近中距離対応可能 万能手

 

 万能手に狙撃のトリガーを組み込んだ完全万能手

 

 工作特化の罠や味方の補助を行う 特殊工作兵

 

「まずざっとポジションを説明したけれどまずC級はポジションというよりどのトリガーを使うかを決めるんだ」

 

「岡村さんがポジションを説明したのは今後を見据えてどのポジションをするか決めておいた方が良いからですか?」

 

「そう! おすすめは攻撃手、銃手かな。ポジションの先輩も多いから教わりやすいよ」

 

「教わる? 見て盗むではなくて?」

 

「ボーダー内で競い合いもするけれど基本的に仲間だから技を教え合ったりする事もあるよ」

 

「なるほど……仲間意識が高いのですね」

 

「トリガーの説明の前にC級やC級からB級になる方法も教えようか」

 

「お願いします」

 

 岡村さん曰く、C級は見習い隊員や訓練生と呼ばれ、賃金が発生しない隊員らしい

 

 まぁどこまでいっても物納しかなかったサテラスよりはましだが

 

 アルの場合は支援金として毎月4万円と衣食を保証することが決まっており、C級になっても2ヶ月は身分証の発行が行えないとのことで外出は禁止なので服に関しては消耗品の下着は安物をまとめて貰えることになり、安物と言いながら品質の高さに驚かされたが

 

 話が逸れたがC級からB級に上がるにはポイントを貯めなければならない

 

 アルは一般の訓練生と一緒ということでこの後選ぶトリガーのポイント1000から普通はスタートし、4000ポイント貯まれば晴れてB級に昇格となる

 

 例 弧月1000やバイパー1000からスタートと言った感じ

 

 B級になれば働きに応じて賃金が発生し、今よりも快適に生活できるだろうとも言われた

 

 B級に上がるためのポイントの稼ぎ方は主に2つ

 

 訓練で良い成績を残す

 

 これは多数ある訓練毎に満点だと20ポイント

 

 これが多い、少ないと感じるかは各々だろう

 

 その他にランク戦と呼ばれる基本1対1の戦闘訓練にて相手のポイントを奪うことでポイントを稼ぐ方法があり、ランク戦は1試合で100ポイント以上上下する事がざらにあり、実力があるC級隊員がランク戦をしまくればあっという間にB級に上がれるとのこと

 

 また狙撃手だけはB級に昇格する基準が違っており、他のC級と違いA、B、C級合同での訓練を毎回行って、様々な訓練をし、それで上位15%に3週連続で入れば晴れてB級に上がれるとのこと

 

 具体的な数で言うとC級の中で上位5位以内に入ればA、B級含めて15%以内に入ることが可能だ

 

 B級に上がれるということは降格もある

 

 B級に上がった隊員がトリガーポイントを1500ポイント未満になった場合

 

 不祥事を起こした場合

 

 狙撃手は合同訓練にて3週連続で上位45%以下になった場合の3つだ

 

「まず降格はほぼ考えなくて良いB級に上がれるだけの実力が有ればC級に降格はほぼ無いからね。狙撃手だけ特殊なのは戦う距離が違う事と求められる動きが違うからね」

 

 と岡村さんは説明する

 

 続いて攻撃用トリガーの説明をしてくれた

 

 近接武器

 

 弧月……ブレード型の傑作トリガーで重さがあることで攻撃力と防御力に優れる

 

 スコーピオン……自由に形を変えられる重さの無い刃物で体のどこからでも自由に出し入れ可能

 

 レイガスト……攻防一体の重装トリガーで刃モードと盾モードを切り替えながら戦う

 

 中距離武器

 

 銃……散弾銃、拳銃、突撃銃、機関砲、擲弾銃の順に射程距離が長く、射手と比べて射程距離が20%長いのが特徴(射手もトリオン量が多ければ長距離攻撃可能 燃費の問題)、また扱いやすい

 

 弾の種類

 

 ハウンド……追尾弾

 

 バイパー……弾道を自由に設定できる変化弾

 

 メテオラ……炸裂弾

 

 アステロイド……直線的に飛ぶ基本弾

 

 この4種類のうち銃手は1枠1つの銃と弾をセットで組み込まれる

 

 例 アステロイド(突撃銃)

 ハウンド(拳銃)

 

 長距離武器

 

 イーグレット……汎用性が高い射程が一番長い狙撃銃

 

 ライトニング……射程、威力を抑えた代わりに弾速と速射性が高い一品

 

 アイビス……一撃必殺の対トリオン兵用のライフル

 

「以上が攻撃用トリガーの紹介だよ。C級はこの武器の中から1つ選ぶのB級に上がれば補助トリガー、防御トリガー等も増えるけど今は省略するよ……さて、今の説明で何かわからない点はあるかな?」

 

「アステロイドという通常弾に何か利点はありますか? ただ直線的に進む弾だと他と差別化できませんが」

 

「他の弾よりも貫通力が一番高いのが特徴だね。他の弾は付属効果があるからどうしても貫通力が低くなるから障害物があると簡単に防がれてしまうことが多々あるけどアステロイドだと薄い壁なら貫通するからある程度の障害物を無視できるわ」

 

 さらに弾について補足説明が岡村さんから入る

 

 弾には3種類の構造でできており、威力を決める弾体、弾体を空気と反応するのを防ぎ、分厚ければ分厚い程射程が伸びるカバー、その2つを飛ばす推進材の3つにわかれているらしい

 

 これにどれだけトリオンを投入するかで全体の威力も変わってくる

 

 銃手はこの比率を戦闘中に弄る事ができないが、射手は弄ることが可能で、極端な話弾体90%カバー5%推進材5%の超威力、超短距離、低速の弾を作ることも可能だ

 

「さてここまで説明したけれど何を選ぶ?」

 

「……2つ以上を鍛えることは可能ですか?」

 

「2つ以上を? 可能だけど効率は悪いよ」

 

「たぶん私の適正に一番合致しているのは弧月なんでしょうけど狙撃手3種も扱ってみたいですし」

 

「なるほど……そしたら入隊時には狙撃手の説明会に参加すると良いよ。狙撃手の訓練を受けているからって弧月でC級ランク戦に参加してはいけないなんてルールは無いからね」

 

「わかりました! ありがとうございます」

 

「よし、それじゃあ入隊希望ポジションは狙撃手に設定しておくから5日後頑張ってね」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 入隊日となり私は白い隊服を着用して広い空間に連れてこられた

 

「外人が居るぞ」

 

「綺麗……」

 

 私の事をこそこそと話されている

 

 それぐらい私の顔は目立つのだろう

 

 周りに居る人々も日本人というらしい人種でほんのり黄色の肌をしているが、私は白人と呼ばれる白い肌をしている

 

 トリオン体(戦闘体)だと髪色も真っ黒に設定しているためこの場では髪色で目立つことは無いが顔はロシア系寄りの顔をしているため目立ってしまう

 

「ねぇどこの国のハーフなの?」

 

「それとも本当に外人さん?」

 

「あー、えっとセルビアの方から来ました。ロシア系ですが日本に居たことが長い(1ヶ月)ので日本語話せます」

 

「おお! 凄い凄い日本語上手」

 

「ねぇ何歳なの?」

 

「16歳です」

 

「えー! もっと歳上かと思った! 同じ歳じゃん! よろしくね! 私水神さやか! こっちが柊響!」

 

「響ですよろしくね」

 

「私はアル・ガガーリナ。アルと呼んでください」

 

「よろしくアル」

 

「あ、皆さんそろそろ始まりますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボーダー本部長の忍田真史だ! 君達の入隊を心から歓迎する……ここにいる80名は本日よりC級……訓練生となるが、三門市だけじゃなく人類の未来は君達の双肩にかかっている! 日々精進し、正規隊員を目指して欲しい……君達と戦える日を待っている」

 

 お偉いさんが挨拶をしてくれた

 

 岡村さんから聞いていたが忍田本部長が前線指揮官らしく、私達の侵攻の際に見事な防衛術を行った凄腕の指揮官だ

 

 指揮能力だけじゃなくボーダーの黒トリガー使いを除くと最強の戦力なのだとか

 

 忍田本部長の話の後説明は嵐山隊という部隊が担当するらしい

 

 すると歓声が訓練生から上がる

 

 横に居た水神に嵐山隊ってと聞くと驚いた顔をされた

 

「知らないの! 嵐山隊はテレビとかにバンバン出ているボーダーの顔みたいな部隊よ! あの黒髪のイケメンが嵐山隊長、横の女の子が最近嵐山隊に加入した木虎さん、時枝さんに佐鳥さん!」

 

「テレビ? には疎くて良くわかりませんが凄い人達なのですね」

 

「そう! 凄いのよA級隊員でカッコいい、綺麗とか羨ましいわ」

 

 水神と柊が盛り上がっていると嵐山隊長から説明が始まる

 

「まず入隊指導(オリエンテーション)から始めるけど攻撃手と銃手、射手を希望する者はこの場に残って、狙撃手を希望する者はうちの佐鳥に着いて訓練場に移動してくれ」

 

「はーい狙撃手はこっちだよー」

 

「じゃあ水神、柊またね」

 

「またねアル」

 

「バイバイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 移動すると凄まじく広い部屋に出た

 

「ここが俺達狙撃手の訓練場」

 

「広い……」

 

「これ本当に建物の中なの!?」

 

「はいはーい説明しますねー、10フロアぶち抜きの基地の中で一番広い施設がここで、君達はこれから訓練の流れと狙撃手のトリガーを覚えて貰うよ……全部で6人かよし! じゃあ正規隊員が1人につき1人付くから正規隊員の指示に従って早速銃を握ってみよう」

 

 そう言われて私は見たことのある顔の人と組まされた

 

「よう久しぶり」

 

「えっと……東さんでしたっけ?」

 

「お! 覚えていてくれたか。東春秋よろしくアル・ガガーリナ……アル」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 東さんと組まされることは前々から決まっていたらしく、東さんから小声で説明された

 

「まず君が近界民であるというのはA級隊員には共有されてる。何か起こせばA級隊員で君を倒させて貰ういいね」

 

「はい」

 

「よし、じゃあとりあえず銃の構え方を教えよう」

 

 東さんが銃の握り方を教わり、肩に銃床をくっ付けて固定し、スコープで覗き込む

 

「これはトリオンでできているのですよね」

 

「あぁ、そうだけど」

 

「凄い加工技術ですね……サテラスではこんな物無かった……」

 

「銃を触れるのもしかして初めて?」

 

「はい……しかし、銃とはなんと美しい武器なのでしょうね」

 

「おぉ、そこまで入れ込むか……とりあえず構え方と狙い方は今簡単に教えるからもう一度構えてみて」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 これは驚いた

 

 東はアルの学習能力の速さに驚いていた

 

 構え方を1度教えただけで基礎部分はできている

 

 普通の子なら慣れるのに時間がかかるのにそれを一発でできるとなるととんだ逸材だ

 

 しかも構えてから一瞬も動かない体幹の良さ、戦闘体で筋力に補正がかかっているとはいえブレないというのは体の使い方を熟知しているということだ

 

 まだ発砲していないから狙いがちゃんとあっているか確証は無いが、スコープから顔の位置まで綺麗に真っ直ぐになっていることからしっかり覗けているとわかる

 

「狙撃手に必要なの技術は主に6つストーキング、カモフラージュ、ランドナビゲーション、忍耐力、射程判定、射撃だ。ストーキングはどれだけ相手に悟らせずに射程圏内まで行けるか、カモフラージュは隠れること、ランドナビゲーションは地理の把握により脱出と待ち伏せに必要、忍耐力はどれだけ待てるか、射程判定は射程を判断できるか、そして射撃は1撃で倒すために必要わかるな」

 

「はい」

 

「狙撃手の訓練ではこの6つを鍛える訓練をする……と時間だ佐鳥から別の説明が入る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、今君達が握って貰ったのがイーグレット! 射程距離が一番長い万能タイプ。基本これ1本でだいたいなんとかなる」

 

 佐鳥さんが別の形の銃を作り出し

 

「これが軽量タイプのライトニング……威力は低いけど弾速は一番速くて当てやすいチクチクタイプで」

 

 なんかゴツいのを佐鳥さんが担いで

 

「これが重量級のアイビス、対大型近界民様のドッカン型で威力は高いけど弾速が遅いから当てにくいかも、ただライトニングよりは射程は長いけどね」

 

「まぁ百聞は一見に如かず6人だし全員に試し撃ちをして貰うよ」

 

 そう言われて私は3種のトリガーを渡され、トリガーを起動する

 

 ライトニングから構えて放つ

 

 パス

 

 的に命中したもののやや左にずれてしまった

 

「おお、初撃から当てるか」

 

 続いて2発、3発でズレを修正し4発目にはど真ん中命中させ、5から10発目までを全て真ん中にぶち当てた

 

 イーグレットに移り初撃はやはりズレてしまったが2発目には修正3発目からはど真ん中に当て続ける

 

「……才能の塊だな」

 

 最後にゴッツイアイビスを構える

 

ズドン

 

 的を貫通して奥の壁に巨大な凹みを作る

 

 基地全体に衝撃が行き渡り地響きみたいになる

 

「おおおおお!? 巨大なくぼみが」

 

 佐鳥さんが慌てて飛んでくるが、私はアイビスの威力と反動に感動していた

 

 三脚を立てていたとはいえこれだけの威力を体で押さえられる玄界のトリガーの優秀さ、何より私が使っていたキュービットの全力集中レーザーよりも威力を出しながらも消費トリオン量が少ない

 

「素晴らしい……なんて素晴らしいトリガーだ」

 

 その後佐鳥さんは鬼怒田さんに怒られたらしいが私のトリオン量により起こされた例外だとされたがこの後に私以上のトリオン量で大穴を開ける後輩が出てくることを彼らは知らない

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