ダンジョンにポケモンの技使いがいるのは間違いなく間違っている   作:白菜を身にまとった生命体

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ダンジョンの前に

『…あのエルフ…エイナだったか。何か妙な目線だったが…』

 

『…もしかして、あれじゃない?』

 

『あぁ、『ひ』から始まって『れ』で終わる奴か』

 

『…あぁ、ベルには色恋沙汰から遠く離れた修行をさせていましたね…まさか』

 

『『…あちゃー…』』

 

「みんな何を話してるの?」

 

『『『…いや、なんでもない』』』

 

「そっか…ならちょっと寄るぞ」

 

ベルはそう言ってダンジョン入り口から離れた場所にある墓場へと向かう。古びた墓穴が立ち並ぶ中、ある墓に着いた。

 

「…多分、これがお父さんとお母さんの墓だ」

 

『作られていたか…大罪人なのだがな』

 

『多少理解できたものがいた…のかもしれませんね』

 

「…父さんと母さんはこのオラリオにいる冒険者を強くするために残り少ない命を犠牲にした。2人を誑かした悪神は許せないけど、これが2人が選んだ道なら仕方ない…かな」

 

『…だから、大剣を選んだのか』

 

「みんなの力を借りる場面も来るだろうけど、自分の力も極めたいから」

 

『そうか…さて、ダンジョンに行くぞ』

 

「うん」

 

ベルはディアルガにそう言われるとその場から離れた。

 

『…頑張れよ、ベル』

 

『俺たちが見守ってるからな』

 

「…ありがとう、父さん…母さん」

 

ベルはその瞬間に聞こえた2人の声にそう答えた。

 

 

「そらよ…っと!」

 

ベルは片腕で大剣を振るいゴブリンを倒すと大剣をしまう。

 

『力はそこまで無いはずだが…ステイタスよりも自前かはたまたあのスキルのおかげか』

 

「両方だと思うよ…とりあえず、次は五階層かな」

 

『その力なら多少大丈夫でしょう…しかし、何か感じますね』

 

「まぁ、やるだけだからね」

 

ベルは五階層へ足を踏み入れると違和感を感じながら進む。すると、

 

「ヴゥゥゥモォォォォォォ!!!!!」

 

強力な咆哮が辺りに響く。

 

「…この階層にこんな咆哮を放つモンスターが?」

 

すると、ベルの前からミノタウロスが現れる。ミノタウロスはゆっくりとベルに近づくと止まり、石斧を構える。それはまるで好敵手が相手を待ち望んでいるかのように…

 

「…そうか」

 

ベルはそのミノタウロスの真意に気づき大剣を構える。

 

『ベル』

 

「ポケモンの力は使わない…こいつは、俺の力で倒す」

 

『…こうなったベルは頑固だな』

 

『全く…』

 

『頑張って』

 

「ありがとう」

 

ベルはそう言って深く集中する。目の前にいるのは本来レベル1が戦っていいような相手ではない。普通なら逃げるのがセオリー…だが、ベルは逃げるつもりはなかった。

 

逃げるということは目の前にいる好敵手に対して侮辱を意味する。ならばこそ、ベルは

 

「行くぞ!」

 

「ヴモォォォォ!!!」

 

好敵手であるミノタウロスと対峙する。




次回 ジャイアントキリング
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